2006/02/19

デファイエの普遍さ

下記のデファイエの録音を何度も聴いてみているのだが…改めて彼の偉大さを感じずにはいられない。独奏としての圧倒的な存在感、どこまでも純度の高い音色、完璧なテクニック。いくら言葉を並べてみても、実際に聴いたときに湧き上がるこの独特の興奮、憧れを言い尽くせないのは分かっているのだが。

特によく取り出して聴くのが、ブートリー「ディヴェルティメント」。美しいヴィブラートを伴う高音でのソノリティは、ただただ圧巻の一言。既にいくつかの録音を持っていたのだが、技術をさらけ出すだけの曲のような印象があって、あまり好きではなかった。だがこの録音を聴いてテクニックの披露だけに留まらない、曲の持つ意外なほどの官能性に惹かれるようになったのだ。

日本を代表するユーフォニアム奏者である深石宗太郎氏のWebページ(→http://sound.jp/sotaeuph/)を眺めていたのだが、「中高生のときにデファイエ四重奏団の演奏を何度も聴いた…」との記述が。ギタリスト・作曲家の小倉昌浩氏がNHK芸術劇場のオープニングテーマにサックスを選んだのも、デファイエの演奏を聴いたことがあったから、とのこと。彼が残した録音は、その普遍的な素晴らしさゆえ意外な人までもが聴いていることがあり、驚かされる。

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