2005/12/04

The SAX 特別号

「The SAX 特別号~美しき映画音楽の世界~」入手。なんと、雲井雅人氏と栃尾克樹氏が各ソロ三曲とデュオ三曲をCDに吹き込んでいるという豪華付録つき(というか出版のメインはこちらのCDのほうなのではないか?楽譜もソロパートしか付属していないし…)。テーブルトークやインタビューなど興味深く読んだが、雑誌本体にももう少しコダワリを見せてくれても良かったかも。というわけで、メインと思われるCDを聴いてみた。

雲井氏が吹き込んだ三トラックは、誤解を恐れず言えば「ミュールのような音がする」。ピアノの柔らかい音色とあいまって、なんだか昔の録音を聴いているみたいだ。「あふれる歌へのオマージュ」のときとはまた違う、素朴ながらも強い意志を秘めたような素敵な音色。「ニューシネマ・パラダイス ~愛のテーマ~」を聴きながら映画の最後の場面を思い出して危うくホロリとしそうになったぞ。雲井氏の音色へのこだわりが徐々に実を結び始めている様を堪能することができた。

栃尾氏はなんと映画「電車男」の実際のサウンドトラックにも参加しているようで、雲井氏とはまた違った独自の美音が耳に心地よい。若干細めの線ながらも透明感のある清潔な音色で、こちらも聴きものだ(欲を言えば、ソプラノで収録してほしかったかも)。栃尾克樹氏といえばアルモの印象が強いが、どちらかというと忘れられないのが1998年のシドニーオリンピック。シンクロデュエット・フリールーティンにおいて日本がロシアに肉薄し、銀メダルを獲得したときの競技音楽「MATE」において多重録音でバリトンとアルトを持ち替えて吹いているのだ。~せつない思い~と題された中間部はアルトとハープがメロディを奏でる、そこでの美しい音色の印象が強い。ちのみにこの音源ビクターから「AQUA DREAM(VICG-60453)」というCDで出版もされている。

余談だが、本屋に注文したところすでにアルソ出版に特別号の在庫はないとのこと。つまりあとは店頭在庫のみとのことで、買おうと思っている向きは早めに探すことをお勧めする。私は版元在庫なしと判った途端慌ててYAMAHAに電話してほかの支店から取り寄せてもらい、事なきを得た。

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