2016/03/31

ポラン氏記事書き開始

ようやくアンリ=ルネ・ポラン氏のインタビュー記事執筆に着手。

昨年7月にフランス・ルーアンのポラン氏宅にて敢行したインタビュー、その最中はとにかく喋りまくられ、メモが雑多な状態のままなので、順に並べて整理している。記事は、ポラン氏からお借りした貴重な写真の数々とともに、次号のサクソフォーン協会誌に掲載予定。

例えばこの資料…ポラン氏が1961年にギャルド・レピュブリケーヌ吹奏楽団の一員として来日時、帰国直前の送別パーティのために作られて団員に配布された招待状である。

Trio KlezeleのライヴCD入手先

先日、ジュリアン・プティ氏が来日したが、その演奏会で売られていたTrio KlezeleのCD、まだ塙美里さんの手元に少し残っているそうだ。

このCDの凄さは一朝一夕には語りきれないものだが、サクソフォンのライヴ録音として、史上最高のものの一つだと言えるだろう(以前書いたレビュー記事はこちら)。自信を持ってオススメする。気になる方は塙さんにコンタクトを。

http://misatosax.wix.com/misatosax-

演奏会の感想も、近いうちに書く予定。

2016/03/28

The 11th Saxcherzet Concert(2/7)

【The 11th Saxcherzet Concert】
出演:冨岡和男、池上政人、岩本伸一、大和田雅洋、宗貞啓二、原ひとみ、平野公崇、大城正司、成田徹、二宮和弘、大貫比佐志、原博巳、大石将紀、有村純親、松井宏幸、江川良子、國末貞二、貝沼拓実、林田祐和、田村真寛、田中拓也
日時:2016年2月7日(日曜)15:00開演
会場:洗足学園 前田ホール
プログラム:
J.シュトラウス/圓田勇一 - 喜歌劇「こうもり」序曲
J.P.ブーニョ - 四重奏のための小品より
A.ピアソラ/啼鵬 - ブエノスアイレスの冬
長生淳 - パガニーニ・ロスト
平野公崇編 - 和樂
平野公崇&田中拓也編 - 津軽じょんがら節
平野公崇編 - てぃんさぐぬ歌
G.F.ヘンデル - 涙の起源
J.S.バッハ - G線上のアリア
G.カッチーニ - アヴェ・マリア
P.マスカーニ - カヴァレリア・ルスティカーナ
G.プッチーニ - 歌劇「トゥーランドット」より誰も寝てはならぬ
M.ラヴェル/金井宏光 - ラ・ヴァルス

第1回のコンサートから、何度か聴いたが、そのたびに出演者が増え、プログラムも挑戦的になり、ついにはCDレコーディングも行い…と、活動の幅を広げている。やはり、サクソフォンであろうと何であろうと、「先生ができないことを生徒に要求する」のはおかしいわけで、講師陣がこういったコンサートを定期的に開くこと、それ自体がとても意義深いことだと思うのだ。

毎年、非常に短期間のリハーサルだというが、出てくる音楽は自発性に満ち溢れた素晴らしいものだ。なかなか聴く機会のないブーニョや、有名すぎて逆に聴く機会のない「ブエノスアイレスの冬」、準ブルーオーロラ的メンバーによるブルーオーロラのレパートリーなど、挙げていけばきりがない。

その中にあって、冨岡氏がソプラノを担当し、奥様の冨岡英子氏がピアノを弾いたトリオは、圧巻の印象を残した。その2名を中心に、テナーが大和田氏→原ひとみ氏&江川氏→貝沼氏→大城先生→岩本氏と交代するような、トリオ編成を基本とする形での演奏。一音が占める存在感は、サクソフォンの酸いも甘いも知り尽くした冨岡氏ならではだった。この演奏を聴けただけでも、大いなる価値があった、というものだろう。サクスケルツェットは、冨岡氏の退官もあり、これで最後かもという話をちらちら耳にしたが…実際の所どうなのだろうか。

残念ながら、所用により「ラ・ヴァルス」は聴けずに退散。

未レビューのコンサート(メモ)

ブログ上で未レビューのコンサート、自分用のメモ。1日1記事くらいのペースで書いていこうかな。

The 11th Saxcherzet Concert 2016年2月7日(日) @洗足学園音楽大学前田ホール
Wao Saxophone Quartet 1st LIVE 2016年2月11日(木・祝) @千本桜ホール
第35回サクソフォーンフェスティバル一日目 2016年2月26日(金) @パルテノン多摩
第35回サクソフォーンフェスティバル二日目 2016年2月27日(土) @パルテノン多摩
大栗司麻サクソフォンリサイタル 2016年3月12日(土) @アーティストサロン"Dolce"
塙美里サクソフォン・リサイタル~ジュリアン・プティ氏を迎えて~ 2016年3月14日(月) @横浜みなとみらいホール・小ホール

2016/03/27

Tokyo Rock'n Sax レコード発売記念ライヴ(2016/3/23)

驚いた。これまで彼らのライヴは4回聴き、いずれも大変な感銘を受けたのだが、その4回の印象を軽々と超えるライヴだった。これはまさに「Tokyo Rock'n Sax "Version 2.0"」だ。彼らは新たなステージへと到達した。

【Tokyo Rock'n Sax レコ発ライヴ】
日時:2016年3月23日(水曜)19:30開演
会場:Last Waltz by shiosai
プログラム:
Yes - Roundabout
U.K. - In the Dead of Night
Genesis - Dancing with the Moonlit Knight
Queen - Bohemian Rhapsody
? (失念)
King Crimson - 21 Century Shizoid Man
David Bowie - All the Young Dudes
Led Zeppelin - Stairway to Heaven
Deep Purple Fireball
Deep Purple - Burn
Asia - ?

まずステージから出てきた瞬間からして、ビジュアル的に違う。服装、髪型がよりバシッと決まっている。そして驚いたことに全曲暗譜…である!クリップマイクを使って、ステージを縦横無尽に動きまわり、カッコいいソロをビシバシ決めまくる。前々回ライヴ→前回ライヴへの進化具合から想像していた、「レコ発ライヴはこれくらいかな」という印象を、軽々と飛び越え、さらに想像が及ばない範囲へと行ってしまった。

Yes「Fragile」の冒頭曲、「ジョジョの奇妙な冒険」のエンディングテーマとして採用され話題をかっさらった「Roundabout」の、よもやサクソフォンとドラムスだけとは思えないアプローチ、緩急の対比と歌詞の神秘性、そして心つかむメロディが魅力的な、Genesisの「Dancing with the Moonlit Knight」(あまりに感動して、「Selling England by the Pound」と歌われるのメロディのところで心のなかで歌ってしまったよ)、マルバ氏お得意Queenは、ついに、ついに「Bohemian Rhapsody」を演奏…いやあ、見事にマッチしますな。

後半もさらにパワーアップ。もはや十八番の「21st Century Schizoid Man」での疾走感やグルーヴ感は見事だし、David Bowieの「All the Young Dudes」は、なんと普段バスサックスを担当する田中拓也氏がソロを取った。これがまた印象深い演奏で…マイクが曲がってしまったのは残念だったが、鬼気迫る内容であった。Red Zeppelinは、原曲を聴くと、最終部に向かってワナワナ震えが止まらなくなってしまうのだが、Rock'n Saxでの演奏は、ある意味それ以上に心を震わせるものだ。最後のDeep Purpleは、問答無用のスピード感と熱さ。いやー、興奮しっぱなしだった。

このライヴ、もっとプログレファンにも聴いてほしかった。客層として、純然たるプログレファン、ロックファンはほとんどいない印象。どちらかと言うと、サックス関係者が多いのかなあ。もちろん大いに盛り上がるのだが、やはりもっと盛り上がってほしい…というのは無茶な希望かな。おそらく原曲を知っている方があまりいないせいか、展開や曲が持つエピソードなど、聴き手の内面にある要素と、演奏や選曲の素晴らしさが、ライヴ中にリンクしていると感じられる部分が若干少ないのだ。これは完全に聴き手の問題だろう。ということで、今後は違った宣伝のアプローチも求めたいところだ。

というか、これをクラシックサクソフォンのコンサート、としてブログ上で分類しようとしている自分も、何かヘンだな。

CDは先行発売時に買ったのだが、まだブログでは未レビューだった。こちらの出来も、一朝一夕には言い尽くせない感があるが…これは絶対書かなければ。

2016/03/22

結婚式・披露宴&二次会

昨日、3/21は、私達夫妻の結婚式・披露宴と二次会(入籍は昨年5月)。

あっという間だが、大変充実した一日だった。

家族、集まってくれた友人・知人、鉄壁すぎる幹事陣、TSQメンバーを始めとする強力な演奏仲間、鮮烈なムービーを作ってくれた盟友S氏(仮に、二次会ムービー全国大会のようなものがあったら、個人制作部門で一位を取るだろう)、会場スタッフの皆様に感謝。そして、もちろん妻にも感謝…準備段階はもちろんのこと、3/21は私の誕生日だったため二次会の最中にサプライズを仕掛けてくれたのだった。

いつもお世話になっている皆様のおかげで今の私達があることを実感した日だった。結婚式・披露宴&二次会とは、そういうことを再認識して、今まで受けた恩を少しずつ返していくためのスタート地点に立つ、そういう日なのかもしれない。実は、夫婦で「皆さんと直接お話しして、日頃の感謝を伝えたい」ということを念頭に置きながら準備を進めたのだが、もちろん行き届かない部分、反省すべき部分もあり…しかし、その分はこれから少しずつでも、返していこうと、気持ち新たにすることができたのだった。

関わってくださった皆様、本当にありがとうございました。

コンサートレビュー等、ここ数ヶ月ブログの更新頻度が落ちていたのは、準備が立て込んでいたため。明日からブログは平常運転に戻る予定。

2016/03/16

【演奏会情報】Concert Spirituel et Saxophone(仙台)

仙台で活動するサクソフォン奏者、小田島航太さんより、演奏会のご案内を頂戴した。

【Concert Spirituel et Saxophone】
出演:松下洋、小田島航太、佐藤こずえ、亀井政孝
日時:2016年3月19日(土) 開場18:00 開演18:30
会場:仙台元寺小路教会(http://st.cat-v.ne.jp/catholic-sendai/mototerakoji.html)
料金:前売り券 大人2500円 高校生以下1500円 (当日券は各500円増)
プログラム:
J.S.バッハ/成本理香 - パルティータ4番より
P.グラス - サクソフォン四重奏曲
D.マスランカ - マウンテン・ロード

プログラムは、まさにメンバーのみなさんが"こだわった"という印象の大曲が揃っている。吹くのにも聴くのにも体力が必要そうなプログラム、これは凄そうだ。グラスは、雲井氏率いるコレジオ・サックス四重奏団が2005年に日本初演を行ったが、とにかく日本国内では珍しい選曲だろう。私も楽譜を持っているが、未だ手を出せないでいる。

お知り合いの松下くんも出演する…といったところもあって、大変面白そうな演奏会だ。残念ながら私は先約の用事があり伺えないのだが、特に仙台近辺の皆様、行ってみてはいかがでしょうか。

2016/03/14

【演奏会情報】塙美里サクソフォンリサイタル~ジュリアン・プティ氏を迎えて

プライヴェートでドタバタしており、すっかり紹介が遅れてしまった。明日(もう今日か)みなとみらいホールにて、塙美里さんのリサイタルが開かれる。サクソフォンを吹く方、そうでない方、万人におすすめせねばならないリサイタルだ。

塙美里さんは、茨城県出身のサクソフォン奏者。洗足学園音楽大学卒業後、フランス国立セルジー・ポントワーズ音楽院サクソフォン科でジャン=イヴ・フルモー氏に、カンブレ音楽院最高課程でジュリアン・プティ氏に師事した。今回、そのプティ氏を日本に迎えてのリサイタル…(推測するに)塙さんがおそらくこれまで最も影響を受けたサクソフォン奏者との、師弟共演リサイタルである。

塙さんの演奏の素敵さは言わずもがなであるが、プティ氏の名前は日本ではあまり知られていないので、簡単に紹介しておく。ミュンヘン国際コンクール第3位、第3回アドルフ・サックス国際コンクール(ディナン)で第2位、ジュネーブ国際コンクール入賞という、強烈な経歴を持つ方だ。いや、プティ氏の魅力は、こういった経歴すら忘れさせるような、自在すぎる演奏技術と音楽性にある。カンブレ音楽院に留学経験のある門馬さんに送ってもらったCDは、どれも超一級品。シュトックハウゼンにも認められ、さらにクラシックのみならずクレツマー・ミュージックにも造詣が深い。昨年夏には、フランスでライヴ演奏を(ほんの一曲ながら)聴くことができ、大変な感銘を受けたのだった。

以下は、過去のCDレビュー記事。
http://kurisaxo.blogspot.jp/2009/10/trio-klezele-poccha.html
http://kurisaxo.blogspot.jp/2009/10/la-escapada.html
http://kurisaxo.blogspot.jp/2007/09/kerlheinz-stockhausen-saxophon.html
http://kurisaxo.blogspot.jp/2009/10/quatuor-carr-m.html

こんな奏者の来日、聞き逃すわけにはいくまい。もちろん私も伺う予定だ。

【塙美里サクソフォン・リサイタル~ジュリアン・プティ氏を迎えて~】
神奈川公演
日時:2016/03/14(月)18:30開場 19:00開演
会場:横浜みなとみらいホール(神奈川)

茨城公演
日時:03/19(土)15:30開場 16:00開演
会場:水戸芸術館コンサートホールATM(茨城)

京都公演(青山財団助成公演)
日時:03/21(月・祝)13:30開場 14:00開演
会場:バロックザール京都 青山音楽記念館

共演:酒井有彩(Pf) ジュリアン・プティ(sx) 大西智氏(sx)
料金:全席自由 一般3000円、学生2000円
プログラム:
N.アレンスキ - ピアノ三重奏
H.ヴィラ=ロボス - ファンタジア
クレツマーミュージック
M.d.ファリャ:スペイン民謡組曲
チケット予約:
http://misatosax.wix.com/misatosax
株式会社アクタス 03-5458-1521
パスレルアート&ミュージック 06-6415-9283, 090-6061-1761

2016/03/04

Eric Devallon氏急逝

フランスのサクソフォン奏者、エリック・ドゥヴァロン Eric Devallon氏が急逝したとのことだ。ソースはAdolphesax.com。デファイエがパリ国立高等音楽院の教授だった時代の、最後の弟子。ディアステマ四重奏団のバリトン奏者として、素晴らしい演奏の数々を残している。まだそんな年齢ではないはずだが…。

ディアステマQは、ぜひオリジナルのメンバーにて、ライヴで演奏を聴いてみたい団体の一つだった…2012年に、オーケストラとの協奏曲を聴けたのだが、その時はザグレブQのMatjaz Drevensek氏が代役として演奏していた。とはいえ、まだまだ速報に過ぎない。とにかく、急ぎ裏を取りたい。