2006/12/25

ショスタコーヴィチ・イヤー

今年はドミトリ・ショスタコーヴィチ生誕100周年。2006年が終わる前に書いておかなければならんだろう、ということでお気に入りCDについて書きます(笑)。

ショスタコーヴィチの交響曲の中で、まともに聴いたことがあるのは第5番と第7番。一人の天才作曲家が、社会主義情勢の重圧の中で才能を花開かせたひとつのフォーマット。プロパガンダ的な要素はともかく、音楽的にも、聴覚効果的にも優れた両作品は、様々な演奏家の手によってレコーディングがなされている。以下に、よく聴く演奏をいくつか。

第5番「革命」。鋭い痛みが走る第1楽章冒頭のフレーズから、怒涛の!第4楽章まで、聴き手を捉えて離さない。メディアへの多くの露出によって、今ではかなりのポピュラリティを得た曲になったが、その本来の内容からすれば、ちょっと珍しいことだとも思う。

ムラヴィンスキー指揮レニングラード・フィルハーモニーのライヴ盤。1982年11月18日録音。ムラヴィンスキーがこの曲を取り上げた録音は数え切れないほどに多いが、某所で薦められていたこの録音はなかなか。ライヴにもかかわらずキズはほとんどなく、むしろ臨場感のあるテンション、勢いといったものが怖いほど。

第7番「レニングラード」。レニングラード市への敵軍の進攻から、やがて訪れる輝かしい勝利への賛歌までを描写した大作。長すぎるんじゃないか、と思わせるほどにしつこいが、演奏効果は抜群。

スヴェトラーノフ指揮ソヴィエト国立交響楽団のライヴ盤。1978年2月28日録音。金管の暴力的なまでの鳴りっぷりが凄まじく、この曲の性格を最も良く表していると思う。バーンスタイン×シカゴ響のような知的な構成感を感じさせる演奏も良いが、このような血の通ったリアルな情景を思わせる録音はもっと好きだ。

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