2016/06/30

演奏会情報:松下洋リサイタルvol.5 with ニキータ・ズィミン

おなじみ、松下洋さんのリサイタルが間もなく開催される。

いつも思うのだが、やはり彼の「やりたいことを実現させる」そのパワーは見事という他ない。さらに企画の側面のみならず、演奏クオリティも毎度期待以上のものを提示してくることは、本当に凄いと思う。そういった演奏者の演奏会にこそ足を運びたいものだ。

さて、今回はなんと、ロシアの俊英、Nikita Zimin氏を招いての演奏会。演奏家のサブタイトル通り、ディナンのアドルフ・サックス国際コンクールで1位を獲った奏者だ。松下くんとは、ストラスブール・フィルハーモニーの演奏会で共演(ズィミン:ラーション、松下:ロセ)している。松下くんの演奏の鮮烈さは、このブログでも何度か取り上げたので、そちらに譲るとして、ズィミン氏の凄さを少々書いておきたい。

グネーシン音楽アカデミーでマルガリータ・シャポシュニコワ氏に師事したのち、フランスに渡りパリ国立高等音楽院でクロード・ドゥラングル氏に師事。この間、ディナンのコンクールを始めとする数多くの国際コンクールで入賞している。私的な印象だが、特にアレンジ作品を得意としているように感じる。パリ国立高等音楽院の修士課程の卒業試験では、フランク「ヴァイオリン・ソナタ」、デニゾフ「ソナタ」、サラサーテ「ツィゴイネルワイゼン」を、サクソフォンとピアノで演奏し(特殊編成が流行している同音楽院の修士課程試験にあっては、逆に奇異に映るほど真っ向勝負の曲・編成)、見事審査員全員一致のTres bienを得た。正統派路線を相当突き詰めることで、サクソフォンの可能性を追求している、まさに求道者といった雰囲気の演奏家だ。

サラサーテは、YouTubeに演奏がアップされている。ぜひいちどご覧頂きたい。


そのズィミン氏と、あの松下くんの演奏会である。面白くならないはずがない。7/1はぜひフィリアへ(私も行きます)。

【松下洋サクソフォンリサイタルvol.5 ~6thアドルフ・サックス国際コンクール第1位ニキータ・ズィミンを迎えて~】
日時:2016/07/01 (金) 開場 18:30 開演19:00
会場:青葉区民文化センター 東急スクエア5F フィリアホール
料金:全席自由 一般3000円、学生2500円
プログラム:
セコーン - パズル・ソナタ
旭井翔一 - ジャズ・ソナタ
ピアソラ - エスクヮロ
ジュナン - ヴェニスの謝肉祭変奏曲
プーランク - トリオ 他
問い合わせ:sax.subscription@gmail.com

松下くんから来た紹介文がなかなかアツかったので、転載。

今年は遂に第5回目を迎える事になりましたのでご案内させていただきます!毎年コンセプトを決めて、サクソフォンにしか出来ないアプローチを発信する場としてリサイタルをさせていただいております。
実は、サクソフォンの世界大会には大きなものが2つあります。そして一昨年になりますが2014年はサクソフォンにとってのコンクールイヤーでした。4年に1回のアドルフ・サックス国際コンクール、3年に1回のロンデックス国際コンクールが重なるという、12年に1度の年だったのです。
今回はその内の1つ、最も権威のあるサクソフォン国際コンクールで2014年に優勝を果たしたロシア人、ニキータ・ズィミンを迎えて演奏会をする事になりました。彼はまだ日本に来たことはないですが、勿論現在も世界中で引っ張りだこです。彼の演奏を初めて聴いたのは6年前、ロシア人の血を感じる力強く壮大な演奏は強烈で、その頃から「凄いロシア人がいる」と話題になっていましたね。そして圧倒的な超絶技巧、、、これが同い年だと、、、?!wという感じで、自分にとっても凄く刺激的なプレイヤーです。
世界最高峰のプレイヤーの1人と言っても過言ではないニキータを日本に紹介したく、リサイタルのゲスト以外にも東京・名古屋・大阪とツアーも組みました。さぁ、ニキータに負けない為にはどうしようなんて考えたのですが、アメリカの共同委嘱コミットにより作曲された「パズル・ソナタ」という曲の日本初演を担当させていただく事にしました!
ダグラス・オコナーの声掛けにより、ティモシー・マカリスターやジョーン・サンペン、ジェローム・ラランにオーティス・マーフィーと一緒に「その話乗ったぁ」的な感じで参加させてもらったのでこの機にやってみよう的な感じです。新しいアメリカンピースの誕生も是非ご覧ください。
そして、いつも仲良しの天才作曲家、旭井君のジャズ・ソナタも演奏します。昨年フランスでも演奏しましたが、もちろん超大好評の作品でした!
お楽しみにしていてください✨
それから、サクソフォンだけでは演奏会は出来ませんので、今回も素晴らしいピアニストに共演していただきます。永井キーシンという、東京芸大に入ったと思ったらすぐにパリ音楽院に行っちゃった早熟の天才でございます。力強くて構造力豊かな演奏はきっと心に残る演奏となるでしょう。
是非お楽しみにしていてください!!お越し頂けますと嬉しいです!よろしくお願い致します(p‘・ω・〝q)

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