明日は朝から四重奏練習であるため、今夜は筑波研修センターに宿泊する。宿泊代が安く、一往復の交通費と1000円も変わらないくらいなのだ。
2010/07/31
2010/07/30
2010/07/29
佐藤淳一"「二重の影の対話」の二重性"
日本サクソフォーン協会報"Saxophonist"のVol.22に掲載されている、超弩級の論文。ピエール・ブーレーズの「二重の影の対話」を軸にして、ブーレーズの経歴、IRCAM創設までの経緯、4Xシステムと「レポン」、作品のテーマや演奏方法についての解説、そしてさらには、文学的なアプローチで"影"や"対話"といった単語のコンテクストに迫るというもの。
著者は、おなじみ、佐藤淳一氏である。東京芸術大学院の博士課程に在籍し、これまでもベリオ、シュトックハウゼンらの作品に対し、深いアプローチを行ってきたことでも有名である(私も、大変お世話になっている)。
まず一回通して読んでみたところだが、ブーレーズの生い立ちから、初のライヴ・エレクトロニクス作品となった「レポン」の成立までの部分は、非常に体系だってまとめられており、特に前提知識がなくとも大変興味深く読める内容だと感じた。
「二重の影の対話」については、演奏方法概観が存分に示されている辺り、実際に演奏を行った(日本初演であった)佐藤氏ならではのものだ。演奏方法の工夫についても、各所にこだわりが感じられる。また、作品そのものの解説の部分で目からウロコだったのが、なんとこの「二重の影の対話」にルチアーノ・ベリオの「セクエンツァIX」や、カールハインツ・シュトックハウゼンの「友情に」のフレーズが、引用されているという事実。聴いているだけではおそらくわからないのだろうが、こうして楽譜として並べて見ると、たしかに…と納得してしまった。
「影」と「対話」のコンテクストに関する考察は、じっくりと何度か読み直してようやく主張を汲み取ることができた。佐藤氏自身も、結びにおいて、「この思索・考察が有意義であった」と述べているが、確かにこの思考過程を自分で進めていくのは、とても楽しいことかもしれない。余裕があれば、同じ轍を踏んでそれぞれの資料を追ってみたいなあ。
著者は、おなじみ、佐藤淳一氏である。東京芸術大学院の博士課程に在籍し、これまでもベリオ、シュトックハウゼンらの作品に対し、深いアプローチを行ってきたことでも有名である(私も、大変お世話になっている)。
まず一回通して読んでみたところだが、ブーレーズの生い立ちから、初のライヴ・エレクトロニクス作品となった「レポン」の成立までの部分は、非常に体系だってまとめられており、特に前提知識がなくとも大変興味深く読める内容だと感じた。
「二重の影の対話」については、演奏方法概観が存分に示されている辺り、実際に演奏を行った(日本初演であった)佐藤氏ならではのものだ。演奏方法の工夫についても、各所にこだわりが感じられる。また、作品そのものの解説の部分で目からウロコだったのが、なんとこの「二重の影の対話」にルチアーノ・ベリオの「セクエンツァIX」や、カールハインツ・シュトックハウゼンの「友情に」のフレーズが、引用されているという事実。聴いているだけではおそらくわからないのだろうが、こうして楽譜として並べて見ると、たしかに…と納得してしまった。
「影」と「対話」のコンテクストに関する考察は、じっくりと何度か読み直してようやく主張を汲み取ることができた。佐藤氏自身も、結びにおいて、「この思索・考察が有意義であった」と述べているが、確かにこの思考過程を自分で進めていくのは、とても楽しいことかもしれない。余裕があれば、同じ轍を踏んでそれぞれの資料を追ってみたいなあ。
2010/07/28
阪口新氏の生誕100周年記事
PCの調子が悪かったのは、VGAカード(とは最近は言わないのか?)のせいだったみたい。取り外して、マザーボードのオンボードVGA出力に切り替えたら、今までの不調がウソのようにバリバリと動き出した。とりあえずは、良かった、良かった。
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日本サクソフォーン協会報"Saxophonist"のVol.22に、阪口新氏の特集が組まれている。1910年生まれの阪口氏、惜しまれつつも1997年に亡くなったが、2010年となる今年は生誕100周年。日本のクラシカル・サクソフォン界をたった一人で立ち上げた張本人であり、日本のサクソフォン吹きは全員が阪口氏になんらかの影響を受けていると言っても過言ではない。
この特集記事は、生前の阪口新氏と関わりの深かった5人…石渡悠史氏、須田寔氏、冨岡和男氏、高橋冽子氏、柴田祥子氏が、思い思いにエッセイを綴る、といったもの。このような貴重なテーマについての企画や編纂に尽力されたであろう、上田卓氏を始めとする編集員の方々にまずは感謝を表したい。
石渡氏のエッセイは、自身が初の東京芸術大学のサクソフォン科の生徒となった頃からの、阪口氏との思い出。よく知られているように、もともとはクラリネット吹きであった石渡氏が、サクソフォンに転向したきっかけや、レッスン(というか実地訓練)描写、毎日コンクールに初めてサクソフォン部門が設立された年のこと(課題曲がなんとカミユ・サン=サーンスの「白鳥」!)、そして、石渡氏がカレル・フサの「協奏曲」を日本初演することになったときの、レッスン描写など、非常に楽しい内容だ。フサを持っていったときのレッスンの一部は、こんなふうに書かれている。
石渡氏「今度これをやるのですけど」
阪口氏「まあおまえ、一杯やろうよ」
石渡氏「先生、頼みますよ」
阪口氏「おお、ずいぶん高い音があるな、おまえ大丈夫か」
石渡氏「まあなんとか」
…おもしろすぎます(^^;
その他のエッセイも面白い。冨岡氏のエッセイは、阪口氏のエピソードが盛りだくさん。阪口氏、生まれはチンタオなのですね(時代を感じる…)。高橋冽子氏のエッセイは、数年前のサクソフォーン・フェスティバルのパンフレットに掲載されていたものと関連性が高い。だが、私の目はひとつの写真に吸い寄せられた…なんと、1962年のマルセル・ミュール、パリ音楽院の生徒、そして高橋氏が、パリ音楽院のレッスン室で一緒に写った写真があるではないか!これは初めて見たぞ…。写真は、入野義朗氏が撮影したものであるようっだ。
また、驚くべきは協会報の付録CDに、阪口氏の演奏が収録されていること!プログラムが凄くて、高橋冽子「アルトサクソフォンとピアノのための五楽章」の抜粋と、入野義朗の「ディヴェルティメント(!)」の抜粋。日本産のサクソフォンを含む室内楽作品としては、記念碑的なものの一つである「ディヴェルティメント」だが、まさか阪口氏の録音が残っているとは思わなかった。ぜんぶ聴いてみたいなあ。
…非常に貴重な資料である。日本でサクソフォンを吹いているならば、読まねばなるまい。
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日本サクソフォーン協会報"Saxophonist"のVol.22に、阪口新氏の特集が組まれている。1910年生まれの阪口氏、惜しまれつつも1997年に亡くなったが、2010年となる今年は生誕100周年。日本のクラシカル・サクソフォン界をたった一人で立ち上げた張本人であり、日本のサクソフォン吹きは全員が阪口氏になんらかの影響を受けていると言っても過言ではない。
この特集記事は、生前の阪口新氏と関わりの深かった5人…石渡悠史氏、須田寔氏、冨岡和男氏、高橋冽子氏、柴田祥子氏が、思い思いにエッセイを綴る、といったもの。このような貴重なテーマについての企画や編纂に尽力されたであろう、上田卓氏を始めとする編集員の方々にまずは感謝を表したい。
石渡氏のエッセイは、自身が初の東京芸術大学のサクソフォン科の生徒となった頃からの、阪口氏との思い出。よく知られているように、もともとはクラリネット吹きであった石渡氏が、サクソフォンに転向したきっかけや、レッスン(というか実地訓練)描写、毎日コンクールに初めてサクソフォン部門が設立された年のこと(課題曲がなんとカミユ・サン=サーンスの「白鳥」!)、そして、石渡氏がカレル・フサの「協奏曲」を日本初演することになったときの、レッスン描写など、非常に楽しい内容だ。フサを持っていったときのレッスンの一部は、こんなふうに書かれている。
石渡氏「今度これをやるのですけど」
阪口氏「まあおまえ、一杯やろうよ」
石渡氏「先生、頼みますよ」
阪口氏「おお、ずいぶん高い音があるな、おまえ大丈夫か」
石渡氏「まあなんとか」
…おもしろすぎます(^^;
その他のエッセイも面白い。冨岡氏のエッセイは、阪口氏のエピソードが盛りだくさん。阪口氏、生まれはチンタオなのですね(時代を感じる…)。高橋冽子氏のエッセイは、数年前のサクソフォーン・フェスティバルのパンフレットに掲載されていたものと関連性が高い。だが、私の目はひとつの写真に吸い寄せられた…なんと、1962年のマルセル・ミュール、パリ音楽院の生徒、そして高橋氏が、パリ音楽院のレッスン室で一緒に写った写真があるではないか!これは初めて見たぞ…。写真は、入野義朗氏が撮影したものであるようっだ。
また、驚くべきは協会報の付録CDに、阪口氏の演奏が収録されていること!プログラムが凄くて、高橋冽子「アルトサクソフォンとピアノのための五楽章」の抜粋と、入野義朗の「ディヴェルティメント(!)」の抜粋。日本産のサクソフォンを含む室内楽作品としては、記念碑的なものの一つである「ディヴェルティメント」だが、まさか阪口氏の録音が残っているとは思わなかった。ぜんぶ聴いてみたいなあ。
…非常に貴重な資料である。日本でサクソフォンを吹いているならば、読まねばなるまい。
2010/07/27
情報:Twitter対談"今時の作曲"
サクソフォン奏者として有名な大石将紀氏、そして、イギリス在住の新進気鋭の作曲家である藤倉大氏が、今週金曜日の22時からTwitter上で対談を行う。テーマは"今時の作曲"。
大石将紀氏は自身が出演した「B→C」リサイタルに際して、藤倉大氏へ新作の委嘱を行った。その結果出来上がったテナーサクソフォンソロのための「SAKANA」という作品は、大石氏との綿密なコラボレーションの中で、徐々に形を得ていったのだという。メールやSkypeをフル活用し"オーダーメイドの服を作るような感覚で"作曲された同作品は、無伴奏の傑作として、その後も大石氏により何度も再演されているのは御存知の通り。
この対談では、そのあたりのエピソードも含めていろいろと聞けるのではないかなー、と期待している。基本的には「対談」という形式だが、@を利用して外部から絡むこともできるはず。この辺りの扱いはどうなるのだろうか。
詳細は以下のリンクからどうぞ。フォローすべきアカウントや、その他の情報がいくつか掲載されている。
http://jscm1930.blogspot.com/2010/07/twitter.html
ちなみにkuriのアカウントは、「kuri_saxo」です(と、さりげなくアピール)。
大石将紀氏は自身が出演した「B→C」リサイタルに際して、藤倉大氏へ新作の委嘱を行った。その結果出来上がったテナーサクソフォンソロのための「SAKANA」という作品は、大石氏との綿密なコラボレーションの中で、徐々に形を得ていったのだという。メールやSkypeをフル活用し"オーダーメイドの服を作るような感覚で"作曲された同作品は、無伴奏の傑作として、その後も大石氏により何度も再演されているのは御存知の通り。
この対談では、そのあたりのエピソードも含めていろいろと聞けるのではないかなー、と期待している。基本的には「対談」という形式だが、@を利用して外部から絡むこともできるはず。この辺りの扱いはどうなるのだろうか。
詳細は以下のリンクからどうぞ。フォローすべきアカウントや、その他の情報がいくつか掲載されている。
http://jscm1930.blogspot.com/2010/07/twitter.html
ちなみにkuriのアカウントは、「kuri_saxo」です(と、さりげなくアピール)。
2010/07/26
サクソフォーン協会誌2010
つい先日、2010年のサクソフォーン協会誌が到着した。相変わらずの素晴らしいコンテンツで、その充実ぶりに驚かされる。私が初めて手にとった協会誌はほんの30ページほど…それがたったの数年前のことだから、ちょさの方々のみならず、近年の編纂委員会の方々のご尽力に感謝したいところだ。
私は一昨年、昨年と、連続して記事を掲載してもらっていたが、今年は書けなかった。ちょっと悔しかったので、来年はがんばって一本書いてみる予定。構想もすでにいくつかある。
以下に、内容を大まかに紹介する。阪口新氏の生誕100周年記念特集と、佐藤淳一氏によるブーレーズ「二重の影の対話」の記事は、このブログ上でまた改めて取り上げたい。
・阪口新先生生誕100周年記念:日本サクソフォーン協会名誉会長 阪口新
石渡悠史氏、須田寔氏、冨岡和男氏、高橋冽子氏、柴田祥子が、阪口新氏の思い出をエッセイ風に綴った特集。巻頭カラーも連動して、非常に貴重な写真がいくつも。
・P.ブーレーズ「二重の影の対話」の二重性について~私は誰と対話しているのか?~
佐藤淳一氏の論文。気合いの入った内容で、特に4x~Max/MSPのくだりは大変面白く拝見している。フランスのライヴ・エレクトロニクスに興味がある向きに、非常にオススメ。
・第15回ワールド・サクソフォン・コングレス レポート
大森義基氏が著したレポート。個人的には、全プログラムのリストに興味があるなー。
・中国雑感~国際クラリネット・サクソフォンフェスティバルに参加して~
上記催しに、日本サクソフォーン協会より派遣された、彦坂眞一郎氏のレポート。残念ながら、他の方の演奏の様子は書いていないのだが、雰囲気が伝わってくるような素敵な文章。やっぱ面白いや。
・DuoXの世界。
サクソフォンとバスクラリネットを軸にした団体、DuoXの紹介とライヴレポート。サクソフォンはオランダ在住の佐藤尚美さん。オランダの最新鋭のコンテンンポラリー・パフォーマンスというものは観たことがないのだが…機会がないかな。
・アドルフ・サックスの国から
ラムロ=沖 恵子さんのベルギー・レポート。ラムロ=沖さんの名前は存じ上げなかったのだが、名古屋音楽大学を卒業されて、フランスへ留学し、現在はベルギーに在住しながら、ブリュッセル音楽院でアラン・クレパン氏に師事されているそうだ。
・伊藤あさぎのフランス留学日記
タイトル通りです(笑)。パリ国立高等音楽院修士課程在学中の、伊藤あさぎさんのレポート。ブログでも読んだ普段の生活などの内容に加え、フランスの音楽教育などについても体系的に説明されており、面白かった。
その他、第29回サクソフォーンフェスティバル報告、富山サクソフォーンフェスティバル&富山サクソフォーン倶楽部第10回演奏会レポート、第7回アンサンブル・コンクールレポート、音大生によるサクソフォーン四重奏の夕べ2010報告(おおお、東京M&M尚美がラクールをやってるぞ!)、第7回サクソフォーン新人演奏会報告。
この一冊だけで、一週間は飽きないかも(笑)。まだ会員でない方は、この機会にぜひ!
私は一昨年、昨年と、連続して記事を掲載してもらっていたが、今年は書けなかった。ちょっと悔しかったので、来年はがんばって一本書いてみる予定。構想もすでにいくつかある。
以下に、内容を大まかに紹介する。阪口新氏の生誕100周年記念特集と、佐藤淳一氏によるブーレーズ「二重の影の対話」の記事は、このブログ上でまた改めて取り上げたい。
・阪口新先生生誕100周年記念:日本サクソフォーン協会名誉会長 阪口新
石渡悠史氏、須田寔氏、冨岡和男氏、高橋冽子氏、柴田祥子が、阪口新氏の思い出をエッセイ風に綴った特集。巻頭カラーも連動して、非常に貴重な写真がいくつも。
・P.ブーレーズ「二重の影の対話」の二重性について~私は誰と対話しているのか?~
佐藤淳一氏の論文。気合いの入った内容で、特に4x~Max/MSPのくだりは大変面白く拝見している。フランスのライヴ・エレクトロニクスに興味がある向きに、非常にオススメ。
・第15回ワールド・サクソフォン・コングレス レポート
大森義基氏が著したレポート。個人的には、全プログラムのリストに興味があるなー。
・中国雑感~国際クラリネット・サクソフォンフェスティバルに参加して~
上記催しに、日本サクソフォーン協会より派遣された、彦坂眞一郎氏のレポート。残念ながら、他の方の演奏の様子は書いていないのだが、雰囲気が伝わってくるような素敵な文章。やっぱ面白いや。
・DuoXの世界。
サクソフォンとバスクラリネットを軸にした団体、DuoXの紹介とライヴレポート。サクソフォンはオランダ在住の佐藤尚美さん。オランダの最新鋭のコンテンンポラリー・パフォーマンスというものは観たことがないのだが…機会がないかな。
・アドルフ・サックスの国から
ラムロ=沖 恵子さんのベルギー・レポート。ラムロ=沖さんの名前は存じ上げなかったのだが、名古屋音楽大学を卒業されて、フランスへ留学し、現在はベルギーに在住しながら、ブリュッセル音楽院でアラン・クレパン氏に師事されているそうだ。
・伊藤あさぎのフランス留学日記
タイトル通りです(笑)。パリ国立高等音楽院修士課程在学中の、伊藤あさぎさんのレポート。ブログでも読んだ普段の生活などの内容に加え、フランスの音楽教育などについても体系的に説明されており、面白かった。
その他、第29回サクソフォーンフェスティバル報告、富山サクソフォーンフェスティバル&富山サクソフォーン倶楽部第10回演奏会レポート、第7回アンサンブル・コンクールレポート、音大生によるサクソフォーン四重奏の夕べ2010報告(おおお、東京M&M尚美がラクールをやってるぞ!)、第7回サクソフォーン新人演奏会報告。
この一冊だけで、一週間は飽きないかも(笑)。まだ会員でない方は、この機会にぜひ!
2010/07/25
Cross-Road39にて
しらこばと音楽団にテナーサックスで参加し、西川口のCross-Road39で吹いてきた。西川口駅からはかなり離れた、オートレース場の近くにあるライヴハウス。駅からは、mckenさんの車に乗せてもらって移動した。
本日この会場で行われていたイベントは、とあるアマチュア音楽家の方の総合プロデュースのもと、ご自身のお知り合いを一同に集めて、様々なジャンルの曲を演奏してしまおう、というイベント。その方は、歌、トロンボーン、コーラス、MCとして、3部にわたるステージを創り上げていた。
しらこばと音楽団は、2部に登場。演奏者は、ニジマスさんの旦那さん(asax)、ニジマスさん(a,tsax)、kuri(tsax)、mckenさん(bsax)、やまーさん(perc)というメンバー。ニジマスさんの旦那さんとは初共演となったが、完璧なジャズのバックグラウンドを持っており、エモーショナルな歌い方・フレージングに惚れ惚れ。その他のみなさまも、ひとつ飛び抜けたツワモノぞろい。いやあ、本当に勉強になりました。
・L-O-V-E
・Close to You
・となりのトトロメドレー
・長崎は今日も雨だった
「L-O-V-E」(ナット・キング・コールの曲なんだ~)は、attbという珍しい編成の譜面で、妙にテクニカルかつ微妙にソロが…ということで苦労したが、周りの方のサポートによりなんとかなった(^^;それにしても、やっぱり「長崎は今日も雨だった」はイイですね。編曲もいいし、吹いていて気持ちいいし、なによりウケが良い。大きな拍手をいただいて、ステージを終えることができた。
その他のステージも、非常に趣向が凝らされたもので、歌に、ジャズに、昭和歌謡にと、出演者ながら最後まで存分に楽しんでしまった。主催者のお人柄、つながりの強さが垣間見えるような、ハートフルな(かつ、アマチュアの音楽家とは思えないほどに驚異的にレベルが高い)ステージであった。それにしても、数曲、演奏と共演していたポールダンサーのお二人にはびっくりしたなあ。ポールダンスっていうと、あまり一般的にジャンルとして確立されている感覚はなかったのだが、れっきとしたダンスの一種なのですね。いやー、すごかった。
本日この会場で行われていたイベントは、とあるアマチュア音楽家の方の総合プロデュースのもと、ご自身のお知り合いを一同に集めて、様々なジャンルの曲を演奏してしまおう、というイベント。その方は、歌、トロンボーン、コーラス、MCとして、3部にわたるステージを創り上げていた。
しらこばと音楽団は、2部に登場。演奏者は、ニジマスさんの旦那さん(asax)、ニジマスさん(a,tsax)、kuri(tsax)、mckenさん(bsax)、やまーさん(perc)というメンバー。ニジマスさんの旦那さんとは初共演となったが、完璧なジャズのバックグラウンドを持っており、エモーショナルな歌い方・フレージングに惚れ惚れ。その他のみなさまも、ひとつ飛び抜けたツワモノぞろい。いやあ、本当に勉強になりました。
・L-O-V-E
・Close to You
・となりのトトロメドレー
・長崎は今日も雨だった
「L-O-V-E」(ナット・キング・コールの曲なんだ~)は、attbという珍しい編成の譜面で、妙にテクニカルかつ微妙にソロが…ということで苦労したが、周りの方のサポートによりなんとかなった(^^;それにしても、やっぱり「長崎は今日も雨だった」はイイですね。編曲もいいし、吹いていて気持ちいいし、なによりウケが良い。大きな拍手をいただいて、ステージを終えることができた。
その他のステージも、非常に趣向が凝らされたもので、歌に、ジャズに、昭和歌謡にと、出演者ながら最後まで存分に楽しんでしまった。主催者のお人柄、つながりの強さが垣間見えるような、ハートフルな(かつ、アマチュアの音楽家とは思えないほどに驚異的にレベルが高い)ステージであった。それにしても、数曲、演奏と共演していたポールダンサーのお二人にはびっくりしたなあ。ポールダンスっていうと、あまり一般的にジャンルとして確立されている感覚はなかったのだが、れっきとしたダンスの一種なのですね。いやー、すごかった。
2010/07/23
John Harle SQの抜粋録音
かつて、John Harle Saxophone Quartetという四重奏団が存在したそうだ。結成後、それほど活動しないうちに休止状態に入ってしまい、その実態をよく知ることはできない。Clarinet ClassicsからCDがリリースされるという噂もあったのだが、その話も無くなったようだ。以前、ハール氏のマネージャーに問い合わせた時も、休止状態であり、コンサート、レコーディング、その他モロモロの予定はない、と返答を得た。
というわけで、リアルタイムで触れられないのが残念だが、バリトンを吹いていたフィンドン氏の昔のページに、抜粋録音が数曲アップロードされている。
http://www.flute.f2s.com/sound.htm
ここで聴けるのは、クルト・ヴァイル「三文オペラ」、デザンクロ「"四重奏曲"より第2楽章」、アストル・ピアソラ「タンゴの歴史より"Bordel 1900"」の3曲。どれも1分程度しか聴けないのだが、John Harle SQの演奏スタイルを知るには十分。
ヴァイルやピアソラの演奏を聴いてみてくださいな。ハールはグロウしまくりだし、内声の2人はところ構わずバンバン表に出てくるし、フィンドン氏はとんでもない音色だし(どんなセッティングなんだろうか)…。初めて聴いたときは、センセーショナルだった。今でこそ耳が慣れて普通に聴けるようになったけれど、それでも強烈。
というわけで、リアルタイムで触れられないのが残念だが、バリトンを吹いていたフィンドン氏の昔のページに、抜粋録音が数曲アップロードされている。
http://www.flute.f2s.com/sound.htm
ここで聴けるのは、クルト・ヴァイル「三文オペラ」、デザンクロ「"四重奏曲"より第2楽章」、アストル・ピアソラ「タンゴの歴史より"Bordel 1900"」の3曲。どれも1分程度しか聴けないのだが、John Harle SQの演奏スタイルを知るには十分。
ヴァイルやピアソラの演奏を聴いてみてくださいな。ハールはグロウしまくりだし、内声の2人はところ構わずバンバン表に出てくるし、フィンドン氏はとんでもない音色だし(どんなセッティングなんだろうか)…。初めて聴いたときは、センセーショナルだった。今でこそ耳が慣れて普通に聴けるようになったけれど、それでも強烈。
2010/07/22
Young Composer Projectについて(寄稿)
広島県にお住まいのH様より、大変貴重な情報を教えていただいたので、ご紹介したい。私自身のきっかけは、ロバート・ムチンスキーの「Fuzzette - The Tarantula(1962)」の作曲経緯を疑問に思ったこと。H様は、Young Composer Projectの研究者であり、同曲がそのプロジェクトの中で書かれたものということで、詳しい作曲経緯を教えていただいた。
実に興味深い内容。ぜひ、とお願いしたところ、快く公開のお許しを頂いた。以下、お送りいただいた原文のまま掲載する。YCPについては、H様がおっしゃるとおり、ほとんど知られていないのでは。こういった意義のある・意味のある活動が、アメリカの音楽教育黎明期を支えていたと思うと、とても興奮する。
----------
1950年代後半のアメリカでは、スプートニクショックに起因する大規模な教育改革が実施されていました。公立学校の音楽科においてもそれは例外ではなく、バンドやオーケストラ、合唱といった特定の演奏媒体による特定のレパートリーの演奏に必要な技術獲得、という過度な実践主義を見直し、音楽の多様な側面、具体的にはそれまで軽視されていた作曲や現代音楽、あるいはそれらを含めた音楽の知的側面を強調しようとする動きがありました。
その最たる例が1959年に発足したYoung Composer Project(青年作曲家計画、以下YCP。Kuriさんもベンソンのインタビューに関する記事で触れられていたContemporary Music Projectの前身です)です。これは若い作曲家を特定の公立学校に派遣し、そこの生徒のために曲を書かせる、というもので、作曲家は自分の作品の音を出してくれる特定の演奏グループを持つことができ、生徒は現代音楽やその創作過程に直に触れることができる、といういわば一石二鳥の利点をねらったものでした。
そして、ご想像の通り、YCPに選出された作曲家の1人がムチンスキーであり、その際に作曲したのがFuzzetteというわけです。彼がこのような編成で作品を書いた詳細な意図はわかりませんが、派遣された学校の実態に合った、特定の教育目的を有した作品であることは間違いないでしょう。タランチュラという副題についての詳細はわかりませんでしたが、テネシー大学の音楽学部がAmals of the Worldと題したコンサートで取り上げていることからも、単なる暗喩ではなく動物としての蜘蛛をモチーフにした作品であることが推測されます。
余談ですが、このプロジェクトには、ベンソン、ハイデン、ダール、バセットといったサックス吹きにはお馴染みの作曲家に加え、なんとフィリップ・グラスやドナルド・アーブ、ノーマン・デロ・ジョイオといった著名な作曲家が関与しています。サキソフォン関連では、アーブがこのプロジェクトでフルート、アルトサックス、トランペット、トロンボーン、チェロ、ピアノのためのHexagonという作品を書いており、どのような作品か気になっているところです。他にもJoseph Pennaという作曲家がFl,cl,saxs,percという編成でThe Snakesという曲を書いているようです。
アメリカでは作曲で生計を立てている作曲家が公立学校の音楽科教育に関与していたという事実は非常に興味深いですね。むしろ、音楽の専門教育というよりも音楽の先生になるための教育を受けた学生が学校で教える日本のシステムの方が特異なのかもしれませんが・・・。
【参考文献】
Contemporary Music Project / MENC
Contemporary Music for School(1965)
YCPで作曲された作品の目録です。CMPと並んで著者になっているMENCとはMusic Educators National Conferenceの略で、アメリカの音楽教育に最も影響力のある組織です。
Contemporary Music Project / MENC
Creative Projects in Musicianship(1966)
先述の著書と同じCMPシリーズです。CMPシリーズは他にも幾つかあります。この著書は現代音楽の作曲テクニックを音楽専攻の学生や現役の教師に教えることを目的としたパイロットプロジェクトの報告書で、ベンソンが監修しています。内容は現在検討中で、ベンソンの音楽観、あるいは音楽教育観を見ることができるかと思っています。
Music Educators National Conference
The Contemporary Music Project for Creativity in Music Education
Music Educators Journal, Vol.56, 1968, pp.41-73.
米国を対象とした音楽教育学の歴史研究ではよく取り上げられるMusic Educators Journalという米国の音楽教育雑誌の記事です。CMPがYCP時代までさかのぼって特集されています。
実に興味深い内容。ぜひ、とお願いしたところ、快く公開のお許しを頂いた。以下、お送りいただいた原文のまま掲載する。YCPについては、H様がおっしゃるとおり、ほとんど知られていないのでは。こういった意義のある・意味のある活動が、アメリカの音楽教育黎明期を支えていたと思うと、とても興奮する。
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1950年代後半のアメリカでは、スプートニクショックに起因する大規模な教育改革が実施されていました。公立学校の音楽科においてもそれは例外ではなく、バンドやオーケストラ、合唱といった特定の演奏媒体による特定のレパートリーの演奏に必要な技術獲得、という過度な実践主義を見直し、音楽の多様な側面、具体的にはそれまで軽視されていた作曲や現代音楽、あるいはそれらを含めた音楽の知的側面を強調しようとする動きがありました。
その最たる例が1959年に発足したYoung Composer Project(青年作曲家計画、以下YCP。Kuriさんもベンソンのインタビューに関する記事で触れられていたContemporary Music Projectの前身です)です。これは若い作曲家を特定の公立学校に派遣し、そこの生徒のために曲を書かせる、というもので、作曲家は自分の作品の音を出してくれる特定の演奏グループを持つことができ、生徒は現代音楽やその創作過程に直に触れることができる、といういわば一石二鳥の利点をねらったものでした。
そして、ご想像の通り、YCPに選出された作曲家の1人がムチンスキーであり、その際に作曲したのがFuzzetteというわけです。彼がこのような編成で作品を書いた詳細な意図はわかりませんが、派遣された学校の実態に合った、特定の教育目的を有した作品であることは間違いないでしょう。タランチュラという副題についての詳細はわかりませんでしたが、テネシー大学の音楽学部がAmals of the Worldと題したコンサートで取り上げていることからも、単なる暗喩ではなく動物としての蜘蛛をモチーフにした作品であることが推測されます。
余談ですが、このプロジェクトには、ベンソン、ハイデン、ダール、バセットといったサックス吹きにはお馴染みの作曲家に加え、なんとフィリップ・グラスやドナルド・アーブ、ノーマン・デロ・ジョイオといった著名な作曲家が関与しています。サキソフォン関連では、アーブがこのプロジェクトでフルート、アルトサックス、トランペット、トロンボーン、チェロ、ピアノのためのHexagonという作品を書いており、どのような作品か気になっているところです。他にもJoseph Pennaという作曲家がFl,cl,saxs,percという編成でThe Snakesという曲を書いているようです。
アメリカでは作曲で生計を立てている作曲家が公立学校の音楽科教育に関与していたという事実は非常に興味深いですね。むしろ、音楽の専門教育というよりも音楽の先生になるための教育を受けた学生が学校で教える日本のシステムの方が特異なのかもしれませんが・・・。
【参考文献】
Contemporary Music Project / MENC
Contemporary Music for School(1965)
YCPで作曲された作品の目録です。CMPと並んで著者になっているMENCとはMusic Educators National Conferenceの略で、アメリカの音楽教育に最も影響力のある組織です。
Contemporary Music Project / MENC
Creative Projects in Musicianship(1966)
先述の著書と同じCMPシリーズです。CMPシリーズは他にも幾つかあります。この著書は現代音楽の作曲テクニックを音楽専攻の学生や現役の教師に教えることを目的としたパイロットプロジェクトの報告書で、ベンソンが監修しています。内容は現在検討中で、ベンソンの音楽観、あるいは音楽教育観を見ることができるかと思っています。
Music Educators National Conference
The Contemporary Music Project for Creativity in Music Education
Music Educators Journal, Vol.56, 1968, pp.41-73.
米国を対象とした音楽教育学の歴史研究ではよく取り上げられるMusic Educators Journalという米国の音楽教育雑誌の記事です。CMPがYCP時代までさかのぼって特集されています。
2010/07/21
吹奏楽の名曲コンサート
今年のサクソフォン協会誌もまた、すごい。阪口新特集、ブーレーズを軸に、各種レポートがたくさん。うーん、盛りだくさん。来年は記事を書こうっと。
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【洗足学園音楽大学グリーン・タイ・ウィンドアンサンブル演奏会】
出演:ダグラス・ボストック(cond)、グリーン・タイ・ウィンドアンサンブル
日時:2010年7月21日 19:00開演
会場:洗足学園音楽大学前田ホール
料金:1000円(全席自由)
プログラム:
A.コープランド - 市民のためのファンファーレ
D.ミヨー - フランス組曲
I.ストラヴィンスキー - エボニー・コンチェルト
P.ヒンデミット - 交響曲変ロ調
P.A.グレインジャー - リンカーンシャーの花束
会社の残業ができない日であったし、会場も近いし、入場料も安いし、、、ということで、聴きに行った。なにより一番の動機は、このプログラム!久々に「吹奏楽」を聴いてみたいと思わせる曲目だ。もちろん、曲目解説は、音楽監督の伊藤康英先生。これも楽しみで。
コープランドを演奏会の冒頭に配置したことからして、並みの演奏会とは一線を画している。「ファンファーレ」という古典的な身なりはしているけれど、実際の中身は精緻に書き付けられたポリフォニー。聴いているこちらとしても、頭をフル回転させなければいけない。
続くホルストは、第1楽章がびっくりするほど速くて、感動の間もなく終わってしまったのだが(笑)第2、3楽章はさすがの出来映えだった。指揮が空中に放たれた瞬間、一部支えを失ってふらつくのは、学生のウィンドアンサンブルという点からすると致し方ない部分もあるかな。ボストック氏の指揮は初めて観たが、意外とテンポも表現も自由な(一部不真面目な)感じ。CDなどで聴くとカッチリした印象も受けていたので、意外だった。ホルスト「第一組曲」については、最近伊藤康英先生が自筆譜を基にした改訂版の作成を発表したそうだ。7/25には、洗足学園音楽大学にて、研究発表会が予定されている人のこと。詳細はこちらから。
「フランス組曲」は良かった!シンプルなリズムの構造が絶妙なバランスで聴こえてきて、さらに奏者の共感も感じられる。感想が前後するが、最後に演奏された「リンカーンシャーの花束」も、同じ。個人的には、この2曲が本日印象深い演奏だった。こういったレベルの高い演奏を気軽に聴けるのは、音楽大学主催の演奏会の良いところ。さらに進んで「エボニー・コンチェルト」「交響曲変ロ長調」は、きちんと聴くのは初めてだった。さすがに、「エボニー・コンチェルト」難解なリズム処理に、「交響曲」は主題の難しさに、それぞれやや翻弄されたか…!という感じだったが、両方ともなかなかの健闘ぶり。プロフェッショナルがやっても難しい曲だものな。
トリの「リンカーンシャーの花束」は、実に良くさらいこんであって、指揮者と演奏者と、さらに聴衆の深い共感を感じた。第6楽章「行方不明の婦人が見つかった」は、ご存知のとおり、表面上は比較的軽めの装いなのだが、実演を聴くとすごいのですよ。サクソフォン・セクションが揃ってテーマを演奏するあたりから、グレインジャーという作曲家がいかにウィンドアンサンブル、そしてサクソフォンを愛していたかが、実に良くわかるスコア。そして、今日の演奏は、それを体言した演奏だったように思う。
プログラムノートに引用されていた作曲家の言葉(「リンカーンシャーの花束」のプログラム・ノートから)を、ここにも掲載しておきたい。
アンコールは、グレインジャーの「イェ・バンクス・オ・ボニー・ドゥーン」と、伊藤康英先生がこの演奏会のために書き下ろした「にっぽんモーリス」。伊藤康英先生の新作は、以前からTwitterでも話題となっていたが、グレインジャー風のスペシャルなコンサート・ピース!
今日演奏された曲はいずれも、「吹奏楽だからこそ」「吹奏楽ならでは」「吹奏楽でなければいけない」といった枕詞がつく作品ばかりだ。こういう曲ばかりならば、吹奏楽がクラシック音楽のいちジャンルとして捉えられてもおかしくない、と思うのであった。
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【洗足学園音楽大学グリーン・タイ・ウィンドアンサンブル演奏会】
出演:ダグラス・ボストック(cond)、グリーン・タイ・ウィンドアンサンブル
日時:2010年7月21日 19:00開演
会場:洗足学園音楽大学前田ホール
料金:1000円(全席自由)
プログラム:
A.コープランド - 市民のためのファンファーレ
D.ミヨー - フランス組曲
I.ストラヴィンスキー - エボニー・コンチェルト
P.ヒンデミット - 交響曲変ロ調
P.A.グレインジャー - リンカーンシャーの花束
会社の残業ができない日であったし、会場も近いし、入場料も安いし、、、ということで、聴きに行った。なにより一番の動機は、このプログラム!久々に「吹奏楽」を聴いてみたいと思わせる曲目だ。もちろん、曲目解説は、音楽監督の伊藤康英先生。これも楽しみで。
コープランドを演奏会の冒頭に配置したことからして、並みの演奏会とは一線を画している。「ファンファーレ」という古典的な身なりはしているけれど、実際の中身は精緻に書き付けられたポリフォニー。聴いているこちらとしても、頭をフル回転させなければいけない。
続くホルストは、第1楽章がびっくりするほど速くて、感動の間もなく終わってしまったのだが(笑)第2、3楽章はさすがの出来映えだった。指揮が空中に放たれた瞬間、一部支えを失ってふらつくのは、学生のウィンドアンサンブルという点からすると致し方ない部分もあるかな。ボストック氏の指揮は初めて観たが、意外とテンポも表現も自由な(一部不真面目な)感じ。CDなどで聴くとカッチリした印象も受けていたので、意外だった。ホルスト「第一組曲」については、最近伊藤康英先生が自筆譜を基にした改訂版の作成を発表したそうだ。7/25には、洗足学園音楽大学にて、研究発表会が予定されている人のこと。詳細はこちらから。
「フランス組曲」は良かった!シンプルなリズムの構造が絶妙なバランスで聴こえてきて、さらに奏者の共感も感じられる。感想が前後するが、最後に演奏された「リンカーンシャーの花束」も、同じ。個人的には、この2曲が本日印象深い演奏だった。こういったレベルの高い演奏を気軽に聴けるのは、音楽大学主催の演奏会の良いところ。さらに進んで「エボニー・コンチェルト」「交響曲変ロ長調」は、きちんと聴くのは初めてだった。さすがに、「エボニー・コンチェルト」難解なリズム処理に、「交響曲」は主題の難しさに、それぞれやや翻弄されたか…!という感じだったが、両方ともなかなかの健闘ぶり。プロフェッショナルがやっても難しい曲だものな。
トリの「リンカーンシャーの花束」は、実に良くさらいこんであって、指揮者と演奏者と、さらに聴衆の深い共感を感じた。第6楽章「行方不明の婦人が見つかった」は、ご存知のとおり、表面上は比較的軽めの装いなのだが、実演を聴くとすごいのですよ。サクソフォン・セクションが揃ってテーマを演奏するあたりから、グレインジャーという作曲家がいかにウィンドアンサンブル、そしてサクソフォンを愛していたかが、実に良くわかるスコア。そして、今日の演奏は、それを体言した演奏だったように思う。
プログラムノートに引用されていた作曲家の言葉(「リンカーンシャーの花束」のプログラム・ノートから)を、ここにも掲載しておきたい。
ほとんどの作曲家の、ウィンド・バンドに対するこうした冷遇はなぜなのか?ウィンド・バンドは様々な木管楽器群を擁し(シンフォニー・オーケストラの木管楽器群よりもはるかに豊富である)、他には例を見ないほどの完全に整ったサクソフォーン属があり(私の耳にはサクソフォーンはすべての管楽器の中で最も表情豊かにきこえる。また管楽器は人間の声に最も近い楽器といえる。そして確かなことには、すべての楽器は、その人自身の声と音色的に近い存在と評価されるべきものである!)、そして一連の金管楽器群(太管、細管共)を取り揃えている。……そのような「ウィンド・バンド」は、かつて考えられた様々な演奏形態とは異なったものなのだろうか。私には、深い感情表現を伝達できる演奏形態として、ウィンド・バンドは無比のものと思える。(訳:三浦徹氏)
アンコールは、グレインジャーの「イェ・バンクス・オ・ボニー・ドゥーン」と、伊藤康英先生がこの演奏会のために書き下ろした「にっぽんモーリス」。伊藤康英先生の新作は、以前からTwitterでも話題となっていたが、グレインジャー風のスペシャルなコンサート・ピース!
今日演奏された曲はいずれも、「吹奏楽だからこそ」「吹奏楽ならでは」「吹奏楽でなければいけない」といった枕詞がつく作品ばかりだ。こういう曲ばかりならば、吹奏楽がクラシック音楽のいちジャンルとして捉えられてもおかしくない、と思うのであった。
2010/07/20
シュトックハウゼン「黄道十二宮より"獅子"」
1975年に書かれたカールハインツ・シュトックハウゼン Karlheinz Stockhausenの「黄道十二宮 ティアクライス」は、もともとはオルゴールのために書かれた作品である。"獅子"はその中の一曲で、公式に出版されている楽譜は、ピアノソロ、ピアノ・クラリネット・フルートの三重奏、クラリネット・フルート・トランペットの三重奏、の3種類があるそうだ。
サクソフォン奏者ブライアン・サカワ Brian Sacawaと親しいDJ、Erik Spanglerが、この「黄道十二宮より"獅子"」を、ソプラノサクソフォンとDJ(エレクトロニクスサウンド)のためにアレンジしたものをご紹介する。サクソフォンはトイピアノとの持ち替え、DJは、鍵盤ハーモニカも担当する。
曲は、何かのナレーションをミキシングした音、トイピアノの周期的な打鍵、鍵盤ハーモニカの奏でるコード…から始まる。このあたりの雰囲気は、ピアノソロバージョンとほとんど変わらない。エレクトロニクスが少し混ざりながら、サクソフォンがメロディを奏でる。2分40秒を過ぎたたりで、突然の急展開。パンチの効いたベースと、エレクトリックギターの音が重なり、サクソフォンの技巧を交えながらそのまま最後までいってしまう。
さすがに元の曲を知っているとちょっと驚くが、これはこれでありなのかな。シュトックハウゼンの音楽って、もとがシンプルかつ完成度の高いものだけに、そこからの拡張が試行されることが多いようだ。
ライヴの映像がYouTubeにアップロードされている。
サクソフォン奏者ブライアン・サカワ Brian Sacawaと親しいDJ、Erik Spanglerが、この「黄道十二宮より"獅子"」を、ソプラノサクソフォンとDJ(エレクトロニクスサウンド)のためにアレンジしたものをご紹介する。サクソフォンはトイピアノとの持ち替え、DJは、鍵盤ハーモニカも担当する。
曲は、何かのナレーションをミキシングした音、トイピアノの周期的な打鍵、鍵盤ハーモニカの奏でるコード…から始まる。このあたりの雰囲気は、ピアノソロバージョンとほとんど変わらない。エレクトロニクスが少し混ざりながら、サクソフォンがメロディを奏でる。2分40秒を過ぎたたりで、突然の急展開。パンチの効いたベースと、エレクトリックギターの音が重なり、サクソフォンの技巧を交えながらそのまま最後までいってしまう。
さすがに元の曲を知っているとちょっと驚くが、これはこれでありなのかな。シュトックハウゼンの音楽って、もとがシンプルかつ完成度の高いものだけに、そこからの拡張が試行されることが多いようだ。
ライヴの映像がYouTubeにアップロードされている。
2010/07/19
ミュールのこと
ふと思い立って、多摩川に沿って大田区から二子玉川駅まで、多摩川べりを7kmくらい延々と歩いてきた。最初は暑くて気が滅入りそうになったが、夕方が近づくにつれて涼しい風が吹き、心地良かったなあ。
写真は、途中の川辺の公園(?)にいたライオン、ではなく、ライオンの置物(遊具?)。なんだかあまりに不自然だったもので、思わずカメラに収めてしまった。
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そろそろお送りしたミュールのCDが皆さんのところに到着しているようである。ミュールについては、以前より何度もこのブログで話題にしてきたように、私は高校二年生のときに初めて聴いて以来のファンである。ファン、というか、聴いた瞬間にサクソフォンの極限系かも、とまで思ってしまったほどだ。
ただ、私は何も考えずともミュールの世界にハマってしまったクチなのだが、最近のサクソフォン界一般としては、それほど受け入れられやすいというわけでもないようだ。そこには何かしらの理由があるとは思っているのだが、未だに明確なものは見つかっていない。一番最初に聴いた曲にも関係するのかなあ(私はピエール・ヴェローヌ「ラプソディ」だった)。
Thunderさんが面白い記事を書いているのだが、ここでThunderさんはその素晴らしさを発見するプロセスにこそ意味がある、と書いている。確かに、1900年代前半の古きよきフランス音楽の時代とは、とっくに乖離してしまった現代の音楽界(残っているところには残っているけれど)においては、むしろ受け入れられないものとして捉えていくのが良いのかもしれない。
写真は、途中の川辺の公園(?)にいたライオン、ではなく、ライオンの置物(遊具?)。なんだかあまりに不自然だったもので、思わずカメラに収めてしまった。
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そろそろお送りしたミュールのCDが皆さんのところに到着しているようである。ミュールについては、以前より何度もこのブログで話題にしてきたように、私は高校二年生のときに初めて聴いて以来のファンである。ファン、というか、聴いた瞬間にサクソフォンの極限系かも、とまで思ってしまったほどだ。
ただ、私は何も考えずともミュールの世界にハマってしまったクチなのだが、最近のサクソフォン界一般としては、それほど受け入れられやすいというわけでもないようだ。そこには何かしらの理由があるとは思っているのだが、未だに明確なものは見つかっていない。一番最初に聴いた曲にも関係するのかなあ(私はピエール・ヴェローヌ「ラプソディ」だった)。
Thunderさんが面白い記事を書いているのだが、ここでThunderさんはその素晴らしさを発見するプロセスにこそ意味がある、と書いている。確かに、1900年代前半の古きよきフランス音楽の時代とは、とっくに乖離してしまった現代の音楽界(残っているところには残っているけれど)においては、むしろ受け入れられないものとして捉えていくのが良いのかもしれない。
2010/07/18
田村哲リサイタルのプログラム・ノート
先日行われた田村哲氏のリサイタルでは、曲目解説を担当した。いくつかの曲目解説は、塙美里さんのリサイタルに寄稿したものを再構成したものだが、およそ80%は書き下ろし。毎度のことながら、このブログ上でも公開する。
いろいろと練りながら、ちょうど良い着地点を探していく作業って楽しいなー。本当は、各曲の解説はもう少し短くても良いのだと思うが、そこまで練りきれなかったのが悔やまれる(実は今回、文字数の指定がなかったのだ笑)。
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ロベール・プラネル - プレリュードとサルタレロ サクソフォンという楽器が誕生したのが1840年頃。その後数十年を経て、1900年代の始め頃に、ようやく楽器として広く認知されました。サクソフォンのために書かれたオリジナル曲の多くが近代~現代の作品であり、ともすれば"サクソフォンの演奏会"というと、難解な曲のオンパレードとなってしまうことも珍しくありません。
しかし、この「プレリュードとサルタレロ」の作曲者、ロベール・プラネル(1908- 1994)は、近代~現代を生きた作曲家でありながら、聴衆が親しみやすい作品を数多く残しています。ヴァイオリン奏者としてキャリアをスタートさせ、幼少の頃よりクラシック音楽の名曲に数多く触れたことが、プラネルの音楽観に影響を与えたのでしょう。静寂な序奏に始まり、次第に熱気を帯びる「プレリュード」、そして、技巧的な無伴奏のカデンツァを経て、「サルタレロ(13世紀のナポリの踊り)」が快活に演奏されます。
ピーエル=マックス・デュボワ
フランスの生まれの作曲家、ピエール=マックス・デュボワ(1930 - 1995)は、サクソフォンの世界と密接な関わりを持つ作曲家です。生涯のうちに残したサクソフォンのための作品は、およそ70曲以上!そのどれもがサクソフォンの高い運動性を引き出したものばかり。まるで、見た目も華やかな曲芸師たちが紡ぎ出す、サーカスのステージを目の当たりにしているようです。デュボワの曲は、作曲の師匠であったダリウス・ミヨーの、南フランスを思わせる底抜けた愉悦感を受け継いでいるような印象を受けます。
本日演奏される「ソナチネ」も、ご多分に漏れず、愉悦感とエスプリに満ちあふれた傑作の一つ。1966年に作曲され、ベルギーのサクソフォン界の第一人者、フランソワ・ダニール氏に献呈されました。
バリー・コッククロフト - ビート・ミー
オーストラリアのサックス奏者&作曲家であるコッククロフトが、たった一本のテナーサックスを使って描き出すジャズとロックの世界。スラップタンギング、マルチフォニック、循環呼吸といった数々の特殊奏法が炸裂する。
フェルナンド・デクリュック - ソナタ
フェルナンド・デクリュック(1896 - 1954)は、フランスに生まれた女流作曲家です。12歳でパリ音楽院に入学し、若くして音楽の才能を発揮しました。オルガンでの海外演奏旅行をきっかけに、フランスのみならずアメリカでも活躍し、大西洋を股にかけて精力的に演奏活動を行いました。彼女はサクソフォンのために20近くの作品を書いていますが、それは夫であったモーリス・デクュック(トスカニーニ指揮ニューヨークフィルの専属サクソフォニストであった)の影響によるところが大きいと言われています。デクリュックの作品は、長い間サクソフォン界で見過ごされてきましたが、数年前より、この「ソナタ」を始めとして演奏会やレコーディングで取り上げられる機会が増え始めています。
曲はミステリアスな雰囲気のピアノに導かれて始まり、やがて歌い始めるサクソフォンはまるで弦楽器のようなフレーズを紡ぎ出します。サクソフォンとピアノが濃密に絡み合いながら4つの楽章が続けて演奏され、やがて訪れる輝かしい終結部に向かいます。
アルフレッド・リード - バラード
吹奏楽に関わったことのある方ならば、アルフレッド・リード(1921 - 2005)の名前はおなじみでしょう。20世紀の吹奏楽界をを代表する作曲家のひとりで、アメリカを中心に活躍しながら「アルメニアンダンス」「エル・カミーノ・レアル」を始めとする数々の傑作を世に送り出しました。意外なことに日本との関わりは深く、1970年に「音楽祭のプレリュード」が全日本吹奏楽コンクールの課題曲として取り上げられて以来、プロ・アマチュア問わず国内の数々の演奏会に客演、また日本の音楽大学の客員教授に就任するなど、来日回数は80回以上に上ります。
「バラード」はアルトサクソフォンと吹奏楽のために書かれた小品。アメリカの名手、ヴィンセント・アバトのために書かれ、のちにピアノとサクソフォンのためのデュエット版も出版されました。サクソフォンは、その表現力の広さから「歌う管楽器」とも呼ばれますが、この曲は、まるでオペラのアリアのように美しいメロディに満ち溢れています。
セザール・フランク - ソナタ
ベルギーに生まれ、パリにおいてその活動の幅を広げたセザール・フランク(1822– 1890)は、フランスにいながらにして伝統的なドイツ音楽に根差した作曲活動を展開しました。自身が教会のオルガン奏者でもあったことから、オルガンやピアノのための作品を数多く残し、それらの作品は今日の演奏会でもたびたび取り上げられます。
そのフランクの手による最高傑作と言われているのが、この「ヴァイオリン・ソナタ」です。フランス音楽界から生まれたヴァイオリンの作品の最高峰とも称されるこの作品は、フランク晩年の1988年ころに生み出され、当代随一のヴァイオリニストと言われたウジェーヌ・イザイに捧げられました。第一楽章で奏でられるメロディが、めくるめく形を変えながら楽曲のあちらこちらに顔を出す「循環形式」という作曲法が使われています。これにより4つの楽章の間には緩やかなつながりが感じられ、全体を通して何か一つの物語が構成されているような印象を受けます。独奏パートのみならず、ピアノパートが充実していることも、この作品の聴きどころの一つです。
いろいろと練りながら、ちょうど良い着地点を探していく作業って楽しいなー。本当は、各曲の解説はもう少し短くても良いのだと思うが、そこまで練りきれなかったのが悔やまれる(実は今回、文字数の指定がなかったのだ笑)。
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ロベール・プラネル - プレリュードとサルタレロ サクソフォンという楽器が誕生したのが1840年頃。その後数十年を経て、1900年代の始め頃に、ようやく楽器として広く認知されました。サクソフォンのために書かれたオリジナル曲の多くが近代~現代の作品であり、ともすれば"サクソフォンの演奏会"というと、難解な曲のオンパレードとなってしまうことも珍しくありません。
しかし、この「プレリュードとサルタレロ」の作曲者、ロベール・プラネル(1908- 1994)は、近代~現代を生きた作曲家でありながら、聴衆が親しみやすい作品を数多く残しています。ヴァイオリン奏者としてキャリアをスタートさせ、幼少の頃よりクラシック音楽の名曲に数多く触れたことが、プラネルの音楽観に影響を与えたのでしょう。静寂な序奏に始まり、次第に熱気を帯びる「プレリュード」、そして、技巧的な無伴奏のカデンツァを経て、「サルタレロ(13世紀のナポリの踊り)」が快活に演奏されます。
ピーエル=マックス・デュボワ
フランスの生まれの作曲家、ピエール=マックス・デュボワ(1930 - 1995)は、サクソフォンの世界と密接な関わりを持つ作曲家です。生涯のうちに残したサクソフォンのための作品は、およそ70曲以上!そのどれもがサクソフォンの高い運動性を引き出したものばかり。まるで、見た目も華やかな曲芸師たちが紡ぎ出す、サーカスのステージを目の当たりにしているようです。デュボワの曲は、作曲の師匠であったダリウス・ミヨーの、南フランスを思わせる底抜けた愉悦感を受け継いでいるような印象を受けます。
本日演奏される「ソナチネ」も、ご多分に漏れず、愉悦感とエスプリに満ちあふれた傑作の一つ。1966年に作曲され、ベルギーのサクソフォン界の第一人者、フランソワ・ダニール氏に献呈されました。
バリー・コッククロフト - ビート・ミー
オーストラリアのサックス奏者&作曲家であるコッククロフトが、たった一本のテナーサックスを使って描き出すジャズとロックの世界。スラップタンギング、マルチフォニック、循環呼吸といった数々の特殊奏法が炸裂する。
フェルナンド・デクリュック - ソナタ
フェルナンド・デクリュック(1896 - 1954)は、フランスに生まれた女流作曲家です。12歳でパリ音楽院に入学し、若くして音楽の才能を発揮しました。オルガンでの海外演奏旅行をきっかけに、フランスのみならずアメリカでも活躍し、大西洋を股にかけて精力的に演奏活動を行いました。彼女はサクソフォンのために20近くの作品を書いていますが、それは夫であったモーリス・デクュック(トスカニーニ指揮ニューヨークフィルの専属サクソフォニストであった)の影響によるところが大きいと言われています。デクリュックの作品は、長い間サクソフォン界で見過ごされてきましたが、数年前より、この「ソナタ」を始めとして演奏会やレコーディングで取り上げられる機会が増え始めています。
曲はミステリアスな雰囲気のピアノに導かれて始まり、やがて歌い始めるサクソフォンはまるで弦楽器のようなフレーズを紡ぎ出します。サクソフォンとピアノが濃密に絡み合いながら4つの楽章が続けて演奏され、やがて訪れる輝かしい終結部に向かいます。
アルフレッド・リード - バラード
吹奏楽に関わったことのある方ならば、アルフレッド・リード(1921 - 2005)の名前はおなじみでしょう。20世紀の吹奏楽界をを代表する作曲家のひとりで、アメリカを中心に活躍しながら「アルメニアンダンス」「エル・カミーノ・レアル」を始めとする数々の傑作を世に送り出しました。意外なことに日本との関わりは深く、1970年に「音楽祭のプレリュード」が全日本吹奏楽コンクールの課題曲として取り上げられて以来、プロ・アマチュア問わず国内の数々の演奏会に客演、また日本の音楽大学の客員教授に就任するなど、来日回数は80回以上に上ります。
「バラード」はアルトサクソフォンと吹奏楽のために書かれた小品。アメリカの名手、ヴィンセント・アバトのために書かれ、のちにピアノとサクソフォンのためのデュエット版も出版されました。サクソフォンは、その表現力の広さから「歌う管楽器」とも呼ばれますが、この曲は、まるでオペラのアリアのように美しいメロディに満ち溢れています。
セザール・フランク - ソナタ
ベルギーに生まれ、パリにおいてその活動の幅を広げたセザール・フランク(1822– 1890)は、フランスにいながらにして伝統的なドイツ音楽に根差した作曲活動を展開しました。自身が教会のオルガン奏者でもあったことから、オルガンやピアノのための作品を数多く残し、それらの作品は今日の演奏会でもたびたび取り上げられます。
そのフランクの手による最高傑作と言われているのが、この「ヴァイオリン・ソナタ」です。フランス音楽界から生まれたヴァイオリンの作品の最高峰とも称されるこの作品は、フランク晩年の1988年ころに生み出され、当代随一のヴァイオリニストと言われたウジェーヌ・イザイに捧げられました。第一楽章で奏でられるメロディが、めくるめく形を変えながら楽曲のあちらこちらに顔を出す「循環形式」という作曲法が使われています。これにより4つの楽章の間には緩やかなつながりが感じられ、全体を通して何か一つの物語が構成されているような印象を受けます。独奏パートのみならず、ピアノパートが充実していることも、この作品の聴きどころの一つです。
Different Worlds
最近発売されたCDだが、Sonic Art Saxophone Quartetのアルバム以来の、推薦盤である。コンセプトとしては「民族音楽・即興音楽とクラシカル・サクソフォンとの融合」と言い切ってしまってほぼ問題ないだろう。聴こえてくる響きは、なんとなくイスラム圏の音楽が想起されるのだが、「ナントカという原曲のアレンジ作品」「元になっている曲はアレコレ」といったことを細かく追っていく必要はないだろう。ただただ、響きに浸かるだけで楽しいアルバムだ。
演奏は、アルテ・カルテット Arte Quartett。もういまさら説明の必要もないが、ドイツの中堅どころの四重奏団で、特に様々なジャンルの音楽団体とのコラボレーションで有名。2001年には、あのテリー・ライリーと共演したことでも話題を呼んだ。ライリーとの共演アルバム「Assassin Reverie」は、New World Recordsからリリースされているが、こちらもなかなかに強烈なディスクだ。演奏者は下記の通り。アルトサックスのサッシャー・アームブリュスター氏については、平野公崇氏のエッセイが面白い。
Beat Hofstetter, soprano saxophone
Sascha Armbruster, alto saxophone
Andrea Formenti, tenor saxophone
Beat Kappeler, baritone saxophone
「Different Worlds(Marsyas MAR-1804)」
Sascha Armbruster - Chintro
Hang-Jurg Sommer - Moos-Ruef
Traditional - L'hioba
Traditional - Schonster Abendstern
Rabih Abou Khalil - Dreams of a Dying City
John Zorn - Tiferet
John Zorn - Nevalah
John Zorn - Mahshav
John Zorn - Mikreh
Rabih Abou Khalil - Arabian Waltz
Beat Kappeler - Indian Trail
名前すら聞いたことのない作品ばかりが並ぶが、まずはCDを再生…してみると、突然フルートのような音が聴こえてきてびっくり!そのまま2曲目に突入し、超高速なフレーズでは、スペシャルなテクニックを振りまく。フレーズはほとんど途切れない。おそらく、循環呼吸をバンバン使っているのだろうなあ。
曲中の各所に織り込まれる即興演奏は、とんでもなくカッコいい。ジャズの即興ではなく、おそらくフリーの即興をベースにしたものなのだろうが、この構成感とテクニック!セッション録音のはずなので、まるでライヴのような覇気に満ちた即興ばかりだ。
お気に入りは、John Zornの4曲。John Zornは、アメリカのジャズサックス奏者で、その彼が「Masada Vol.6&Vol.7」というアルバムで取り上げている4曲を、サクソフォン四重奏用に編曲したもの。まるで組曲のように聴いてしまうのだが、飛び出すテーマや即興がクールで、なんども聴いてしまう。これは自分たちでもやってみたいなあ。
最後の「Indian Trail」は、ぱっと聴いた感じでは、「Uncle Jard」や「Tread on the Trail」をリミックスして、さらに音を追加したものに聴こえる。このトラックからは、普通のクラシックサクソフォンに収まりきらないグルーヴ感を感じることができた。
と、文章ではなかなか伝わらないものがあるなあ。ぜひ購入して聴いてみていただきたい。amazonへのリンクは、こちら(→Different Worlds)。
演奏は、アルテ・カルテット Arte Quartett。もういまさら説明の必要もないが、ドイツの中堅どころの四重奏団で、特に様々なジャンルの音楽団体とのコラボレーションで有名。2001年には、あのテリー・ライリーと共演したことでも話題を呼んだ。ライリーとの共演アルバム「Assassin Reverie」は、New World Recordsからリリースされているが、こちらもなかなかに強烈なディスクだ。演奏者は下記の通り。アルトサックスのサッシャー・アームブリュスター氏については、平野公崇氏のエッセイが面白い。
Beat Hofstetter, soprano saxophone
Sascha Armbruster, alto saxophone
Andrea Formenti, tenor saxophone
Beat Kappeler, baritone saxophone
「Different Worlds(Marsyas MAR-1804)」
Sascha Armbruster - Chintro
Hang-Jurg Sommer - Moos-Ruef
Traditional - L'hioba
Traditional - Schonster Abendstern
Rabih Abou Khalil - Dreams of a Dying City
John Zorn - Tiferet
John Zorn - Nevalah
John Zorn - Mahshav
John Zorn - Mikreh
Rabih Abou Khalil - Arabian Waltz
Beat Kappeler - Indian Trail
名前すら聞いたことのない作品ばかりが並ぶが、まずはCDを再生…してみると、突然フルートのような音が聴こえてきてびっくり!そのまま2曲目に突入し、超高速なフレーズでは、スペシャルなテクニックを振りまく。フレーズはほとんど途切れない。おそらく、循環呼吸をバンバン使っているのだろうなあ。
曲中の各所に織り込まれる即興演奏は、とんでもなくカッコいい。ジャズの即興ではなく、おそらくフリーの即興をベースにしたものなのだろうが、この構成感とテクニック!セッション録音のはずなので、まるでライヴのような覇気に満ちた即興ばかりだ。
お気に入りは、John Zornの4曲。John Zornは、アメリカのジャズサックス奏者で、その彼が「Masada Vol.6&Vol.7」というアルバムで取り上げている4曲を、サクソフォン四重奏用に編曲したもの。まるで組曲のように聴いてしまうのだが、飛び出すテーマや即興がクールで、なんども聴いてしまう。これは自分たちでもやってみたいなあ。
最後の「Indian Trail」は、ぱっと聴いた感じでは、「Uncle Jard」や「Tread on the Trail」をリミックスして、さらに音を追加したものに聴こえる。このトラックからは、普通のクラシックサクソフォンに収まりきらないグルーヴ感を感じることができた。
と、文章ではなかなか伝わらないものがあるなあ。ぜひ購入して聴いてみていただきたい。amazonへのリンクは、こちら(→Different Worlds)。
連休初日はつくばへ
昼ごろからつくば入りし、伊藤康英先生編曲のバッハ「シャコンヌ」四重奏版をさらう。梅雨が開けた装いで、空調の効いていない部屋で吹けば吹くほど、汗が流れる。それにしても、バッハの集中してさらえること!他の曲をさらっている時とは、違う集中回路がつながっているような感覚。
そして、どうしてもできないフレーズを何度も何度もさらっていたら、音符がゲシュタルト崩壊&指と頭の感覚が不一致してしまい(笑)一気に吹けなくなってしまった。まあ、少しずつ、少しずつさらっていこう。これはやりがいがあるぞ。
夕方からは、居酒屋"じんぱち"にて天久保オールスターズバンドのセッションに参加。うーん、周りは上手いし自分の力量は情けないしで、とても勉強させてもらった。上手い人多すぎです…。
そういえば、三連休ということで、けっこう多くの卒業生がつくばに集結しているようだ。懐かしい顔にあいさつできたりして、とても嬉しかった。
そして、どうしてもできないフレーズを何度も何度もさらっていたら、音符がゲシュタルト崩壊&指と頭の感覚が不一致してしまい(笑)一気に吹けなくなってしまった。まあ、少しずつ、少しずつさらっていこう。これはやりがいがあるぞ。
夕方からは、居酒屋"じんぱち"にて天久保オールスターズバンドのセッションに参加。うーん、周りは上手いし自分の力量は情けないしで、とても勉強させてもらった。上手い人多すぎです…。
そういえば、三連休ということで、けっこう多くの卒業生がつくばに集結しているようだ。懐かしい顔にあいさつできたりして、とても嬉しかった。
2010/07/17
いろいろ飲み会
木曜日は、木下直人さんつながりでお知り合いになった、Sさん、Oさん始め、音楽関係の集まりで飲み会。私は、実は初対面の方ばかりだったのだが、お店をはしごして23時近くまで盛り上がった!新橋の"魚金"は、ぜひ覚えておこう。本醸造で、あんなに美味しい日本酒を飲んだのは初めてだったかもしれない。
金曜日は、先日の演奏会のサクソフォニーのスタッフ打ち上げ。こちらも二次会まで伺って23時まで@渋谷。スタッフのみなさん、たくとんさん、そしてなんと司会の阪本さんまでいらっしゃって楽しい飲み会だった。あんなに大きな鶏の皮せんべいを食べたのは、初めてだったな。不思議食感。
ということで、飲み会があると、ブログが更新できません(^^;
金曜日は、先日の演奏会のサクソフォニーのスタッフ打ち上げ。こちらも二次会まで伺って23時まで@渋谷。スタッフのみなさん、たくとんさん、そしてなんと司会の阪本さんまでいらっしゃって楽しい飲み会だった。あんなに大きな鶏の皮せんべいを食べたのは、初めてだったな。不思議食感。
ということで、飲み会があると、ブログが更新できません(^^;
2010/07/14
2010/07/13
シャポシュニコワ70歳記念コンサートの模様 on YouTube
ロシアのグネーシン音楽学校のサクソフォン教授である、マルガリータ・シャポシュニコワ Margarita Shaposhnikova女史の、70歳記念コンサートの模様が、YouTubeにアップロードされていた。ここで観られるのは一部だが、シャポシュニコワの弟子たちの素晴らしい演奏を堪能することができる。数が多いので、以下にリンクを掲載しておく。
演奏:Abdelhakim Hamaz
バーンスタイン・ソナタ(前半)
バーンスタイン・ソナタ(後半)
演奏:
Vitaliy Vatylya
Vladimir Koznov
ニキータ・ツィミン Nikita Zimin
バッハの無伴奏~デザンクロのカデンツァ~悲愴的変奏曲
演奏:セルゲイ・コレゾフ Sergey Kolesov
ジャン・マティシア - 悪魔のラグ
演奏:アレクセイ・ヴォルコフ Alexei Volkov
演奏曲不明
演奏:Glazounov Saxophone Quartet
ジェルジ・リゲティ - ムジカ・リチェルカータ
ニキータ・ツィミン、セルゲイ・コレゾフの御両名は、今更説明の必要もないだろう。間違いなく、ロシア・サクソフォン界(あるいは世界のサクソフォン界!?)を担う演奏家である。アレクセイ・ヴォルコフは、国内盤としても発売された、カプースチン&エシュパイのサクソフォン協奏曲集で、独奏を担当している。グラズノフSQ(すごい名前だ)のリゲティの演奏は、最後まで聴くとサプライズが…こういう遊び心は素敵だ。
演奏:Abdelhakim Hamaz
バーンスタイン・ソナタ(前半)
バーンスタイン・ソナタ(後半)
演奏:
Vitaliy Vatylya
Vladimir Koznov
ニキータ・ツィミン Nikita Zimin
バッハの無伴奏~デザンクロのカデンツァ~悲愴的変奏曲
演奏:セルゲイ・コレゾフ Sergey Kolesov
ジャン・マティシア - 悪魔のラグ
演奏:アレクセイ・ヴォルコフ Alexei Volkov
演奏曲不明
演奏:Glazounov Saxophone Quartet
ジェルジ・リゲティ - ムジカ・リチェルカータ
ニキータ・ツィミン、セルゲイ・コレゾフの御両名は、今更説明の必要もないだろう。間違いなく、ロシア・サクソフォン界(あるいは世界のサクソフォン界!?)を担う演奏家である。アレクセイ・ヴォルコフは、国内盤としても発売された、カプースチン&エシュパイのサクソフォン協奏曲集で、独奏を担当している。グラズノフSQ(すごい名前だ)のリゲティの演奏は、最後まで聴くとサプライズが…こういう遊び心は素敵だ。
2010/07/12
好きな吹奏楽曲
もともとはサクソフォン好き以前に吹奏楽マニアであったので、いろいろと聴いている中で、「これは!」とお気に入りになった曲は多い。今回ご紹介する3曲は、個人的な超お気に入りである。いずれも音楽的に非常に優れた内容のものであるので、ご存じない方はぜひ聴いていただきたい。また、優れた作品は、優れた演奏とともに在るべきだと考えている。そんなわけで、オススメの演奏と共に紹介する。
ちなみに、ご紹介する3曲、私自身はいずれも演奏したことがない(爆)。
・Florent Schmitt - Dionysiaques
(フローラン・シュミット - ディオニソスの祭)
説明の必要がないほどの名曲だ。1913年の作曲当時、世界最高水準と言われたギャルド・レピュブリケーヌ吹奏楽団のために書かれ、125名ものプレイヤーと特殊楽器、そして究極の技巧と音楽性を惜しみなく要求するスコア。そのギャルドですら、演奏をためらったと今に伝えられている、20世紀最強の吹奏楽曲である。これを初めて聴いた時の衝撃は凄かったなあ。コンクール云々で演奏されている軽々しい作品群を見る目が変わったもんな。
愛聴盤は、もちろんギャルド・レピュブリケーヌ吹奏楽団の演奏で、1961年11月16日の"奇跡のセッション"と伝えられる杉並公会堂での録音。フランソワ=ジュリアン・ブラン指揮。さすがにやや録音状態は悪いが、これがワン・テイクの録音だとは信じがたい。これまでも、そしてこれからも、これ以上の演奏が出てくることは(おそらく)ないだろうし、逆にこれを超えた時は、"吹奏楽の再誕"となることだろう。最近デュポン指揮のSP録音が発掘されたと、木下直人さんから伺ったが、こちらの演奏も気になっているところ。
・Adam Gorb - Metropolis
(アダム・ゴーブ - メトロポリス)
一気に時代が現代寄りとなるが、いわゆる吹奏楽がハイブリッドな作品を量産し始めた、おそらく最初期の作品のひとつだと思う。ジャズとコンテンポラリーの融合を目指しており、近未来的なスピード感にみちあふれた作品である。同じくアダム・ゴーブの「アウェイデー」あたりをさらに10倍ほどテクニカルに醸成させて、クールさだけを搾り取ったような印象。イギリス産のハイブリッド作品て、サクソフォンの世界でもそうだが、やっぱり頭ひとつ抜けていますよね。
日本国内ではシエナWOあたりが取り組んでいるようだが、おそらくこれには敵わないのだろうな…と推薦するのが王立北部音楽院のCD、その名も「メトロポリス(Klavier KCD-11152)」。これの最初のトラックに14分ほどの作品として収録されているのだが、自分にとってはとにかくセンセーショナルであった。中間部にサクソフォンのどソロがあるのだが、その演奏も見事だ。
・Percy Aldridge Grainger - The Power of Rome and Christian Heart
(パーシー・グレインジャー - ローマの権力とキリスト教徒の心)
グレインジャーの音楽を好きになったのはいつ頃だっただろうか。"民謡"という、素朴でさりげない表情の裏に隠れながら、ハイ・テクニックをズバズバと要求してくる楽譜には、私自身も何度か苦しめられた経験がある。そのグレインジャーが、仮面を剥がして本性を剥き出しにしている(私の知る限り)唯一の吹奏楽作品である。タイトルからは、何か標題音楽のようなイメージを持つが、実際はそういったものはなく、このタイトル、そして曲想から何を感じるのかは、聴衆に委ねられている。
いくつか録音が出ているが、フェネル&ダラスWSの「Pomp & Pipes(Reference Recordings RR-58CD)」を推す。スピーカーの奥に、圧倒的に拡がる音…。ゆったりとした大河の流れのようなテンポも、曲想に実にマッチしている。吹奏楽の神様フェネルが、ダラスWSという最強の手兵を得て紡ぎ出した音楽の洪水…ご存じない方はぜひ一聴を。
ちなみに、ご紹介する3曲、私自身はいずれも演奏したことがない(爆)。
・Florent Schmitt - Dionysiaques
(フローラン・シュミット - ディオニソスの祭)
説明の必要がないほどの名曲だ。1913年の作曲当時、世界最高水準と言われたギャルド・レピュブリケーヌ吹奏楽団のために書かれ、125名ものプレイヤーと特殊楽器、そして究極の技巧と音楽性を惜しみなく要求するスコア。そのギャルドですら、演奏をためらったと今に伝えられている、20世紀最強の吹奏楽曲である。これを初めて聴いた時の衝撃は凄かったなあ。コンクール云々で演奏されている軽々しい作品群を見る目が変わったもんな。
愛聴盤は、もちろんギャルド・レピュブリケーヌ吹奏楽団の演奏で、1961年11月16日の"奇跡のセッション"と伝えられる杉並公会堂での録音。フランソワ=ジュリアン・ブラン指揮。さすがにやや録音状態は悪いが、これがワン・テイクの録音だとは信じがたい。これまでも、そしてこれからも、これ以上の演奏が出てくることは(おそらく)ないだろうし、逆にこれを超えた時は、"吹奏楽の再誕"となることだろう。最近デュポン指揮のSP録音が発掘されたと、木下直人さんから伺ったが、こちらの演奏も気になっているところ。
・Adam Gorb - Metropolis
(アダム・ゴーブ - メトロポリス)
一気に時代が現代寄りとなるが、いわゆる吹奏楽がハイブリッドな作品を量産し始めた、おそらく最初期の作品のひとつだと思う。ジャズとコンテンポラリーの融合を目指しており、近未来的なスピード感にみちあふれた作品である。同じくアダム・ゴーブの「アウェイデー」あたりをさらに10倍ほどテクニカルに醸成させて、クールさだけを搾り取ったような印象。イギリス産のハイブリッド作品て、サクソフォンの世界でもそうだが、やっぱり頭ひとつ抜けていますよね。
日本国内ではシエナWOあたりが取り組んでいるようだが、おそらくこれには敵わないのだろうな…と推薦するのが王立北部音楽院のCD、その名も「メトロポリス(Klavier KCD-11152)」。これの最初のトラックに14分ほどの作品として収録されているのだが、自分にとってはとにかくセンセーショナルであった。中間部にサクソフォンのどソロがあるのだが、その演奏も見事だ。
・Percy Aldridge Grainger - The Power of Rome and Christian Heart
(パーシー・グレインジャー - ローマの権力とキリスト教徒の心)
グレインジャーの音楽を好きになったのはいつ頃だっただろうか。"民謡"という、素朴でさりげない表情の裏に隠れながら、ハイ・テクニックをズバズバと要求してくる楽譜には、私自身も何度か苦しめられた経験がある。そのグレインジャーが、仮面を剥がして本性を剥き出しにしている(私の知る限り)唯一の吹奏楽作品である。タイトルからは、何か標題音楽のようなイメージを持つが、実際はそういったものはなく、このタイトル、そして曲想から何を感じるのかは、聴衆に委ねられている。
いくつか録音が出ているが、フェネル&ダラスWSの「Pomp & Pipes(Reference Recordings RR-58CD)」を推す。スピーカーの奥に、圧倒的に拡がる音…。ゆったりとした大河の流れのようなテンポも、曲想に実にマッチしている。吹奏楽の神様フェネルが、ダラスWSという最強の手兵を得て紡ぎ出した音楽の洪水…ご存じない方はぜひ一聴を。
2010/07/11
Duo BRUSSELES: Vögel als Prophet
"イメージエア音楽事務所"という、大学の先輩が立ち上げた音楽事務所が初めて主催する演奏会を聴きに伺った。今回は、Duo BRUSSELSという、日本に生まれながら、ベルギーで音楽を学んだお二人…渡瀬英彦氏と大宅裕氏によるフルートとピアノのユニットが取り上げられた。100席ちょっとのホールが、立ち見も出る満員御礼の状況。
【デュオ・ブリュッセル コンサート2010「予言の鳥」】
出演:渡瀬英彦(fl., fl.d, alt.fl)、大宅裕(pf.)
日時:2010年7月11日(日曜)15:00開演
会場:やなか音楽ホール
プログラム:
R.シューマン - 幻想小曲集 Op.73
平尾貴四男 - ソナチネ
R.シューマン - 予言の鳥
O.メシアン - 黒つぐみ
B.ファーニホウ - カッサンドラの夢の歌
J.ケージ - イン・ア・ランドスケープ
吉松隆 - デジタルバード組曲
R.シューマン - アダージォとアレグロ(アンコール)
シューマンは、激情のような性格がいくぶん身を潜め、ホールの中に何か建築物が組み上げられていくような、そんな印象を持ちながら聴いた。そうして受けた印象は、フルート・ダモーレ(通常のフルートよりも幾分長い、Bb管のフルート)によって奏でられる音色によるものなのかもしれない。
平尾貴四男(あの平尾はるなの父だそうな)の作品は、2つの楽章から成る日本的な旋法を多用したかわいらしい作品で、これはかなり聴衆へのアピール度が高いと感じた。なんとなく自分の座っていた場所からピアノの楽譜が眺められたのだが、ああいう輪郭線をもつ楽譜から、魔法のように聴いたことのない音が引き出されるというのは、毎度のことながら新鮮な経験だ。
さすが、メシアンは圧倒的だったなあ。あちらこちらに飛びまわるフルートと、幾千もの色を引き出すピアノ。メシアンの"色"を体感するには、やはりライヴ、しかもそれほど大きくない会場に限る。
後半は、ファーニホウとジョン・ケージがそれぞれフルート、ピアノの独奏によって演奏され(イン・ア・ランドスケープの、梅雨時の空のようなじめっとした音色が素敵だった!)、最後に吉松隆の「デジタルバード組曲」。きちんと聴くのは初めてだったが、なるほど、演奏会の最後に置かれるにふさわしい、逆に言えば、様々な音楽を受容する作品だ。メタリックで人工的な世界から、夢幻的な美しさまでを見事に描き出し、聴衆を惹きつけていた。
アンコールは、なんとシューマンの「アダージォとアレグロ」。うおお、このボリュームは意外であったが、けっこう嬉しかったかも。
会場の外に出ると、先程までなんとか保っていた空から、いつの間にか雨が…。写真は西日暮里駅のホームから眺めた線路(上野駅方面)。
【デュオ・ブリュッセル コンサート2010「予言の鳥」】
出演:渡瀬英彦(fl., fl.d, alt.fl)、大宅裕(pf.)
日時:2010年7月11日(日曜)15:00開演
会場:やなか音楽ホール
プログラム:
R.シューマン - 幻想小曲集 Op.73
平尾貴四男 - ソナチネ
R.シューマン - 予言の鳥
O.メシアン - 黒つぐみ
B.ファーニホウ - カッサンドラの夢の歌
J.ケージ - イン・ア・ランドスケープ
吉松隆 - デジタルバード組曲
R.シューマン - アダージォとアレグロ(アンコール)
シューマンは、激情のような性格がいくぶん身を潜め、ホールの中に何か建築物が組み上げられていくような、そんな印象を持ちながら聴いた。そうして受けた印象は、フルート・ダモーレ(通常のフルートよりも幾分長い、Bb管のフルート)によって奏でられる音色によるものなのかもしれない。
平尾貴四男(あの平尾はるなの父だそうな)の作品は、2つの楽章から成る日本的な旋法を多用したかわいらしい作品で、これはかなり聴衆へのアピール度が高いと感じた。なんとなく自分の座っていた場所からピアノの楽譜が眺められたのだが、ああいう輪郭線をもつ楽譜から、魔法のように聴いたことのない音が引き出されるというのは、毎度のことながら新鮮な経験だ。
さすが、メシアンは圧倒的だったなあ。あちらこちらに飛びまわるフルートと、幾千もの色を引き出すピアノ。メシアンの"色"を体感するには、やはりライヴ、しかもそれほど大きくない会場に限る。
後半は、ファーニホウとジョン・ケージがそれぞれフルート、ピアノの独奏によって演奏され(イン・ア・ランドスケープの、梅雨時の空のようなじめっとした音色が素敵だった!)、最後に吉松隆の「デジタルバード組曲」。きちんと聴くのは初めてだったが、なるほど、演奏会の最後に置かれるにふさわしい、逆に言えば、様々な音楽を受容する作品だ。メタリックで人工的な世界から、夢幻的な美しさまでを見事に描き出し、聴衆を惹きつけていた。
アンコールは、なんとシューマンの「アダージォとアレグロ」。うおお、このボリュームは意外であったが、けっこう嬉しかったかも。
会場の外に出ると、先程までなんとか保っていた空から、いつの間にか雨が…。写真は西日暮里駅のホームから眺めた線路(上野駅方面)。
2010/07/10
サヴィヨキ氏演奏のクレストン
ペッカ・サヴィヨキ氏は、フィンランド生まれのサクソフォン奏者。ヘルシンキの音楽アカデミーを卒業し、在学中に一時期フランスへと渡ってダニエル・デファイエ氏にも師事している。北欧を代表するサクソフォン奏者の一人で、特にBISレーベルへ多くの録音を吹き込んでいる。現在では、指揮者としても活躍しているそうだ。
サヴィヨキ氏のソロ録音というと、グラズノフやラーションが入った協奏曲集とか、ブートリーやプロヴァンスの風景などを取り上げたフランス作品集あたりを思い出すのだが、BISにクレストンを取り上げたCDがあるとは知らなかった。"C"で名前が始まるアメリカ作曲家の作品を集めたアルバムで、その名も「The Contemporary American "C"(BIS CD-52)」。ここで、サヴィヨキ氏はクレストンの「ソナタ」を吹いている。BISのオムニバス的CDでは、サクソフォンにサヴィヨキ氏が起用されることが多いということだろうか。
笑っちゃうくらい凄い録音で、冒頭のドシソソド~というフレーズ(滝の音のようにセンセーショナルな印象を聴き手に与える)から、並々ならぬ気合いを感じる。そういえば、フランス作品集も似たような傾向であった。とても快調に飛ばし、第1楽章をおよそ4分ちょっとで吹ききっている。これで音色が違っていたら、イギリスあたりの奏者の演奏だと言われても納得してしまうかもしれない。
なんとなく聴くだけでは単なる笑いの対象になってしまうかもしれないのだが、donaxさんのツイートを見た直後であったので、そういったものとは少し違うものを感じた。フィンランドサクソフォン界の草分け的存在であったサヴィヨキ氏は、おそらく、サクソフォンのことをを管楽器のひとつとして定義していたのではないか。サヴィヨキ氏が演奏した時、サクソフォンは楽器として圧倒的に"鳴り"、作品の意図を聴き手に対して直接伝達するためのひとつの手段として昇華させることに成功している。この間にあるのは極限までシンプルな管楽器である。
楽器の名手は、いつの時代も先を見据えているものだ。
サヴィヨキ氏のソロ録音というと、グラズノフやラーションが入った協奏曲集とか、ブートリーやプロヴァンスの風景などを取り上げたフランス作品集あたりを思い出すのだが、BISにクレストンを取り上げたCDがあるとは知らなかった。"C"で名前が始まるアメリカ作曲家の作品を集めたアルバムで、その名も「The Contemporary American "C"(BIS CD-52)」。ここで、サヴィヨキ氏はクレストンの「ソナタ」を吹いている。BISのオムニバス的CDでは、サクソフォンにサヴィヨキ氏が起用されることが多いということだろうか。
笑っちゃうくらい凄い録音で、冒頭のドシソソド~というフレーズ(滝の音のようにセンセーショナルな印象を聴き手に与える)から、並々ならぬ気合いを感じる。そういえば、フランス作品集も似たような傾向であった。とても快調に飛ばし、第1楽章をおよそ4分ちょっとで吹ききっている。これで音色が違っていたら、イギリスあたりの奏者の演奏だと言われても納得してしまうかもしれない。
なんとなく聴くだけでは単なる笑いの対象になってしまうかもしれないのだが、donaxさんのツイートを見た直後であったので、そういったものとは少し違うものを感じた。フィンランドサクソフォン界の草分け的存在であったサヴィヨキ氏は、おそらく、サクソフォンのことをを管楽器のひとつとして定義していたのではないか。サヴィヨキ氏が演奏した時、サクソフォンは楽器として圧倒的に"鳴り"、作品の意図を聴き手に対して直接伝達するためのひとつの手段として昇華させることに成功している。この間にあるのは極限までシンプルな管楽器である。
楽器の名手は、いつの時代も先を見据えているものだ。
ラーションの「協奏曲」CD聴き比べ
明日辺り、PCのOS再インストールを敢行する予定。
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おなじみラーシュ・エリク・ラーション Lars-Erik Larssonの「サクソフォン協奏曲」を聴き比べてみた。一番最初にラーションの協奏曲を聴いたのは、ジョン=エドワルド・ケリー John Edward KellyのCD上である(Arte Nova Classics 74321 27786 2)。最初この曲を耳にしたときは、まだあまり"ラーションの「協奏曲」"が日本で流行っていない頃であり、高音域を駆使した雄大なサクソフォン協奏曲に、感銘を受けた。おそらくラッシャー派のサクソフォン奏者を聴いたのも初めてで、特徴的な音色に驚いたものだ。録音がいまいちなのだが、サクソフォンもオケも非常に完成されていて、私の中ではラーションの最初のスタンダード録音となった。
ケネス・チェ氏の演奏が含まれているのは、Arizona University Recordingsの、"America's Millenium Tribute to Adolphe Sax"シリーズ(Arizona University Recording CD 3122)。ケネス・チェ氏、ということで、とても期待して購入したのだが、結果は(>_<)だった。というのも、オーケストラがあまりに酷すぎるのだ…大学のオケなのだろうか、特に第1楽章の音程の外しっぷりが盛大で、正直曲を楽しむというレベルまで到達しなかったのが残念。ライヴ盤なので、致し方ない部分もあるとは思うのだが…。
デファイエの弟子でもあった、ペッカ・サヴィヨキ Pekka Savijoki氏の演奏(BIS CD-218)。クランポンの赤ベルを使い、所々雑な場所もあるものの(特にフラジオ音域)、全体的に師匠デファイエのような美しい音色を堪能した。サヴィヨキ氏はフィンランド生まれ、ラーションはスウェーデンという違いはあるものの、同じ北欧の出身ということで、曲への深い共感が感じられる。Thunder氏のレビュー(管打コンでラーションが本選課題曲になったときに書かれたものだ…)も、ぜひご覧ください。
Chandosからリリースされた須川展也氏のサクソフォン協奏曲集(Chandos CHAN10466)でもラーションが取り上げられている。おそらく、現在のラーションの標準盤ではないだろうか。世界的な名手である須川展也氏が、佐渡裕&BBCフィルという最強のバックを得て吉松隆からイベール、さらにはラーションまでをも吹きまくる。技術的な安定性や、音色の美しさ、音楽性など、筆舌に尽くし難い。
個人的にひとつ残念なのが、テンポ設定。全体的にやや遅めで、曲想を聴き手に重く感じさせてしまうのだ。例えば、第3楽章はAllegro Scherzando…そう、"Scherzando"なはずなのだが、オーケストラからそういった愉悦感のようなものがあまり感じられなくて…。
現在のところ、これが最も素晴らしいと感じる盤だ(Caprice CAP21492)。スウェーデンの名手、クリステル・ヨンソン Christer Johnsson氏が、セーゲルスタム指揮スウェーデン放送交響楽団と組んだ録音で、もともとはアナログ録音なのだとか。オーケストラの上手さ、サクソフォンの上手さ、そして録音(実はけっこう重要)、ともに全CD中トップで、この曲が持つ"新古典主義"という性格を、非常に良く表している録音だと思う。
唯一残念なのが、第1楽章と第2楽章で、サクソフォンがフラジオ音域へ登っていかないこと。「ええ!それってこの曲の意味がないじゃん!」と思われるかもしれないが、それを差っ引いても、この盤には素晴らしい音楽が満ち溢れている。
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おなじみラーシュ・エリク・ラーション Lars-Erik Larssonの「サクソフォン協奏曲」を聴き比べてみた。一番最初にラーションの協奏曲を聴いたのは、ジョン=エドワルド・ケリー John Edward KellyのCD上である(Arte Nova Classics 74321 27786 2)。最初この曲を耳にしたときは、まだあまり"ラーションの「協奏曲」"が日本で流行っていない頃であり、高音域を駆使した雄大なサクソフォン協奏曲に、感銘を受けた。おそらくラッシャー派のサクソフォン奏者を聴いたのも初めてで、特徴的な音色に驚いたものだ。録音がいまいちなのだが、サクソフォンもオケも非常に完成されていて、私の中ではラーションの最初のスタンダード録音となった。
ケネス・チェ氏の演奏が含まれているのは、Arizona University Recordingsの、"America's Millenium Tribute to Adolphe Sax"シリーズ(Arizona University Recording CD 3122)。ケネス・チェ氏、ということで、とても期待して購入したのだが、結果は(>_<)だった。というのも、オーケストラがあまりに酷すぎるのだ…大学のオケなのだろうか、特に第1楽章の音程の外しっぷりが盛大で、正直曲を楽しむというレベルまで到達しなかったのが残念。ライヴ盤なので、致し方ない部分もあるとは思うのだが…。
デファイエの弟子でもあった、ペッカ・サヴィヨキ Pekka Savijoki氏の演奏(BIS CD-218)。クランポンの赤ベルを使い、所々雑な場所もあるものの(特にフラジオ音域)、全体的に師匠デファイエのような美しい音色を堪能した。サヴィヨキ氏はフィンランド生まれ、ラーションはスウェーデンという違いはあるものの、同じ北欧の出身ということで、曲への深い共感が感じられる。Thunder氏のレビュー(管打コンでラーションが本選課題曲になったときに書かれたものだ…)も、ぜひご覧ください。
Chandosからリリースされた須川展也氏のサクソフォン協奏曲集(Chandos CHAN10466)でもラーションが取り上げられている。おそらく、現在のラーションの標準盤ではないだろうか。世界的な名手である須川展也氏が、佐渡裕&BBCフィルという最強のバックを得て吉松隆からイベール、さらにはラーションまでをも吹きまくる。技術的な安定性や、音色の美しさ、音楽性など、筆舌に尽くし難い。
個人的にひとつ残念なのが、テンポ設定。全体的にやや遅めで、曲想を聴き手に重く感じさせてしまうのだ。例えば、第3楽章はAllegro Scherzando…そう、"Scherzando"なはずなのだが、オーケストラからそういった愉悦感のようなものがあまり感じられなくて…。
現在のところ、これが最も素晴らしいと感じる盤だ(Caprice CAP21492)。スウェーデンの名手、クリステル・ヨンソン Christer Johnsson氏が、セーゲルスタム指揮スウェーデン放送交響楽団と組んだ録音で、もともとはアナログ録音なのだとか。オーケストラの上手さ、サクソフォンの上手さ、そして録音(実はけっこう重要)、ともに全CD中トップで、この曲が持つ"新古典主義"という性格を、非常に良く表している録音だと思う。
唯一残念なのが、第1楽章と第2楽章で、サクソフォンがフラジオ音域へ登っていかないこと。「ええ!それってこの曲の意味がないじゃん!」と思われるかもしれないが、それを差っ引いても、この盤には素晴らしい音楽が満ち溢れている。
2010/07/08
ネットプリントで印刷
PCはまだ不安定だが、騙し騙し使っている。OSの再インストールも考えたほうが良いだろうか。
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今のところ、ウチにはプリンターがない。楽譜等の印刷には、セブンイレブンのネットプリントというサービスを使っている。これは、インターネット上からMS-OfficeドキュメントやPDFファイルをアップロードし、セブンイレブンのコピー機で印刷できるもの。1枚20円というリーズナブルさもあり、よく利用している。
印刷データによっては、出力時にかなり待たされる。何度か使っている印象だが、さすがにベクトルデータやフォントデータなどは速いが、ビットマップ、白黒2値300dpiの2-in-1ですら、数分待たされることも。所有楽譜をスキャンしたものは、ほとんどがビットマップなのだが、内部的にどういったデータ処理をしているのだろうか。ぜひ改善して欲しいポイントだ。
それから、遠隔地に対して印刷物を送信できるというのも便利ポイントですね。データの保持期間はせいぜい数日で、相手方にコピー可能なデジタルデータとして残らない、という特徴がある。これについては、意外と使いどころがあるのかもしれない。
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今のところ、ウチにはプリンターがない。楽譜等の印刷には、セブンイレブンのネットプリントというサービスを使っている。これは、インターネット上からMS-OfficeドキュメントやPDFファイルをアップロードし、セブンイレブンのコピー機で印刷できるもの。1枚20円というリーズナブルさもあり、よく利用している。
印刷データによっては、出力時にかなり待たされる。何度か使っている印象だが、さすがにベクトルデータやフォントデータなどは速いが、ビットマップ、白黒2値300dpiの2-in-1ですら、数分待たされることも。所有楽譜をスキャンしたものは、ほとんどがビットマップなのだが、内部的にどういったデータ処理をしているのだろうか。ぜひ改善して欲しいポイントだ。
それから、遠隔地に対して印刷物を送信できるというのも便利ポイントですね。データの保持期間はせいぜい数日で、相手方にコピー可能なデジタルデータとして残らない、という特徴がある。これについては、意外と使いどころがあるのかもしれない。
2010/07/06
Adjemian Vartan "Adventure" on YouTube
20時ころまでお仕事…坂口大介さんのリサイタルには、伺えませんでした。うむむー、残念。久々に「コル・ニドライ」を聴きたかったのだがなあ。
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サクソフォン、ピアノ、弦楽オーケストラのための、Adjemian Vartan作曲「Adventure」という作品の動画がYouTubeにアップロードされていたので、貼りつけておく。聴いたことのない曲だと思って聴き始めたが、映画音楽のような(まるで久石譲の音楽のような)ドラマティックな展開が聴きモノ。中間部は、なかなかカッコ良いです。最終部に向けての煽りは、指揮者のパワーだろうか。
サクソフォン独奏者は、Christèle Willenegger氏(知らない名前だなあ)。もう少し音一つ一つの中での変化が欲しいかな。
それにしても、驚いたのは、これ2010/6/29の演奏なのですよ!たった一週間前!同日中にアップロードされて、公開されたようだ。フランスの全くツテのない演奏会の模様を、その演奏会があった日に地球の反対側から観ることができるなんて…とんでもない時代だ。氾濫するメディア情報は、数年前に比べて格段に入手しやすくなったけど、そのひとつひとつの重みを感じなくなってはいけないな、と、ふとそんなことを思った。
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サクソフォン、ピアノ、弦楽オーケストラのための、Adjemian Vartan作曲「Adventure」という作品の動画がYouTubeにアップロードされていたので、貼りつけておく。聴いたことのない曲だと思って聴き始めたが、映画音楽のような(まるで久石譲の音楽のような)ドラマティックな展開が聴きモノ。中間部は、なかなかカッコ良いです。最終部に向けての煽りは、指揮者のパワーだろうか。
サクソフォン独奏者は、Christèle Willenegger氏(知らない名前だなあ)。もう少し音一つ一つの中での変化が欲しいかな。
それにしても、驚いたのは、これ2010/6/29の演奏なのですよ!たった一週間前!同日中にアップロードされて、公開されたようだ。フランスの全くツテのない演奏会の模様を、その演奏会があった日に地球の反対側から観ることができるなんて…とんでもない時代だ。氾濫するメディア情報は、数年前に比べて格段に入手しやすくなったけど、そのひとつひとつの重みを感じなくなってはいけないな、と、ふとそんなことを思った。
2010/07/05
木下直人さんから(ロンデックスのSNE盤)
Société nouvelle d'enregistrement(SNE)というカナダのレーベルをご存知だろうか。カナダの演奏家や作曲家を紹介する目的で、1978年にモントリオールで立ち上がったレーベルである。いくつかの財団から援助を受けながら活動を継続したが、残念ながら現在では消え去っている。Quatuor Alexandreという、ダニエル・ゴーティエが代表を務めていた伝説的サクソフォン四重奏団があるのだが、その団体の唯一のアルバムがこのSNEから出版されており、名前だけは良く知っていた。
ジャン=マリー・ロンデックス氏がSNEレーベルに吹き込んでいることは、公式ページを読んで知っていたが、そのLPを聴けることになるとは思っていなかった。EMI盤などにくらべてもそれほど数が出ておらず、私の中ではいわゆる「幻の…」扱いであったところに、木下直人さんからCD-Rが到着した。飛び上がるほど驚いたのは言うまでもない。いつも、本当にありがとうございます。
Jean Marie Londeix, saxophone alto
Carmen Picard, pf
Ida Gotkovsky - Brillance
Paul Hindemith - Sonata
Edison Denisov - Sonata
Daniel Pilon - Trois Méditations
ピアノのカルメン・ピカールは、ケベック出身の女流ピアニスト。また、作品に名を連ねているダニエル・パイロンは、カナダのモントリオールで活躍していた作曲家である。この人選にSNEの意地を感じる。
まず興味深いのは、やはりEMI盤からの再録音となったヒンデミットとデニゾフではないだろうか。聴いてみると、ヒンデミットはEMI盤と解釈に共通するものが見られる。ただし、こちらのSNE盤は録音も含めて非常に見通しがよく、清潔感あふれる演奏だ。デニゾフは、個人的には間違いなくこちらのSNE盤の演奏に好感が持てる。第3楽章の引き締まった響きやリズムを聴くと、演奏者本人たちにしてみても、会心の演奏だったのではないかなと思えてくる。
だが、個人的に一番はっとさせられたのはゴトコフスキーかも。ピアノの序奏に続いて斬り込んでくるサックスの音は、おそらく復刻の素晴らしさもあるのだろうが、それと相俟って非常にセンセーショナルな音だった。スピーカーの前で正座して聴いていると、飛び上がりそうになる。ゴトコフスキー節にやられちゃってますねえ。日本の伝統音楽的な間合いの取り方に共通するものがあるのかな、などと、無責任なことを思ってみたり。
ダニエル・パイロンの作品は、もとは無伴奏アルトサクソフォンのための「7つのメディテーション」というタイトルなのだそうだ。1978年から1984年にかけて作曲され、全て演奏すると20分間。このLPには、1,2,4が収録されている。パイロンというと、今でも自分の中では「Transparences」なのだが、響きとしては近いものを感じた。
ジャン=マリー・ロンデックス氏がSNEレーベルに吹き込んでいることは、公式ページを読んで知っていたが、そのLPを聴けることになるとは思っていなかった。EMI盤などにくらべてもそれほど数が出ておらず、私の中ではいわゆる「幻の…」扱いであったところに、木下直人さんからCD-Rが到着した。飛び上がるほど驚いたのは言うまでもない。いつも、本当にありがとうございます。
Jean Marie Londeix, saxophone alto
Carmen Picard, pf
Ida Gotkovsky - Brillance
Paul Hindemith - Sonata
Edison Denisov - Sonata
Daniel Pilon - Trois Méditations
ピアノのカルメン・ピカールは、ケベック出身の女流ピアニスト。また、作品に名を連ねているダニエル・パイロンは、カナダのモントリオールで活躍していた作曲家である。この人選にSNEの意地を感じる。
まず興味深いのは、やはりEMI盤からの再録音となったヒンデミットとデニゾフではないだろうか。聴いてみると、ヒンデミットはEMI盤と解釈に共通するものが見られる。ただし、こちらのSNE盤は録音も含めて非常に見通しがよく、清潔感あふれる演奏だ。デニゾフは、個人的には間違いなくこちらのSNE盤の演奏に好感が持てる。第3楽章の引き締まった響きやリズムを聴くと、演奏者本人たちにしてみても、会心の演奏だったのではないかなと思えてくる。
だが、個人的に一番はっとさせられたのはゴトコフスキーかも。ピアノの序奏に続いて斬り込んでくるサックスの音は、おそらく復刻の素晴らしさもあるのだろうが、それと相俟って非常にセンセーショナルな音だった。スピーカーの前で正座して聴いていると、飛び上がりそうになる。ゴトコフスキー節にやられちゃってますねえ。日本の伝統音楽的な間合いの取り方に共通するものがあるのかな、などと、無責任なことを思ってみたり。
ダニエル・パイロンの作品は、もとは無伴奏アルトサクソフォンのための「7つのメディテーション」というタイトルなのだそうだ。1978年から1984年にかけて作曲され、全て演奏すると20分間。このLPには、1,2,4が収録されている。パイロンというと、今でも自分の中では「Transparences」なのだが、響きとしては近いものを感じた。
2010/07/04
木下直人さんから(ギャルドSQのAFA盤)
この土日は、用事ができたので長野の実家へ帰省していた。さすがに梅雨時であるから、長野といえど日中はかなり嫌な陽気だが、それでも夕方になると涼しい風が吹いてくる。休日の夕方は、時間の進み方が違うように感じる。写真は、今日の午前中に雲の隙間から顔を出した太陽。少し作為的な色作りを感じるが、これはこれで面白い色だなと思いアップしてみた(クリックすると拡大)。
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ジャケット写真(A3のフラットベッド型スキャナを購入され、ジャケットがフルサイズでスキャンできるようになったとのこと!)。
ギャルド・レピュブリケーヌ四重奏団のLPで、良く知られているボザ、デザンクロ、ショルティーノ、バゴが入っているEMI盤(これは私が人生の中で初めて買った"LP"だ)ではなく、今となってはかなり珍しい四重奏の作品群が含まれているLP。確か、これまでは木下直人さんはお持ちでなかったはずだが、この度原盤を入手されたとのことで、送っていただいた。復刻に使用されたステレオ・カートリッジは、オルトフォンのSPU-G(オルトフォン Jorgen Schou JS-41)。
"Quatuor de Saxophones de la Musique de la Garde Republicaine de Paris"
Michel Nouaux, saxophone soprano
André Beun, saxophone alto
Nernard Beaufreton, saxophone ténor
Maurice Delabre, saxophone baryton
Aubert Lemeland - Epilogue Nocturne
Rene Nicolas - Passim
Maurice Bagot - Saxophonie a quatre
Patrice Sciortino - Agogik
Jacques Bernard - Andante et Scherzo
再生してびっくり。どんなマイクの配置にしたら、こんな音の拡がりになるのだろう。ちょっとフシギな録音状態で、耳が飽和しそうだった。録音時に残響はほとんどつけられておらず、最近のCDに慣れていると楽器の音の生々しさに驚くが、耳が慣れてくればむしろこちらのほうが音楽そのものを楽しむことができるように思える。
どの曲も、いわゆる"現代音楽"的な響きではあるが、管楽器王国フランスのアカデミズムの延長線上にある作品場ばかりだ(と感じる)。フラジオ音域以外の特殊奏法が一切使われていないのが面白いな。1975年の録音だが、1970年のデニゾフ以降、パリで特殊奏法の作品が作られるよりも前の過渡期を捉えたディスクということだ。フランスのサクソフォン史に刻み込まれるLPの一つだ、と言い切ってしまっても良いのではないか。
素朴さと難解さ(伝統と前衛)が同居する作品を、ヌオー率いるギャルド四重奏団は、神妙に演奏している。技術的にはさすがに優れたもので、難パッセージもどんどん吹いてしまうが、音量の作り方が、いかにもセッションレコーディング用、という趣なのだ。これは実演で聴いたらかなり印象が違ったかもしれない。
ショルティーノの「アゴーギク」やベルナールの「アンダンテとスケルツォ」など久々に聴いたが、ジャズの筆致なども散りばめられた、面白い作品だな。後半の怒涛のパッセージなど、ジャズの影響なども聴きとることができ、あるいは現代の作品にも負けないほどのものかもしれない。誰か演奏しませんかね。
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ジャケット写真(A3のフラットベッド型スキャナを購入され、ジャケットがフルサイズでスキャンできるようになったとのこと!)。
ギャルド・レピュブリケーヌ四重奏団のLPで、良く知られているボザ、デザンクロ、ショルティーノ、バゴが入っているEMI盤(これは私が人生の中で初めて買った"LP"だ)ではなく、今となってはかなり珍しい四重奏の作品群が含まれているLP。確か、これまでは木下直人さんはお持ちでなかったはずだが、この度原盤を入手されたとのことで、送っていただいた。復刻に使用されたステレオ・カートリッジは、オルトフォンのSPU-G(オルトフォン Jorgen Schou JS-41)。
"Quatuor de Saxophones de la Musique de la Garde Republicaine de Paris"
Michel Nouaux, saxophone soprano
André Beun, saxophone alto
Nernard Beaufreton, saxophone ténor
Maurice Delabre, saxophone baryton
Aubert Lemeland - Epilogue Nocturne
Rene Nicolas - Passim
Maurice Bagot - Saxophonie a quatre
Patrice Sciortino - Agogik
Jacques Bernard - Andante et Scherzo
再生してびっくり。どんなマイクの配置にしたら、こんな音の拡がりになるのだろう。ちょっとフシギな録音状態で、耳が飽和しそうだった。録音時に残響はほとんどつけられておらず、最近のCDに慣れていると楽器の音の生々しさに驚くが、耳が慣れてくればむしろこちらのほうが音楽そのものを楽しむことができるように思える。
どの曲も、いわゆる"現代音楽"的な響きではあるが、管楽器王国フランスのアカデミズムの延長線上にある作品場ばかりだ(と感じる)。フラジオ音域以外の特殊奏法が一切使われていないのが面白いな。1975年の録音だが、1970年のデニゾフ以降、パリで特殊奏法の作品が作られるよりも前の過渡期を捉えたディスクということだ。フランスのサクソフォン史に刻み込まれるLPの一つだ、と言い切ってしまっても良いのではないか。
素朴さと難解さ(伝統と前衛)が同居する作品を、ヌオー率いるギャルド四重奏団は、神妙に演奏している。技術的にはさすがに優れたもので、難パッセージもどんどん吹いてしまうが、音量の作り方が、いかにもセッションレコーディング用、という趣なのだ。これは実演で聴いたらかなり印象が違ったかもしれない。
ショルティーノの「アゴーギク」やベルナールの「アンダンテとスケルツォ」など久々に聴いたが、ジャズの筆致なども散りばめられた、面白い作品だな。後半の怒涛のパッセージなど、ジャズの影響なども聴きとることができ、あるいは現代の作品にも負けないほどのものかもしれない。誰か演奏しませんかね。
2010/07/03
アメリカのレパートリー
Fischoff National Chamber Music Associationという、アメリカの室内楽振興協会が主催するコンクールがある。そのコンクールの、2009年のプログラム冊子が以下のリンク先から参照できる。
http://www.fischoff.org/tasks/sites/fischoff/assets/File/2009_Rep_-_ALL.pdf
PDFファイルの5ページから8ページが管楽器部門のプログラムで、サクソフォンの団体が7つエントリーしている。1年前の資料とはいえ、これを眺めるとアメリカにおけるレパートリーのトレンドが見えてくる。
まず目を引くのが、マスランカ氏の作品。「マウンテン・ロード」「レシテーション・ブック」が、メイン曲としてほとんどの団体に取り上げられている。デザンクロやリュエフなどのフランスものもいくつか取り上げられているが、全体的な傾向としては少ないように感じらる。
アメリカの比較的新しい作品…ティケリ、ワナメーカー、ケックレー、ブロウニング、といったところは、いくつかは音を聴いたことがあるが、いまだ日本国内での認知度は低い。雲井雅人サックス四重奏団の動きに期待しましょう(笑)実際、Frank Tcheliの「Back Burner」や、David Kechleyの「RUSH」、Zack Browningの「Funk Assault」、John Wanamakerの「Speed Metal Organum Blues」には興味津々なのだ。もちろん、アメリカのみならず、フランスの最新のレパートリーも気になる。
やっぱり、レパートリーの開拓については国外の方が積極的だ。生まれる作品はピンキリだろうが、そういった中から出てきた名作は確実に拡がっていく。
http://www.fischoff.org/tasks/sites/fischoff/assets/File/2009_Rep_-_ALL.pdf
PDFファイルの5ページから8ページが管楽器部門のプログラムで、サクソフォンの団体が7つエントリーしている。1年前の資料とはいえ、これを眺めるとアメリカにおけるレパートリーのトレンドが見えてくる。
まず目を引くのが、マスランカ氏の作品。「マウンテン・ロード」「レシテーション・ブック」が、メイン曲としてほとんどの団体に取り上げられている。デザンクロやリュエフなどのフランスものもいくつか取り上げられているが、全体的な傾向としては少ないように感じらる。
アメリカの比較的新しい作品…ティケリ、ワナメーカー、ケックレー、ブロウニング、といったところは、いくつかは音を聴いたことがあるが、いまだ日本国内での認知度は低い。雲井雅人サックス四重奏団の動きに期待しましょう(笑)実際、Frank Tcheliの「Back Burner」や、David Kechleyの「RUSH」、Zack Browningの「Funk Assault」、John Wanamakerの「Speed Metal Organum Blues」には興味津々なのだ。もちろん、アメリカのみならず、フランスの最新のレパートリーも気になる。
やっぱり、レパートリーの開拓については国外の方が積極的だ。生まれる作品はピンキリだろうが、そういった中から出てきた名作は確実に拡がっていく。
トゥジュールSQのリサイタル情報
本日、関西を中心に活動するトゥジュールSQのリサイタルがドルチェ楽器で開催される。「キャラバンの到着」を始めとする名アレンジの数々でも有名だが、なかなか東京では聴けない。この機会に是非!
前々から楽しみにしていたのだが、今日は実家に帰る用事ができてしまったため、伺えない。ご盛会をお祈りします。
【トゥジュールサクソフォンカルテット リサイタル2010(東京公演)】
日時:7月3日(土)18:00開演
場所:アーティストサロンDOLCE(ドルチェ楽器管楽器アヴェニュー東京)
料金:一般3000円 学生1500(当日500円増)
曲目:
W.A.モーツァルト - フィガロの結婚
J.リヴィエ - グラーヴェとプレスト
F.シュミット - サクソフォン四重奏曲
大島忠則 - アルプス一悶着
F.レハール/大島忠則 - メリーウィドゥファンタジー(初演)
前々から楽しみにしていたのだが、今日は実家に帰る用事ができてしまったため、伺えない。ご盛会をお祈りします。
【トゥジュールサクソフォンカルテット リサイタル2010(東京公演)】
日時:7月3日(土)18:00開演
場所:アーティストサロンDOLCE(ドルチェ楽器管楽器アヴェニュー東京)
料金:一般3000円 学生1500(当日500円増)
曲目:
W.A.モーツァルト - フィガロの結婚
J.リヴィエ - グラーヴェとプレスト
F.シュミット - サクソフォン四重奏曲
大島忠則 - アルプス一悶着
F.レハール/大島忠則 - メリーウィドゥファンタジー(初演)
2010/07/01
引き続き
木下直人さんの最新のSP復刻盤だが、ブログ上でもTwitterでも呼びかけたためか、いろいろな方からリクエストが来ている。詳細は下記リンク先の記事を参照いただきたい。引き続いて、希望される方募集中。とにかく、たくさんの方に聴いていただきたいと思う。素晴らしい復刻だ。
すでにメールやメッセージを頂いた方、準備中ですので今しばらくお待ちください。おまたせして申し訳ありません。
http://kurisaxo.blogspot.com/2010/06/sp2.html
パソコン通信の会議室→インターネットのウェブページ→ブログ→ミクシイ→Twitterと遷移するうちに、とにかく反応が早くなったと感じる。Twitterなんて、発言した5分後には2人から返信がついていたからな…。
すでにメールやメッセージを頂いた方、準備中ですので今しばらくお待ちください。おまたせして申し訳ありません。
http://kurisaxo.blogspot.com/2010/06/sp2.html
パソコン通信の会議室→インターネットのウェブページ→ブログ→ミクシイ→Twitterと遷移するうちに、とにかく反応が早くなったと感じる。Twitterなんて、発言した5分後には2人から返信がついていたからな…。