2013/05/30

Luis Naon "Senderos...que bifurcan"

2003年にクロード・ドゥラングル教授のクラスの卒業試験課題曲となった、ルイ・ナオンの「Senderos...que bifurcan(分岐する小径)」の演奏。ソプラノサクソフォンとエレクトロニクス(テープ)のための作品。この年は、井上麻子さん、Grégory Demarsy、Géraud Etrillardの3人が卒業した年だ。いずれの方ももトレ・ビアンを受賞している。ドゥラングル教授による実演を静岡で聴いたことがあり、その時のことを思い出す。エレクトロニクスパートがなかなか面白いのだ。最後はなんとなくシュトックハウゼンの「誘拐」を思い出してしまう(笑)

演奏はVincend Daoud氏。第2回JML国際コンクールで、第5位に入賞した奏者だ。スタジオ録音だろうか?演奏レベルは驚異的である。

2013/05/29

「春の祭典」初演100周年

今日2013年4月29日は、ストラヴィンスキーの「春の祭典」がパリで初演されてからちょうど100年にあたる日だそうだ。普段はサクソフォン関連の調査にばかり精を出している私でも、さすがに「春の祭典」くらいはきちんとおさえている。私の愛聴盤(というか刷り込み)はブーレーズ×クリーヴランド管弦楽団の新録音(DG)である。SONYから出版されている旧録音のほうが有名だが、なぜかこちらなのだ。特に第1楽章が好きで、何度も聴いた。

Naxosが、様々な演奏家による「春の祭典」を全曲聴くことができる特設ページを開設しているので、気になる方はチェックしてみては。6/5までの限定とのことなので、お早めに。非ロスレス符号化されているが、まあ試しに聴くには十分なレベルの音質だ。
http://ml.naxos.jp/k/harusai/

サクソフォンと「春の祭典」の関係性は希薄だが、いくつかサクソフォンを含んだアレンジを知っている。ヒューストン大学が取り組んだ吹奏楽版には、編曲・演奏ともに衝撃を受けたなあ。つい先日、Eastman Saxophone Project(イーストマン音楽院の学生によるサクソフォンのラージアンサンブル)の全曲演奏がYouTubeにアップロードされていたが、Boosey & Hawkesの申し立てにより削除されてしまったようだ。

ということで、余り知られていないであろう「RE-(W)RITE OF SPRING(Innova 824)」をご紹介。なんとビッグバンド版の「春の祭典」である。サクソフォンはDarryl Brenzel以下6本が含まれており、冒頭のソロを始め随所で活躍しまくっている。もちろん初めて聴いたときは衝撃を受けたが、内容(編曲・演奏)としてはネタとしてしかご紹介することができないかなあというレベルなのが残念。

ビッグバンドサウンドが好きな方、もしくは好事家向け。上記Naxosのページにも掲載されている。

ユージン・ルソー氏のCoronet盤(その3)

島根県のF様より頂戴した、ユージン・ルソー氏のLP録音をCD-Rに復刻してもらったもの(3枚のうちの3枚目)。ここまでご紹介した2枚はピアニストがMarion Hallだったが、この盤ではJoseph Rezitsが弾いている。表面にアレンジ作品、裏面にオリジナル作品が収録されている。アレンジ物はそれほど珍しくないが、ユージン・ルソー氏が吹くジョリヴェの「ファンテジー・アンプロンプテュ」なんて、けっこう興味を持つ方が多いのではないかな。

「Duo for Saxophone and Piano(Coronet 1703)」
Eugene Rousseu, saxophone
Josephh Rezits, piano
George Frideric Handel - Sonata in C Major for Viola da gamba
Francesco Cilea - Sonata in D Major, Op.38 for Cello
Andre Jolivet - Fantaisie-Impromptu
Juan Orrego-Salas - Quattro Liriche Brevi

表面のヘンデルでの、まるで隙だらけのようでいてきちんと吹いている様がなんとも面白い。アルトサクソフォンにしては妙に低い音が連発となる編曲であり、なんだか不思議な体温で演奏されている。抑揚が出てくるのはフランチェスコ・チレアの作品からで、スタイルとしては古典的だが、ヘンデルの作品・演奏のあとに聴くと妙にダイナミックに聴こえてくる。

ジョリヴェに続いて演奏されるオレゴ=サラスのシリアスな響きは、一聴の価値ありだ。それまでがどこか浮遊感のある印象であったのが、突然地に足がついたように奏でられる。緩徐楽章ではさらにルソー氏の美音が冴え渡り、"耽美"とでも表現できるような音楽が展開される。ルソー氏は、後年Delosレーベルに同曲を録音しているが、聴き比べるのも一興である(音色の違いに驚かされるはず)。

2013/05/27

村田淳一さんの作品

長野県出身のサクソフォン奏者、作編曲家である、村田淳一さんの作品をご紹介。かなっくホールで演奏された「El cuento... ~Hommage A Piazzolla~」の新作初演の際にちょっとだけお話して以来なかなかお会いする機会もないのだが、最近もいくつか魅力的な作品を書いているようである。YouTubeにその一部がアップロードされていた。

独奏サクソフォンのための「Impromptu」。スラップとフラジオのためのインヴェンションといった趣だが、現代風のクールな響きを存分に取り込んでおりとても面白い。この調子でさらに尺が長くなれば、一つの作品として完結して人気が出るのではないかな…?


2本のサクソフォンのための「DUO "Rotte"」。これも短い作品で、テクニカルなフレーズで一気に聴かせるのが爽快である。


アルト・サクソフォンとピアノのための「Sturm」。ドラマティックな展開はなかなかのもので、終盤に向けての畳み掛けるような展開は一聴の価値ありと思う。そういえば、「El cuento...」もとんでもなく大規模な作品だったなあ。あれはもう一度聴いてみたい…。

2013/05/26

ユージン・ルソー氏のCoronet盤(その2)

島根県のF様より頂戴した、ユージン・ルソー氏のLP録音をCD-Rに復刻してもらったもの(3枚のうちの2枚目)。この一連のシリーズ、日本には輸入レコードとして入ってきたようなのだが、Facebookで所持している方からの反応があり、嬉しくなってしまった。F様はどこでこのレコードを入手されたのだろうか…。

Eugene Rousseau "The Virtuoso Saxophone"(Coronet 1601)
Eugene Rousseau, saxophone
Marion Hall, piano
Paul Bonneau - Caprice en forme de valse
Frederic Chopin - Largo (from Sonata - Piano & Chello, Op.65)
Giovanni Platti - Sonata in G Major
Pierre Max Dubois - Pieces Characteristiques Mov.1
Giuseppe Ruggiero - Trois Pieces pour deux saxophones Mov.1
Paul Hindemith - Sonata

美しくニュートラルな音色はそのままに、ボノーやデュボワの難曲をさらりとこなしている。ボノーなどは、あまりにあっさりすぎて「あれ?もう終わっちゃった?」というほどなのだが、デュボワは熱い演奏で、お気に入りとなった。ピアノとの絡みも絶妙である。ルジェロの作品では2本のサクソフォンが…ジャケットにはクレジットが無いのだが、もう一人の演奏者は誰なのだろう?まさか多重録音ということはないだろうが。

今回はプラッティのバロック作品でソプラノサクソフォンで演奏しているのがちょっとしたアクセントになっている。後年、ルソー氏は「The Undowithoutable Saxophone(RIAX)」という、ソプラノサクソフォンで他楽器の協奏曲を取り上げたアルバムを制作しているが、この頃からすでにその傾向が垣間見えるようだ。最後に置かれたヒンデミットの演奏もなかなか。当時の年齢(30代前後のはず)に似合わぬほどの貫録というかオーラのようなものが感じられる。第3楽章から第4楽章の間には英語で詩「ポスト・ホルン」が読まれているのが珍しい。

ユージン・ルソー氏のCoronet盤(その1)

島根県のF様より頂戴した、ユージン・ルソー氏のLP録音をCD-Rに復刻してもらったもの(3枚のうちの1枚)。実は5月の頭には受け取っていたのだが、休みの日は演奏会の準備、そして平日は仕事が忙しく、まとまって聴く時間を取れないでいた。今週末、ようやく時間が取れたので3枚それぞれを順にご紹介していきたい。

まず、この録音の録音年について。F様からご教示いただいたのだがグラモフォンの協奏曲集(1971年)よりも古いものとなるようだ。協奏曲集に藁科雅美氏が寄せた文章に次のような記述があることで判明したとのこと。"名手ユジェーヌ・ルソーは以前ヒンデミットの「ソナタ」やこのレコードにも含まれているイベールの「コンチェルティーノ・ダ・カメラ」などを他社にも録音しているが、この新盤では…"。ということで、なかなか貴重な録音。私もこの機会に初めて知ることとなった。収録曲は下記の通り。

Eugene Rousseau Plays Saxophone(Coronet 1292)

Jacques Ibert - Concertino da camera
Paule Maurice - Tableaux de Provence Mov.2,3
Enrique Granados - Intermezzo
Lex van Delden - Sonatina
Alfred Desenclos - PCF
G.F.Handel - Adagio & Allegro

ピアノはMarion Hallだ!マルセル・ミュール氏が1958年にシャルル・ミュンシュ指揮ボストン交響楽団とともにアメリカツアーを行った際に立ち寄ったエルカート(アメリカンセルマーの工場がある)で開いたリサイタルの、ピアニストである。ライヴ録音が残っており、おそらく急な依頼だったのだろうか、イベールなどかなり苦労している様子だったのだが、さすがこの録音ではきっちり弾いている。演奏者紹介にミュール氏の伴奏をした旨が書かれているので、そこからも録音年を絞ることができる。

ふくよかな音色や緩徐楽章での歌い方など、若さを残しつつもルソー氏ならではの良さが出ており、大変に聴く価値のある録音だ。テクニカルな部分で、キラリと光る部分がたくさんありつつも、ごく時々に「あれっ?」と思う部分があるのは意外だったのだが、一発録りだったのだろうか(ちょっと不思議)。しかし、こういった時代にサクソフォンのためのオリジナル作品を集めたアルバムを出すなど、きっと数々の苦労があったのだろう。もし今度ルソー氏に会えたら、この録音についていろいろと伺ってみたい。

聞きなれないデルデンの作品は3つの楽章「アレグロ」「アリア」「ロンド・ア・ラ・ポルカ」から成る小品。1952年の所産で、J. de Vriesに献呈されている。ちょっとシリアス風味だが、最終楽章なんてなかなか面白い。

2013/05/25

四重奏レッスン

Tsukuba Saxophone Quartet演奏会の東京公演から一週間、今日はラヴェル「クープランの墓」の松雪先生レッスンだった。

午前中、レンタルスタジオに篭って二時間ほど個人練習。帰りがけに食べたさしみや五坪の"鯛ラーメン"と"カレーライス"のセットが美味。午後は交流会の諸々をやったり、いろんな連絡をしていたらあっという間にレッスンの時間になってしまった。慌てて移動。場所は新大久保のウィンドクルー(伺うのは初めて)。

およそ一時間半ほどのレッスンで、プレリュードからリゴードンを順々に。いろいろと修正してもらったのだが、やはり一番は(もちろん奏法や譜読みに問題がないという前提で)その曲の各フレーズの背景をきちんと理解して、演奏に反映させるということであった。例えばプレリュードの主題(装飾音付きの符点四分音符)は、バロック様式を知っていれば、かなり劇的に吹いてしまったほうが効果的に聴こえるのだ。これには結構衝撃を受けた。また、どう吹けば効果的であるか、という点で、リゴードンの吹き方を修正することでラヴェルの和音がとても良く見えてきたことにも驚いた。

同時代の作品ではなく、「クラシック」を吹くときは特に、慎重に演奏の様式を学ばなければならないのだと思い知らされる。同時代の作品の何倍も勉強し、練習をこなさなければならないのだ…。やはり時々レッスンで修正してもらうことは必要だなあ。

あとはこの内容を、どのように自分たちの演奏に活かしていくかというところ。実は6/16の本番まで合わせの時間は限られているのだが、なんとか上手くこなしていきたい。いやはや、充実したレッスンだった!ラヴェル、面白い演奏になりそうだ~。

2013/05/23

Mrs Malcolm, Her Reelの楽譜入手方法

The instruction - How do I get the sheet music of "Mrs Malcolm, Her Reel (Funky Freuchie)" ???

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Richard Ingham作曲の"Mrs Malcolm, Her Reel (Funky Freuchie)"の楽譜入手方法について。SSTB編成の作品で、非常にアピール度が高く、たくさんの方に演奏していただきたいと思っている。

Largo Musicから出版されている。Largo Musicのページにジャンプして、[Sales]ボタンをクリック、ページ下部のPay Nowボタン(PayPalへのリンク)をクリックしたあとに、http://www.largo-music.co.uk/images/paymentprocess.gifに従って各種情報を入力すれば良い。楽譜は10ポンドである。同曲が収録されたScottish Saxophone EnsembleのCD「Mrs Malcolm」も、同じくLargo Musicから購入できるので、気になる方は試してみては。

こちらは、香川県の高松国分寺ホールにて日本初演したときの演奏動画。本来の編成はSSTBだが、アルトパートを八重奏版の楽譜から書き足している。

2013/05/21

Gary Scudder編のバッハ「シャコンヌ」四重奏版

J.S.バッハの「シャコンヌ」のサクソフォン四重奏版といえば、伊藤康英先生の編曲が世界最高のものだと思っているのだが(というか、バッハ作品のサクソフォン編曲のなかで至高のものと言い切ってしまいたいほど)、Gary Scudderという人物が編曲した楽譜もあるそうだ。最近立て続けに2つほどそのアレンジの演奏をYouTubeで見つけ、気になって調べてみたのだが、Shawnee Pressから出版されており特に苦労せず購入できるとのことでとても驚いた。

Morosco Saxophone Quartetによる演奏


Pacific Saxophone Quartetによる演奏
http://www.youtube.com/watch?v=McRmrFXlMBk

康英先生のアレンジはブゾーニ編を基準としており、和音も拡張されたドラマティックな構成が魅力的だ。対してGary Scudderの編曲は、原曲の持つある種の軽やかさやシンプルさを上手く引き出した編曲だと感じた。15ドルなら、買ってみてちょっと音を出してみようかな…。

2013/05/20

ご案内:TsukubaSQ Vol.5【長野公演】

東京公演が終わったばかりで気が早いような感じもするが、とりあえず書いておかなければ!(明日からは通常の更新スタイルに戻る予定)

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6月16日(日曜)、Tsukuba Saxophone QuartetとしてSaxophone Concert Vol.5の長野公演を開催する。東京公演で演奏したピアソラ「ブエノスアイレスの春・夏・秋・冬」に代わり、長野公演は吉松隆「アトム・ハーツ・クラブ・カルテット」を演奏予定。

会場のティーセントホールも素晴らしいホールで、吹き抜け&二階には回廊&壁には作品がぐるりと展示されているという、なんとも素敵な空間。音響的にも素晴らしかったと記憶しており、いまからココで演奏するのが楽しみだ。5年前に演奏した時のレポートがブログに残っていた。

もちろん演奏も聴きに来ていただきたいのだが、それに加えてひとつ見どころをご紹介。演奏会は、ハーモ美術館という美術館併設のティーセントホールという場所で行うのだが、そのハーモ美術館の所蔵コレクションの強烈なラインナップは一見の価値ありだ!サルヴァドール・ダリ「時のプロフィール」(ダリ自身の作による世界に7つしかない彫刻のうちの一つ)、アンリ・ルソーの「花」「果樹園」、グランマ・モーゼス(アンナ・メアリー・ロバートソン・モーゼス)の諸作品など、どれも素晴らしいものだ。かつて演奏した時も、空き時間に美術館で作品を鑑賞させてもらったのだが、数々の作品を見入ってしまったのだった。建物の外観はモダンだが、中は不思議と落ち着いている。

ということで、1ヶ所で2度美味しい?長野公演。関東・東海圏からは一泊二日の週末小旅行を兼ねて、お近くの方は日帰りで、ぜひお越しください。Facebookにイベントページも作成しました。
https://www.facebook.com/events/359494724151007/

【Tsukuba Saxophone Quartet - Saxophone Concert Vol.5 ~DANCE!~(長野公演)】
日時:2013年6月16日(日) 13:30開場 14:00開演
会場:長野県下諏訪町ハーモ美術館・ティーセントホール
(JR中央本線下諏訪町駅から徒歩15分、バス18分)
http://www.harmo-museum.jp/tcent.html
料金:1,000円(全席自由)
プログラム:
M.ラヴェル - クープランの墓
B.ブーン - アレイ・ダンス
R.アブ=カリル - アラビアン・ワルツ(サクソフォン版日本初演)
吉松隆 - アトム・ハーツ・クラブ・カルテット(長野公演のみ)
チケットお問い合わせはinfo@tsukubasq.comまで。

チラシ表・裏(それぞれクリックで拡大)

2013/05/19

TsukubaSQ - Saxophone Concert Vol.5【東京公演】

ということで、無事終演。まずはご来場くださった皆様に感謝申し上げる。来場者数は(チケットの半券をカウントした結果)131人だったとのこと。170席のホールにこの人数だったので、かなり会場もしっかりと埋まっている感じがして嬉しかった。たしか2年前に演奏したときは114人?だったはずで、活動を積み重ねたぶんだけサクソフォン関連のお知り合いが増えた結果だろうか。また、今回はサクソフォン方面以外にもかなりチケットを購入いただいてありがたかった。

余裕をもって昨年の11月くらいに練習を始めたつもりだったのだが、蓋を開けてみればなぜかカツカツで、特に4月に入ってからはあれやこれやで大変だった。アラビアン・ワルツは編曲が遅れるし(じぶんのせいです)、ラヴェルは妙に難しいし、そして宣伝の方面では宣伝期間が短かったため直前までチケット枚数の消費が増えないしという、後半の工程にしわ寄せが来るといういつものパターンに陥ってしまった。この辺り、もうちょっと上手くやっていけないかなあと毎度考えるのだが…早く始めるということは今回試行したが、それだけではダメで、やっぱり最初にガントチャートでも作るしかないのか。

選曲とテーマについては、最初に「アレイ・ダンス」があって、ピアソラはまたやりたいねーという話があって、そういえば小倉君が「アラビアン・ワルツ」やりたいと言っていたなあとか、梶田さんが「クープランの墓」やりたいと言っていたなあとか、個人的には「Mrs Malcolm, Her Reel」やりたいなあとか、その辺りの思惑を集約したらテーマが「DANCE!」で行けそうだと気付いたのがきっかけ。アンケートでも書かれたとおり「舞曲で世界一周」という趣になったが、大方狙い通りだった。最近気づいたこととして、そういえば日本の舞曲を入れなかったな、と(選曲に迷いそうだが)。ピアニストの大嶋千暁さんは、一年半ほど前に小倉くんを通じて知り合ったが、大変素晴らしいピアニストである。単にアカンパニストとしての技術・音楽性・のみならず、ソリスティックな面も併せ持っている点が素晴らしいと思っている。もちろん、人間性も!この場を借りて改めて御礼申し上げる。

本番は、楽しかった。お客様が多かったのと、どの曲も結局演奏者も聴き手も楽しい作品ばかりだったので、当たり前といえば当たり前なのだが…。ラヴェルではクオリティ的に若干問題が出た部分があり、それについては長野公演に向けて練習を重ねるつもり。他の曲については、いずれも現時点でのベストに近い状態だったかもしれない。もちろんライヴならではの疵はいささかあるけれど…。一部については、YouTubeのTsukuba Saxophone Quartetのチャンネルで公開した。
http://www.youtube.com/tsukubasaxophone

内外のいろいろな方に助けられて演奏会ができるのだなあと改めて感じた。細かいことろまで書くとキリがないので書かないが、いろいろな方に感謝!である。

会場について、もう少し良いホールでできないかという意見も頂戴したが、今度もし自主公演を開くならば200席~300席くらいのホールかなあ。

あと、ちょっと泥くさい話で、ここに書くべきかどうかも迷う話題になるが…入場料を頂戴するというのは、実は自主公演では初めての試みだった。アマチュアの演奏でお金をとることが適切なのかそうでないのかよくわからなかったのだが、かかった経費をそれなりにカバーできたという点では良かった。このスタイルの継続は今後もアリなのかもしれない。個人的には今回の入場料が(広くお客様を集めることと)限界点かなあとは思っているが、一回しかやっていないのでやっぱりそれも良くわからず。試行錯誤して、いずれ良い落とし所を見つけることになるのかもしれない。

最後に、出演者での集合写真を。横井氏から提供いただいた。

とりあえず東京公演が終わったので、次は長野公演に向けて精進していきたい。次の土曜はラヴェルを中心に松雪先生レッスン予定。今度はピアソラの代わりにアトムハーツ!ぜひお越しください(笑)

2013/05/18

「TSQ Vol.5 東京公演」終演

なんとか無事終演。詳細は明日以降に。

ご来場いただいた皆様、ありがとうございました!

ギィ・ラクール氏逝去

緊急にお知らせです。専門的にサクソフォンを学ぶ奏者が必ず取り組む「50のエチュード」でおなじみの作曲家、ギィ・ラクール Guy Lacour氏が数日前に逝去したとのニュースが飛び込んできました(ジェロームのFBウォールより)。

「50のエチュード」以外も、素晴らしい作品ばかりです。「四重奏曲」「デュオのための組曲」「ディヴェルティスマン」…ほか。どれも今後も演奏され続けるべき、素晴らしい作品です。合掌。

今日です!TSQ Vol.5@大田区民プラザ

今日です!皆様のお越しをお待ちしております。当日券も30枚ほど出ます!

【Tsukuba Saxophone Quartet - Saxophone Concert Vol.5 ~DANCE!~(東京公演)】
客演:大嶋千暁(ピアノ)*
日時:2013年5月18日(土) 13:30開場 14:00開演
会場:東京都大田区民プラザ・小ホール(東急多摩川線下丸子駅徒歩1分)
http://www.ota-bunka.or.jp/facilities/plaza/
料金:1,000円(全席自由)
プログラム:
M.ラヴェル - クープランの墓
B.ブーン - アレイ・ダンス
R.アブ=カリル - アラビアン・ワルツ(サクソフォン版日本初演)
A.ピアソラ/啼鵬 - ブエノスアイレスの春・夏・秋・冬*

チラシ表・裏(それぞれクリックで拡大)

2013/05/16

Mulligan plays Entente, Mondelci plays Entente

ジャズサクソフォン奏者、ジェリー・マリガン Gerry Mulligan氏の自作のバリトンサクソフォン協奏曲「Entente」の演奏動画。

・前半


・後半


フェデリコ・モンデルチ氏が同曲を演奏した動画も見つけた。楽譜が出版されているのだろうか?

TSQ5/18の演奏曲目について(その5:アンコール)

Tsukuba Saxophone Quartet 5/18の演奏曲目について、その5。演奏会の詳細は下記リンク先から(ぜひお越しください!)。

http://kurisaxo.blogspot.jp/2013/04/tsukubasq518.html

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アンコールがあることを書くだなんて野暮だなあと思いつつ、いちおう。「コンセプトである"DANCE"に乗っかった曲を演奏予定」です!本プロもそうだが、最後まで理屈抜きにお楽しみいただけるのではないかと。

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チケットの売れ行きはそれなりで、170席のところに120ほどは見込めそう。まだまだ取り置きチケットを受け付けているので、もし必要な方がいらっしゃっら、私もしくはinfo@tsukubasq.com宛にご連絡を。

昨日は…

うっかりしていて1日遅れてしまった…5月15日は、シガード・ラッシャー Sigurd Rascher生誕106年、ラーシュ=エリク・ラーション Lars Erik Larsson生誕105年、だった。

Sigurd M. Rascher Collection at Reed Libraryのfacebookページに素敵な写真がアップされていたので、リンクを貼り付けておく。Facebookのアカウントを持っていなくても閲覧可能。
https://www.facebook.com/photo.php?fbid=537096849682004&set=a.331776113547413.81075.103222509736109&type=1&theater

2013/05/15

TSQ5/18の演奏曲目について(その4:ピアソラ)

Tsukuba Saxophone Quartet 5/18の演奏曲目について、その4。演奏会の詳細は下記リンク先から(ぜひお越しください!)。

http://kurisaxo.blogspot.jp/2013/04/tsukubasq518.html

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啼鵬氏によるこのアレンジは、ある世代以上のサックス吹きにとってはおなじみであろう。トルヴェール・クヮルテットのアルバム「トルヴェールの四季(東芝EMI TOCE-9955)」に、「トルヴェールの四季」とともにカップリングとして収録されてたのが「このブエノスアイレスの春・夏・秋・冬」である。サクソフォン四重奏とピアノのために書かれており、サクソフォンのトップはソプラノとアルト持ち替えという編成。

高校の時に、2番目に買っ(てもらっ)たサクソフォンのアルバムが、これだった。今思うと異常なほど、ひたすら聴き返していたっけなあ。勢い余って夏と秋の楽譜をレンタルしてもらって、吹奏楽部の暇な時間に音を出していたことを思い出す。全然吹けなかったけど。全曲吹く機会が巡ってきたのは、2008年のEnsemble TXの演奏会でのこと。この時の演奏はけっこう上手く行った覚えがあるのだが、実際どうだったかなあ(録音は紛失…)。昨年には、Tsukuba Saxophone Quartetで、大宅裕さんとともに在ベルギー日本国大使館で演奏したが、かなり好意を持って受け止められたようだ。今回、個人的には3回目の演奏となる。

このアレンジの素晴らしさは筆舌に尽くしがたい。その辺の"ピアソラ作品のアレンジ"が尻尾を巻いて逃げ出すほど、濃密に、かつ愛を持って書かれたアレンジだ。ソロが妙に難しいのは、啼鵬氏ならではだろうか。サクソフォンのためのピアソラ作品のアレンジとしてトップクラスのHenk van Twillertのアルバム「Tango」と肩を並べるほどだと思うのだが、いかがだろうか。アレンジの素晴らしさを噛み締めながら演奏したい。

浄書がATARI Notator XLを使って行われているというのもいいですよね(笑)。

TSQ5/18の演奏曲目について(その3:アブ=カリル)

Tsukuba Saxophone Quartet 5/18の演奏曲目について、その3。演奏会の詳細は下記リンク先から。ぜひお越しください!

http://kurisaxo.blogspot.jp/2013/04/tsukubasq518.html

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ウード」という撥弦楽器をご存知だろうか。中東~北アフリカ(モロッコ)のアラブ音楽圏で使われる楽器で、よくアラブ音楽に使われるやや不安定なギターのような音は、実はこのウードであることが多い。フレットがないため微分音を演奏することも可能であり、その特徴があの独特な響きを生み出している。

レバノン出身のウード奏者、そして作曲家でもあるラビ・アブ=カリルは、Enja Recordsへの一連の録音で世界的に高い評価を得ている。アラブ圏の伝統音楽にジャズなど西洋音楽の要素を加え(スタイルのみならず、楽器編成も!)、大衆・マニアの両方に受ける響きを構築したあたり、その高い手腕に恐れ入る。今回「アラビアン・ワルツ」を取り上げるにあたって、Enja Recordsにリリースされている何枚かのCDを聴いてみたが、いずれもカッコ良くスリリングでハマってしまった。「Morton's Foot(Enja enj-9462)」、いいですね。

原曲が持つ泥臭さとは若干かけ離れてしまったが、それでも曲の面白さ・愉悦感は感じ取っていただけることと思う。原曲では即興部分が多くを占めるが、今回の演奏でもわずかながらその要素を取り入れる。どうなるかは当日のお楽しみということで(笑)

2013/05/14

TSQ5/18の演奏曲目について(その2:ブーン)

Tsukuba Saxophone Quartet 5/18の演奏曲目について、その2。演奏会の詳細は下記リンク先から(ぜひお越しください!)。

http://kurisaxo.blogspot.jp/2013/04/tsukubasq518.html

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ベンジャミン・ブーン Benjamin Boone氏の名前は、おそらくほとんどの方が知らないことだろう。アメリカ、カリフォルニア州立大学の作曲科の講師である。サクソフォン界との繋がりは、何といってもNew Century Saxophone Quartetとの一連のコラボレーションが有名だ。アルバム「A New Century Christmas」におけるぶっ飛んだ編曲とプログラムノート(→ここから参照できる)に衝撃を受けた。特に「My Favorite Things」のアレンジはお気に入りで、いつかやってみたいと思っている。

New Century Saxophone Quartetの委嘱作品集「Homegrown (Commissions Vol.1)」の最後に収録されていたのが、今回演奏する「Alley Dance」だ。この委嘱作品集はなかなか楽しくて、レニー・ピケット(!!)が書いた四重奏曲が入っていたりと、話題性には事欠かないのだが、とにかく面白いのが最終トラックに配置された同曲。フンワリとした雰囲気から始まったかと思ったら、ファンキーなメロディやリズムのフルコース(主題は少ない)という感じで、とにかくインパクト大。

聴いて楽しんではいたものの、あまり「演奏する」ことについて想像がつかなくて、練習の段階から掴みどころがなく苦労した。本年3/24のサクソフォーン協会のアンサンブルコンクールで演奏することができ(日本初演)、それなりに好意的に受け止められたのは良かった。ということで、コンクールにも乗せたので演奏曲の中で、安定感は一番かも(笑)。

スコア上でブーン氏がサクソフォンの扱いに長けているのは、彼自身がサクソフォン奏者であるから、という理由による。演奏家としてのブーン氏の顔は、こちらから。ヘムケ氏のCDでも有名な「Simple Gifts」のジャズ・カルテットバージョンである。サクソフォンを吹いているのがブーン氏だ。

2013/05/12

東京公演前の最終練習

来週のTSQ演奏会に向けた最終練習日@プラザノース。「アレイ・ダンス」と「クープランの墓」を中心に。第一部に関しては、Ustreamで中継しながら通し練習も実施した(中継はなかなか緊張感があって良い)。

どの曲も完成度が上がってきている。いよいよ来週に演奏会を控えて楽しみになってきた。

5/18 14:00から大田区民プラザ・小ホールにて。チケット取り置きはinfo@tsukubasq.comまたはkuri_saxo@yahoo.co.jpまで。

2013/05/11

Espoir Saxophone Orchestra 11th Ensemble Concert

午前中は、練馬の生涯学習センターにてTsukubaSQ練習。「アラビアン・ワルツ」を中心に…。午後から池袋にて、大嶋千暁さんとピアノ合わせ。良い状態に仕上がってきたと思う(問題はアンコールか笑)。5/18 14:00から大田区民プラザ・小ホールにて。詳細は下記リンク先から。

http://kurisaxo.blogspot.jp/2013/04/tsukubasq518.html

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【Espoir Saxophone Orchestra 11th Ensemble Concert】
出演:Espoir Saxophone Orchestraメンバー他
日時:2013年5月11日 開場18:15 開演18:30
会場:角筈区民ホール
プログラム:
G.ホルスト - 組曲「惑星」より"木星"
高橋宏樹 - アミューズメントパーク組曲
J.B.サンジュレ - 四重奏曲第一番より第2,4楽章
A.ピアソラ - 乾杯
名田綾子 - 四重奏曲より第1,3楽章
長生淳 - Ultra Violet
J.リュエフ - 四重奏のためのコンセールより第1,2,3,6楽章
H.アーレン - 虹の彼方に
A.メンケン - 美女と野獣
J.フランセ - 小四重奏曲
八木澤教司 - アリオンの琴歌
福田洋介 - サクソフォン・シャンソネットより第1,6楽章

池袋での練習後、新宿へ移動。新宿駅から角筈区民ホールへ歩いて向かったが、楽器持ち&雨ということでなかなか大変だった。開演には間に合わず、長生淳作品から聴いた。どのチームも良い演奏だった。これだけ技術があるのだったら、固定メンバーで長く活動を続けたり、独立するチームが出てきても良いのになあと思ってしまう。贅沢な妄想だろうか。

中でも素晴らしかったのがフランセ。演奏していた4人とも良く知っている方々で、なんともフランセのこの作品のcaracteristiqueに、各々のCharacterがマッチしているような。第1楽章は「フランセはこうでなくちゃ!」と膝を打つような演奏。飛び上がるほど驚いたのが第3楽章で、まさかこれほどまでにオシャレ、かつユーモアたっぷりと吹けるなんて、想像を超える素晴らしさであった。あの上手くいきそうで上手くいきづらいリズム運びや、最後の人を喰ったような終わり方まで、終始一貫して説得力があった…。

さてと、来週は我々の番です。がんばらないと!

2013/05/10

サックスラージアンサンブルで「春の祭典」 on YouTube

Eastman Sax Projectの演奏会の動画より。いろいろな意味で、凄すぎる。

全曲!?とか暗譜!?とか上手い!!とか、いろいろと思うところはあるのだが、ここまでやられてしまうと何も言えなくなってしまう。いやはや、衝撃的すぎる。

(追記)
Boosey&Hawkesからの著作権侵害の申し立てにより削除されたとのこと。

TSQ5/18の演奏曲目について(その1:ラヴェル)

Tsukuba Saxophone Quartet 5/18の演奏曲目について1曲ずつ雑多に書いていこうと思う。演奏会の詳細は下記リンク先から。

http://kurisaxo.blogspot.jp/2013/04/tsukubasq518.html

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モーリス・ラヴェル「クープランの墓」から、プレリュード、フォルラーヌ、メヌエット、リゴードン。フォルラーヌはアルトのK田さんの渾身のアレンジ、他はアルモのアレンジである。

正統派の「クラシック音楽」のアレンジ作品に取り組むのは、おそらくバッハ/伊藤康英「シャコンヌ」を演奏して以来。"クラシックの"サクソフォンを演奏していながら、こういった作品に取り組む機会が少なく(TSQに限らず大体その傾向に陥りがちなのだけれど)、これでは良くないと思ったのかどうかは忘れたが、サブタイトル"DANCE"にも適合するこの作品を選んだ。「フォルラーヌ」「メヌエット」「シャコンヌ」は、バロック時代の舞曲形式の名前であり、フランソワ・クープランが活躍した時代へのオマージュとして書かれた「前奏曲付き舞曲集」とも読み替えることもできる。

その昔、ミ=ベモルのラージ版にものすごく苦労した覚えがあって、だいぶ警戒していたのだが、ミ=ベモル版ほどではないにしろまあ難しいこと難しいこと。できないところを未だに個人練で潰している始末である(自分が)。

4つの曲それぞれが完全に分離されており、いずれの曲も異なる魅力を持つ。プレリュードの無窮動的なクールさ・Major Keyの楽しさ・フランス的な流麗さが同居した感覚は、他のどんな作品にもないものである。フォルラーヌは、なんだか人を喰ったようなシュールレアリズム的な感覚があるし(この曲が作曲された頃にはまだ"シュルレアリスム"という言葉は無かったが、念のため)、メヌエットは基本的な和声を丁寧に並べて突然現実に引き戻されるような。最後はリゴードンで快活に。中間部のペンタトニック的な旋律の、和風な感じが不思議。

オーケストラ版が持つような色彩感の豊かさをサクソフォンのみで表現するのは難しいが、それを逆手に取って、同属楽器ならではの一体感やスピード感にご注目。それから、弱音の表現にも気を配っていきたい。

2013/05/09

Proxima Centauri plays Jodlowski "Coliseum"

ピエール・ジョドロフスキ Pierre Jodlowski氏が書く作品の響きがとても好きだ。言ってしまえばミュージック・コンクレートと生楽器の共演なのだが、不思議と生理的に受け入れられやすいというか…暑苦しいサウンドなのに、常にクールな雰囲気が漂うところがツボである。

ジョドロフスキ氏のサクソフォン・室内アンサンブル・エレクトロニクスのための作品「Coliseum」の動画。2008年にマリー=ベルナデット・シャリエ Marie Bernadette Charrier教授率いる室内アンサンブル、プロクシマ・ケンタウリ Proxima Centauriのために書かれた。サクソフォン奏者はソプラノ・バリトン持ち替え。2012年のWSC会期中に、Byre Theaterにて演奏されたライヴ録画である。

2013/05/07

Lyon Saxophone Class 2012/2013

仕事が繁忙期に突入…。ブログ記事のクオリティを保てなくなる可能性が…(元々クオリティなんかないじゃん、というツッコミがありそう)

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リヨン音楽院、ジャン=ドニ・ミシャ氏の2012/2013クラスのプロモーション動画。



動画中の奏者、演奏曲目を書きだしてみた。

Yuko Suzuki (Japan) - G.Faure - Sonate pour Violin, Op.13 No.1
Clio Theodoridou (Greek) - C.Lauba - Tadj
Nicolas Allard (France) - H.Tomasi - Concerto
Aki Fujiwara (Japan) - F.Tanada - Mysterious Morning III
Carlos Garcia Bejarano (Spain) - S.Prokofiev - Sonate pour flute
Maxime Rournebize (France) - A.Margoni - A propos d'Igor Stravinsky
Melinda Uhr (Slovenia) - C.Franck - Sonate pour Violin
Anna Takaku (Japan) - F.Decruck - Sonate en ut diese
Joakim Ciesla (France) - A.Margoni - Bartokiana
Fu Wei (China) - J.Brahms - Sonata for Clarinet No.1, Op.120
Clarisse Gouard (France) - C.Pascal - Sonatine
Sandro Compagnon (France) - A.Katchaturian - Concerto for Violin
Yuka Nojima (Japan) - W.Albright - Sonata
Cornelius Wunsch (Deutsch) - N.Huber - Aus Schmerz und Trauer
Masayo Kunieda (Japan) - L.E.Larsson - Concerto
Florent Louman (France) - R.Schumann - Adagio und Allegro

奏者については実に国際色豊かで、なんだか国際コンクールの縮図みたいだ。また、どの演奏者も確固たる奏法を持っており、あいまいな音を出している人がいないことに驚いた。さらに、クラシック作品であっても現代作品であっても、とても正格(規則に当てはまっていること)な演奏であると感じた。いずれも、ミシャ氏の教育者としての手腕の高さを示すものであろう。さらに何人かは、とても光るものを持っており、国際的な活躍も射程圏内に収めているようなオーラを感じた。

2013/05/06

大阪市音特別映像・宮川彬良氏エッセイ

午前は2時間ほど個人練。ピアソラとラヴェルを中心に。昼から"なにわ"会場に赴いてTsukubaSQ演奏会のチラシ挟み込み(2000部!)。まわりはTadWSとか川越奏和奏友会とかなんだか有名な団体ばかりで、TsukubaSQチラシのアンバランスさが際立ったのがなんだか面白かった。その後演奏会場となる大田区民プラザにチラシを置いてきた。

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大阪市音楽団の第105回定期演奏会で特別配布されたDVDの映像が、公式にYouTubeにアップロードされていた。資料をふんだんに使い、大阪市音の歴史、現状、今後、そして各種の素晴らしい演奏を堪能できる内容となっている。収録時間は1時間半超!最近自主運営に向けて活動を展開しているというが、その一環で制作された映像のようだ。

映像中の初演リストを眺めているとサクソフォンに関連したいくつかの曲名が流れてきた。ブールデンのコンチェルティーノの日本初演が大阪市音によって行われたとは知らなかった。ソロは長瀬敏和氏だったそうだ。また、第60回定期演奏会ではロジェ・ブートリー指揮のもと野田燎「現」を初演。しかし、吹奏楽編曲版(しかもブートリーによる編曲)があるとは初耳だったぞ!



近年大阪市音と関係を深めている、宮川彬良氏が全編にわたって登場する。映像の中で、宮川彬良氏が合奏中に発した「あなた達の音には達成感ではなく充実感がある」という言葉が妙に頭に残っている。

作曲家の発する言葉って面白いな。実は宮川彬良氏のエッセイが昔から好きで、思い出すたびに読み返しているのだが、もしご存じない方は一読のほど。以前にもブログ上でご紹介したことがある。どれも簡潔で読みやすく、不思議と魅力にあふれた文章ばかりだ。下記リンク先からEssayをクリックすると読むことができる。

http://akira-miyagawa.com/

練習とプログラム冊子作成と…

9:00-17:00で練習@大宮。連日長時間練習しているためか、さすがに唇がボテッとなってきた。本日は「クープランの墓」の練習。プレリュードとフォルラーヌが難しい。

そういえばラ・フォル・ジュルネ(今年はフランス音楽特集)はずいぶんと盛り上がっているようだが、聴きに行きたかったなー。ラムルー管やらアンサンブル・アンテルコンテンポランやら…。ちょっと悔しくて、パリ管とソシエテの「クープランの墓」の録音など聴いてしまう。

帰宅してからは演奏会用のプログラム冊子づくり。原稿として大した量は無いのだが、その分難しいというか…。なんとか一旦書き終わったので、一晩寝かせて明日メンバーにレビューしてもらおう。

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なんだか最近は練習日記と5/18の宣伝ばかりになってしまっている。5/18が終われば、普段のスタイルに戻るはず。

http://kurisaxo.blogspot.jp/2013/04/tsukubasq518.html

2013/05/04

一日練習とピアノ合わせ

朝から晩まで練馬に篭ってTsukubaSQ練習。さすがに疲れ…た…。「アラビアン・ワルツ」をみっちりと合わせたが、クリアすべきところをもう少しでクリアできそうな所までは来た。かな?

夕方からは大嶋千暁さんを迎えてピアソラ「ブエノスアイレスの春・夏・秋・冬」のピアノ合わせ。いやー、楽しかったな。11月の「琉球幻想曲」「リバーダンス」以来だが、またご一緒できる機会が巡ってきて嬉しい!

明日は一日大宮に篭って練習!

【Tsukuba Saxophone Quartet -Saxophone Concert Vol.5 〜DANCE!〜 (東京公演)】
客演:大嶋千暁(ピアノ、東京公演)*
日時:2013年5月18日(土) 13:30開場 14:00開演
会場:東京都大田区民プラザ・小ホール(東急 多摩川線下丸子駅徒歩1分)
http://www.ota-bunka.or.jp/facilities/plaza/
料金:1,000円(全席自由)
プログラム:
M.ラヴェル - クープランの墓
B.ブーン - アレイ・ダンス
R.アブ=カリル - アラビアン・ワルツ(サクソ フォン版日本初演)
A.ピアソラ/啼鵬 - ブエノスアイレスの春・夏・ 秋・冬(東京公演のみ)

ぜひお越しください。宣伝も佳境に入りつつあるところ…。

2013/05/03

Philippe Geiss "Sir Patrick"の楽譜

フィリップ・ガイス Philippe Geiss氏から、「Sir Patrick」の楽譜を入手。4重奏にも対応した5重奏版の楽譜と、12重奏版の楽譜の2種類で、PayPalを通じて50ユーロを支払った。この楽譜の入手に関してはフランス留学中の小澤瑠衣さんに大変お世話になった。この場を借りて改めて御礼申し上げる。

Saxtet Publicationsから出版されていたJ.Steele編の「Shetland Sequence」をガイス氏なりに再解釈し、セルマー社長のパトリック・セルマー Patrick Selmer氏に捧げた作品である。元々の曲も楽しいのだが、ガイス氏の手によってさらに面白い作品に仕上がっている。私にとっては、何といってもWSCで聴いたオールスターズ&RNCM吹奏楽団、という編成での豪華絢爛な演奏が刷り込みだ。

以下がそのときのライヴ録画。まあ聴いてみてくださいな。祝祭的な雰囲気に満ち溢れた4分間、会場の興奮っぷりも相当なものだった。ガイス氏の作品はどれも面白く、今後他の作品も演奏していきたい。


第4回サクソフォン交流会で演奏予定(TSQじゃないよ)。テナーパートやバリトンパートはほとんど刻みなのだが、ソプラノパート、アルトパートがとんでもないことになっているようだ(笑)。

2013/05/02

ドゥラングル教授の室内楽編成演奏 on YouTube

クロード・ドゥラングル教授が、各種編成の室内楽で他楽器とともに演奏を繰り広げる、という動画をYouTubeで見つけた。長さはなんと1時間超!…さすがにまだ全部観きれていない。プログラムは下記の通り(ドゥラングル教授、ほぼ全ての作品の演奏に参加)。

J.B.サンジュレ - デュオ・コンチェルタンテ
F.シューベルト - 岩の上の羊飼い
F.メンデルスゾーン - コンチェルト・シュトゥック第2番作品114
S.ラフマニノフ - 悲しみの三重奏曲
ブルッフ - 8つの小品作品83
A.ドヴォルザーク - スラブ舞曲第7番作品46
A.ピアソラ - フーガと神秘
G.フォーレ - ラシーヌ賛歌作品11
Goran Bregovic - Wedding Cocek