2013/07/27

David Maslanka "Hell's Gate"

ディヴィッド・マスランカ David Maslanka氏のサクソフォンのための作品は、「ソナタ」「マウンテン・ロード」「レシテーション・ブック」あたりが日本国内では大変な人気を誇り、次いで「ソング・ブック」「コンチェルト」あたりが演奏され、他はあまり演奏される機会がない。以前、テナーサクソフォンと弦楽四重奏のための秘曲「Heaven to clear when day did close」についてブログで紹介したが、もう一曲、サクソフォントリオ(ATB)と吹奏楽のための強烈な作品があることをご存知だろうか。

それが「Hell's Gate 地獄の門」という作品だ。単一楽章、およそ15分に渡る作品で、John H. Combs指揮Hellgate High School Symphony Bandにより委嘱された。もちろんタイトルは委嘱した高校の名前に沿って付けられている。高校名のHellgateは地名で、モンタナ州ミズーラを流れるClark Fork Riverの川沿いの町である(ちなみに、マスランカ氏もモンタナ州の山中に住んでいる)。現地のネイティブ・アメリカンが、フランスの開拓者から幾度となく侵略を受けたことにも由来しているという。

強烈な冒頭部と、アルトサクソフォンが導くコラールによって慰めの表情を見せる後半の対比が面白い。トリプル・コンチェルトという形式もなかなか珍しいが、それだけではなくマスランカ氏の作品ならではの高い精神性も聴きどころだ。

Zzyzx Quartetの演奏を、Stacy WilsonのYouTubeアカウントのページから聴くことが聴くことができる。独奏、バックのアンサンブルとも、熱演。
http://www.youtube.com/watch?v=EV9Qhx17O-k
CDは、Albanyから出版されている。日本での入手は難しいが、NMLからも聴くことができるのでぜひ。

と、ここまで書いて気付く。2年半前に記事にしてるじゃん(最初はHell's Gateで検索していたので引っかからなかったのだ)。まあ、月日も経てば聴き方も変わってくるので、再度の紹介もアリですよね。

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