2006/11/09

ライヒとリゲティの鏡絵

アドルフ・サックス国際コンクール、二次予選の課題曲「ライヒとリゲティの鏡絵」。作曲はファルシャンプ氏で、タイトルの「ライヒ」「リゲティ」とはもちろんあのスティーヴ・ライヒとジェルジー・リゲティのことだ。

今回のコンクール、演奏の様子が全てストリーミングビデオで観られるということで、あちこちで話題になっているが、さっそくこの課題曲も聴くことができた。

曲は大きく分けて三つの部分からなる。「ライヒ」を意識した第一部は、単音のパルスが徐々に展開されてゆくイメージ。調性感抜群で、ファンキーなフレーズがバリバリ、とてもかっこいい。

第二部は「リゲティ」だろうか。サクソフォンが特殊奏法とアルティシモを駆使するモノローグ。重音からフラジオへの大跳躍、グロウ、微分音、高速フレーズと、技巧の見本市のようになんでもあり。

第三部は爽やかで快速なフレーズに、時折第一部や第二部のエコーを交えながら進んでゆく。最終部ではフラジオがこれでもかとばかりに連続。こりゃ凄いな。 一次予選課題曲の「Ge(r)ms」よりも、聴いていて格段に楽しい作品だと思った。技巧だけではなくて、音楽性、とかノリとか構成感、と言ったものも一緒に露呈してしまう。二次予選ともなれば、審査される部分が変わってくる、ということなのだろう。

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