2006/08/09

ラッシャーのラプソディ

バーンスタインがニューヨークフィルを振って、ドビュッシー「ラプソディ」を録音した音源がある。サクソフォーン独奏はシーグルト・ラッシャー。個人的に、やはりこの曲はマルティノン×ORTF×ロンデックスの録音あたりがトドメを刺していると思うのだが、こっちのニューヨークフィルの録音も味わいがあって好きだな。

ラッシャーがソリストとして録音したものは今ではほとんど入手ができないのだが、その数少ない貴重な音源のうちの一つ。サクソフォーンの歴史上でのラッシャーの存在を存分に伝えてくれる演奏かな、と思う。オーケストラもかなり上手く弾いているが、若干ソロパートに変更を施しつつ存在感を示すラッシャーのサックスは見事と言うほかない。ラーション「協奏曲」を録音したLPも存在するとの事で、機会があればぜひ聴いてみたいものだ。

その独特の音色は、フレンチ・サクソフォーン界からは見向きもされなかったであろう事が推測できるけれど、ラッシャーの存在はドイツやアメリカにおいてのクラシカル・サックスの礎の一つとなっていることは間違いないのだろう。

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