2017/07/31

連動

マウスピース、リガチュア、リード、楽器の組み合わせが、この時代にあっても未だ試行錯誤されている(これがベストという解がない)ことを、いくぶん不思議に思うこともある。

普通の工業製品は、それ自体が自律して動くものであり、何がベストか分かり易いが、楽器は人間の呼吸器官etc.と連動して動くものだ。人体と楽器の組み合わせにおけるベストを見つけねばならず、人それぞれ持つ呼吸器官の構造が違うわけで、その人に合った最適なセッティングというものを探していかなければならない、ということだ。そういう研究とかサービスとか、存在しても面白いと思うのだが…。

2017/07/28

他の楽器で

サクソフォンのために書かれたオリジナル作品を、他の楽器が演奏することはほとんどない。まとまってCDになっているものは、アレッサンドロ・カルボナーレの「No Man's Land」(クラリネットでファジィバードやウッズのソナタを演奏)くらいだろう。逆のパターンはかなり多いのだが…。

まだまだサクソフォン界に素晴らしい作品が出てくる余地があることを感じさせるとともに、他の楽器のレパートリーの充実が窺える。

2017/07/27

アリアージュQ

Alliage Quintetは、世界的に見ても珍しい、サクソフォン四重奏+ピアノ、という編成で定常的に活動している団体だ。ケルン音楽大学教授のダニエル・ゴーティエ氏を筆頭に、優秀な奏者を擁し、演奏レベルも高い。CDのリリースも多く、気軽に彼らの演奏を聴くことができる。最近リリースされた、クラリネットのザビーネ・マイヤー氏と共演したアルバムが、また鮮烈だ。

取り上げるレパートリーはどうしてもアレンジ中心になるのだが、これがまた聴き応えのあるものばかり。「トルヴェールの四季」全曲なども取り上げている。

個人的に、定常的にチェックしておかなければならない団体の一つ。

2017/07/26

名前を見るたびに

新井靖志氏の追悼コンサートは伺うことができなかった。クラシック界でも、ジャズ界でも、ここ数年、多くの方に愛された奏者の訃報が続くが、そういった方に限って「あ、そういえば亡くなったんだったなあ…」と、名前を見かけるたびに思い出すこと、しばしば。私的な交友関係があったわけでもないのに、不思議なことだ。

2017/07/25

アジアのこれから

アジアのクラシック・サクソフォン界の隆盛が著しいが、これから先、そしてその次に伸びる可能性があるのはどこか。

タイ、台湾は、優秀な教育者、活発な音楽院を擁し、数年前からの盛り上がりが著しい。中国についても(具体的なことは未だ分かっていないのだが)聞こえてくる話からすると、似た状況のようだ。シンガポールや香港にもフェスティバルはあるようだが、地盤としてはどういったレベルなのだろう。韓国、インドネシア、マレーシア、ベトナムあたりの状況は…?

昨年、台湾で第一回アジアサクソフォンコングレスが開かれたが、情報収集の意味でも観に行けば良かったと、今更ながら後悔している。

経済成長の30年遅れでサクソフォンにも似たような状況…日本が先行し、他の国々の成長が追いついてきて…が起こっていて、面白いな。さらに20年もすれば、この先は追い抜かされていく、ということなのだろう。

2017/07/24

暑い盛りに

かつてのように毎週末楽器を吹きまくっている、という状態から、ここ数年離れている。結婚し子供も生まれ、自分のためだけに使う時間ばかりでなくなったのと、Tsukuba Saxnphone Quartetがほぼ活動休止の状態にある、といったあたりがその理由。

昨日、ふと、社会人になってから5年間ほどのことを思い出していた。夏の暑い盛りに、楽器を抱えて片道一時間半以上もかけ、カルテットの練習に行っていたのだった。今考えるとかなり無茶苦茶やっていたが、そういった環境に身を置くと、それが当たり前になる、ということなのだと思う。これから先も、そうなる事は十分考えられるのだ。

2017/07/23

JML 5th: ファイナル順位発表

Winner: Carlos Ordóñez De Arce
2nd Prize: Evgeni Novikov
3rd Prize: Aiwen Zhang

スペインのCarlos Ordóñez De Arce氏が優勝。経歴をあまり良く知らないのだが、今後注目していかなければいけない。エフゲニー・ノヴィコフ氏の高位入賞は、ほぼ予想通り。画期的だったのは、中国籍のAiwen Zhang氏の入賞だ。おそらく、この規模のサクソフォンの国際コンクールで中国籍の奏者の入賞は初めてのことだと思う。近年盛り上がっているアジアでのサクソフォン熱を象徴する出来事のひとつと言えるだろう。

2017/07/21

無伴奏の白鳥

木下直人さんの復刻によるマルセル・ミュールの独奏録音の中に、サン=サーンス「白鳥」の録音が2種類含まれている。

http://www.greendoor.jp/products/products.php?pnum=GDWS-0025-6

1つは以前から度々復刻されていたものだが、もう1つは、何と冒頭に一瞬ピアノが入るのみの、無伴奏版。原盤は、コロンビアのDF1083。

どういった経緯でこれが録音され、リリースされたのか、その事情に興味があり、資料的価値が高いと思っているのだが、それを差し置いてこの演奏は殊の外素晴らしく、蠱惑的なものを持っており、惹かれてしまう。

2017/07/20

自宅にて

昨夜は自宅にて、大学時代の同期指揮者と、指揮トレーナーの先生との飲み会。様々な音楽の話題に終始し、楽しい時間を過ごした。

メモ:フランスの二人組ディジュリドゥ・ユニットがすごい。Lowland Jazz Orchestraはやっぱりすごい。

2017/07/19

長生淳氏とトルヴェール

特に国内のサクソフォン奏者にとって、長生淳氏の作品はおなじみだ。多くはトルヴェール・クヮルテットとの一連の共同作業から生み出されたものだが、高難易度かつ聴き応えのあるものばかり。

しかし他の団体が演奏すると、どれだけ上手くても、「なんか少し違うなあ」という感じを受けることが多い。そしてトルヴェールQの演奏へと戻れば、「やはりこの演奏でなければ」という思いを強くする。奏者ありきの作品、というのは珍しくないが、トルヴェール×長生淳はその中でも筆頭だろう。これだけ奏者と作編曲者が密に結合したコンビもなかなかないのでは、と思う。

2017/07/18

四重奏+ピアノで演奏会

少し先だが、サクソフォン四重奏+ピアノ、という編成で小さなコンサートを開催しようと考えている。先週金曜日はその初回打ち合わせだった。

この編成における先駆者兼開拓者といえば、何を差し置いてもトルヴェール・クヮルテットだが、そのレパートリーに引っ張られすぎないように、少々物珍しい曲も入れながらプラグラムを組む。来年の前半に開催する予定。

2017/07/17

JML 5th: ファイナリスト発表

先程、ファイナリストが発表された。中島くんは残念ながら残れなかったようだ。中国人参加者がこの規模の国際コンクールでファイナルに残るのは初めてではないだろうか。中国の勢いを感じる。

copy from adolphesax.com info.

Carlos Ordóñez De Arce (SPAIN)
Ali Wright (GREAT BRITAIN)
Aiwen Zhang (CHINA)
Jiaqi Zhao (CHINA)
Evgeny Novikov (RUSSIA)

2017/07/14

JML 5th: セミファイナリスト発表

昨夜、一時予選通過者が発表された。日本人としては、中島諒くんが通過。彼はほとんどのコンクールで一次を通過しているが、それだけの地力の高さを感じる。

個人的注目は、エフゲニー・ノビコフ氏。また、アジア勢の活役が目立つ。

copy from adolphesax.com info.

Alberto Chaves Zamora (SPAIN)
Chi Chun Chen (TAIWAN)
Chi Him Chik (HONG KONG)
Evan Clark (USA)
Colin Crake (USA)
Bob Eason (USA)
Jakub Jarosz (POLAND)
Jie Luo (CHINA)
Pisol Manatchinapisit (THAILAND)
Ryo Nakajima (JAPAN)
Evgeni Novikov (RUSSIA)
Carlos Ordóñez De Arce (SPAIN)
Mary Osborn (AUSTRALIA)
Gabriel Pique (USA)
Thitipol Piseskul(THAILAND)
Yu-Shiang Wang (TAIWAN)
Alastair Wright (GREAT BRITAIN)
Ding Zhang (CHINA)
Aiwen Zhang (CHINA)
Jiaqi Zhao (CHINA)

2017/07/13

Skype→Google Hangout

スマートフォンから一般電話への発信アプリ、これまではSkypeを使っていたが、クレジットを使い切ったのを契機にGoogle Hangoutへと乗り換えた。最近知ったのだが、比較すると、Google Hangoutのほうがずっと安いのだ。

気がつけば、auからmineoに乗り換えてからそろそろ2年が経つ。通話料の高さをSkypeでカバーしていたが、これからさらにお得に使えそう。

2017/07/12

JML 5th進行中

第5回ジャン=マリー・ロンデックス国際コンクールが、タイ・バンコクにて進行中。おなじみ、adolphesax.comが特集ページを組んでおり、演奏の模様も含めて多くの情報を参照できる。

http://londeixcompetition2017.adolphesax.com/index.php/

私も、以前のようにリアルタイム、かつ詳細に追うことは難しいが、横目でチラチラと眺めている。

2017/07/11

サイバーバードのピアノリダクション版映像

テレビマンユニオンの動画ページにて、吉松隆「サイバーバード協奏曲」第1楽章のピアノリダクション版映像が公開されている。

http://tvuch.com/social/283/

須川展也氏と小柳美奈子氏のコンビ。もちろん、演奏が素晴らしいことは言うまでもない。

聴きながら原曲フラッシュバックしてしまうのだが笑、この作品のサクソフォンパートが持つ饒舌さ(テアトル的な雰囲気、特殊奏法の数々、即興…等)を、ピアノ1台で受け止めるのはさすがに難しいな、少々アンバランスだな、と思ったのも事実。協奏曲のピアノリダクションであるから、致し方ない。

とはいえ、この名曲をお手軽に演奏できるようになったのは歓迎すべきところで、これから演奏者も増えていくことだろう。

2017/07/10

BnF Records

Google Play Musicを利用して、フランスのLP時代のアーティストについて音楽検索をしていると、時折BnF Recordsというレーベルのアルバムが引っかかることがある。ギャルド・レピュブリケーヌ吹奏楽団、ミュール、ロンデックス…等々。

検索結果に表示されるのは、どれも似たようなデザインのジャケットで、聴いてみると盤起こしのような音質。おそらく配信専門に、レコードを復刻して提供しているレーベルなのだと思う。凡庸な復刻だが、手軽にLP時代の録音を聴ける、という意味では良いのかも。そういう時代であることが、ちょっと寂しくもあるが。

2017/07/09

香川へ

妻のご両親の実家へ、息子のお披露目に2泊3日で香川へ。可愛らしい山々、穏やかな海、美味しい食べ物、香川は何度来ても良いところだ。

久々に再会する方々も多く、滞在を楽しんだ。本日昼の飛行機で帰京する予定。

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(追記)

日曜夕刻に、無事帰京した。