2013/06/30

ご案内:第4回サクソフォン交流会

【第4回サクソフォン交流会 in 名古屋】
日時:2013年7月13日(土) 11:45開場 12:00開演
会場:愛知県名古屋市・北文化小劇場(地下鉄名城線「黒川」下車 4番出口より北へ徒歩12分)
料金:入場無料
アドバイザー/客演指揮/演奏:服部吉之 ゲスト演奏:瀧彬友
プログラム:
各参加団体によるアンサンブルステージ(50音順)
アマリリス合奏団(東京)
アムールサクソフォンアンサンブル(三重)
カキツバタサクソフォンアンサンブル(愛知)
関東サクソフォン連合(東京)
きしめんアンサンブル(愛知)
サックス倶楽部アクシェ(東京)
ダッパーサクセーバーズ(香川)
Duo Green Green(千葉)
トマピーナサクソフォンカルテット(愛知)
ドルチェサックスクラブ(三重)
浜松サクソフォンクラブ てるてるカルテット(静岡)
Mickey's Unit(愛知)
企画ステージ:ゲストによる演奏のステージ(演奏:服部吉之・瀧彬友)
参加者全員によるラージアンサンブル(指揮:服部吉之)

関東サクソフォン連合のこと

第4回サクソフォン交流会 in 名古屋まで二週間となった。事務局としての作業も佳境で、残件を潰していくような段階に入っている。マネージャー業務は第2回以来だが、まあやっぱりやることは多いよなあ…。

今回、Tsukuba Saxophone Quartetとしては参加できないのだが、代わりに「関東サクソフォン連合」なる臨時編成の団体を立ち上げてアンサンブルステージに参加する。横井氏、BCSEのagitato氏、たけのこQ&エスポのtfm氏、事務局のきゃ氏、ロッソの梅沢氏、ゆっぴー氏、kuri、というサクソフォン7重奏。4回ほどの練習を行い、2曲を披露する。

一曲目はアルフレッド・デザンクロの「サルヴェ・レジーナ」。SATB四声のために書かれた合唱曲で、サクソフォン用に移調して演奏する。和声の崇高さ、短いながらもそこに込められた種々のドラマが印象的だ(この曲に限らずデザンクロの宗教曲はいずれも美しいものばかりで、もしご存知無ければぜひデザンクロの合唱曲集を聴いていただきたい)。二曲目は、フィリップ・ガイスの「サー・パトリック」。スコットランド発のリール「Shetland Sequence」の再構築作品。賑やかな舞曲で、デザンクロ作品と対照をなす。

本日、本番前最後の練習だったが、楽しみになってきた!

2013/06/29

7th International Saxophone Competition in Slovenia

スロヴェニアで7月1日から6日まで開かれる国際コンクール。日本からの参加者や、留学中の日本人参加者も多く、注目度が高い。お知り合いも多く参加しており、ぜひみなさんの健闘を祈念したいところ。とはいえ、全員が一位になるわけではないので、応援もなんとなく歯がゆいですね。

リンク先のウェブページから課題曲の楽譜を参照することができるので、ぜひ(特に予選とセミファイナル)。近年の国際コンクールにおける"足切り"のための作品がいかに難しくなっているか、ということを実感できるはず。

ウェブページ:
http://www.kulturnidom-ng.si/eng/glasbeniprogram-dnevisaksofona-13-tekmovanje.html

Facebookページ:
https://www.facebook.com/novagoricasaxcompetition

期間:2013年7月1日~6日
参加資格:1983年以降に生まれたサクソフォン奏者

■予選
選択課題曲:
C.フランク - ソナタより第3楽章
J.ブラームス - ソナタ第2番より第1楽章
必須課題曲:
Lojze Lebič - Invocation / à Primož Ramovš

■セミファイナル(予選より最大10名が通過)
必須課題曲:
Peter Šavli - Visuddhi for alto saxophone solo and additional sounds
選択課題曲:
W.オルブライト - ソナタ
F.デュクリュック - ソナタ
E.デニゾフ - ソナタ
A.デザンクロ - PCF
J.フェルド - ソナタ
D.マスランカ - ソナタ
Janez Matičič - Repliques
Uroš Rojko - Godba
F.シュミット - 伝説
Nina Šenk: Impetus
A.ティスネ - Espaces irradiés

■ファイナル(セミファイナルより最大5名が通過)
En Shao指揮RTV Slovenia Symphony Orchestraとの共演
選択課題曲:
H.トマジ - 協奏曲
J.イベール - 小協奏曲
必須課題曲:
Pavel Šivic - Saxophone suite II. and III. mvt.

■審査員
Claude Delangle(フランス:審査委員長)
Vincent David(フランス)
Nenad Firšt(スロヴェニア)
Timothy McAllister(アメリカ)
Joonatan Rautiola(フィンランド)
En Shao(中国)

■参加者
※5月時点での情報であるため、少し変わっている可能性もあり。また、国籍がおかしい方も…日本人のはずなのに、フランス人と書かれていたり。最年少はアメリカから参加のAva Oaxaca氏(1995年生まれだそうだ)。
1 Shunsuke Akaki 15.6.1987 Japan
2 Oleksandr Balashov 1.4.1988 Ukraine
3 Enrica Birsa 15.6.1989 Italy
4 Erik Demaseure 13.10.1989 Belgium
5 Eudes Bernstein 14.7.1994 France
6 Roman Fotuima 18.12.1991 Ukraine
7 Aki Fujiwara 2.10.1987 France
8 Massimiliano Girardi 13.3.1985 Italy
9 Jan Gričar 15.4.1992 Slovenia
10 Krzysztof Guńka 10.9.1990 Poland
11 Makoto Hondo 18.12.1989 France/Japan
12 Luo Jie 17.7.1988 France/China
13 Samuel Jones 25.6.1994 New Zealand
14 Arisa Kimura 7.4 1985 Japan
15 Kei Kimura 5.4.1991 Japan
16 Paulina Marta Kulesza 22.12.1990 Netherlands/Poland
17 Xavier Larsson Paez 21.5.1991Spain
18 Pablo León Candela 30.6.1990 Spain
19 Francisco Javier Linares Leyva 16.9.1987 Spain
20 Lovro Merčep 26.6.1990 Croatia
21 Blaž Mijovič 19.11.1987 Slovenia
22 Carlos Montesinos Parra 11.4.1991 Spain
23 Maikel Morelli 3.3.1984 Brazil
24 Kento Motegi 21.11.1985 France/Japan
25 Simone Müller 19.10.1989 Netherlands/Germany
26 Anja Nedremo 17.4.1989 Norway
27 Kyoko Nemoto 12.1.1990 France/Japan
28 Tomotaka Nohara 1.12.1988 France
29 Yuka Nojima 6.5.1987 France/Japan
30 Jesús Núñez González 23.8.1983 Spain
31 Ava Oaxaca 3.10.1995 USA
32 Takuro Ogawa 27.2.1989 Japan
33 Rui Ozawa 28.6.1989 France/Japan
34 Joonsung Park 30.4.1985 France/S. Korea
35 Weronika Partyka 2.11.1988 Poland
36 Srđan Paunović 17.3.1993 Serbia
37 Nicola Peretto 11.9.1992 Italy
38 Enrique Prieto 13.2.1983 Spain
39 Takahashi Ryunosuke 14.9.1991 Japan
40 Nazomi Sakai 19.1.1989 France
41 Yumi Sato 24.9.1983 France
42 Yoshiyuki Shishido 10.8.1983 Japan
43 Martin Skubin 18.8.1993 Slovenia
44 Jorge Ignacio Solana 27.4.1984 Spain
45 Martina Stückler 1.4.1990 Netherlands/Austria
46 Ningxin Su 24.8.1991 Australia
47 Yuko Susuki 14.1.1987 Japan
48 Anna Takaku 29.2.1988 France
49 Remi Terada 22.6.1985 Japan
50 Elisa Urrestarazu Capellán 26.7.1987 Spain
51 Melinda Urh 20.11.1989 Slovenia
52 Janez Uršej 12.7.1989 Slovenia
53 Mei Yamasaki 4.9.1984 France/Japan

平部やよい「Dice」の録音(はやぶさ四重奏団)

滝上先生から、平部やよい氏のサクソフォン四重奏作品「Dice」の、はやぶさ四重奏団録音を送っていただいた。平部氏のサクソフォン作品といえば、何といっても朝日新聞社主催のアンサンブルコンテストで良く演奏される「四つの自我」が有名だが、このような作品があることは先のフェスティバルではやぶさ四重奏団が取り上げたことにより、初めて知ったのだった。

全体を通してシリアスな響きが支配的であるものの、現代的なエッジの効いたリズムやサクソフォンの技巧面が前面に押し出されており、聴いていてとても「かっこいい」作品だ。何度か出現する緩徐部分は美しい和声とメロディが魅力的。2008年3月21日に、平部やよい氏の自作の演奏会にいおいてトルヴェール・クヮルテットにより初演された。楽譜は、私家版として平部やよい氏のサイトから入手可能。録音が広まれば、けっこう人気が出るのではないかなー、と思うのだが。

さて、その「Dice」の録音である。滝上先生との連絡と取り持っていただいた岩渕みずきさん、そして送っていただいた滝上先生にはこの場を借りて改めて御礼申し上げる次第。

この機会に楽譜を購入して(あわよくば演奏してみたいと思ったため)聴いてみた。はやぶさ四重奏団の、基本的な技術力が高いのはもちろんなのだが、「ソルフェージュ能力」の違いに圧倒された(ここで「ソルフェージュ能力」とは、楽譜を前にしてどのようにその音楽を解釈し、音にしていくか…という意味で使っている)。この楽譜を前にした時、私自身がイメージしていたのはもっと硬い音色や極端なダイナミクスである。そうではなく、曲の構造を大局的に捉えて、非常にリラックスした音色でもって場面場面を転換していく。特に、急速部分に現れる息の長い旋律の、歌唱のようなフレージングの美しさには感嘆してしまった。だからこそ、怒涛のコーダ部分もより一層映えて聴こえる。

感想を書いてはみたものの、楽譜も録音も知らない人に対して、この印象というか感動というか驚嘆を伝えるのは、やや難しいな…(^^;

International Music Diffusion: Jerome Laran Collection

今年3月のサクソフォーン・フェスティバルに伺った際、ジェローム・ララン氏に突然International Music Diffusionの方を紹介されてびっくりしたのだが、少し前から「ジェローム・ララン・コレクション」なる楽譜シリーズ(ルモワンヌ社の「ドゥラングル・コレクション」と似たようなイメージだろうか)が同出版社から発売されているらしく、そのプロモーションを目的として来日していたとのこと。

一つ一つの楽譜に対して、ララン氏がどのように関わっているのかはよく知らないのだが、何はともあれ興味深い楽譜シリーズがまたひとつ増えたのは歓迎すべきことだ。いくつかをご紹介しておきたい。

ソプラノ・サクソフォン二重奏 - 鈴木純明「アンティエンヌ」(税込3990円)
2006年、ララン氏来日の際に鈴木純明氏によって書かれ、ララン氏と原博巳氏によって初演された作品。点描的なリズム(即興的にも聴こえるが、きちんと拍の中にリズムとして書かれている)が面白い。レパートリーが少ないデュオのための作品(しかも邦人作品だ!)として、少しずつ広まっていくと良いな、と思う。

サクソフォンとピアノ - クロード・ドビュッシー「ムーア風狂詩曲」(税込2730円)
いわゆる"ドビュッシーのラプソディ"というやつ。昨年のアニヴァーサリー・イヤー、そして自筆スケッチが入手しやすくなったこともあるせいか、自筆譜研究に基づく演奏が頻繁に行われているような印象を受ける…。その一つとして(おそらくララン氏が監修したであろう)新版の楽譜がIMDから出版された。興味あるかたはぜひ。

その時、もらったチラシをスキャンした(クリックすると拡大する)。日本の販売代理店はビュッフェ・グループ・ジャパン。楽器屋さん等で見かけた際は、ぜひ手にとってみていただきたい。

2013/06/27

ご案内:中島諒さんがゴトコフスキーの協奏曲を演奏

以前演奏でもご一緒したことのある東京藝術大学4年生の中島諒さんから、演奏のご案内を頂戴した。このたび、東京藝術大学奏楽堂モーニング・コンサートの独奏者に選抜され、来る7月4日にイダ・ゴトコフスキーの「サクソフォン協奏曲」を演奏するとのこと。これは凄い!

ゴトコフスキーの協奏曲は、LP時代にBVHAASTが出版していた盤で聴いたことがある。そのLPについては、以前ブログにも書いている。加減を知ろうとしない感じは、ゴトコフスキー作品ならでは。サクソフォンパートのみならずオーケストラパートも至難ではあるが、サクソフォンのための協奏曲としては例外的なほどの規模を持つ。

なかなか実演を聴く機会もないが、個人的にはよく演奏される「ブリヤンス」「悲愴的変奏曲」などの作品よりもずっと好きな作品だ。フェルドやダールの作品と並び、「サクソフォンが入るオーケストラ作品を作ってみたら規模が大きくなりすぎちゃったシリーズ」の一翼を担う作品であると思っているが、いかがだろうか(ゴトコフスキーが書いたサクソフォンのための作品の処女作である)。

作品としても面白いし、もちろん中島さんならば、オーケストラと堂々と渡り合って見事な演奏を繰り広げることが容易に想像できる。あのスケールの大きさは、ゴトコフスキー作品に良くマッチすることだろう。平日ということで私は伺えないが、もしお時間がある方はぜひ。

【第8回2013年度東京藝術大学奏楽堂モーニング・コンサート】
出演:中島諒(sax)、鐵百合奈(pf)、山下一史指揮藝大フィルハーモニア
日時:2013年7月4日(木曜) 11:00開演(10:30開場)
会場:東京藝術大学奏楽堂
プログラム:
イダ・ゴトコフスキー「サクソフォン協奏曲」
P.チャイコフスキー「ピアノ協奏曲 第1番」
詳細は下記リンクから:
http://www.geidai.ac.jp/facilities/sogakudou/info/h25_morning_14_01.html

2013/06/26

「インテクステリア第9番」の楽譜

テナーサクソフォン独奏のための傑作、江村哲二「インテクステリア第9番 Intéxtérieur no.9」の楽譜を購入。先日伺った大石将紀さんの演奏会で特にこの作品の演奏に感銘を受けた勢いである。とはいえ、とりあえず演奏用ではなく研究用(もし演奏できたらとても楽しいと思うが、あまりの至難さに…泣)。

演奏を聴いた時に受けたインプレッション…"クリスチャン・ロバの「ハード」に影響を受けた作品である"…は、楽譜を参照することで確信に変わった。重音の扱いやARQP(aussi rapide que possible)の指示、低音域のスラップ…。さらに記譜法にも様々な類似点が見られることで、江村氏は、齋藤貴志氏とのコラボレーションの際に「ハード」を"聴いた"のみならず"楽譜を見た"のではないかな、ということも推測できる。今となっては知るよしもないが。

うーん、クリスチャン・ロバの作品の如く、録音が簡単に手に入れば人気が出そうなのだが。誰かレコーディングしませんか?

楽譜はフツーにAmazon.co.jpで買えるので、ご興味ある方はぜひ。
21ST CENTURY 江村哲二/インテクステリア 第9番 テナーサクソフォン独奏のための (woodwind instruments repertoires)

2013/06/24

サクソフォーンアンサンブルの会 第29回演奏会

土曜日に伺った演奏会。

発足は1977年、日本国内のサクソフォンアンサンブル団体としては、プロアマ問わず間違いなく最も長い歴史を持つ団体である。日本のサクソフォンアンサンブルの歴史の一端を担ってきた、といっても過言ではないだろう。昨年、メンバーのKさんのお誘いで初めて伺ってその見事な演奏に感銘を受けたのだが、今年もまた充実の演奏を楽しんだ。

【サクソフォーンアンサンブルの会 第29回演奏会】
出演:サクソフォーンアンサンブルの会、原博巳(sax)、泉谷絵里(pf)
日時:2013年6月22日(土)17:30開場 18:00開演
会場:牛込箪笥区民ホール
プログラム:
C.M.シェーンベルク - ミス・サイゴン・メドレー
大河の流れ 江~平清盛~八重の桜
P.M.デュボワ - 協奏曲(独奏:原博巳)
今井智景 - セダクティブ・レルム
N.リムスキー=コルサコフ - シェヘラザード
青春の輝き(アンコール)
エルカペオ+(アンコール)

「ミス・サイゴン・メドレー」は私自身が知っている曲はあまり入っていなかったのだが、やはり面白い。長年の活動を続ける中で、技術的に完成され、一切の無駄が削ぎ落とされたようなサウンドの方向性は、あまり他では聴くことのできないものだと思う。ほとんどの作品の編曲はメンバーのNさんによるものだが、この分量をこなすその気合いというか筆の速さ、想像できない…。「大河の流れ」と題された直近の3作品の大河ドラマテーマ曲メドレーは、演奏者・会場とも共感度が高く、とてもよい雰囲気。こうして聴くと、「平清盛」の音楽の特殊さが一層際立つような気もする。

デュボワは原博巳さんを独奏に迎えての演奏。まさかの暗譜、冒頭から聴き手を一気に惹きつけ、最後まで行ってしまった。音量・音色・音楽性・技術力・オーラ…、どれをとっても、まさに"怪物級"。なんだか別の世界からやってきた楽器を聴いているようだ。もちろんバックのアンサンブルも独奏に感化されたかのような熱演。特に第1楽章~第3楽章それぞれの性格が、弦楽合奏よりもより表出するものだなと思った。

後半は、アリアージュ・カルテットのレパートリーとして有名なモーツァルト「魔笛」をベースにした「セダクティブ・レルム」。演奏はもちろんJION Saxophone Quartet…と、なんと泉谷絵里さん!関東サクソフォンアカデミーの時にも聴いて感じたが、やはりこのカルテット、一筋縄ではいかない…すごかった。全体のプログラムの流れの中でも一段と光っていたなあ。作品としても面白く、楽譜も作曲者にコンタクトすれば手に入れられそうだ。

最後はなんと「シェヘラザード」全楽章(一部カットあり、とはいえ30分弱という長大な演奏)!!キーロフ管弦楽団をワレリー・ゲルギエフが振った録音が好きで、昔特に第4楽章を取り出して聴いていたのだが、第1楽章から複数楽章にまたがって続く主題の変遷に涙してしまった。原曲のオーケストレーションが素晴らしいことでも有名だが、このアレンジ・演奏も一級品!サクソフォンとしての長所を上手く生かしつつ、また要所要所で出現する独奏も泣かせるものだった。

アンコールは原さんの演奏で「青春の輝き」。この「青春の輝き」がまたすごくて…安易な表現に走らない、確固たる音楽作り(言葉で表すのは難しく、これは聴いた人の特権だろう)。最後は「エル・カペオ」、に「りす」と「協奏曲」の第1楽章がくっついた「エル・カペオ+」というお遊びも交えて〆。楽しかった(^^)

打ち上げまでお邪魔させてもらって、皆さんといろいろとお話できて良かったなあ(ありがとうございました)。

2013/06/23

本日のドルチェデビューコンサート

昨日はサクソフォーンアンサンブルの会の演奏会へ。感想は後ほど(素晴らしかった…)。

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東京音楽大学卒業の井澤裕介さんより、出演情報をご案内いただいた。もう直前となってしまったがブログに掲載しておきたい。

【第5回ドルチェ楽器 デビューコンサートin東京】
出演:ファゴット、サクソフォン演奏者
日時:6月23日(日)13:00開演
会場:ドルチェ楽器 アーティストサロン "dolce"(JR新宿駅徒歩約7分)

23日(日)はファゴット、サクソフォーンの日であり、ひとり持ち時間は30分。サクソフォンは14:45からとのこと。井澤裕介さんは、15:55からの30分間。演奏曲目はラーシュ=エリク・ラーションの「サクソフォン協奏曲」と、オリヴィエ・メシアンの「ヴォカリーズ・エチュード」である。

メシアンの選曲に唸った。タイトル通り、無言歌(歌詞を伴わない)であるが、浮遊感のある美しい作品で、声楽のみならず管楽器での演奏機会も多い。サクソフォンでの演奏もYouTube等見つけることができるが、あまり国内でライヴ演奏されるというのは聴いたことがないなあ。どういった経緯でこの作品を選択したのかは、気になるところだ。

私は私用のため残念ながら伺えないのだが、お近くの方、いかがだろうか。

2013/06/22

小倉氏他参加のおさらい会を拝聴

TSQの小倉氏に誘われて、私的な"おさらい会"に伺った。受験準備のための発表の機会だそうで、公開のおさらい会だと聞いていたのだが、フリーで聴きに来ていたのは自分だけだった(苦笑)。講評の先生として呼ばれていた伊藤あさぎさんの横になぜか座り、三人分の演奏を拝聴することとなった。なんだか聴いている方が緊張したなあ…。

J.S.Bach - Partita No.2(高溝ゆいな)
E.Denisov - Sonata Mov.1,2(小倉大志&大嶋千暁)
吉松隆 - Fuzzy Bird Sonata(小倉大志&大嶋千暁)
D.Bedard - Fantaisie(佐藤朱音&大嶋千暁)
J.Ibert - Concertino da Camera(佐藤朱音&大嶋千暁)

こういったおさらい会を聴くのは面白い。普段の演奏活動の過程でのプレゼンテーションであるわけだからたまに幾分不完全な演奏も出てくるし、たくさんの演奏者を聴くことができるし、たまに同じ曲が演奏されるとその中での聴き比べができるし、会場が響かなければ生の音がそのまま飛んでくるし…と、いわゆるソロリサイタルとは違う要素が幾つもある。そのためか、いくら聴き続けても飽きることがない。

今日は三人の演奏家を聴いたのだが、どれもすばらしく、それぞれが個性的な演奏を披露していてとても面白かった。バックグラウンドも様々で、直近で何を目指していくかも様々。そのなかでいかに魅力的な演奏を創り出していくか、というのはなかなか難しくも、しかし得がたい経験なのだろう。

演奏のあとは、来ていたメンバー全員でディスカッション。今日の演奏について演奏者も聴き手も、一人ずつ演奏者に対して講評・感想を述べる時間を取った(さすが、伊藤あさぎさんの言葉は光っていたなあ…)。演奏して先生から講評もらって打ち上げして終わり、ではなく、こういった参加者間でのシラフでのコミュニケーションの時間を取ることは、実はとても重要なのではないかなと思った。日本の音大ではあまりそういった機会はないそうだが。あわよくば、文字に起こすとさらに頭の中が整理され、意見を言いやすい。

2013/06/21

第4回交流会個人参加申し込み:本日締め切り!

第4回サクソフォン交流会の個人参加申し込み締め切りは本日23:59。幸い、当初見込みよりも多くの参加者数(なんと団体参加者・個人参加者あわせて60名以上)に達しており、嬉しい限り。

おなじみのアンサンブルステージは、中京圏の団体に数多く参加いただいている。ラージステージはエルガー「威風堂々第一番」。服部先生&瀧彬友氏によるベルノー「デュオ・ソナタ」他の演奏も聴きもの!

http://enjoysax.michikusa.jp/

皆様のご参加をお待ちしております!

2013/06/19

ご案内:6/22(土)のいろいろ

6/22の午前:練馬文化センター?で何かあるようだ(未だに私もよく分かっていない)。TSQの小倉氏にコンタクトされたし。

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6/22の夕刻:

【チャリティーminiコンサート】
日時:2013年6月22日(土) 16:00開演
会場:喫茶店 コパン(東西線神楽坂駅前徒歩2分)
入場料:¥2,500(コーヒー・ケーキ付)
出演者:
s.sax 野村亮太
a.sax 梅沢洋
t.sax 田中美希
b.sax 金井基泰
曲目:
J.S.バッハ/G線上のアリア
J.B.サンジュレー/協奏的大四重奏曲
G.ビゼー/カルメン・ファンタジー
T.ターピン他/ラグタイム組曲 他
主催:
バングラデシュ支援グループ エトセトラ
(連絡先:090-1840-4531 楠木)

つい先日ご案内いただいた。交流会の事務作業次第かな…。会場の位置的には、サクソフォーンアンサンブルの会とはしごできそう。

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6/22の夜間:

ちょくちょくお付き合いさせていただいている"サクソフォーンアンサンブルの会"の皆様の演奏会が週末に迫っている。超重量級のプログラム(Nさんの編曲ということで、驚き)、しかも入場無料ときたもんだ。昨年も伺ったのだが、おっそろしいほどにレベルが高い。日本のラージアンサンブルの歴史を牽引してきたというその言葉の通りの演奏であった。

原博巳先生のデュボワも楽しみだが、ゲルギエフ×キーロフ管弦楽団のあのぶっ速い演奏で親しんできた「シェヘラザード」が、どのように演奏されるのかも楽しみだ。

【サクソフォーンアンサンブルの会第29回演奏会】
出演:サクソフォーンアンサンブルの会、原博巳(sax)、泉谷絵里(pf)
日時:2013年6月22日 17:30開場、18:00開演
会場:牛込箪笥区民ホール
料金:入場無料
プログラム:
C.M.シェーンベルク - ミス・サイゴン・メドレー
P.M.デュボワ - 協奏曲
N.リムスキー=コルサコフ - 交響組曲「シェヘラザード」

Gerard McChrystal plays Iturralde etc... on YouTube

TSQの演奏会が終わったと思ったら、交流会の怒涛の事務作業が待ち受けていた…。若干遅延気味。今週末でなんとかリカバー予定。

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ジェラルド・マクリスタル氏の演奏動画。ペドロ・イトゥラルデ Pedro Iturraldeの「小さなチャールダーシュ Pequena Czarda」と、スティール J.Steeleの「シェットランド・シーケンス Shetland Sequence」(フィリップ・ガイス Philippe Geiss氏が「サー・パトリック Sir Patrick」として再構成を行なっていることでも有名)。

何かのテレビ番組の収録のようで、演出が一大スペクタクル!、という感じで楽しい。

2013/06/18

TSQ長野公演の演奏動画をアップ

TSQ Vol.5の残務処理が進行中。とりあえず演奏動画をTsukuba Saxophone QuartetのYouTubeチャンネルのページにアップロードした。

http://www.youtube.com/tsukubasaxophone

NEX-5Nで撮影しているのだが、音質がずいぶんと良い。気のせいかもしれないが、ZOOM H1で録音した音よりもハッキリ録れているような…。だいぶ補正されてもいるようだが、そのせいかな?

2013/06/16

TSQ長野公演、無事終演

TSQ長野公演。体力的にはなかなか大変だったけれど楽しい週末だった。

朝9時頃にハーモ美術館に到着して、会場設営とリハーサル。リハーサルでは、ティーセントホールの豊かな音響にテンションがあがる。リハーサル時間が少し延び、昼あたりはドタバタしてしまったが、なんとか開場。たくさんのお客様にお越しいただけた。

演奏会中は、MCを入れながらの進行。お客さんが近くて反応もよく、楽しかった。少々疵もあったが、なんとか吹き終えることができた。終演後、お知り合いの方にご挨拶。たくさん聴きにきてくれて嬉しかった。家族・親戚・友人・知人のみなさん…。ちなみに、新潟からお越しいただいたSonoreさんとは、初めての邂逅となった。

片づけてバスを待ちながらファミレスで軽く打ち上げ(演奏会終了後はやはりビールを一杯飲まなければ)。アンケートの暖かい言葉が励みになった。ということで、今は帰りのバスの中。

TSQ Vol.5の東京公演・長野公演の総括については、後日書く(かも)。

お越しいただいた皆さまを始め、演奏会に関わってくださったすべての方々に改めて感謝したい。

今日です、TSQ長野公演!

昨日は、午前中に埼玉のプラザウエストでラヴェル、ブーンの練習後、新宿で昼食をとって高速バスで実家へ。TSQ5人中3人は本日の長野入りである。実家に着くころはまだ雨が降っていたが、今日はなんとか晴れそう。幸いなことに、これまで招待券含めチケットが150席中100枚ぴったり捌けた。ありがたいことだ。

ということで、本日ようやく長野公演。5年ぶりに、あの素晴らしい音響のティーセントホールで演奏できるのがとても楽しみだ。詳細は下記リンクから。

http://kurisaxo.blogspot.jp/2013/05/tsukubasq-vol5.html

2013/06/15

Evgeni Novikov plays "Le Chant des ténèbres" on YouTube

前回のディナンのコンクールでも入賞したエフゲニー・ノヴィコフ Evgeni Novikov氏が、ティエリー・エスケシュ Thierry Escaichの「テネブレの歌」をサクソフォンアンサンブルバックに演奏している動画を見つけた。バックのメンバーは、アムステルダム音楽院サクソフォンアンサンブルとのこと。ノヴィコフ氏は、ヴェルサイユ音楽院を卒業した後、現在アムステルダム音楽院に在籍しているようだ。



独奏・バックとも非常にレベルが高く、特に強奏部分での全体のキレっぷりは一聴の価値あり、である。これはライヴで聴いたらさぞかし興奮したことだろう。ノヴィコフ氏の独奏、あまりロシアぽくないのが面白いな。

ちなみに「テネブレの歌」の詳細な解説はぜひThunderさんのブログ記事をご覧頂きたい。初めて読んだときは自分の無知さに相当にショックを受けた覚えがある。最近、デザンクロの合唱曲「サルヴェ・レジーナ」にサクソフォンで取り組んでいる関係で、上記記事の次のエントリーで紹介されている「キリスト教と音楽」を購入して勉強している。

2013/06/13

クラリネット奏者としてのVincent Abato

Morton Gould and His Orchestra & Vincent Abato, clarinet soloist…島根県のF様よりお送りいただいたLP(をCD-Rに復刻したもの)である。往年のサクソフォンの名手、ヴィンセント・アバト氏は、クラリネットをも得意としたことは良く知っているが、このように大々的にクラリネットの独奏者として取り上げられているようなアルバムは初めてだ。ガーシュウィンの代表作とも言える「ラプソディ・イン・ブルー」「パリのアメリカ人」が収録されている。

冒頭のアバト氏によるクラリネット・ソロは、鮮烈!だがしかし、「派手」という、それだけでは語れないような瞬間的な独奏に感銘を受けた。続く部分では、モートン・グールドの管弦楽団もテンポ速めの快演!オーケストラの中では、アバト氏はやはりクラリネットを吹いているのだろうか、それとも、サクソフォン?

ジャケットのデザインもいいなあ。クリックすると拡大する。

今週末です!TSQ長野公演

ダメ押しで宣伝。TSQ長野公演が今週末となった。幸いチケットも80枚以上捌けており、かなり盛況となりそうだ(もしお越しいただける方はぜひご連絡を!)。楽しみ。

http://kurisaxo.blogspot.jp/2013/05/tsukubasq-vol5.html

【Tsukuba Saxophone Quartet - Saxophone Concert Vol.5 ~DANCE!~(長野公演)】
日時:2013年6月16日(日) 13:30開場 14:00開演
会場:長野県下諏訪町ハーモ美術館・ティーセントホール
(JR中央本線下諏訪町駅から徒歩15分、バス18分)
http://www.harmo-museum.jp/tcent.html
料金:1,000円(全席自由)
プログラム:
M.ラヴェル - クープランの墓
B.ブーン - アレイ・ダンス
R.アブ=カリル - アラビアン・ワルツ(サクソフォン版日本初演)
吉松隆 - アトム・ハーツ・クラブ・カルテット(長野公演のみ)
チケットお問い合わせはinfo@tsukubasq.comまで。

チラシ表・裏(それぞれクリックで拡大)

2013/06/11

サクソフォン・イン・スペースシャトル

ロナルド・マクネイア Ronald Ervin McNair氏は、NASAの宇宙飛行士である。マサチューセッツ工科大学で物理学の博士号を取得したのち、NASAの公募に応募して、宇宙飛行士として選ばれた。マクネイア氏はジャズ分野の?サクソフォン奏者でもあった。

マクネイア氏は、スペースシャトルへとサクソフォンを持ち込んで演奏しようと試みていた。そのために、Kurt Heisigというサクソフォン奏者と協力しながら準備を進めていたとのこと。その、Kurt Heisigのエッセイの全文を、下記リンクから読むことができる。

http://www.taht.net/~mtaht/songs/SaxInSpace.html

シャトルのキャビンの中の低気圧を克服するために、シラブルの位置を変えたりヴァンドレンの5番のリードを利用したりと、演奏面での険しい道程の他に、そもそもスペースシャトルにサクソフォンを持ち込む許可を得るあたりも、困難があったことが伺える。

1984年2月、チャレンジャー号4回目のミッションとなるSTS-41-Bに、マクネイア氏はサクソフォンを持ち込んで演奏を試みたとのこと。マクネイア氏がスペースシャトル内部でサクソフォンを演奏する姿は、NASAから公式の写真として発表されたようだ(上記リンクのトップに掲げられている写真が、それ)。

低気圧下・無重力下での演奏をより良いものにするために研究を重ね、1986年1月、チャルダーシュ10回目のミッションとなるSTS-51-Lでは、マクネイア氏は再びサクソフォンを持ち込んだ。飛行中のスペースシャトル内部でジャン・ミシェル・ジャール作曲の「スペース・ランデヴー」のサクソフォンソロ部分を録音を予定していた。

この試みは、残念ながら悲劇的な結末を迎えることとなった。

2013/06/10

第六回私たちの演奏会

いろいろとネタが積み重なっているのだが…。

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先週金曜日になるが、川崎で開かれた「私たちの演奏会」へと伺った。

【第6回私たちの演奏会 ~Slovenian Night~】
出演:木村有沙、須々木由子、小川卓朗、小倉大志、木村佳、米田健人(以上sax)、原博巳(ゲストsax)、成田良子、田代あかり、川合愛美(以上pf)
日時:2013年6月2日 開演17:30
会場:ミューザ川崎練習室2
プログラム:
■1st Round
Lojze Lebič: Invocation / à Primož Ramovš(小川卓朗・田代あかり)
Cesar Franck: Sonata in A Major - III. mvt(小川卓朗・田代あかり)
Cesar Franck: Sonata in A Major - III. mvt(須々木由子・成田良子)
Lojze Lebič: Invocation / à Primož Ramovš(須々木由子・成田良子)
Johannes Brahms: Sonata, Op. 120 no. 2 - I. mvt. (木村有沙・成田良子)
Lojze Lebič: Invocation / à Primož Ramovš(木村有沙・成田良子)
Johannes Brahms: Sonata, Op. 120 no. 2 - I. mvt.(木村佳・?)
Johannes Brahms: Sonata, Op. 120 no. 2(小倉大志・田代あかり)
■2nd Round
Edison Denisov: Sonata(小倉大志・田代あかり)
Edison Denisov: Sonata(須々木由子・成田良子)
Edison Denisov: Sonata(木村有沙・成田良子)
Edison Denisov: Sonata(小川卓朗・田代あかり)
■Final Round
Pavel Šivic: Saxophone suite - II. and III. mvt.(木村佳・?)
J.Ibert: Concertono de Camera(米田健人・川合愛美)
J.Ibert: Concertono de Camera(木村有沙・成田良子)
Pavel Šivic: Saxophone suite - II. and III. mvt.(木村有沙・成田良子)
J.Ibert: Concertono de Camera(小川卓朗・田代あかり)
J.Ibert: Concertono de Camera(須々木由子・成田良子)
■ゲスト演奏
M.Ravel: Sonatine(原博巳・田代あかり)

来月スロヴェニアで開かれる国際コンクールにちなんだおさらい会。演奏者は知った方ばかりで、進行は和やかだが演奏は真剣そのもの。第1ラウンドの「Invocation」は非常な難しさで全員の演奏から感銘を受け、デニゾフの各々のアプローチの違いと、曲の面白さには改めてインスピレーションを受けた。ファイナルラウンドの課題曲?であるSivicは、意外にも「ふつうの曲」で、そのシンプルさから、演奏者がどのように料理するかがキーポイントになってくるのかなとも思った。そういえば、LAMY SAFARI(安物の万年筆)を使って全員の感想をノートに書き付けていた。さすが手が疲れづらいのがありがたい。演奏会が終わるタイミングで、ちょうどインク切れとなった。

原先生が最後に話した短い講評は、これまで数々のコンクールを勝ち抜いてきたサクソフォン奏者ならではの、力強さを感じたのだった。そして最後、原博巳先生によって演奏されたラヴェルは、全ての曲の根底にあるようなシンプルさ・美しさが印象的。この演奏を間近で聴くことができるとは、なんと贅沢な…。

(空気を読まずに?)打ち上げにも参加(^^;たくさん話せて楽しかった。

2013/06/09

ヤマハ目黒吹奏楽団第33回定期演奏会

ここ4回だが、演奏での参加ではなく、ステージマネージャーとしてお呼びいただいて演奏会に携わっている。演奏会中の進行・照明切り替え指示出しが主要な業務。特に演奏会が進行している最中は緊張感と集中力が必要で、なかなか大変(^^;とはいえ、ステージ裏でいつも素敵な演奏を楽しむことができるのはスタッフの特権!だろう。

【ヤマハ目黒吹奏楽団第33回定期演奏会】
出演:ヤマハ目黒吹奏楽団、鳥谷部武夫(指揮)、大田昌穂(司会)
日時:2013年6月8日(日)14:00開演
会場:めぐろパーシモンホール・大ホール
プログラム:
J.ヴァン=デル=ロースト - マーキュリー
J.ヴァン=デル=ロースト - プスタ
P.スパーク - バラッド・フォー・ベニー
P.スパーク - シアター・ミュージック
鈴木英史 - ファンファーレ・レジェンド・ワン
C.マンジョーネ - サンチェスの子どもたち
G.ビゼー - カルメン
H.マンシーニ - ひまわり
池辺晋一郎、吉俣良、大島ミチル - 大河ドラマメドレー
ウィー・アー!(アンコール)
情熱大陸(アンコール)

ヤマハ目黒吹奏楽団の空気感が好きだ。純粋に吹奏楽が、音楽が好きという気持ちがあってこその、あのサウンド。それがそのまま客席に伝わって、お客様が楽しんでいる様子を見るのが楽しい。お客様も、たくさん!演奏会開演前にステージ袖でちょこっと団員の方と二言・三言交わしたときの、団員の方がヤマハ目黒吹奏楽団に対して感じていることについてのお話が印象に残っている。

プログラムも面白く、もちろん吹奏楽ファンとして第1部はとても魅力的。また、慶長遣欧使節(1611年に東北地方を襲った大地震復興のため、石巻⇔スペインの交易を開始するための交渉を行うべく、伊達政宗の命によりヨーロッパへと派遣された使節)の物語と絡めた第2部・ポップスステージの進行は、司会の大田先生の名調子もあって、何かの大河ドラマ(実際プログラムの中にもあったのだけど)を観ているような、そんな気持ちで聴いたのだった。

楽しかったなあ。夜間は関東サクソフォン連合の練習だったため、打ち上げに参加できなかったのが残念!これまでステマネとして4回呼んでいただいているのだが、何だかんだで未だ1回しか参加できたことがない(^^;

2013/06/08

Trio PAJ on Vimeo

フランスの作曲家、ピエール・ジョドロフスキ Pierre Jodlowskiが参加するトリオ、Trio PAJのライヴ映像全編を、Vimeoで観ることができる。Trio PAJは、管楽器+パーカッション+エレクトロニクスという変則的な構成のジャズ・トリオで、フリージャズのある種の最先端に居場所を構えるような団体…なのかな?(変なことを言うとニワカがばれるのでこのくらいで)

エレクトロニクスがピエール・ジョドロフスキ、パーカッションがロナルド・オーゼ Roland Auzet、クラリネット・サクソフォン・バンドネオンはミシェル・ポルタル Michel Portal(!)。驚いた…なんと豪華な。

下記リンクは、2010年4月3日に開かれたグルノーブル・ジャズ・フェスティバルに出演した際の映像全編。近づいたらやけどをしてしまいそうなほど熱い、そして緊張感のある音楽が飛び出す。かっこいいなあ。…ところどころ「Mixtion」で使われていた音素材のような響きがする部分もあって面白い。

http://vimeo.com/16468459

クリスチャン・ロバ「スタン」アナリーゼ論文

12th International Conference on Music Perception and Cognitionのサイトに、クリスチャン・ロバの9番目のエチュード「STAN」のアナリーゼ論文が掲載されている。ロバ作品に関する論文というと、大石将紀さんの研究論文しか知らなかった(あれは「バラフォン」に焦点を当てていたはず)のだが世界を探せばいろいろと出てきそうだ。

左のメニューのProceedingsをクリックしたあとに「Timbral & Textural Evolution as Determinant Factors of Auditory Streaming Segregation in Christian Lauba's "Stan"」のテキストを検索すると、論文へのリンクを見つけることができる。「スタン」を取り組む向きにはぜひご覧頂きたいが、それ以外にも、例えばロバの経歴が簡素にまとまっている、という点など、情報として面白い。この論文からcitationとなっているKu, P. Y.の「Four Recitals and an Essay: Christian Lauba and his Saxophone Etudes: From an Historical Perspective」が面白そうだな。University of Alberta所蔵とのこと(インターネット上からは参照できなかった)。

その他「Measuring tongue and finger coordination in saxophone performance」という論文?は、サクソフォン演奏時の舌と指の関連性について興味深い計測を行なっており、またそれほど内容も難しくなく、おすすめ。

ご案内:塙美里ミュージックサロン パリの屋根裏部屋

塙美里さんからこんな演奏会の案内をいただいた。

「塙美里ミュージックサロン:パリの屋根裏部屋」というタイトル、そして会場がノナカ・アンナホール。そうか、アンナホールはパリの屋根裏部屋だったのか、などと妙に納得してしまった。こじんまりしたスペース、天井が低く不思議な響き、(客が入ることのできる)最上階…確かに、ちょっと日本ぽくない雰囲気があるような。

パリのアパルトマンの屋根裏部屋に集まった音楽家たちが、仲間内で珠玉のメロディを持つ作品の演奏を楽しんでいる、という光景(妄想?)が浮かぶ。演奏会だけでなく、紅茶・フランス菓子がついてくる、とのこと。その雰囲気にマッチした(あまりサクソフォンの演奏らしくない)プログラム。私が気になったのは、塙さんの師匠であるジュリアン・プティ氏が得意とするクレツマー・ミュージック。どんな演奏になるのだろうか…。

今は関西にお住まいのため、塙さんの関東での演奏機会はレア。残念ながら私はこの週末7/6,7は予定が入っており伺えないのだが、ご盛会を祈念する次第。

【塙美里ミュージックサロン:パリの屋根裏部屋~フランス音楽を中心に~】
出演:塙美里(sax)、中村ゆか里(vn)、木米真理恵(pf)
日時:2013年7月6日(土曜)14:00開演
会場:アクタス ノナカ・アンナホール
料金:一般3000円 学生2000円
プログラム:
クレズマー音楽
F.プーランク - 3つのノヴェレッテより
F.プーランク - エディット・ピアフ賛
D.ミヨー - 組曲より
M.ボニス - ピアノ三重奏曲より「夜」
D.ショスタコーヴィチ - 5つの小品

問い合わせ:
http://www.nonaka.com/actus/selmer(アクタス セルマー・ジャパン)
03-5458-1521(アクタス セルマー・ジャパン)

塙さんご自身による演奏会の紹介は、こちらのページから。いろいろと書いてあって面白い。

2013/06/06

Giacinto Scelsi "Rucke di Guck"

ジャチント・シェルシ作品の響きが好きで、時々聴きたくなる。サクソフォンのためにも、「3つの小品」に始まり「キャ」「ヤマオン」といった密度の高い作品を書いている。「3つの小品」以外の作品の演奏の機会は少なく、しかし「ヤマオン」など実演で接したらかなり面白そうなのだが…。

オリジナルはピッコロとオーボエのために書かれた「Rucke di Guck」の演奏動画をYouTubeで見つけた。サクソフォンはJames Fusik(キュルテンのシュトックハウゼン講習会への参加経験があるとのこと)。ピッコロはシバタトシユキ氏。キレがある、素晴らしい演奏だと思う。

2013/06/05

ヤマハ目黒吹奏楽団のリハーサル、そしてプスタのこと

日曜日午後に、今週末演奏会を控えているヤマハ目黒吹奏楽団のリハーサルに伺った。2年前の演奏会からステマネとしてお呼び頂いており、そのお仕事の打ち合わせ兼通し練確認である。

演奏会の詳細は下記リンクから。
http://www.yamame-winds.net/

一概にステマネといっても様々なスタイルがあるが、ヤマハ目黒吹奏楽団のステマネは(セッティングについてはほとんどやることがないのだが)照明進行の指示が非常に大変。楽譜を見ながら照明室に向かってスポットとステ電割合とミラーボールの指示を出すというもので、毎回気が抜けず大変。そんなわけでリハーサル段階から参加し、照明進行表のレビューならびにタイミングの把握を行う必要があるのだ。

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今回、第一部は照明進行も単純であるためぼんやりとリハーサルを見学していたのだが、演奏曲目の中にJ.ヴァン=デル=ロースト「プスタ」が含まれていた。…なつかしい!中学の吹奏楽部に所属していた時、最後に吹いたのがこの曲だった。おそらく大抵の学校がそうであるように、中学3年生は夏のコンクールを終えて学園祭で演奏した後は、引退を迎える。その学園祭の最後に演奏したのが、「プスタ」の第3、4楽章だったのだった。

中学の吹奏楽部は弱小で、いや、少ないということではなかったけれどコンクールは大抵地区落ちするようなバンド。緑青にまみれたバリトンサックスを、なんだか良くわからない奏法で吹いていた。引っ込みがちな暗い時代。練習は多かったけれど楽譜の音数は少なく、ひたすらマーチの刻みや低音の伸ばしばかりを(何の疑問も持たずに)吹いていた。3年生の時にコンクールの自由曲として取り組んだのが「プスタ」の第3、4楽章。ひたすら練習して地区大会銀賞、そしてコンクールを終え、気が抜けつつも学園祭に向けて準備を行う中、再び練習を再開した。最後にこの曲を吹いた時の体育館(そう、ホールではなくて体育館だった)の光景と、目の前にあった楽譜のイメージは未だに脳裏に焼き付いている。

リハーサルで「プスタ」を聴いていたら、甘酸っぱいんだかセピア色なんだか青春の1ページなんだか良くわからない、なんとも言えない不思議な感覚が襲ってきて、気がついたら涙が流れていたのだった。

2013/06/04

The 9th Saxcherzet Concert

帰り際に携帯をチェックすると、友人夫妻から赤ちゃんが生まれたとのメール!残業続きでしんどい中、なんだか心が暖かくなったのだった。おめでとうございます!

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先週金曜日に伺った演奏会の感想を。

【The 9th Saxcherzet Concert】
出演:冨岡和男、服部吉之、池上政人、岩本伸一、大和田雅洋、宗貞啓ニ、平野公崇、大城正司、成田徹、二宮和弘、大貫比佐志、原博巳、大石将紀、有村純親、松井宏幸、江川良子、國末貞二、貝沼拓実、林田祐和、田村真寛、田中拓也(以上sax)、山田武彦(pf)
日時:2013年5月31日 18:30開演
会場:洗足学園音楽大学前田ホール
プログラム:
W.A.モーツァルト/金井宏光編 - 歌劇"フィガロの結婚"より序曲
林田祐和 - サクソフォン四重奏の為のPassion
啼鵬 - ラプソディ
F.メンデルスゾーン/伊藤康英編 - プレリュードとフーガ 作品35-5
平野公崇・山田武彦 - 即興演奏
G.ガーシュウィン/金井宏光編 - パリのアメリカ人(指揮:池上政人)
G.プッチーニ - トゥーランドットより(アンコール)
N.リムスキー=コルサコフ - 熊蜂の飛行(アンコール)

どうも仕事が忙しく、開演の18:30にはまだ仕事をしていた。楽しみにしていたメンデルスゾーンは聴くことができなかったのだが、なんとか後半から聴けた。さすがに満席とはいかないが、客入りは上々。周りを見渡せば、見知った方々ばかりだった。

平野公崇氏と山田武彦氏の即興演奏は緩急緩急緩急という構成で進んだ。もちろん特殊奏法もふんだんに交えながら、集中旅行の高い音楽がみるみるうちに構築されてゆく。信じられないような瞬間が幾度も聴かれ、とても興奮した。ちょっとくらいは何か打ち合わせて方向性決めているんだろうなあと思っていたのだが、あとからステマネの小川氏に聞いたところによると「本当になにも決めていなかった」とのこと。おっそろしい…。

「パリのアメリカ人」は、独奏でリサイタルを開けるような演奏家が21人集まっただけあって、どの瞬間のフレーズを切り取っても(それがたとえオブリガードであっても、伴奏であっても)素晴らしい音ばかりで、興奮しっぱなしだった。平坦化されてしまうような一般のラージアンサンブルとは一線を画する演奏だ。こういう演奏を聴くと「理想的なラージアンサンブル」という言葉には、多くの可能性があるのではないかと思えてしまう。

アンコールは、冨岡先生、松井氏、山田氏のトリオ。ああ、やっとライヴで聴くことができた!幸福な時間を過ごした。最後はあっさりと「熊蜂の飛行」。

小川氏&旭井氏と打ち合わせ

いろいろとネタが溜まっているのだが…本業が忙しい上に帰ってきたらいろいろとやる事があり、書く時間がない。

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ちょっとネタとしては前後するが、6/1土曜日の夕方にサクソフォンの小川卓朗氏と、作曲の旭井翔一氏とともに、溝の口の長江飯店で、2015年の某プロジェクトに向けた打ち合わせ。なかなか面白いことを皆様にお見せできそうだ。超楽しみ!もちろん、そのプロジェクトの事以外にも音楽の様々なことに話が及び、とても楽しかった。途中からシバケン氏も合流し、何だかんだで4時間ぐらいいろいろと喋っていたなあ。

長江飯店は初めて伺ったが、なかなか美味しかった…中には妙に辛い料理もあったが。洗足学園音楽大学生御用達店なのだそうだ。2015年は、もちろんTSQでも進めていることもあり(まだ構想段階)、佐藤淳一さんと進めているプロジェクトもあり(これも進めていかないと)…ということで一つ大きな区切りの年となりそうだ。

2013/06/02

"HTC J One HTL22"へ機種変更

携帯を持ち始めた頃からauユーザーで、SANYO→SANYO→Sony Ericsson(re)→SHARP(IS05)と乗り換えてきたのだが、昨日2年3ヶ月連れ添ったIS05に別れを告げて、HTC J One HTL22へと機種変更した。IS05について、購入した当初は非常にお気に入りだったが、常用する各種アプリ側が機能追加に伴って動作が重くなる一方で、さすがに最近は動作にストレスを感じていたのだった。いちユーザーごときが、ハードウェア性能向上・ソフトウェア機能追加というスパイラルに逆らうことができるはずもなく、あえなく機種変更を決意した。

まず、iPhoneは対象外。auの2013年の夏モデルとしてAndroidの5インチ級のスマートフォンが4種類発表されたことは知っていたのだが、あまり考えずに"HTC J One HTL22"に決定。ヤマダ電機の説明時に料金プランが変更になっていることに衝撃を受けたり、だいぶ溜まっていたヤマダ電機のポイント有効期限が切れていたことに衝撃を受けたりと、波乱の中の機種変手続きだったが、とりあえず無事完了。帰宅後、画面にフィルムを貼って(上手く貼れたのでテンションが上がった)、アドレス帳を移行して、これまで使っていたアプリを入れて、2時間ほど触ってみた。

CPUがAPQ8064T:Qualcomm Snapdragon 600…いわゆるKraitコアが4つ載っているチップ、メインメモリが2Gbytes、内部ストレージが32Gbytes、カメラが400万画素、ディスプレイが4.7インチ1920x1080、サイズ69x138x10.5mm、重量157g、OSがAndroid 4.1。スペック競争の只中にあるような端末だ。基本の動作は非常に軽快で、指に吸い付くようなレスポンスが楽しい。各種アプリケーションの動作についても、Facebookを始めストレスは皆無だった。

アルミを全面的に採用した外観が非常に美しい。インターネットを調べてみたところ「樹脂製の部分が安っぽい」という評価が若干見受けられるが、個人的にまったく気にならない。以前所持していたIS05を購入した頃、デザインなどという基準では端末を選べないほど、選択肢の幅が狭かった事を思い出した。

4.7インチにフルHDのピクセルを詰め込んだ画面の美しさは驚異的だ。ただし、正直必要かどうか疑問を覚える、というのも事実…。少なくとも私はここまでは必要ない。とても面白かったのが、スピーカー。大音量、かつステレオで、そこら辺のスマートフォンに搭載されているスピーカーを鼻の先で吹き飛ばすレベルだ。こちらのほうが個人的には使い所がある。

賛否両論の400万画素のカメラは、少なくとも低感度での撮影がいまいちと感じた。ダイナミックレンジも狭く、スマートフォンのカメラを進んで使うことはほとんどないので(スナップであれ写真を撮るときは大抵NEX-5Nを使うので)あまり問題がない。どこのイメージャを使っているのだろう?バッテリー持ちは、感触としては普通だろうか…使っていく中で見極めたい。充電はIS05と比較すればかなり時間がかかるようだ。

最近のトレンドとはいえ、さすがに端末サイズは大きすぎると感じる。片手操作では、左上のアイコンに指が届かない。これに関しては、住めば都を期待するしかないだろう。「4~4.5インチが至高」というような流れになってくれればありがたいのだが…これは今後に期待。

ということで、ファーストインプレッションは上々。上手く使いこなしていきたい。使用中の機種が丸2年を迎えている方は、この機会にいかがだろうか(いったい何のブログだ)。