2015/03/30

四国サックス・フェスタ in 鳴門

すばらしい時間を過ごした。まずは関係者の皆様に御礼申し上げたい。当日入りという強行日程だったが、行くことができて本当に良かった!

【四国サックス・フェスタ in 鳴門】
出演:(下記参照)
日時:2015年3月29日 13:00開演
会場:鳴門市文化会館大ホール
プログラム:(下記参照)

当日、7:05発のJALで徳島阿波おどり空港へ移動。今回はテナーではなく、アルトであったため、楽器の機内持ち込みがスムーズに進んだ。定刻通りの出発、アナウンスされた予定時刻(8:10)通りの着陸…手持ちの時計を見ていたところ、なんと8時10分00秒ぴったりのランディングだった。さすが定時到着率No.1のJALさま。同じ飛行機には、この日、ゲスト出演の丸谷明夫先生が乗っていらっしゃった。空港からは、ちょうど丸谷先生を迎えに来ていた柏原さんの車に乗せていただいた。

会場入りすると、初めての地とはいえ、見知った顔もちらほら。香川のダッパーさん関係や、前回の四国サクソフォニーでお知り合いになった方、サクソフォン交流会や、昨年のラージアンサンブルサミットでお知り合いになった方など、社会人になって以来、サクソフォン関係で様々な機会で知り合い続いている交流が、こういった未知の場所ではなんだかありがたい(笑)。早速音出ししつつ、全員参加ステージのリハーサルを待つ。

全員参加ステージでは、前半の「ディスコ・キッド」「リクディム」を長瀬先生が、後半の「花は咲く」「アルメニアン・ダンス」、そしてアンコールの「ふるさと」が丸谷先生が、それぞれ指揮を担当される。長瀬先生のステージ合奏での雰囲気、好きだなあ。ずっとむかしから大阪市音楽団のCDで聴いていた、あの暖かい音色そのままの雰囲気だ。そして、丸谷先生。吹奏楽からもうほとんど離れてしまった私だが、まさかサクソフォンを吹き続けているだけで、丸谷先生の指揮の下で演奏できる機会が巡ってくるとは、夢にも思わなかった。1時間ほどのリハーサルだったが、基本的なところから深いところまで、様々な金言が飛び出した。ちなみに、丸谷先生がサクソフォンのみのアンサンブルを振るのは初めて、ということだが、柏原さんの幾度かの交渉や、楽曲が「アルメニアン・ダンス」であること、など、様々な要素が重なっての実現だったとのこと。非常に特別な機会であったようだ。

お昼時には、近くの徳島ラーメン「いのたに」へ出向いた。初めて食べる徳島ラーメン、なんと優しい味!(しょっぱい、というより、甘じょっぱい)この大量のお肉も良いですね。ご飯や卵と併せると良いとアドバイスをいただいたのだが、すっかり忘れていた…今度食べるときにはぜひ試してみよう。

さて、自分の参加した第5部「全員によるサクソフォン・ラージ・アンサンブル」までは全て演奏を聴いた。ゲストの皆様はもちろん、アマチュアとして参加していた方々も、私なんかより素晴らしい演奏をされる方ばかりだ。ということで、なかなか言葉では表しきれない部分があるのだが、ひとつひとつ感想を。変なコメントも書いてしまっているかもしれないが、あまりお気になさらず…。

♪四国サクソフォン・ラージ・アンサンブル(指揮:柏原卓行、榮村正吾)
斎藤尚久「エアウェイズ」
B.バルトーク「ルーマニア民族舞曲」

四国4県のメンバーによる、四国サックス・フェスタならではのアンサンブル。「エアウェイズ」では、BijouSQのメンバーも加わって、オープニングを華々しく飾った。三輪氏のソプラノが、また良い音なのだ!バルトークでは、人数が多いが緻密なアンサンブル…そしてじろーさんのソプラニーノが冴える(相変わらず、とはいえ、さすがです笑)

♪中高生によるサクソフォン・ラージ・アンサンブル(指揮:稲垣達也)
J.ヴァン=デル=ロースト「アルセナール」
E.モリコーネ「ガブリエルズ・オーボエ」

私自身が中高生だったころを思い返すと、一般の方と演奏する機会、プロフェッショナルの方と演奏する機会は、ほぼ無かったのではないかと…こういった機会を糧にして、より深くサクソフォンに、音楽に、取り組んでいってくれると嬉しいなと思った。サウンドはやや荒削りながら(若さ溢れる!)とても良い演奏だった。「ガブリエルズ・オーボエ」でソロを取った皆さんには脱帽!

♪アマチュアによるアンサンブル:名阪国道
八木澤教司「アリオンの琴歌」

その名の通り、名古屋と大阪のメンバーにより結成されたアンサンブル。しんべえさん始め、ベテラン勢が参加し、安定したテクニックが印象深い。サクソフォンで、"その土地の音楽"というものは、演奏的な意味でも作品的な意味でも、間違いなく今後見過ごせない要素になっていくと思うのだが、名阪国道さんの演奏を聴きながらなぜかそんなことを思ったのだった。

♪アマチュアによるアンサンブル:チーム・ブリッジハイ
高橋宏樹「アミューズメント・パーク組曲」

なんと、じろーさん一家3重奏。こじろーくんは、初めてお会いした時はまだ小学生だったのだが…若い方の成長って早いですね(しみじみ)。じろーさん家の名にふさわしい(笑)、超クオリティの貫禄の演奏であった。やっぱり、楽章スタイルの吹き分けって凄く重要なんだなあと。4つの楽章があって「パレード的なウキウキ」「お化け屋敷的な感じ」「メリーゴーラウンド的なワルツ」「非絶叫系ジェットコースター的なフィナーレ」…面白いな。

♪アマチュアによるアンサンブル:Weeds Saxophone Quartet
戸田顕「祈りの舞い(委嘱作品)」

このイベントの元締めの稲垣さんが所属するカルテット。驚いたことに、あの戸田顕氏(個人的には「平和への行列」の印象が強い)に新作を委嘱していた。いくつかの「舞い」のスタイルを持つ、小品ながらなかなか素敵な作品だった。Weedsさんの演奏は、やはり長期間活動しているだけあって「アンサンブル」を感じることができた。

♪アマチュアによるアンサンブル:愛媛リーエト吹奏楽団
J.B.サンジュレ「四重奏曲第一番」より第1楽章

吹奏楽団の中でのアンサンブル、というも

♪アマチュアによるアンサンブル:ファミーユサクソフォンカルテット
A.ロイド=ウェバー「"オペラ座の怪人"セレクション」

ダッパーきんじさん参加の香川(だったかな)のアンサンブル。名前はダッパーさんブログで見るのだが、意識して演奏を聴いたのは初めてかも。ソプラノの方のピシっとした音楽作りなど、アンサンブルとしてかなり洗練されている印象を受けた。演奏は、オリジナル編曲の「オペラ座の怪人」で、サクソフォン四重奏+ピアノ、という編成。うーん、豪華な響き!

♪アマチュアによるアンサンブル:徳島文理大学音楽学部サックスパート
對馬樹「ドライヴィング・ストレンジ・アトラクター」

徳島文理大学という名前は聴いたことがあるのだが、音楽学部があるとは知らなかった。若い4人ながら、細かい音符もすいすい演奏してしまうのは、やはり最近のトレンドか。ここまですいすい吹かれてしまうと、なんだか逆に物足りない、というのは贅沢かな(笑)

♪アマチュアによるアンサンブル:Kobe Saxophone Musica
J.S.バッハ/飯守伸ニ「シャコンヌ」

まさかのバッハ「シャコンヌ」!最初は、T田さんあたりがEastman Music Schoolに連絡して、このマシュー・エヴァンズの楽譜を入手されたのかなと思っていたのだが、かなり昔から存在する飯守氏のアレンジ譜を使用したとのこと。このアレンジのことは知らなかった。一聴すると、ストコフスキー編がベースのアレンジかと思ったのだが(冒頭の3和音の取り扱いとか)、実際はブゾーニ編を元にしているとのこと。演奏的にはアマチュアステージの中でも、かなり突出していると感じた。客席の集中力も高かった。

♪アマチュアによるアンサンブル:ダッパーサクセーバーズ
江原大介「ブルーダスク」

Colorsの楽譜で、ポピュラー・スタイルの作品。「シャコンヌ」の後に聴くダッパーさんの演奏は、なんだかとてもホッとさせられる。2名の新メンバー(まだ学生だそうだ)も加えての、しかし安定感ある演奏は、さすがダッパーさんという感じ。「ブルー」はジャズの「ブルーノート」のブルーなんだな。安定的に進むと思いきや、要所ではきちんと羽目を外してくるのだから、やはり一筋縄ではいかない(笑)。さすがです。

♪アマチュアによるアンサンブル:徳島サキソフォーン・アンサンブル
B.ウィーラン「リバーダンス」

主催の元締め、稲垣氏が、編曲や指揮を担当したアンサンブル。同一県の出身で、こういった大きなイベントでラージを組むことができるだなんて、なんて素敵なことなのか、と思う。あえてオリジナルアレンジを採用した所に、こだわりが感じられる。

♪アマチュアによるアンサンブル:F.G. Saxophone Club
福田洋介「さくらのうた」

なんだかんだ(笑)お知り合いが多いアンサンブル。さくらのうたは、名曲ですね。このくらいの人数が集まって、この高いクオリティを保持することは非常に苦労が伴うと思うのだが、どのくらい練習しているんだろう…。アマチュアのラージの新興勢力として、ぜひ関西方面のみならず様々に活躍してほしいと思う。

♪ゲストによるスペシャルステージ:長瀬敏和 with くらしき作陽大学 & Quintetto Piacevole
酒井格「クローバーリーフ・スイート」

SATB持ち替えで有名な酒井氏の作品。4楽章の古典的な構成を持っている(プレリュード、スケルツォ、アダージョ、フィナーレ(先頭楽章の主題が戻ってくる))、とても聴きやすいのだ。実演で聴いたのは初めてであった。しかも、まさか被献呈者の長瀬氏の演奏で聴けるとは!楽章毎、確固たる信念…それは、音色であったり、フレージングであったり、音楽を構成する様々な要素であるのだが…を感じさせる演奏であった。このことと、長らく大阪市音楽団でコンサートマスターを務めていたことは、無関係ではないだろう。誰が聴いても納得、という演奏をするそのセンスは、一朝一夕で身につくものではないのだろうなあ…。

♪ゲストによるスペシャルステージ:Bijou Sax Quartet
B.ストレイホーン「A列車で行こう」
C.コリア「スペイン」

いやー、BijouSQはいつものことながらやってくれますな!(笑)私が感想を書くまでもない、もはや言葉で説明無用の巧さ&カッコよさ、そしてソプラノ三輪氏を筆頭に、超良い音色なんですわ。多くの聴衆が惚れ込んだのではないだろうか。会場の盛り上がりたるや相当なもので、インパクト絶大、さすがです。やっぱり東京にも来て欲しい!聴いたことない方はぜひどこかで一聴を。お得意のスペインは、何度聴いても楽しい。あまりYouTubeに最近の演奏が載っていないのが残念なのだが、たくさんアップされれば人気爆発すると思うんだがなあ(という妄想)。

♪ゲストによるスペシャルステージ:Quintetto Piacevole
P.イトゥラルデ「メモリアス」
R.ラヴランド「ユー・レイズ・ミー・アップ」

石田智子、鈎尼佳代、海江田真子、川崎寛子各氏(以上sax)、梅本敏行氏(以上pf)というメンバー。まさかの「メモリアス」!スペインの奏者、ホアキン・フランコ氏が、イトゥラルデ自身や、ダニエル・デファイエ(!)と共に共演していることでが有名な作品だが、まさかこういった所でこの曲を聴けるとは思わなかった。というわけで、あまり冷静に聴けなかったのだが、ピアノを中心とした洗練されたアンサンブルや音色に、ぐっと引き込まれた。

♪ゲストによるスペシャルステージ:榮村正吾 & 曽根恭子
本多俊之「ジャズ・エチュード」

もちろんよく知っている曲だが(須川氏のアルバム「Made in Japan」に収録されている)、今回の榮村氏の演奏に、すっかり耳を洗い直されてしまった!こういう曲だったのか、と。聴けて良かったなあ。なかなか演奏される機会も少ない作品だが、こうして聴いてみると聴きどころの作り方、楽章間のスタイルの違いなど、作品として非常に洗練されているのだとも感じた。榮村氏は、コンテンポラリー、ジャズ、クラシック、吹奏楽と、サクソフォンで取り組むことのできる多くの音楽ジャンルに関する演奏スタイルを備えており、そんな榮村さんにぴったりの曲なんだなあとも思ったのだった。

♪ゲストによるスペシャルステージ:長瀬敏和 & 榮村正吾 & 曽根恭子

ラージの準備のため、残念ながらホールでは拝聴できず(>_<)ただ、大阪市音楽団(現Shion)の元コンサートマスターと、シエナ・ウインド・オーケストラの現コンサートマスター揃い踏み、というシチュエーションは、間違いなく大きな話題をさらったはずだ。 ♪全員によるサクソフォン・ラージ・アンサンブル(指揮:長瀬敏和、丸谷明夫、編曲:柏原卓行) 東海林修「ディスコ・キッド」 J.ヴァン=デル=ロースト「リクディム」 菅野よう子「花は咲く」 A.リード「アルメニアン・ダンス パート1」 岡野貞一「ふるさと」(アンコール)
ということで、アルトの1stとして乗っていた(なんと右隣にはKSM元締めのT田さんが!恐れ多い!)。やはり本番のテンションというか、本番ならではの何かも加わって、とても良い演奏になったと思う。いやはや、楽しかった!150人以上?の演奏メンバーは、間違いなく一期一会。そして、長瀬先生や、丸谷先生の指揮で吹く機会も、今後果たしてあるかなあ。

ということで、予定時間を1時間オーバーしての(笑)長丁場からの終演となったが、充実した催しだった。いやー、乗れて良かった!大きなイベントを運営するには、大きな苦労と時間がつきまとう。これは、私自身も同じ経験を持っており、実感として持っている事柄である。スムーズな運営を目指し、事務方をバリバリこなされていた稲垣さん始め、本演奏会の実現に尽力された皆様に、改めて感謝申し上げたい。

終演後は、打ち上げにもお邪魔させていただき、いろいろな方としゃべることができた。長瀬先生や榮村先生が、このブログをご存知だったのは嬉しかったなあ。丸谷先生とも写真を撮れたし、とても楽しかった。モツ鍋おいしかった。

この日最後のオチ:今回の演奏会、鳴門駅の徒歩圏内にある鳴門文化会館という場所だった。もちろん、宿泊場所は鳴門駅の近くを、と思い、徒歩2分のアパホテルを予約した…のだが、なんと鳴門駅徒歩2分ではなく、徳島駅徒歩2分!当日終演後に、教えてもらって気付かされた時には超冷や汗モノであった。幸いというか何というか、阿南在住の新田先生(前回の四国フェスタでお世話になったサクソフォン奏者)の車に同乗させてもらい、徳島までなんと車で送っていただき、事なきを得たのだった。もう、阿南には足を向けて寝られません(汗)。とはいえ、道中は新田先生のフランス留学時代のお話など伺い、それもまた楽しかったのだった。

月曜日、午前休を取って、9:00徳島阿波おどり空港発のJALで羽田に戻った。旅の終わりはあっさりしていて、やっぱりなんだか寂しい。

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