2015/05/30

演奏会ご案内:女声合唱スワ・セシリア第13回コンサート

今日は、朝から名古屋→長野実家へバス移動。もう明日となってしまったが、サクソフォンでこんな演奏会に出演する。

【女声合唱スワ・セシリア第13回コンサート】
日時:2015年5月31日 14:00開演
会場:下諏訪総合文化センター・大ホール

この演奏会は、第1部がシューマンの歌曲集「女の愛と生涯」、第2部が日本の童謡・唱歌、第3部が杉本龍之作曲の「故郷の道」、第4部が「いのちの歌」という、全4部構成の演奏会となる。このうち、第4部にサクソフォン3本…ソプラノChisa氏、アルトまなみん氏、テナーkuri…が参加する。編曲は、Chisa氏の高校時代の吹奏楽部顧問だという宮下先生が手がけ、通常のピアノ+合唱3部の編成に3本のサクソフォンがオブリガード的に付加される形での共演となる。慣れない編成ではあるが、やはりサクソフォン以外とのアンサンブルは勉強になることも多く、楽しく参加させて頂いている。

お近くの方はぜひ!

瀧彬友 サクソフォンリサイタル(2015)

強行スケジュールではあったが、聴きに伺えて良かった!

【瀧彬友 サクソフォンリサイタル】
出演:瀧彬友(sax)、長井美香(pf)
日時:2015年5月29日(金曜) 19:00開演
会場:電気文化会館 ザ・コンサートホール
料金:学生2000円、一般3000円(当日500円増し)
プログラム:
Paule Maurice - Tableaux de Provence
Bernat Vivancos - Moustik's Etude
Marylin Shrude - Renewing the Myth
Henri Tomasi - Concerto
Cesar Franck - Sonata
Gabriel Pierne - Canzonetta (encore)
Antonio Bazzini - La ronde des lutins (encore)

定時で仕事を切り上げて、ダッシュ。新横浜でなぜか新幹線切符の券売機にPASMOが弾かれ焦ったが、なんとか予定から3分遅れでひかりに乗車。名古屋駅を経由して伏見へ。ここ1年で名古屋へは4回ほど伺っており、特に伏見のあたりはほぼ毎度フラフラしているので、なんとなく土地勘が出てきたような気がする(笑)到着すると、ちょうどトマジが始まったところだった。トマジをロビーで聴き、その後すぐに休憩時間となり、後半のフランクから聴いた。

一昨日の演奏会案内にも書いたが、瀧氏の演奏のすごさは、年齢に見合わない(笑)格の高さにあると思う。まるで人生の酸いも甘いも知り尽くしたような、そんな境地すらかいま見える、貫禄の演奏であった。音色の美しさも素晴らしい。特に、オクターブキイ以上における輝かしい音色の均一性には目を見張る。サイドキイ~フラジオにおいてもまったく音が痩せることなく、むしろ輝きを増すことに驚いた。第3楽章における精神性の深さや、第4楽章のカノンの愉しさなど、素敵ポイントを挙げていけばきりがない。

アンコールに、ピエルネの「カンツォネッタ」。こういった小品を聴かせることができる、というのもすごいな。これで終わりかな?と思っていたら、まさかの「妖精の踊り」!で、圧倒的な技術と"サクソフォンならでは"のレパートリーを披露して幕となった。いやあ、びっくりした!

終演後はロビー大混雑。早々に退出、ホテルにチェックインして、打ち上げにお邪魔した。40人以上が集まる賑やかな会となった。いろいろな方とお話出来てよかったなあ。2次会にもお邪魔し、ホテルに戻ったのはなんと2:00am過ぎ…楽しかった!

2015/05/28

演奏会情報:瀧彬友のリサイタル2015

明日、名古屋の電気文化会館にて瀧彬友(たきよしとも)氏のリサイタルが開催される。

瀧氏の演奏は録画・ライヴで何度か聴いたことがあるのだが、その演奏の魅力は、まず丁寧で正格(正確ではなく敢えてこの字)なところにある。また何よりその美音、彼独自のものとして、その演奏の価値を高めていると思う。例えば、YouTubeにアップされている伊藤康英先生の編曲した「オーヴェルニュの歌」の演奏を参照いただきたい。彼の音楽性とのハマり具合と言ったら!

https://youtu.be/AULI_Parz6Y

実は瀧氏と私は同年度生まれである。同い年のサクソフォン奏者が活躍している(昨年度から名古屋音楽大学の講師に就任、先日のナゴヤサックスフェスタでは実行委員長として運営陣を率いた)のはとても嬉しいし、私自身も頑張らなければ、という気になるというものだ。

さて、今回のプログラムはまさにフランスの王道。フランクをメインに据え、モーリスやトマジなど、曲そのものの美しさや構成感が際立つ作品が多い。一曲、「ムスティクス・エチュード」が奇異に映るが、これはこれでリサイタル中のアクセントとなることだろう。フランス留学経験もある瀧氏だが、これらの作品からどのような演奏を引き出すのだろうか。期待大である。

大遅刻とはなるが、なんとか数曲は聴きに伺えそう。そのまま一泊して週末の演奏会のため長野入り。

【瀧彬友 サクソフォンリサイタル】
出演:瀧彬友(sax)、長井美香(pf)
日時:2015年5月29日(金曜) 19:00開演
会場:電気文化会館 ザ・コンサートホール
料金:学生2000円、一般3000円(当日500円増し)
プログラム:
P.モーリス「プロヴァンスの風景」
B.ヴィヴァンコス「ムスティクス・エチュード」
H.トマジ「協奏曲」
C.フランク「ヴァイオリン・ソナタ」 他
詳細:
https://www.facebook.com/events/921236204564062/

2015 Busan MARU International Concerto Competitionで中島諒さん入賞

韓国の釜山で行われた、2015 Busan MARU International Music FestivalのConcerto Competitionにおいて、中島諒さんが2位に入賞した。

http://bmimf.co.kr/default/

すでに6回目となるコンクールだという。このようなコンクールが開かれたことは知らなかったが、このプログラムを見る限りなかなか充実した催しのようだ。中島諒さんは、ポール・クレストンの「協奏曲」より第2楽章、第3楽章を演奏。ピアノ、フルート、チェロ、ヴァイオリンといった、他楽器も含む中での第2位入賞は見事である。こうして並べてみると、サクソフォンのレパートリーの特殊性が際立つ。

ちなみに、第1位はプログラム最後のバルトークのピアノ協奏曲を弾いた方だったとのこと。

これに少し絡むのだが、日本国内以外のアジア圏におけるサクソフォン界の発展は、気がついたら世界トップクラスに肩を並べている…なんてことがありそうで、しっかりと観測しなければと思いつつ、言語の壁によりなかなかそれもできずにいる。

2015/05/26

The SAX Vol.71 内容紹介

【THE SAX 最新号は本日発売!】THE SAX vol.71の表紙は、現代のミスター・アルトサックスと言えばこの人、デヴィッド・サンボーンが飾っています。4月にニューアルバム「タイム・アンド・ザ・リヴァー」をリリース。Cover...

Posted by The SAX ザ・サックス on Sunday, 24 May 2015

2015/05/25

The SAX Vol.71に寄稿

本日、5/25発売の「The SAX Vol.71」では、Vol."70"と戦後"70"年とを掛けた前号に続き、「躍動するサックス史70年(後編)」という特集が組まれている。奏者の相関図、須川展也・本田雅人対談、ヤマハ、セルマー、ヤナギサワ技術者各インタビューという、なかなか豪華な内容なのだが、このうち「国内クラシック・サックス人物相関図」のセクションの執筆を担当した。

この記事は、日本の主要サクソフォン奏者の師弟関係図をグラフで表し、解説文を付与したものである。奏者の選定や図の作成にはかなり苦労したのだが、最終的になんとかなって、また私の出した原稿が見違えるほど、編集部のほうで素晴らしいレイアウトに仕上げてくださった。大感謝である。また、ナゴヤサックスフェスタ、ムッシュ・クダッチ~サクソフォンの世界~の、各コンサート・レポートも担当している。ナゴヤサックスフェスタは、なかなか饒舌なレポートとなった。ぜひ手にとってお読みいただければ幸いだ。

超私的な話で恐縮だが、本業と交流会準備と入籍準備と引っ越し準備とその他諸々で、肉体的にも精神的にも疲弊していた時期の記事だけあって、やはり思い入れは強い(あくまで個人的な話です)。

ちなみに、当たり前だが他の記事も大変おもしろく、特に楽器メーカー技術者インタビューの興味深いこと!ぜひ多くの方に読まれて欲しいと思う。

詳細はこちらから。Amazonでも取り扱いを開始していた。ザ・サックス Vol.71

2015/05/23

入籍しました

本日、かねてよりお付き合いしていた方と入籍いたしました。二人一緒に、末永くよき家庭を築いていきたいと思います。

みなさま、今後ともよろしくお願いします。

2015/05/22

神聖な歌(Chant Sacré)のサクソフォン12重奏編

とある事情で入手を試みていた、エクトル・ベルリオーズ Hector Berlioz「神聖な歌 Chant Sacré」サクソフォン12重奏(SnSSAAATTBBBs)編楽譜を入手。注文から3ヶ月弱もかかった…注文したことをすっかり忘れていた。ジャン=マリー・ロンデックス Jean Marie Londeix氏の編曲で、BillaudotのJean-Marie Londeix Collectionとして出版されている。

御存知の通り、サクソフォンという楽器が発明された後、初めて聴衆の前に楽器がお披露目されたとき、演奏された曲が、この「神聖な歌」という曲である。含まれていたのはバスサクソフォン(こんにちで言うところのバリトンサクソフォンだ、という説もある)は、サクソフォンの発明者であるアドルフ・サックス自身が演奏した。その時の演奏の様子は、新聞?雑誌?の漫画となって残されているのだが、この画像がそれである(このサイトからお借りした→
http://www.geocities.jp/tatsuyabanno/saxophone/Saxophone2.html

この編曲譜の冒頭には、ロンデックス氏による解説文が記されている。ざっと訳してみよう。

1844年2月3日、パリのコンサートホールの一つである、Salle Herz(この絵は、1843年のSalle Herzの様子を描いたものである)において、ベルリオーズ指揮によるコンサートが開かれた。本コンサートでは、「"ローマの謝肉祭"序曲」と、ベルリオーズ自身が楽器用に編曲した自身のコラール「神聖な歌」を含む、いくつかの作品が演奏された。この「神聖な歌」には、アドルフ・サックスによって発明された新しい管楽器が含まれていた。「神聖な歌」の初演は、この数ヶ月前にマルセイユにおいて行われた。

このバージョンは、トランペット、コルネット、クラリネット、バスクラリネット、バスサクソフォン(こんにちのバリトンサクソフォン)という編成である。音楽作品にサクソフォンが含まれた、世界初の作品だった。残念ながら、このバージョンは失われてしまった。しかしながら、合唱とオーケストラの楽譜が残されている。本サクソフォン12重奏のためのアレンジは、その楽譜を元に構築したものである。

サクソフォンが含まれた世界初の音楽作品である「神聖な歌」、その楽譜が失われてしまったという事実は初めて知り、残念にも思ったのだが、ロンデックス編によるこのような楽譜が出ていたとは知らなかった(長瀬先生と、柏原さんに教えていただいた)。なかなか珍しい楽譜だが、国内、もしくは海外でも良いが、演奏されたことはあるのだろうか。ぜひ音を聴いてみたいものだ。

リリア・ワンコイン・コンサートのクローバーSQ on YouTube

川口リリアで開かれたワンコインコンサート(クローバー・サクソフォン・クヮルテットをフィーチャー)の模様が、YouTubeにアップロードされている。2013年2月17日の演奏で、ボザ「アンダンテとスケルツォ」やバッハ/田村真寛「トッカータとフーガ」ほか、全部で5つの動画だ。

「アンダンテとスケルツォ」


演奏クオリティの高さは折り紙つきだ!まだほとんど観られていないが、後日、もう少しじっくりと観てみよう(取り急ぎの紹介ということで…)。

これまで、クローバーSQの演奏がYouTubeにアップされる…ということは無かったような気がする。こういった動画が、中高生がサクソフォンに関する見識を広めるきっかけになると良いなあ、とそんなことを考えながら動画を拝見した。

2015/05/21

Jindrich Feld's Partita on YouTube

チェコの作曲家、イィンドジフ・フェルド Jindrich Feldの「パルティータ Partita」という作品の演奏が、YouTubeにアップロードされていた。

演奏は、オランダのサクソフォン奏者、以下3名である。おお、アウレリア四重奏団のメンバーだ。
Femke IJlstra, alto-saxophone
Arno Bornkamp, alto-saxophone
Niels Bijl, tenor-saxophone



1991年の所産。作品は、それぞれBurlesca, Lamentoso, Capriccioの3つの短い楽章から成るが、面白い作品だと感じた。フェルドはたくさんのサクソフォン作品を書いているが、こういった作品があるとは知らなかったなあ。出版は、ドイツのP.J.Tonger。

2015/05/20

ラッシャーの記事 on The New York Times

The New York Timesのアーカイブに、サクソフォン奏者のシガード・ラッシャー Sigurd Rascher氏が亡くなった時の記事を見つけた。ざっと読んでみたが、ラッシャーに関連する略歴や功績が良くまとまっており、とても良い記事だと感じた。さすが世界に名の知れている新聞だけあるなあ。

http://www.nytimes.com/2001/03/26/arts/sigurd-rascher-94-who-showed-the-sax-could-be-classy.html

初めて知ったこととして、アメリカ国籍を取得する際、戦時中ということもあり移民の受け入れが難しく、届け出が受理されなかったことが書かれている。この時、ラッシャーはキューバに赴き、サトウキビの収穫をしながら受け入れのタイミングを待っていたそうだ。へええ。

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さて、ご存知のとおり、ラッシャーは、サクソフォンをクラシック楽器として位置づけるための様々な開拓を行った。フラジオ音域の研究、さまざまな作曲家へのオリジナル作品委嘱、バロック作品の編曲、マウスピースの構造見直し、独奏・四重奏・オーケストラサクソフォニストとしての、積極的な演奏会への出演やレコーディング…等である。これらの功績について、ラッシャーが問いかけられた時の言葉が、最後に記されている。

When asked about this and his other achievements, Mr. Rascher always had the same straightforward response: ''Someone had to do it.''
ラッシャーは、その功績について聞かれると、必ずこう言ったという。「誰かがそれをやらなければならなかったのだ」

実に象徴的だ。ラッシャーは、いわゆるフレンチ・アカデミズムとも呼ばれる、クラシック・サクソフォンの"本流から外れた"と評されることも多いサクソフォニストである。フレンチ・アカデミズムの世界では、そちらはそちらでサクソフォンをクラシック楽器として位置づけるための多くの努力・研究がなされており、成果も多いのだが、それを敢えて知っている上でのこのコメントである。"本流から外れてしまった"と評されたサクソフォニストらしい、そんなちょっとチクリと心が痛むような言葉だった。

2015/05/19

No Man's Landのプロモムービー

大石将紀さんのファーストアルバム、「No Man's Land(ジパングプロダクツ)」、先日の演奏会場で購入した後、早速聴いて楽しんでいる。非常に面白く、JacobTV作品の、新たなスタンダード演奏としてぜひ広く世界に知られて欲しいと思う。詳細なレビューは後日行うとして、このCDのプロモムービーが出来たそうなのでご紹介。

Body of Your Dreams


Sho-Myo


Take a Wild Guess


いやあ、どれもかっこいいPVだなあ。映像素材はほとんど一緒なのに、バックミュージックが変わって、少し映像素材の使い方が変わるだけで、こうも印象が変わるものなのかと…そんなことも思ったのだった。

2015/05/18

プロースト交響楽団第21回定期演奏会

実に得難い経験をさせていただきました。お越しいただいたお客様はもちろん、関係各者に改めて御礼申し上げます。特に団員の皆様には、綿密な連絡や演奏に向けてのバックアップなど、多くの面でサポートいただき、大感謝です。

【プロースト交響楽団第21回定期演奏会】
出演:松元宏康(指揮)、中野翔太(ピアノ)、プロースト交響楽団
日時:2015年5月17日(日曜)14:00開演
会場:ミューザ川崎シンフォニーホール
プログラム:
芥川也寸志「交響管弦楽のための音楽」
G.ガーシュウィン「ラプソディ・イン・ブルー」(ピアノ:中野翔太)
P.I.チャイコフスキー「交響曲第5番」
詳細:http://orchestra.musicinfo.co.jp/~webprost/

クラリネットのI君から声を掛けていただき、テナーサクソフォンとして「ラプソディ・イン・ブルー」にエキストラ参加した演奏会。サクソフォン吹きにとっては、オーケストラと演奏する機会は、"一生に一度あるかないか"というほどのものであり、今回のお話を頂いた時は、飛び上がるほど嬉しかった。「あのプロースト交響楽団!」という思いも…昨年末のベト九を含め、何度か聴きに伺って非常にレベルが高く、素晴らしい演奏をするオーケストラだということをよく知っていたのだ。ということで、サクソフォン人生十云年の中でも大きな本番として、緊張しつつも楽しみな機会であった。

これまで、サクソフォンのみの室内楽(四重奏~)、独奏+テープまたはライヴエレクトロニクス、サクソフォンのみのラージアンサンブル、吹奏楽といった編成での演奏は経験があるが、オーケストラは初めて。弦楽器と管楽器の集合体が持つ発音や音楽性、そういった高レベルの演奏に合わせこんでいく必要があり(普段の自分の演奏がガサツすぎるのかな)個人的には苦労した。マウスピースも変え、リードも変え、幾度かの充実したリハーサルを経ての本番。

当日リハーサルでは、「初ひな壇!」などとテンションが上がりつつあっという間に開演。芥川作品(演奏されるのは珍しいが、とても楽しい曲だ)を舞台裏で聴き、いよいよガーシュウィン。個人的な反省点が無いわけではないが、オーケストラとのアンサンブルは楽しく、充実の時間を過ごした。ピアノの中野さんも素晴らしい。途中、全く別の(作曲と即興を織り交ぜたような)未知の楽譜も挟みつつ、新世代の演奏家ならではの圧倒的な演奏であった。演奏が終わった後に、指揮者の松元先生が舞台上でサクソフォン・セクションを立たせて(紹介して)くださったのは嬉しかったなあ。

休憩後は客席へとドタバタ移動し、チャイコフスキーを聴いた。いちばん後ろの席ではあったが、演奏の集中力に、客席がぐっと引きこまれていくのが良く分かった。幾度もの主題の展開、そして最後のファンファーレに至るまで、貫禄の素晴らしい演奏であり、感動してしまった。ブラヴォー!また、聴き手としてもぜひ伺いたいと、改めて思うのだった。

客席は、ほぼ満席状態…1997席中、1900人という多くのお客様にお越しいただいたようで、これもまた驚きだ。

打ち上げも楽しく、ついつい二次会まで。。。なんとか23時ころに帰宅。楽しい一日だった!

それにしても、これまで音楽活動を続けてくる中で広がってきた縁を強く感じたなあ。実は同じ大学で同じ演奏会に出演したことがある方がオケに乗っていたり、サクソフォン繋がりのお友達と同じ大学の方がいたり、某楽器メーカー繋がりで共通のお知り合いがいたり、挙げていけばきりがない。そういった輪の拡がりも楽しいものだ。

そういえばカメラを持っていったのにあまり写真を撮らなかったな…本日のサクソフォンセクション。Tsukuba Saxophone QuartetのChisa氏、k_saxofocus氏とともに。

2015/05/17

ご案内:プロースト交響楽団第21回定期演奏会

前日…ではなく、もう今日か。ご案内!本日の9:00くらいまでにご連絡いただければ、チケットご用意できるのでぜひ!

今回、エキストラとしてガーシュウィン/グローフェ「ラプソディ・イン・ブルー」にお誘いいただいた、プロースト交響楽団の演奏会である。サクソフォン吹きとして、オーケストラに乗せてもらうのは大変に光栄なことだ。本日最終練習であったが、弦楽や管楽器群とのアンサンブルは個人的にもとても興奮し、またオーケストラ全体も技術が高く、ノリが良く、とても楽しく良い感じだ。ピアノの中野氏も、上手いのなんの。サクソフォンは、アルトがChisa氏、k_saxofocus氏、テナーが私である。

また、最初の曲が芥川也寸志、メインがチャイコフスキーの5番というのも、素敵な選曲だ。チャイコフスキーは客席で聴けそうだ。会場は、1500席のミューザ川崎シンフォニーホール!ぜひ、お越しください。

【プロースト交響楽団第21回定期演奏会】
出演:松元宏康(指揮)、中野翔太(ピアノ)、プロースト交響楽団
日時:2015年5月17日(日曜)14:00開演
会場:ミューザ川崎シンフォニーホール
プログラム:
芥川也寸志「交響管弦楽のための音楽」
G.ガーシュウィン「ラプソディ・イン・ブルー」(ピアノ:中野翔太)
P.I.チャイコフスキー「交響曲第5番」
詳細:http://orchestra.musicinfo.co.jp/~webprost/

2015/05/15

諏訪市で練習(合唱との共演)

久しぶりの有給休暇。5月31日に長野県諏訪市・下諏訪総合文化センターにおいて開催予定の、女声合唱スワ・セシリアに、サクソフォンとして出演するのだが、そのリハーサルのため長野県諏訪市へと伺った。今は、東京へと戻る電車の中。

この演奏会は、第1部がシューマンの歌曲集「女の愛と生涯」、第2部が日本の童謡・唱歌、第3部が杉本龍之作曲の「故郷の道」、第4部が「いのちの歌」という、全4部構成の演奏会となる。このうち、第4部にサクソフォン3本…ソプラノChisa氏、アルトまなみん氏、テナーkuri…が参加する。編曲は、Chisa氏の高校時代の吹奏楽部顧問だという宮下先生が手がけ、通常のピアノ+合唱3部の編成に3本のサクソフォンがオブリガード的に付加される形での共演となる。

なかなか慣れない編成ではあるが、やはりサクソフォン以外とのアンサンブルは勉強になることも多く、楽しく参加させて頂いている。メロディもハーモニーも美しいし、また、歌詞が良い。特に第4部に取り上げられる作品は、いずれも人生や生命に関連する作品であり、演奏しながら感極まって泣きそうになる場所がとても多い。

ちなみに、第1部のシューマンも楽しみだ。ちょっと調べてみたところ、1840年に作られた曲なのですね。「詩人の恋」と同じ、シューマンのいわゆる"歌曲の年"の所産である。

また期日が近づいたら告知したい。

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ちなみに、明後日はプロースト交響楽団の演奏会「ラプソディ・イン・ブルー」にエキストラとして乗っている。こちらもぜひお越しください!詳細は以下のリンクからどうぞ。

http://kurisaxo.blogspot.jp/2015/05/21.html

A performance edition and technical guide to Bach's Chaconne

Zzyzx Quartetのアルト奏者としても有名なアメリカの若手サクソフォン奏者、スティーヴン・ペイジ Stephen Page氏が、アイオワ州立大学のドクターコース(指導教官はKenneth Tse氏)を卒業する際に著した論文がある。その名も、「A performance edition and technical guide to Johann Sebastian Bach's Chaconne from Partita in D minor, BWV 1004, for alto saxophone」である。

アブストラクトは、以下の様な感じ。超意訳だが、雰囲気はなんとなく伝わるかなあ…。

バッハのシャコンヌは、ヴァイオリンのレパートリーの中でも、最も価値ある宝石のような作品のひとつだ。作曲されて依頼、様々な形態にアレンジされ、演奏されてきた。例えば、ピアノ、オーケストラ、フルート、クラリネット、トランペット他…である。このプロジェクトは、新たにシャコンヌを編曲することにより、アルトサクソフォン独奏のための新たなレパートリーを提供する。加えて、この論文では、編曲の際に遭遇した、音楽に対する(必然となった)変更、包括的な技術のサジェッションについても論じる。

以下のページにジャンプし、右上の「Download」ボタンをクリックすれば、全文が参照可能だ。

http://ir.uiowa.edu/etd/5034/

論文中、55ページからは、ペイジ氏が編曲したアルトサクソフォン独奏のための「シャコンヌ」の楽譜がすべて掲載されている。この楽譜だけでも非常に価値あるものだが、加えて技術的な情報が論文中に詳細に書いてあり(というか、そちらがメインなのだが)、サクソフォンを使ってバッハの名曲に触れるにあたり、必要な情報がワンパックになっている。腕に覚えのある方、取り組んでみてはいかがでしょうか。

2015/05/13

ARTE Quartett plays "Tread on the Trail"

ドイツの四重奏団、アルテ・カルテット ARTE Quartettは、多方面のジャンルの作曲家や演奏家と共演しており、非常に興味深い活動を展開している。例えば、2010年に発売された彼らのアルバム「Different Worlds」は、その時点での彼らの活動の集大成と言っても良いような、雑多、しかしながら、激烈に完成度が高いアルバムであり、私も愛聴している。

アルテ・カルテットは、作曲家のテリー・ライリー Terry Rileyとの共演でも有名である。なんせ、テリー・ライリーとの共同作業により、アルバムを1枚作ってしまったというから驚きだ。同アルバム「Assassin Reverie(New World Reords)」には、「Uncle Jard(ライリーとの共演、なんとも言えない良いグルーヴ感がある)」「Assassin Reverie(エレクトロニクスパートがすごい)」といった作品とともに、あの名曲「Tread on the Trail」の多重録音による12重奏版、などという珍録音が収録されている。当時、それまでおなじみだった平野公崇氏や、デルタQの録音から、すっかり耳を洗い直されてしまったことを覚えている。

その12重奏版の録音が、版元の公式YouTubeアカウントにアップロードされていたので、ご紹介。なんだかんだ久々に聴いたかも。やっぱいいですね。



ちなみに、本記事冒頭に紹介した「Different Worlds」には、「Tread on the Trail」他をリミックスした「Indian Trail」なる作品も収録されており、そちらも一聴の価値ありである。

2015/05/11

指揮者クリュイタンスとミュールの共演記録

指揮者アンドレ・クリュイタンス氏とシガード・ラッシャー氏の共演記録があるんだったら、マルセル・ミュール Marcel Mule氏との共演記録だってきっとあるだろう!と思って調べた所、見つけた。

Le 20 mars 1948, le saxophoniste Marcel Mule et la pianiste Lucette Descaves sont les solistes respectivement de la Ballade pour saxophone d'Henri Tomasi et de la Rhapsodie concertante de Jacques Thiérac. Le Musicien dans la cité d'Yves Baudrier et Espana d'Emmanuel Chabrier complètent le programme.

本文ならびにクリュイタンス氏の演奏記録によると、ミュール氏演奏のトマジ「バラード」を演奏したとのこと。肝心の、どこのオーケストラとの共演か、については、参照先の電子書籍が抜粋のため情報が途切れてしまっていたのだが、別の書籍、D. Kern Holoman著「The Societ́e ́des Concerts Du Conservatoire, 1828-1967(リンク先は抜粋版の電子書籍)」に対応する記述を見つけた。(この書籍のタイトル通りなのだが)パリ音楽院管弦楽団との共演だったようだ。

...three years later, the last appearance of the Société des Concerts du Conservatoire in its venerable old hall. On this occation, 20 March 1948, André Cluytens conducted an all-French program: Yves Baudrier's Le Musicien dans la cité, Marcel Mule in Tomasi's Ballade for Saxophone, Lucette Descaves in a Rapsodie concertante of Thierac, and the Espana Rhapsody of Chabrier.

ミュール、クリュイタンス、ソシエテ(パリ音楽院管弦楽団)による、トマジ「バラード」。そんな演奏を聴くことができればと、夢見ることはあったけれど、実際にその取り合わせが実現していたとは知らなかった。きっと素晴らしい演奏だったのだろう…!

ちなみに、同一のコンサートにピアノのリュセット・デカーヴが登場していることにも驚いた。ジョリヴェ「ピアノ協奏曲」の録音(共演はエルネスト・ブール指揮のシュトゥットガルト放送交響楽団)でよく知っている。

2015/05/10

大石将紀1stアルバム「No Man's Land」発売記念ミニ・コンサート

府中から渋谷のアクタスへと移動し(京王線~京王井の頭線からのアクセスの良さ!)、大石将紀さんの1stアルバム発売記念コンサートを聴いてきた。大石さんの演奏は(いつもそうなのだが)必ず新しいことや期待以上のことが起こるので、いつも楽しみに足を運んでいる。

ちなみに、今回はCD付き3000円(CD無しなら1500円)のコンサート。CDが2500円弱だから、そりゃCD付きを選択するよなあ(笑)

【大石将紀1stアルバム「No Man's Land」発売記念ミニ・コンサート】
出演:大石将紀(sax)、有馬純久(electro)、小沼純一(talk)
日時:2015年5月10日 15:00開演
会場:アクタス ノナカ・アンナホール
プログラム:
トークセッション(有馬、大石、小沼)
JacobTV - The Garden of Love
JacobTV - Grab It!
JacobTV - Sho-Myo
JacobTV - Take A Wild Guess - Short Version
JacobTV - Syracuse Blues(アンコール)

最初は、有馬氏がモデレーターとなって、30分強のトークセッション。非常におもしろい話がいろいろと飛び出した。一部メモしてあるので、後日、別記事で少し紹介したいと思う(いちおう大石さんの許可も得ないと…)。

さて、演奏会である。4曲と短い演奏会だったが、実に濃厚な時間を過ごした。楽器にはクリップ・マイクがセットされ、生音、一度PAを通した処理済みの音、サウンドトラックが絶妙にミキシングされ、理想的なバランスで耳に届いた。これは、有馬氏の腕によるところが大きいだろう。

大石氏の演奏も、曲によってキャラクターを変え…「The Garden of Love」では、草書体のような繊細なソプラノサクソフォン。「Grab It!」は、以前聴いたときは羽のような軽さが印象的だったのだが、今回はさらに曲が持つパワーを引き出すような演奏で、その解釈いただき!というような場所もたくさん!ひとつ前の曲とは別人のような激烈なテナーサクソフォン(あまりの過激さに、ちょっと怖いくらいであった。マウスピースはセルマーS80だったかな?)に、終わった瞬間会場が沸いた。アルバムのための新作「Sho-Myo」では、まるで環境音楽のような崇高さを提示し、最後の「Take A Wild Guess」は、なんと録音済みの4本のサクソフォンと共演し、見事な"アンサンブル"を聴かせた。

アンコールに、「Syracuse Blues」。アウレリア四重奏団とブランフォード・マルサリスのために書かれたというバージョンの、四重奏部分をプリ・レコーディング、ソプラノ・サクソフォンを生音で。美しく、落ち着いた雰囲気に飲み込まれた。

いやはや、凄かった。様々なスタイルの曲があったので聴き疲れもしなかった(というか、私はJacobTVの作品が大好きなので、聴き疲れなんてするはずもないのだが)。

JacobTVという作曲家を知らなかった聴衆もたくさんいたようだが、そんな方々にはどのように受け止められたのだろうか。会場の盛り上がりから察するに、多くの方が衝撃を受けつつ楽しんでいたようだが…JacobTVの作品の凄さは、そこにある。もちろん、演奏者や音響担当者の素晴らしさによるところも大きいだろう。

購入したアルバム。これもちょうど聴いている最中だが、いいですね!また改めてレビューしよう。

府中市生涯学習センター ロビーコンサート(トリオ・プールトワ)

【府中市生涯学習センター ロビーコンサート(トリオ・プールトワ)】
出演:トリオ・プールトワ(フルート三重奏)
日時:2015年5月10日 12:00開演
会場:府中市生涯学習センター 1階ロビー
プログラム:
八木澤教司「トリプルあいす」
A.アルビージ「小組曲第二番」
久石譲/sakuko「さんぽ」
谷村新司「いい日旅立ち」
D.ダンホフ他/sakuko「カントリー・ロード」
村松崇継「彼方の光」
マジコタロウ/島津秀雄「ハナミズキ」
高橋宏樹「月明かりの照らす3つの風景」
岡野貞一「ふるさと」(アンコール)

会場の府中市生涯学習センターは、東府中駅から徒歩20分弱。初夏の日差しの中、会場へ向かった。

府中市生涯学習センターでは、2ヶ月に一度ほどのペースで無料のロビーコンサートが開かれている。実は私も一年半ほど前に、フルート、サクソフォン、サクソフォンという編成で出演したことがある。管楽器のみならず、様々な編成のアンサンブルが登場しているそうなのだが、今回はトリオ・プールトワという、フルート三重奏が演奏した。

トリオ・プールトワは、この演奏会のために結成されたアンサンブルだという。オリジナル作品や、よく知られた曲の編曲作品が演奏された。それぞれのプレイヤーは、アマチュアながら、吹奏楽やオーケストラや独奏での演奏経験があるとのこと。きちんとした技術に裏付けられた、質の高い演奏を楽しんだ。アレンジ作品は、それぞれが三声ながら充実した響きが生まれるように作り込まれていた。また、あまりフルートのオリジナル作品は聞いたことがないのだが、もっとアカデミックな作品も聴いてみたいなあと思ったのだった(こういう場では難しいかもしれないけど)。

演奏終了後、主催者と演奏者と昼食をとり、次の目的地へと向かった。

演奏会のご案内:プロースト交響楽団第21回定期演奏会

今回、エキストラとしてガーシュウィン/グローフェ「ラプソディ・イン・ブルー」にお誘いいただいた、プロースト交響楽団の演奏会をご案内。サクソフォン吹きとして、オーケストラに乗せてもらうのは大変に光栄なことである。幾度か練習に乗ったが、弦楽や管楽器群とのアンサンブルは高揚感があり、また比較的年齢が近い若い方が多いせいか「ラプソディ・イン・ブルー」もノリが良く、とても楽しい。サクソフォンは、アルトがChisa氏、k_saxofocus氏、テナーが私である。

また、最初の曲が芥川也寸志、メインがチャイコフスキーの5番というのも良いなあ。どちらも大好き。

会場は、1500席のミューザ川崎シンフォニーホール!これまた楽しみだ。言ってくだされば、チケットご用意します!

【プロースト交響楽団第21回定期演奏会】
出演:松元宏康(指揮)、中野翔太(ピアノ)、プロースト交響楽団
日時:2015年5月17日(日曜)14:00開演
会場:ミューザ川崎シンフォニーホール
プログラム:
芥川也寸志「交響管弦楽のための音楽」
G.ガーシュウィン「ラプソディ・イン・ブルー」(ピアノ:中野翔太)
P.I.チャイコフスキー「交響曲第5番」
詳細:http://orchestra.musicinfo.co.jp/~webprost/

ちなみに、やはりテナー吹きとしては、いつかラヴェル「ボレロ」や、プロコフィエフの「ロミオとジュリエット」に乗りたいなー(笑)

指揮者クリュイタンスとラッシャーの共演記録

Erik Baeck著「André Cluytens - Itinéraire d'un chef d'orchestre」の電子版の"抜粋"を、Google Booksで参照可能である。指揮者アンドレ・クリュイタンス氏(私にとっては、なんといってもパリ音楽院管弦楽団の指揮者、である!)に関連する本で、様々な記録資料を含む、400ページ以上にわたる書籍だ。

https://books.google.co.jp/books?id=yr-9_xIy1u0C&printsec=frontcover&hl=ja&source=gbs_ge_summary_r&cad=0#v=onepage&q&f=false

この電子版を眺めていた所、クリュイタンス氏と、シガード・ラッシャー Sigurd Rascher氏の共演記録を見つけた。

5/6 nov. 1966
Sigurd Rascher, sax
Symphonie no4 op.53 A.Roussel
Concertino da camera pour sax-alto et 11 instruments J.Ibert
Symphonie no7 op.92 L.van Beethoven

2日間にわたる共演だ。肝心のオーケストラが、本電子版"抜粋"だと書いていないのだが、「The Raschèr Reader」の180ページに、ラッシャー氏自身が語った言葉として、対応するであろう情報を見つけた。

"...I again played with the Berlin Philharmonic Orchestra, ... The conductor was the famous Andre Cluytens, under whose baton I now played my ninety-second and ninety-third performances of the Ibert Concertino..."
(略)私は再びベルリン・フィルと共演した。(中略)指揮者は有名なアンドレ・クリュイタンスであった。クリュイタンス指揮のもと、私は自身の92回目、93回目となるイベール「コンチェルティーノ」を演奏した。

ということで、ベルリン・フィルとアンドレ・クリュイタンス氏とシガード・ラッシャー氏の共演のようだ。きちんとこの本の全版を見てさらなる裏付けを取りたいところであるが…いずれにせよ、クリュイタンス氏とラッシャー氏が共演した、というのはまぎれもない事実のようだ。ラッシャー氏の、当時の演奏家としての高名さを示す事実のひとつであると思う。

「The Raschèr Reader」に掲載されている写真に日付が載っており、「André Cluytens - Itinéraire d'un chef d'orchestre」内の記述と一致する。

ちなみにこの本、表紙がとても良い。このイラスト、クリュイタンスご本人に良く似ているなあ(ちょっとかわいい)。

2015/05/09

関東サクソフォン連合の打ち上げ

溝の口の某所にて、先日第6回サクソフォン交流会にアンサンブル団体として参加したグループ"関東サクソフォン連合"の打ち上げ。バーベキュー&二次会と、なんだかんだ6,7時間も続いた。途中で体力の限界により退出(^^;久々に飲み過ぎてしまったが、いろいろな話に花が咲き、楽しかったなあ。音楽談義は楽しいですね(下世話な話のほうが多かったか…?)。

今回、打ち上げに参加できなかった方もおられるので、第二次打ち上げも秋口に実施予定(笑)。

ミュール現役時代のカラー写真並びに演奏評

FacebookのMarcel Muleページには、時に激レアな写真がアップされることがあり、楽しみにしているのだが、つい昨日、非常に珍しい写真がアップされていた。ミュール氏の現役時代の、独奏・四重奏のカラー写真である。現役時代のカラー写真は、独奏は同じくMarcel Muleのページで見たことがあったが、四重奏のカラー写真は初めて!



この独奏で使われているシルバーの楽器は、何の楽器なのだろう。fbページ上の説明書きには、Revue Musica 1955(Revue Musicaはフランスの音楽雑誌)と書かれている。この情報が合っていると仮定すれば、ミュールが開発に携わったSelmer Mark VIが1954年ローンチであるから、同楽器の可能性が高い。四重奏は、ソプラノ:Marcel Mule、アルト:André Bauchy、テナー:Georges Gourdet、バリトン:Marcel Josseという布陣。

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さて、この独奏の写真の横に書かれている説明書のうち、演奏評に関する部分について、ちょっとだけ訳してみた。

C'est ce qui a fait écrire a Robert Bernard, entre autres: Le saxophone a trouve en Marcel Mule le pendant de Pablo Casals pour le violon celle et de Wanda Landowska pour le clavecin!
ロベール・ベルナール(フランスの音楽評論家、著作:Histoire de la musiqueが有名)は、次のように述べている。「サクソフォンにおけるミュールとは、チェロのパブロ・カザルスか、ハープシコードのワンダ・ランドフスカのようなものだ!」

そして、Musica Memoriaに書かれている、やはりミュールに関する演奏評の部分(こちらのページ)は、同じくReveu Musicaの抜粋だというが、次のように書かれている。

Le journaliste new-yorkais Louis Biancolli n’hésite pas à cette occasion de parler du " Rubinstein du saxophone " . Il faut dire que quelques années auparavant un autre journaliste français de la revue Musica avait lui qualifié Marcel Mule de " Paganini du saxophone " !
"The New Yorker"のジャーナリストLouis Biancolliは、ミュールのことを躊躇いなく「サクソフォンのルービンシュタインだ」と呼ぶ。また、Revue Musica誌上において、ミュールは「サクソフォンのパガニーニだ!」とも評された。

そして、時折リファレンスとしている磯田健一郎「近代・現代フランス音楽入門(ON BOOKS)」の"気まぐれコラム(2)"には、次にように書かれている。

当時のミュールの独奏に対する評を見ると「サクソフォンのルービンシュタインか、カザルスだ!」などと、…

ということで、どうやらこの「近代・現代フランス音楽入門(ON BOOKS)」に載っている情報は、上記The New Yorkerと、Revue Musica誌上の、2つの演奏評が混ざったものの可能性が高い、ということが分かった。

2015/05/08

コングレス向け練習

終業後、SO大にお邪魔して、サクソフォン・コングレスに向けた練習。旭井翔一さんに委嘱しているサクソフォン四重奏曲が出来上がりつつあり、その初合わせだった。

どうもまださらい足りておらず(じぶんが)、不甲斐ない感じになってしまった。特殊奏法満載で、どうしてもそちらに目が行ってしまうが、やっぱり基本はリズム&テンポ、そしてダイナミクス。次の練習までに、ソルフェージュ重視でしっかりと読み解いていこう…。

2015/05/07

ラーション「協奏曲」初演の頃(The Raschèr Readerより)

ラーシュ=エリク・ラーション Lars Erik Larssonの「サクソフォン協奏曲」は、このリンク先によれば、シガード・ラッシャー Sigurd Raschèrによって1934年11月27日にスウェーデンにて初演されたそうだ。(ちなみに、同一リンク先によれば、ラーション「協奏曲」の初演はグラズノフの「サクソフォン協奏曲」の初演の2日後だったというが、本当?)

その後、ラッシャーは欧州各地で同曲を演奏した。1935年4月9日には、イギリスのクイーンズ・ホールで演奏。ロンドンの主要紙…デイリー・テレグラフ、サンデー・タイムズ、デイリー・メールにて、「ラッシャーの輝かしい演奏は聴衆を完全に征服した」等のコメントを得るなどの高い評価を得た。このコメントからは、当時の聴衆の熱狂ぶりが伝わってくるようだ。

今では考えられないことであるが、その2年後には、ロンドンのテレビ局で同曲の演奏が放映されたそうだ。この写真が、その収録の様子を収めたスナップ。

第3回ウッチ国際コンクール

4月24日~30日の期間で、ポーランドで開かれていたSaxFest Łódź 2015のイベントの一つである第3回国際コンクール(III Międzynarodowego Konkursu Saksofonowego SaxFest 2015)が終了した。日本人参加者もそこそこの人数がいたみたいだ。

公式ページの情報はこちら。
http://www.amuz.lodz.pl/lifemotion/pl/akademia/o-nas/konkursy-muzyczne/18-akademia/o-nas/149459-mksaksofonowy-saxfest/

Facebookページも存在している。
https://www.facebook.com/SaxFestLodz

GRUPA II / STARSZA
I nagroda: Pablo Sanchez-Escariche Gasch (Hiszpania)
II nagroda: Szymon Zawodny (Polska)
III nagroda: Melinda Urh (Słowenia)
wyróżnienie: Ryo Nakajima (Japonia)

コンクールはジュニア部門とシニア部門が同時開催された。シニア部門の、本選課題曲は、必須曲がGrzegorza Duchnowskiegoという作曲家の「協奏曲」と、選択曲がイベール/グラズノフのいずれか、計2曲。メインとなるシニア部門:GRUPA IIは、優勝がスペインのPablo Sanchez-Escariche Gasch氏であった。日本人としては、中島諒さんがwyróżnienie(入賞、実質的な第4位)であった。

自分自身の多忙な時期と重なってしまい、リアルタイムで追いかけられなかったのは残念だったなあ…。

わたせひでひこ奇聞屋フルートライブ Vol.34

ゴールデンウィークの終わりに、楽しいライヴを聴いた。毎月第一水曜に、西荻窪で開かれる渡瀬英彦センセのライヴである。

【わたせひでひこ奇聞屋フルートライブ Vol.34】
出演:渡瀬英彦、木村泰子、長田瞳、東貴美子(以上fl)、塚原啓太(pf)
A.アルビージ - トリオより
T.ジョルダーニ/池田さく子 - カーロ・ミオ・ベン
G.フォーレ - ラシーヌの雅歌
M.ドゥリング - トリオより
F.クーラウ - トリオより
J.J.クヴァンツ - ?
F.ボルヌ - カルメン幻想曲
J.ジュナン - 羽ばたく鳥たち
A.メンケン - パート・オブ・ユア・ワールド
伊藤康英 - 木星のファンタジー
R.シュトラウス - 歌曲「モルゲン」(アンコール)

ピッコロ、フルート、バスフルートを駆使し、またゲスト(オーボエ奏者、ピアノ奏者含む)も交えた豪勢なライヴとなった。

バロックから近現代まで、いくつもの作品が演奏されたが、やはりバスフルートの演奏が強い印象を残す。音楽の始原から響くようなあたりを包み込む低音、繊細なコントロールを経て生み出される中高音、その2つが一体となった時の、言葉では表現しづらい蠱惑的な響きは、バスフルート以外の楽器では決して体現できないものだ(とは言いすぎだろうか)。

作品の美しさと演奏の集中力が相まって、疲れた身体に染み渡り、ついついホロリともしてしまうのだった。

ピアノはビルこと塚原氏(昨年、オーケストラ・ウィルとともに見事な演奏を聴かせた:こちら)が出ずっぱり。いつもの美音のみならず、間の取り方や弱音のコントロールなど、アマチュア離れした業に感銘を受けた。

ところで、ピッコロ2重奏である「羽ばたく鳥たち Fluttering Birds」の作曲家のジュナンについて、てっきり「ベニスの謝肉祭」で有名なポール=アグリコール・ジュナン Paul Agricol GENIN(1832-1903)だと思っていたのだが、そうではなくJean GENINだとのこと。この作曲家は初耳で、ざっと探してみたが調べがつかなかった。

2015/05/06

連休最終日は練習

引き続き多忙でなかなかブログをゆっくり書いている時間も取れない。

連休最終日の午後は、女声合唱団「スワ・セシリア」との5月末の共演のための練習。合唱+ピアノ+サクソフォン3本という編成だが、本日はサクソフォンのみの練習。サクソフォンは、TSQのChisa氏と、BCSE他何かとご一緒する機会の多いまなみんさんと、kuriの3名。合唱作品に対して、サクソフォンのオブリガードを効果的に付けて…という体裁なのだが、なかなかおもしろいものになりそう。近づいたらまたお知らせします(と、何度も書いている気がする笑)。

これより西荻窪の奇聞屋へ。渡瀬英彦センセのライヴを聴きに伺う。

"City Noir (Nonesuch)"がNMLに登場

Naxos Music Libraryに、「City Noir (Nonesuch)」が追加されていた。昨年の本CDの発売以来、Nonesuch(Warner傘下)ということで、いつかは追加されるものだと思っていたが、ようやく、である。

http://ml.naxos.jp/album/075597956436

以前もレビューしたが、このCDのすばらしさは筆舌に尽くしがたいものがある。特にJohn Adams「City Noir」は、作品・演奏とも素晴らしいもので、個人的には、21世紀を代表するサクソフォンを含む作品・演奏のひとつとして後世に語り継がれていくべきものと考えている。NML加入者ならば全編聴くことが可能だ。もしまだ耳にしたことのない方はぜひ。

2015/05/03

長野へ

日帰りではあったが、長野の実家へ。いつもは高速バスが便利なのだが、さすがにGW中ということもあり、特急の事前予約を使って列車移動だった。

2015/05/02

オーケストラ練習

引っ越し後の荷解きや家具搬入は、落ち着きつつある。

今日は、夜間に東陽町にてプロースト交響楽団の演奏会に向けての練習。エキストラとして、テナーサクソフォンで乗っている。

前回の練習までは緊張感のほうが上回っていたのだが、ようやく楽しさのほうが上回ってきた。さすがに[28]の出だしは緊張するのだが、他はリズミックなので楽しいことこの上ない。

あとは本番前日練習だけ!本番に向けて、個人練で、音色と音程とアタックの精度を上げていきたい。

2015/05/01

サクソフォン教育をめぐるパネル・ディスカッション

2014年に開かれた、NASA(North American Saxophone Alliance)のパネル・ディスカッションの動画がYouTubeにアップロードされている。

モデレーターは、デブラ・リッチマイアー Debra Richtmeyer氏。ゲストは、フレデリック・ヘムケ Frederick Hemke氏、ユージン・ルソー Eugene Rousseau氏、スティーヴン・マウク Steven Mauk氏。議題は「アメリカのクラシック・サクソフォン界における教育の歴史について」。



全編英語だが、こういった場であるせいか、ゆっくり喋ってくれるので、なんとなく言っていることが聞き取れな…く…もな(うーん)。「サクソフォンとの出会い」を皮切りに、様々なトピックに話が及ぶ。英語が得意な方には、ぜひ一聴をおすすめする。

日本ではあまりこういう機会ってないよなあ。もしやったら面白いと思うんだけど。どなたか企画しませんかね。

ついに

どんなに忙しくても、なんとか月の日数分の更新を行ってきたブログだったが、ついに4月は30回更新ならず。公私ともやることだらけ、時間がなさすぎ、心身ともに消耗戦だったので、やむを得ないか…(タダノイソガシイアピール)。足りなかったぶんは、5月で取り返そう。

4月29日夜間から体調を崩しており、次の日は体調が最悪だったのだが、明けて本日はほぼ全回復した。長引かず良かった。

ブログ更新は、明日辺りから通常ペースに戻す予定。