2012/08/30

飲み会 featuring よめじろーさん

9/29のサクゴレン&TSQ演奏会、ぜひお越しください!詳細・整理券希望の連絡はこちらから。

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昨日は、職場の研修のため今週いっぱい千葉の松戸にいらしているダッパーサクセーバーズのよめじろーさんと飲み会。松戸で研修中とのことで会場に上野を選択。念願だった、一部サックス吹きには有名な鶯谷の「加賀屋」に、よめじろーさんほかThunderさん、mckenさん、しらこばと音楽団のニジマスさん、Duo Green Greenのねぇ。さん、kuriが集結した。なんだか妙に濃ゆいメンバーでどうなることかと思ったが、18:30から始めて20:30まで、とても楽しい4時間を過ごした。ネタが縦横無尽なところが、サックス吹きの飲み会の楽しさである…というか、まあコダワリの塊みたいな皆さんばかりなので、楽しくないはずがない(^^;

みなさま、ありがとうございました。

鶯谷の加賀屋は、東京芸術大学近郊ということもあり、その界隈のサックス吹きがちょくちょく集まっているお店らしい(今はどうだかわからない)。サックス関係者のブログで見るたびに伺いたいと思っていたのだが、この機会に開拓できて良かった。料理は美味&種類多し、お酒も存分に準備され、なによりリーズナブル。また行きたいな。

2012/08/28

score of Debussy's Rapsodie with Ozawa & Bernstein's property

9/29のサクゴレン&TSQ演奏会、ぜひお越しください!詳細・整理券希望の連絡はこちらから。

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由井平太さんのFacebook書き込みに興味深いものがあったので、ご紹介。

CBSソニーからシガード・ラッシャーバーンスタイン指揮ドビュッシー「ラプソディ」の録音が出版されていることは有名だが、その録音に使用されたと思われるスコアのファクシミリが公開されている。ロジェ・デュカス Roger-Ducasseの手によるオーケストラ版で、なんと小澤征爾、バーンスタインの書き込みつき!

下記リンク先に飛んで、View Scoreをクリックすると専用のビューワが開き、参照できる。リンク先のMarking Artistsの欄にはバーンスタインの名前しか書いていないのだが、明らかに日本語の書き込みも書かれており、このプログラムのアーカイブデータを参照するに、小澤征爾の書き込みも混在していることに間違い無いだろう。

http://archives.nyphil.org/index.php/artifact/847ec89e-9f41-4861-b57a-21e5d30cbe8d?search-type=singleFilter&search-text=saxophone&doctype=printedMusic

2012/08/27

ご案内:筑波大学サクソフォンアンサンブルコンサート

9/29のサクゴレン&TSQ演奏会、ぜひお越しください!詳細・整理券希望の連絡はこちらから。

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9/29の演奏会も重要だが…こちらもご案内しておきたい。先立って9/16につくば市で行われる演奏会に、ちょっとだけ出演する。古巣の吹奏楽団のサクソフォンパートの後輩が主催している演奏会。ありがたいことにTsukubaSQにもお声掛けいただき、ほんの10分ほど出演する予定。また、松雪明先生の吹くジャック・イベール/ジャン=マリー・ロンデックス編「コンチェルティーノ・ダ・カメラ」は聴きモノだろう。松雪先生のソロは最近ではあまり聴く機会がないので、そういった意味でも貴重な機会になるかと。

秋葉原からTXでたったの45分!是非お越しください。

この素敵なチラシのデザインは、サックスパートの現役団員のひとり、GUTIOさんの手によるもの。素晴らしいイラストレーターで、実は9/29のプログラム冊子のデザインもお願いしている。

【筑波大学サクソフォンアンサンブルコンサート】
日時:2012年9月16日(日) 開場15:00 開演15:30
会場:つくばカピオホール(TXつくば駅より徒歩5分)
客演:松雪明
料金:入場無料
プログラム:
J.S.バッハ - イタリア協奏曲
J.イベール/J.M.ロンデックス - コンチェルティーノ・ダ・カメラ(客演:松雪明)
J.ヴァン=デル=ロースト - カンタベリー・コラール 他

チラシに問い合わせ先が書いていないのだが、kuri_saxo@yahoo.co.jpにメールをいただければ分かる範囲で回答し、分からなければ主催者に確認を取ることができると思う。

Fault Lines練習進行中

日曜日は、午後いっぱいTsukuba Saxophone Quartet練習。Perry Goldsteinの「Fault Lines」という曲に取り組んでいるのだが、なかなか厄介。うまく吹ければかっこ良いのだけど…。

9/8に田村真寛・哲門下発表会で、また9/29のサクゴレンさんとのジョイントコンサートで演奏予定。たぶん日本初演だと思うが、もし日本での演奏記録をご存知の方がいらっしゃいましたら教えて下さい。

2012/08/25

9/29ジョイントコンサートのチラシ

本日ははらっちさんご夫妻の二次会に参加。TsukubaSQ featuring はらっちさんで、サンジュレ「四重奏曲第一番」から第4楽章と、「宝島」の2曲を演奏した。素敵な会だったなあ…なんだかほっこりしてしまった。

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9/29のサクゴレンさんとTsukuba Saxophone Quartetのジョイントコンサートのチラシを公開(クリックして拡大)。TSQのCが、先日のベルギー公演のデザインを踏襲しながら作成した。

ジョイントコンサートということで、前半に各団体が演奏。おそらくTSQ→サクゴレンさん、という流れになるかと。後半は、長生淳「八重奏曲」をサクゴレンさん&TSQで一緒に演奏する。

…なかなか面白い演奏会になりそうなので、お越しいただけると幸いです。入場無料ながら、整理券が必要となっています。必要枚数を下記問い合わせ先までお知らせ下さい。皆様のお越しを心よりお待ちしております。

【サクゴレン&TsukubaSQジョイントコンサート】
出演:アンサンブルサクゴレン、Tsukuba Saxophone Quartet、中島諒(賛助出演)
日時:2012年9月29日(土)14:00開演
会場:保谷こもれびホール・小ホール
料金:入場無料(要整理券:下記問い合わせ先までご連絡下さい)
プログラム:
C.ドビュッシー「ベルガマスク組曲」(サクゴレン)
M.ルグラン「キャラバンの到着」(サクゴレン)
P.ゴールドシュタイン「フォールト・ラインズ」(TsukubaSQ)
長生淳「八重奏曲」(ジョイント) 他
後援:日本サクソフォーン協会
問い合わせ:
Tsukuba Saxophone Quartet:info@tsukubasq.com
保谷こもれびホール(メール):info@komorebi-hall.jp
保谷こもれびホール(電話):042-421-1919
http://www.facebook.com/events/516887595005178/

Manuscript of Debussy's Rapsodie

Googleで「Debussy Rapsodie Manuscript」と調べたらこんなものが出てきた。ニューイングランド音楽院に保管されている、ドビュッシー「ラプソディ」の自筆譜である。NEC Archives' photostreamというアカウントによって公開されており、どうやら公式のよう。なんと太っ腹な。

http://www.flickr.com/photos/27770344@N02/sets/72157622623199855/

以前、佐藤淳一さんからこの自筆譜のコピーを頂戴したのだが、ロンデックス氏→ジェローム・ララン氏→佐藤淳一さんとコピーされてきたものだったため、少々解読が難しい部分があった。この公開画像と併せれば十分な情報を得られそうだ。

2012/08/23

"Arno.B plays Bari" LIVE STREAMING is on going

バッハの「組曲第2番」から始まっています。ちょっと眠い(笑)

http://www.adolphesax.com/

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(22:50更新)
朝から素晴らしい演奏を聴けた。驚いたのは豊岡菜々子さんが参加されていること。確かアムステルダム音楽院を卒業後帰国しているはずだが、今回の演奏のために渡欧したのだろうか。

Arno Bornkamp, baritone saxophone
Juani Palop Tecles, soprano saxophone * **
豊岡菜々子, alto saxophone **
Javier Alloza, tenor saxophone **

J.S.Bach - Suite No.2
G.Faure - Elegie
M.Glinka - Trio Pathetique *
F.Poulenc - Trio *
J.S.Bach - Italian Concerto **
A.Pizzolla - ?(曲名失念) **
J.S.Bach - Italian Concerto Mon.3 **

2012/08/22

The Story of Zzyzx Quartet

先のWSCにも参加していたZzyzx Quartet

Stacy Wilson, soprano saxophone
Stephen Page, alto saxophone
Matt Evans, tenor saxophone
Dana Booher, baritone saxophone

その活動形態は非常に興味深い。Stacyはニューヨーク州ウエストポイント、Stephenはコロラド州グランドジャンクション、Mattはニューヨーク州ロチェスター、Danaはワシントンにそれぞれ居住しながら、あの超高クオリティの演奏を維持しているという。そればかりか、新規レパートリー開拓やレコーディングにも積極的で、アメリカの若手四重奏団として急速に力をつけつつある団体だと言えるだろう。

私はずっと、それぞれが遠隔地に住むメンバーがどのように集まってどのように練習してどのように本番に臨んでいるのかが、ずっと不思議だった。最近更新されたZzyzx Quartetのブログ記事がその答えとなるような内容だったので、Stephen Page氏に許可を取って翻訳してみた。ちょっと翻訳のクオリティが上げられなかった場所もあるのだが、なかなか面白いのでぜひ読んでいただきたい。

WSCのリコーブースで手に入れたZzyzx QuartetのCDを、近日中にレビュー予定。

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(…省略…)私たちはしばしば、どのようにして結成したのか、アメリカ中に散らばって(文面上は)住んでいるなかで、どのように演奏活動をこなしているのか、といった質問を受ける。今日はその話をしよう。そうだな、どこから始めようか…

私たちは、オーティス・マーフィ氏に習うためにインディアナ大学に通っていた(インディアナ大学では美味しいピザが食べられる…というのもひとつの理由だけれど)。私達が学生の頃、一番の活動の中心は独奏に置いていたが、何人かは室内楽のメンバーとしても活動していた。だが、大学での室内楽は卒業や転居などによって、コンスタントに活動できる団体は殆ど無かった。私たち4人は、何年かにわたってとても良い友人だった。週末は一緒にブラブラし、マスタークラスの後にはBear's Placeに繰り出し、昼食を共にし…。StacyとStephenがインディアナ大学での最終学年となったとき、画期的なアイディアを思いついた。「カルテットを組もう!」なぜもっと前からそう思わなかったのだろう…(続く)。

新しいグループを結成するときの挑戦が、そのまま団体名となった。数週間団体名を思案したものの、キャッチーでオリジナリティ、みんなに覚えてもらえるような名前を思いつくことができなかった。ある午後のこと、いつものようにBear's Placeで昼食をとっているとき、まるで「啓示のような」おしゃべりが始まった。Danaが突然「Zzyzxはどう?」と言い出したのだ。みな口を揃えて「なにそれ?」「どんなスペル?」と質問すると、Danaが説明し始めた。Danaがカリフォルニア州のCosta Mesaにある実家へ向かう時に通る道の名前で、不思議なウワサや地元の伝説が絶えない地域を横切っており、「どこへも向かわない道」とも称されているそうだ(この呼称が私達のグループの行き先を暗示しているわけではない!)。Zzyzx Roadを題材とした映画もあるそうだ(いちど観たことがあるけど、オススメはしない!)。私たちはZzyzxという名前についてもう少し調べ、アトラス(地図帳)の索引、辞書、電話帳の項目の最後に載っているのを見つけた!だから、こんなスペリングも難しく、発音も難しい言葉が、良いアイディアだとして団体名をつけたって?冗談はさておき、私たちはこのとてもユニークで記憶に残る言葉をDanaが発案してくれたことをとても嬉しく思った。どういうわけか我々はみなこの名前を気に入り、素敵なおしゃべりのスタートとなったのだった。

結成して最初の一年が過ぎたのち、StacyがWest Point Bandのサクソフォン奏者としての職を得て、ニューヨークへ移住し、Sthephenはアイオワ大学の博士課程へ進むためにアイオワ州へと移住した。この年は、定期的に練習を重ねることができなくても演奏を一緒に続けられるかどうかのトライアルの期間となった。本番も少なかったが、インディアナで一緒だったときより合わせ練習が少なくても、少しずつグループとしての完成度を高められるということがわかった。次の年は、いくつかのツアーとCDのレコーディングがあり、、本番の回数が増えた。CDレコーディングの直後、Danaはワシントンの海軍バンドに職を得、Mattはニューヨーク州のロチェスターにあるイーストマン音楽学校の博士課程に進んだ。

この話を聞いて、何人かの方はこれだけ離れている場所に住んでいながら、室内楽団として機能するのは難しいのではないかと思うかもしれない。しかし、私たちはうまくやる方法を常に模索し続けてきた。メールはたくさん(!)、そしていつもSkypeでレパートリー、演奏、ビジネス等について話し合っている。通常、一年に一度、秋に集中練習として何週間かの週末を一緒に過ごし、新作や次の演奏機会に対してリハーサルを行なっている。ものすごい量の練習をこなすのだ…パート譜はもちろん、スコアの読み込み、各パートとの関連性を示す補助の音符の書き込みと勉強もこなす。一年に一度のリハーサルでは、作品の難しさにもよるが、1日に5時間から8時間の合わせ練習をこなす。演奏のために集まるときは、一日前に現地集合して丸一日掛けてリハーサルを行い、本番に臨んでいる。最も重要なことは、一緒に集まったときは練習だけではなくお楽しみも準備する、ということだ!ずっと仕事、遊びなし、なんてとんでもないでしょ?ともかく、ここ何年にもわたって、私たちは互いに良き友人であり、素晴らしい時間を一緒に過ごしている。Zzyzxで一緒に演奏できることは、私たちの演奏家としてのキャリアのなかで重要な位置を占めており、みんな、これから先の演奏の機会を楽しみにしているのだ。

2012/08/21

Info: "Arno B. plays Bari" LIVE STREAMING

スペイン時間で8月22日(水)の午後10時(東京時間で8/23(木)の午前5時)より、Adolphesax.comでアルノ・ボーンカンプ Arno Bornkamp氏の演奏がストリーミング中継される。タイトルからするに、どうやら全編バリトン・サクソフォンでの演奏のようだ。ボーンカンプ氏といえば、アウレリア四重奏団でのテナーサクソフォン奏者としてのイメージが強いが、ハルトマンの「交響曲第2番」の録音に参加したり、ニール・ビール氏が主宰するFour Baritonesのメンバーだっりと、バリトンの演奏もお手の物、のようだ。

【Arno B. plays Bari】
出演:Arno Bornkamp(bsax)
日時:2012年8月22日(水)22:00 スペイン時間
日時:2012年8月23日(木)5:00 日本時間
サイト:Adolphesax.com
プログラム:
J.S.Bach - Suite No.2
G.Faure - Elegie
M.Glinka - Trio Pathetique
F.Poulenc - Trio
J.S.Bach - Italian Concerto

プログラムも非常に面白い。トリオが含まれているが、共演者は誰なのだろうか。また、バッハの「イタリア協奏曲」が予定されているが、どのようなアレンジでの演奏なのだろう。いろいろと気になる部分が多いが、23日は早起きしてぜひ中継を観よう!

2012/08/20

安井寛絵 plays Sikuri I on YouTube

ホワン・アロヨ Juan ARROYO作曲、「Sikuri I」を安井(スーヤ)寛絵さんが初演している映像。テナーサクソフォン(マウスピース無し)とエレクトロニクスの作品で、IRCAMで研究中の作曲家とのコラボレーション作業により生み出された作品なのだそうだ。実際には、複数チャンネルで音が聞こえてくるような作りになっているとのこと。面白いなあ。

光の加減のせいか、非常に生々しい臨場感あふれる映像となっている。渾身のパフォーマンスをみせる安井さんも必見!

数年前にドゥラングル教授の演奏で聴いた、ジョルジア・スピロプロス Georgia Spiropoulosの「Sakski」を思い出したが、たしかあの作品はここまで常にマウスピースを外しているような曲ではなかったような気がする。

2012/08/19

小ネタ:LONG TONES!

けっこう前からFacebook上で話題の画像。面白いですね。












日本風だとこんな感じでしょうか。元画像は「ガラスの仮面」かな?

演奏会情報:李源冀さんミニコンサート

9/29にTsukuba Saxophone Quartetで演奏会開きます。詳細はこちらから。

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直前となってしまったが、本日15:00からの李源冀(リ・ウォンキ)さんのミニコンサートのご案内。

【李源冀 サクソフォンコンサート】
出演:李源冀(sax)、羽石道代(pf)
日時:2012年8月19日(日曜)15:00開演
会場:ヤマハ池袋店 1F 特設ステージ『FIRST ONE』
料金:入場無料
プログラム:
J.フランセ - 5つの異国的舞曲
C.ドビュッシー - 月の光
L.バーンスタイン - ウエストサイド物語より
D.ミヨー - スカラムーシュ 他
詳細:
http://www.yamahamusic.jp/shop/ikebukuro/event/detail/2996

現在ニューヨークを中心に活動している韓国人サクソフォン奏者。ご出身が東京ということで日本語がとても堪能で、私も初めてメッセージを頂戴したときは驚いた。現在はマンハッタン音楽院でPaul Cohen氏(世界有数のサクソフォン研究家としても有名)に師事している。

その実力はすでに各コンクールの入賞歴などを見ても折り紙つき。2010年にはアドルフ・サックス国際コンクール(ディナン)でセミ・ファイナルまで進んでいる。来年2月には、フィリップ・アントルモン氏(ピアニストとしても有名だが指揮者としても活動)と、グラズノフ「協奏曲」をニューヨークで共演予定とのこと。

ということで、お時間ある方はぜひ伺ってみてはいかがだろうか。しかも今日はサックスリード全品20%OFF DAYとのこと(笑)。

李さんの演奏は、YouTubeにいくつか上がっている。こちら、ウエニアンの「ラプソディ」からの抜粋。

9/29のジョイントコンサート宣伝

本日はプラザノースで、明日(もう今日か)はプラザウエストでTsukuba Saxophone Quartetの練習。ゴールドシュタインの「フォールト・ラインズ」、ノレの「トカデ」、サンジュレの「四重奏曲第一番」などを練習している。

ターゲットは、9/16の筑波大学吹奏楽団サクソフォン演奏会@つくばカピオと、9/29のサクゴレンさんとのジョイントコンサート@保谷こもれびホール。9/29のほうはおおよそ次のような感じ。

【サクゴレン&TsukubaSQジョイントコンサート】
出演:アンサンブルサクゴレン、Tsukuba Saxophone Quartet、中島諒(賛助出演)
日時:2012年9月29日(土)14:00開演
会場:保谷こもれびホール・小ホール
料金:入場無料(要整理券:下記問い合わせ先までご連絡下さい)
プログラム:
C.ドビュッシー「ベルガマスク組曲」(サクゴレン)
M.ルグラン「キャラバンの到着」(サクゴレン)
P.ゴールドシュタイン「フォールト・ラインズ」(TsukubaSQ)
長生淳「八重奏曲」(ジョイント) 他
後援:日本サクソフォーン協会
問い合わせ:
Tsukuba Saxophone Quartet:info[at]tsukubasq.com([at]を@に変えて下さい)
保谷こもれびホール(メール):info[at]komorebi-hall.jp([at]を@に変えて下さい)
保谷こもれびホール(電話):042-421-1919

チラシのデータは、近日中にアップ予定。上記の通り、入場無料ながら整理券が必要となるので、上記問い合わせ先までご連絡いただきたい。

TSQのバリトン奏者が仕事のため出演できなくなってしまったが、今回なんと中島諒さんにご協力いただけることになった。東京藝術大学の3年生で、各所でご活躍中である。大変ありがたいことだ。

2012/08/17

サクソフォーン・フェスティバル2010「協奏曲の夕べ」録音

WSCの時に原博巳さんにもらったもう一枚のCD-R。なんと、一昨年のサクソフォーン・フェスティバルのメインイベント「協奏曲の夕べ」の録音である。このステージは私も会場で聴いており、とても感動したものだ。抜粋録音は協会誌に付属していたが、全曲の録音はごく限られた場所でしか聴けないものだと思う。

【サクソフォーン・フェスティバル2010"協奏曲の夕べ"】
出演:海老原光指揮 東京フィルハーモニー交響楽団
日時:2010年12月23日(木・祝)18:00開演
会場:パルテノン多摩・大ホール
プログラム:
P.モーリス - プロヴァンスの風景 (solo. 田中靖人)
F.デクリュック - ソナタ (solo. 西本淳)
H.ヴィラ=ロボス - ファンタジア (solo. 平野公崇)
岩代太郎 - COLORS (solo. 雲井雅人)
H.トマジ - サクソフォン協奏曲 (solo. 原博巳)

録音状態も良く、あの時の感動がよみがえる…というとありがちな感想だが、まさにその通り。ライヴで感動を味わって、その感動を頭の中に引き止めておくのは難しい。こうして録音があることで、半永久的に心に留めて置けるのはありがたいことだ。かといって、録音だけあれば良いというわけではなくて、2つをあわせてこそだろう。

ちなみに当時も感想をブログに書いていた。録音を聴き返すことで、全体の印象のほかに細かいフレージングの妙など良く聴こえてくるのも楽しい。全体を聴き通すと、やはり圧巻は後半のお二方(雲井氏、原氏)である。曲が本来持つパワーを完全に自分のものとして吸収・放出し、聴衆を魅了していた。

Philip Glass: Music with Changing Parts

「PHILIP GLASS: Music with Changing Parts(Nonesuch 075597932560)」を聴いた。フィリップ・グラスを聴き始めた時に聴いていたのは、「ミシマ」などの透明な叙情性を感じる作品ばかりで、すぐに聴かなくなってしまったのだが、比較的最近(といってもここ3年ほどか)になって、グラスの別の側面を知った。その中でもフィリップ・グラス・アンサンブルの演奏は特にインパクトが大きかった。"大音量による倍音効果を目指す"などという、ちょっと他では考えつかないような方向性には驚いたものだ。ジョン・ギブソンやジャック・クリプルといったサクソフォン奏者が参加しているのも魅力的であった。

「Music with Changing Parts」は、60分超におよぶフィリップ・グラス・アンサンブルの音の洪水である。サクソフォンの音もよく聴こえる。夏の夜、少しずつ気温が下がってきたところで、何も考えずに聴いてみるのも良いかもしれない。

2012/08/16

Info: New edition of Londeix's list of saxophone works has been released!!

ロンデックス名を冠したサクソフォン作品目録が改訂され、実質的な第5版となる「Londeix Guide To The Saxophone Repertoire, 1844-2012」が出版された。1970年の初版「125 Years of Music for Saxophone」以来、1985年、1994年、2003年に、それぞれタイトルを変えながら出版されてきたが、増え続けるサクソフォンのレパートリーに追従する形で、2012年版としてこのたびリリースの運びとなったようだ。大変喜ばしいことである。

1970年の初版には、6000のサクソフォン作品が掲載されていた。その後、1985年…不明、1994年…12000作品、2003年…18000作品と改訂を重ねてきたが、今回はなんと29000作品を網羅しているとのこと。ちょっと想像がつかない。著者のBruce Ronkin氏は、ノースウェスタン大学の副学長のような地位にある方(Vice Provost for Undergraduate Educationとのこと)だが、どのようにして情報を収集しているのだろうか。まったく、見当もつかない。そういえば、ロンデックス氏は、現在はどの程度編纂に携わっているのだろう。

ともかく、サクソフォンを学ぶ者であれば必携の書籍である。ただし、サクソフォンを専攻している方であっても、ほんの数枚持っているサクソフォンCDに入っている作品や、人から教えてもらった作品にしか興味が無いという方は、買う必要はないと思う。それ以外のサクソフォン・レパートリー開拓の気概を持つ方は、ぜひ。また、こういった情報はナマモノであるので、早く買えば買うほど価値があると思う。まず購入して、数年かけて減価償却していけば良い。

詳細は、下記サイトからどうぞ。アメリカ在住であればリンク先から購入可能。そのうちAmazon.comから買えるようになるのではないかな。もしその他で買う手段をご存知のかたは、教えてください。

http://www.nemusicpub.com/store/product.aspx/productId/503/Londeix-Guide-To-The-Saxophone-Repertoire-1844-2012

ちなみに…そろそろ電子書籍版、出ないですかね。紙の本は、とにかく検索性が悪くて…(^^;

2012/08/15

演奏会情報:梅沢洋さんのリサイタル

アマチュアのサックス吹き仲間であり、先日のサクソフォン交流会においても事務局でご一緒した梅沢洋さん。なんと今月ソロ・リサイタルを開くそうだ。私の周りで、アマチュアでありながらソロ・リサイタルを開いた人って…ちょっと知らないなあ(来年あたりにもうひとり)。団体でリサイタルを開くのとは違った、また一つ上の苦労・緊張・重圧などがありそうだ。そんな壁を乗り越えて開催にこぎつけたということで、ぜひ応援したい。

そういえば私自身は梅沢さんの独奏での演奏を聴いたことがないのだが、先の波多江先生のソロ発表会ではなんとデザンクロの「PCF」を取り上げているのだった…すごいな。

【梅沢洋 SAXOPHONE RECITAL】
出演:梅沢洋(sax)、池田祥子(pf)
日時:2012年8月25日(土曜)19:30開演
会場:山科(関内駅より徒歩5分)
料金:前売り1500円、当日2000円(いずれもワンドリンク、おつまみ付き)
プログラム:
W.A.モーツァルト - オーボエ協奏曲より第1楽章
D.ミヨー - スカラムーシュ
E.モリコーネ - ガブリエルズ・オーボエ
G.ガーシュウィン/真島俊夫 - ガーシュウィン・カクテル 他
問い合わせ:
saxophone_ume@yahoo.co.jp












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ソロ・リサイタルかあ。何度か夢想したことはあったけれど、今はアマチュアなりの限られた時間を、研究と四重奏演奏に注力したい。

イベール「室内小協奏曲」の解説

コングレスのレポートや曲目解説など、書き仕事が少々溜まっており進めている最中。イベール「コンチェルティーノ・ダ・カメラ」のロンデックス編曲版の曲目解説を500文字で書く、というものがあって下書きだけしてみた。たぶん決定稿はまた違った形になるとは思うのだが、500文字ってなかなか面白いなと思いながら推敲している。

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150年以上に及ぶサクソフォンの歴史の中で、最も優れた作品の一つとされるジャック・イベール(1890-1962)の「コンチェルティーノ・ダ・カメラ」。楽器の機動性を活かした軽妙な作品で、めまぐるしく変わる場面がサクソフォンを聴く楽しさを教えてくれます。イベールは20世紀前半を代表するフランスの作曲家で、魅力的なクラシック作品を次々と世に送り出す一方、劇伴音楽や映画音楽も手がけていました。サクソフォンのコミカルな側面をよく知っていたからこそ、このような楽しい協奏曲が完成したと言えるでしょう。1935年に完成し、当代随一の名手、シガード・ラッシャーに献呈されています。
タイトルの「カメラ」とは「(室内楽に適した)コンパクトな空間」を表す語で、原曲は小規模のオーケストラとともに演奏されます。本日演奏されるのは、サクソフォン研究家ジャン=マリー・ロンデックスがオーケストラ・パートをサクソフォン合奏に編み直した版で、6種類11本のサクソフォンが独奏パートに華を添えます。

2012/08/13

Info: John Adams' Saxophone Concerto for McAllister

まずはこちらの記事をご覧頂きたい。

2009年シーズンより、ロサンゼルス・フィルの音楽監督にグスターヴォ・ドゥダメル氏が就任したことは記憶に新しい。その就任記念コンサートのために、ロサンゼルス・フィルはアメリカの大家ジョン・アダムズ John Adamsに新作を委嘱していた。

出来上がった作品は「シティ・ノワール City Noir」という、ジャズテイストあふれる高難易度にして傑作。嬉しいことにサクソフォンが含まれていたのだが、その超々高難易度のサクソフォンパートを見事に吹ききったのが、ほかでもないティモシー・マカリスター Timothy McAllister氏であった。このときのソロは映像・録音としても残っているのだが、「オーケストラの中のサクソフォン」の仕事として史上最高のもののひとつ、と言ってしまえるほどのものだ。ベクトルこそ違うが、デファイエの「世界の創造」に匹敵するかもしれない。

さて、前置きが長くなったが、つい先日マカリスター氏のTwitterアカウントからこんな情報が流れてきた。ふむふむと思ってリンク先を参照してみると、なんとシドニー交響楽団へのジョン・アダムズ氏客演情報で、その中にはジョン・アダムズ氏がマカリスター氏のために新作の「サクソフォン協奏曲」を書く、と書いているではないか!お披露目は2013年の8月。これは非常に興味深い。

アダムズ氏はあの驚異的なマカリスター氏のサクソフォンを耳にしているわけで、サクソフォンでどんなことが可能であるのか、というか、マカリスターがどんなプレイヤーなのか、よく存じているはず。出来上がってくるのか、今から楽しみである。

2012/08/12

Stephen Page "holy roller"

Stephen Page氏とはこれまでもなんとなくネット上で付き合いがあったのだが(ブログを見てくださっているらしい)、WSC会場でお会いすることができて嬉しかった。その時にもらったCD。ちなみに私からは伊藤康英先生の「琉球幻想曲」「J.S.バッハ - シャコンヌ」の楽譜を差し上げた。

アメリカの若手サクソフォン奏者の中でも、かなり有名な方だ。ミネソタ州立大学で学士号を取得(ユージン・ルソー氏に師事)、インディアナ州立大学で修士号を取得(オーティス・マーフィ氏に師事)、アイオワ州立大学で博士号を取得(ケネス・チェ氏に師事)し、つい最近コロラド州にてフルタイムの職を得た、との書き込みをFacebookで見た。アメリカ最高峰と言われるNASA(North American Saxophone Alliance)のソロ・コンクールで第一位を取得した他、数々のコンクールで入賞しまくっている。

サクソフォン四重奏団Zzyzx Quartetのアルトサクソフォン奏者としての活動も見逃してはなるまい。注目すべきアメリカの四重奏団は近年ぐっと増えてきたが、Zzyzx Quartetは活動内容や演奏クオリティを総合的に見ると、そのトップに位置している四重奏団ではないだろうか。

さて、そのPage氏のファーストアルバムである。なんとレコーディングが2007年。出版までにこれだけ時間がかかった理由は分からないが、まあCD制作あるある…だろう。ともかく出版されて良かった。サクソフォンがStephen Page氏、ピアノがCameron Hofmann氏で、収録曲目は以下のとおり。

Jindrich Feld - Sonata
Libby Larsen - Holy Roller
Jacques Charpentier - Gavambodi 2
Fernande Decruck - Sonate

選曲がツボである。何と言ってもまずはフェルド!おそらくユージン・ルソー氏、ケネス・チェ氏の影響を受けてのことだと思われるが、若手のサクソフォン奏者がこの曲を取り上げることに興奮を覚えた。このCDをきっかけに、幅広く演奏されるようになってほしいものである。ちなみに日本では服部吉之先生がレコーディングしているが、あまりそれ以外で取り上げられたという話を聞かないな…。ラーセンの新作?もなかなか音楽的かつ技巧的で面白いし、シャルパンティエやデュクリュックといったフランスの作品をも躊躇なく取り上げられるのは、自信から来る部分も大きいだろう。

フェルドを聴き始めた瞬間に「総合力」というキーワードが頭に浮かんだ。感覚で吹き飛ばす部分など皆無。計算しつくされ、良くコントロールされている。音色の美しさは、ルソー派である師匠ゆずりのものだろうか。また、安定したテクニックで曲の持つ特徴的な構造を見事に描き出している。「Holy Roller」はライヴ録音とのことだが、こちらもセッション録音と同等のクオリティである。フランスの作品群は、その透明な音楽性に感銘を受ける。21世紀型とでも表現すれば良いのか…。

CD Baby等で入手可能。デュクリュックやフェルドが好きな方は、ぜひ手に入れていただきたい。この2007年の録音とのことなので、ぜひ今のStephen Page氏の演奏を聴いてみたいな。またCD作らないかなあ。

原博巳さんの2011年リサイタル録音

WSC会場で原博巳さんに頂戴したCDのうちの一枚(ありがとうございました!)。もう一枚のほうも興味深いのだが、そちらの紹介は後日。

2011年に東京文化会館で開かれた原博巳さんのリサイタルには、仕事が繁忙期だったため伺えなかった。2008年に浜離宮朝日ホールで聴いたリサイタルの素晴らしさに接していたため、大変残念な思いをしたのだった。その録音を思いがけず頂いたということで、1年越しの念願かなったり、というところ。

【原博巳サクソフォンリサイタル】
出演:原博巳(sax)、野原みどり(pf)
日時:2011年5月9日(月曜)19:00開演
会場:東京文化会館・小ホール
プログラム:
Amable Massis - Six Études-Caprices
Vincent d'Indy - Choral Varié, op.55
Pierre Vellones - Rapsodie, op.92
Alexandre Tcherepnine - Sonatine sportive
Claude Pascal - Sonatine
Alfred Desenclos - PCF
Jacques Ibert - Concertino da camera
Jacques Ibert - Le petit âne blanc (encore)

変な表現ではあるが、まるでセッション・レコーディングを聴いているかのようなクオリティの高さである。かといって、演奏の表現が平坦だということではなく、ライヴならではの熱さも感じられる。それだけ完成度が高い演奏だということだ。ライヴで聴いて感動しても録音を聴くと意外とミスが聞こえてしまうものだが、原博巳さんのリサイタルはそのような演奏とは対極をなす、ということだ。驚いた…。

リサイタル中一貫してそのクオリティは保持されており、曲が進んでも完成度は高いままである。その中にキラリと光るものを織り込んでくるのだから、聴いていて楽しくないはずがない。また、マルセル・ミュールへの深い敬愛の念を感じるプログラム構成も私にとってはツボだ。今の日本に…いや、世界を見渡しても、こういったプログラムで2時間のリサイタルを組むことができる奏者が、どれだけいるのだろうか。少なくとも、原博巳さんの世代では稀であろう。

せっかくなので、1曲ずつ書いていこう。マシスの無伴奏からリサイタルを始めるというのも勇気ある選曲だが、たしかにこの前奏曲の演奏を聴くと、なるほどなと思える。フレージングの作りこみが素晴らしい。ダンディは、これは御存知の通りピアノパートに重心が置かれた作品だが、私はそのサクソフォンとピアノのアンサンブルで持ちつ持たれつ、というあたりが印象深かった。もちろん野原みどりさんのピアノが素晴らしいことは言うまでもない。

ヴェローヌは、マルセル・ミュールの録音でチェレスタ、ハープとの演奏で聴いたことがあったが、ピアノとのデュオは初めてだ。重厚なダンディ作品から一転、傍らにあるさりげない美しさの表現を堪能した。チェレプニン、そしてパスカルは、マルセル・ミュールがクレストンの「ソナタ」とともに、サクソフォンとピアノの重要なレパートリーとして挙げた作品である。特にパスカルの完成度は達人の域であろう(歌いまわしを含め"良い意味で"とても30代の奏者の演奏に思えない)。

デザンクロで、特にこれは!と耳が引きつけられたのはカデンツァである。あのセカンドアルバムで聴いた印象をさらに推し進めるような驚異的な演奏。もちろん続く野原みどりさんのカデンツァも見事である。イベールは、ピアノ版で聴く良さをこれまであまり感じたことがなかったのだが、劇的な導入部を聴き、ピアノならではの表現があるものだなと感じ入ったのだった。もちろんサックスパートも素晴らしい。生き生きしたリズム!原博巳さんの技量をもってすればラッシャーの音域で吹くことも可能なのだろうが、あえてミュールの録音と同じに吹いた辺り、こだわりが感じられる。

ちなみに、録音と一緒にプログラム冊子も頂戴したのだが、その曲目解説も素敵だった。演奏者が書く曲目解説は、かくあるべきである。

2012/08/11

WSC参加者向け:アンケートご協力のお願い

WSC参加者の方へお願いがあります。コングレスの実行委員会より、参加者(演奏者・聴衆)向けのアンケートご協力お願いがありました。参加者にはメールが届いていると思われますが、聴衆として参加した方には連絡が行かないはずですので、こちらでお知らせする次第です。

回答は、長くても15分程度で完了します。もちろん私も回答しました。素敵なイベントを企画・運営してくださった実行委員会の方々の努力をねぎらう意味でも、ぜひ回答にご協力ください(と、私からもお願いします)。

http://www.wscxvi.com/feedback.php

なにとぞ、よろしくお願いします。

2012/08/10

RNCM Saxophone OrchestraのCD

WSC参加者全員に、プログラム冊子・名札等の各種グッズとともに無料配布されたCD。

RNCM…つまり、Royal Nothern College of Musicことイギリス王立北部音楽院のサクソフォン・オーケストラである。RNCMといったら、私が現代の吹奏楽界で愛してやまない吹奏楽団のひとつ…RNCM Wind Orchestra(コングレスの吹奏楽コンチェルトコンサートのバックバンドを務めていた)を擁する音楽院だが、まさかこんなサクソフォン・オーケストラをも抱えているとは知らなかった。

解説によると、Rob Buckland ロブ・バックバンド氏が1997年から、Andy Scott アンディ・スコット氏が2000年からRNCMのサクソフォン科講師となり、その後"RNCM Saxophone Day"というイベントを立ち上げたことによりRNCMのサクソフォン専攻生が増大し、サクソフォン・オーケストラを立ち上げることができたとのこと。このCDは、RNCM Saxophone Orchestraの初めてのレコーディングで、録音セッションは2012年の5月に実施されたということだ。

Adam Gorb - Burlesque
Gary Carpenter - Missa Beata Virgine
Andy Scott - Tjuonavagge
Andy Scott - Big Red
Julian Arguelles - Music from "Scapes"
Rob Buckland - Altostratus

なんと、すべてサクソフォン・オーケストラのために書かれたオリジナル作品である。アダム・ゴーブ氏やゲイリー・カーペンター氏という現代イギリス作曲界を代表する布陣が作品を寄せているほか、指導陣であるスコット、バックランド両氏も作品を書いている。

作品のスタイルは様々で、特にゲイリー・カーペンター氏の「Missa Beata Virgine」は、これはぜひ実演で聴いてみたいと思った。ミサ曲という名前がついているが、カーペンター氏の現代的な書法とサクソフォンという現代楽器による演奏によって、とてもおもしろい作品に仕上がっている。スコット、バックランド両氏の作品は、さすがにサクソフォンのかっこいい響きをよく解っているな、という感じ。Julian Arguelles氏の作品は、大胆にジャズ風なテナーサックスがフィーチャーされており、聴き応えがある。

演奏技術は非常に高い。丹念にリハーサルされ、技術的な部分をきちんとクリアしている。また、ソロ的な見せ場でもその高い技術が伺える。正直、オリジナル作品ばかりでここまできちんと聴かせられることに驚いた。なんだか、以前紹介したApollo Saxophone OrchestraのCDよりも、よほどこちらのほうがApolloっぽい音がする…という感想も変だなあ。録音が丁寧だ、ということも関係しているのかもしれない。

CDのどこをみても出版社の情報や型番が書いていない。もしかしたら、プロモーション目的の非商用自主制作盤かもしれない。興味ある方はRNCMに問い合わせていただきたい。

2012/08/09

Marcel Mule: His Life & the Saxophone英語版第二版

マルセル・ミュールにちょっと興味のある方なら必ず手にとったことがあるであろう書籍、ユージン・ルソー Eugene Rousseau著「Marcel Mule: His Life & the Saxophone(仏題:Sa vie et le saxophone)」。これまでフランス語版(Leducより販売)を入手することはできたが、英語版は入手困難だった。

この度、Jeanné, Inc.より第二版が出版され、入手しやすくなったので、お知らせしたい。WSC会場で見つけ、日下部さんにお願いして買ってきてもらい、ちょいちょい眺めては楽しんでいる。とにかく、フランス語版だと眺めるしかできなかった本の内容が(少々苦労するとはいえ)読みすすめられる、というだけでとてもうらしい。下記サイトより直接購入可能。もし英語版をお持ちでないかたは、ぜひ。

http://www.jeanne-inc.com/mm5/merchant.mvc?Screen=PROD&Store_Code=JI&Product_Code=TBS-008&Category_Code=NJ

肝心の内容については、時間がある時にじっくりレビューしたい。

WSCでの原博巳さんの演奏

一日あたり10本~20本程度のペースで、WSCの録画がアップされている。待ちわびていた、原博巳さんの演奏がようやくアップされた。

http://www.adolphesax.com/index.php?option=com_hwdvideoshare&task=viewvideo&Itemid=884&video_id=2232&lang=es

動画中には鈴木純明「スフルスティック」「スラップスティック」としか書かれていないが、実際にはアマブレ・マシス Amable Massis「6つの奇想的練習曲 Six Etudes Caprices」から3曲も併せて演奏された。荘厳なステンドグラスを背負いながら演奏する原博巳さん。「スフルスティック」の冒頭を聴いた瞬間に、浜離宮ホールでのリサイタルを思い出したのだった。

・Six Études Caprices – Amable Massis
 I: Prélude et legato
 III: Nocturne
 IV: Allegro

・Souffle-Stick, Slapstick – Jummei Suzuki

2012/08/07

フローラン・シュミット「弦楽四重奏曲」

フローラン・シュミット Florent Schmittといえば、サクソフォン界隈には「サクソフォン四重奏曲 op.102」と「伝説 op.66」が有名である。シュミットは室内楽作品として魅力的な作品をいくつも手がけており、「ピアノ五重奏曲」や「クラリネット六重奏曲」は、私も大好きな作品だ。特に「クラリネット六重奏曲」は、私が知るクラリネット・アンサンブルの全作品(そんなに多くないけど)の中で最高傑作と断言したいものである。

数年前のことだが、シュミットの作品目録を眺めていたところ「弦楽四重奏曲 Quatuor a cordes, op.112」なる作品を発見。へえっ、と思い、唯一存在するというQuatuor Champeilの1956年12月のモノーラル録音を探したのだが見つけられなかった。良く良く調べてみると、原盤はPathe DTX 232で、新星堂&EMIのタッグでただ一度復刻されたものの、その後入手困難になっているとのこと。CDは中古市場に全く出回らないし、原盤を中古で探すも高い(300ドルという値段がついているのを見かけたこともある)しで、ずっと手に入れられないでいた。こういう時は、経験上待つに限るのだ…ひたすらに、中古品、または新たな復刻盤を待ち続けて8年。

ついにゲット。復刻盤なのだが、Forgotten Recordsなるサイトから入手した。直接の購入リンクはこちら。盤起こし、かつCD-Rということだが、鑑賞には耐えうるまっとうな復刻。全体を通して少々解像感に乏しいのは、モノーラルのゆえか、ノイズ・リダクションをかけているためか?ラヴェル「弦楽四重奏曲」、シュミット「弦楽四重奏曲, op.112」所収。

演奏は上にも書いた通りQuatuor Champeilだが、下記のようなメンバー構成となっている。カルヴェ弦楽四重奏団の第2ヴァイオリン奏者だったジャン・シャンペイユが創設した弦楽四重奏団で、フランスのレパートリーを得意とした。

Jean Champeil, vn
Georges Balbon, vn
Maurice Husson, va
Manuel Recasens, vc

お目当てだったシュミットの「弦楽四重奏曲」は、非常に高密度かつ高難易度の音楽である。全曲通すと実に40分に及ぶという大曲だが(まるで交響曲だ…)シャンペイユ四重奏団の驚異的な集中力で一気に聴き通せてしまう。サクソフォン四重奏曲やクラリネット六重奏曲のように、コンパクトにまとまった楽しさとは無縁の世界で、聴き手を少々選ぶかもしれないが、傑作であることに間違いはない。シュミットの室内楽を勉強しているかたは、ぜひ。

第1楽章:Reve(12分)
第2楽章:Jeu(5分)
第3楽章:In Memoriam(11分)
第4楽章:Elan(11分)

2012/08/05

RICOグッズとレゼルヴリード

WSC会場のリコーブースでもらった品々。

RICOブースでCDを買っている時に目に入ったのだが、聞いてみると「持って行っていいよ」とのことだったので、もらってきてしまった。マグカップ、メモ帳、リップクリーム…じゃなくてコルクグリス、ペン。

何と言ってもお気に入りはマグカップである。常用のマグカップは、これまで6年ほど使っていたKitKatの五角形マグカップ(大学3年の頃にプレゼントでいただいたもの)だったのだが、これを機にこちらに乗り換えてみた。

一緒にRICOのリード(レゼルヴ)も、お試しに2枚ほどもらった。とてもニュートラルな雑味のない音が出て興味深いが、少し吹きどころを選ぶかなという印象。先々週末、屋外で吹き鳴らそうとしたところコントロールを誤ったという苦い思い出が…慣れれば違ってくるのかもしれないが。

2012/08/04

Tsukuba Saxophone Quartet@こもれびキッズハウス

本日は、保谷こもれびホールにてTsukuba Saxophone Quartetの本番。「こもれびキッズハウス」という、親子連れ対象のイベントの催しの一つとして30分のステージを踏んだ。バリトンサクソフォンのNの都合がつかなかったため、アンサンブルサクゴレンのharatchさんに代打を依頼することができた。練習1時間、リハ1時間で5曲という無茶ぶりだったが、素晴らしい対応で有難かった。

朝9:00にホール集合し、10:00までリハーサル、10:30開演。別のフロアで行われていた縁日に、ハメルンの笛吹のようにお客様を奪われ(苦笑)たが、幸いなことに音を出してるうちに少しずつお客様が戻ってきたのだった。セットリストは以下のとおり。

こぎつね
となりのトトロメドレー
楽器紹介
サンジュレ「四重奏曲第一番」第4楽章
宝島
世界に一つだけの花(アンコール)

9/29にこの保谷こもれびホールの小ホールにおいてアンサンブルサクゴレンさんとTsukuba Saxophone Quartetでジョイントコンサートを行うのだが、その宣伝もできた。

演奏後は練馬へ移動してお昼ごはんを食べ、大宮でTSQ練習。ジェローム・ノレの「トカデ」である。第1楽章と第4楽章について取り組んでいく予定だが、第4楽章が少々難儀だろうか。

2012/08/03

Apollo Saxophone Orchestra "Perpetual Motion"

WSC会場で購入したCD。Byre Theatreにて、まさにApollo Saxophone Orchestraの演奏を聴く直前に買った。

イギリスの新生サクソフォン・オーケストラ。Apolloと名が付くイギリスの団体といえば、まずはApollo Saxophone Quartetであろうが、まさにその通りでApollo SQのRob Buckland氏とAndy Scott氏が中心となって2011年に結成された団体なのだそうだ。イギリスには、古くはLondon Saxophonicという団体があったり、最近でもNational Saxophone Choir of Great BritainやRNCM Saxophone Orchestraといった団体が活動しているが、この団体はまたそれらとは違った方向を目指しているようだ。メンバーは下記の通り。

Rob Buckland, s/sn.sax (Artistic Director)
Meriel Price, s.sax
Sally Mactaggart, s.sax
Carl Raven, a.sax
Fional Asbury, a.sax
Ruth Bourn, a.sax
Andy Scott, t.sax (Artistic Director)
Christoph Enzel, t.sax
Neil Crossley, t.sax
Huw Wiggin, b.sax.
Michael Brogan, b.sax
Jim Fieldhouse, bs.sax

Buckland、Scott両氏と親交が深かったバーバラ・トンプソン Barbara Thompson氏に、2011年7月から作品を立て続けに委嘱、その中の10作品がこのCDに収録されている。WSCをひとつのマイルストーンとして活動を進めてきたであろうことが窺える。7月12日の夜、トンプソン氏臨席のもと大盛り上がりを見せたあのByre Theatreの空気感を思い出してしまった。

収録作品→Perpetual Motion, Dear bach, Celebration, Black, Red, Green, iTango, Adagio, Bulletproof, Dear Bach...Epitaph(すべてBarbara Thompsonの作品)

バーバラ・トンプソンは、1970年代~1980年代にかけてのジャズサクソフォン奏者としての活動が有名であるが、もともとイギリス王立音楽院で作曲を学んだ…すなわち、アカデミックな作曲技法を身につけている、というバックグラウンドがある。いくつかの作品など、完全にネオ・クラシカル風のスタイルで書かれており、紛れもない現代音楽としても聴けてしまう。もちろん、完璧にジャズ風の作品もいくつか収録されており、そちらも実に楽しい!

Apollo SOの演奏スタイルがラフであることや、録音が妙に大味だということもあって、まるでライヴ盤のような印象を残すが、バーバラ・トンプソンの作品にとてもマッチしているような気もする。録音で楽しいと思ったら、次はやはりライヴを聴かないと!CDを買えるところは見つけられなかったが、Amazon.co.jpでダウンロード販売しているようだ(→ASO - Perpetual Motion)。サクソフォン・オーケストラで活動している方はぜひ。

収録作品のなかで一番好きなのが、「Celebration」という作品。バリトンのバスオスティナートや、中間部でのソプラニーノ・サックスのファンキーなソロが印象的で、ライヴで聴いた時から気になっていた。展示ブースで楽譜を見つけて、速攻で購入。ブースにいたバーバラ・トンプソンにサインまで頂戴してしまった(わーい)。いつか演奏してみたいなあ。

2012/08/02

演奏会情報:井上ハルカさんのリサイタル

井上ハルカさんは、愛媛県八幡浜市出身のサクソフォン奏者。ESA音楽学院を卒業後、フランスのリヨン音楽院に入学し、ジャン=ドニ・ミシャ氏に師事。リヨン音楽院を特別賞を得て卒業後、2011年にパリ国立高等音楽院に入学し、現在クロード・ドゥラングル氏に師事している。5月には第1課程の試験を終え、トレ・ビアンを得て卒業、引き続き第2課程での勉強を続けるそうだ。

パリ国立高等音楽院については、直近でも、第2課程において伊藤あさぎさん、安井寛絵さんらが研鑽を積んでいたが、第1課程への日本人の在籍、実に2007年に卒業した白井奈緒美さん以来である。恥ずかしながら、私はパリ国立高等音楽院に合格した、との話を聴くまで井上ハルカさんの名前を知らなかったのだが、オーケストラ、室内楽、電子音楽、独奏と、実に精力的に活動しているようだ。

先日のコングレスでもお会いしていろいろお話することができた。(リハーサルではあるが)ドビュッシーの弦楽四重奏曲を見事に演奏していたのを思い出す。きちんとソロや室内楽を聴いてみたいものだが、未だその機会は訪れない。ディナンのコンクールの録画を聴いたことがあるくらいだな。

その井上ハルカさん、このバカンス・シーズンに一時帰国し(どうやらもう帰国しているようで、リサイタルに向けて着々と準備を進めているのだろう)、愛媛県と大阪府で、それぞれリサイタルを開催するそうだ。少々遠いためこちらから伺うのは難しそうだが、関西にお住まいの方にはぜひオススメする次第。

まずは愛媛県での公演。ご家族のサポートも受けながら(実は私も最初は井上さんのご家族から案内を頂戴した)地元での凱旋公演ということで、素晴らしいものになりそうだ。ちなみに、JacobTV作品では今村バレエ教室の中川彰乃さんが特別出演するとのこと。サクソフォンとダンスの共演というと、大石将紀さんあたりが国内における共演アイディアのパイオニア的存在だが、最近特に増えてきている気がする。しかも、「The Garden of Love」という選曲が良いですね!

【井上ハルカ サクソフォンリサイタル「パリからの便り」】
出演:井上ハルカ(sax)、久保智史(pf)
日時:2012年8月26日(日)18:30開演
会場:八幡浜市文化会館ゆめみかん・大ホール
料金:一般1000円、高校生以下500円
プログラム:
I.ストラヴィンスキー - イタリア組曲
E.デニゾフ - ソナタ
JacobTV - The Garden of Love(友情出演:今村バレエ教室)
C.フランク - ソナタ 他
主催:井上ハルカ サクソフォンリサイタル実行委員会
後援:八幡浜市教育委員会、八幡浜市文化協会、日土地区公民館
問い合わせ:
八幡浜市文化会館ゆめみかん→Tel: 0894-36-3040
井上ハルカ サクソフォンリサイタル実行委員会→E-mail: matuyoi@mc.pikara.ne.jp
チケット取り扱い:
ゆめみかん
保内日赤奉仕団
日土地区公民館
JA西宇和日土出張所
ローソンチケット Lコード:61376

こちらは大阪公演。チラシの高解像度データが手に入らないので、とりあえずテキストデータでご案内。主催者が異なるため、料金等違う点にご注意のほど。また、こちらはダンサーとの共演はない。

【井上ハルカ サクソフォンリサイタル「パリからの便り」】
出演:井上ハルカ(sax)、久保智史(pf)
日時:2012年8月28日(火)19:00開演
会場:ドルチェ・アーティスト・サロン大阪(最寄駅:阪急・阪神・地下鉄各梅田駅、JR大阪駅)
料金:一般3000円、学生2500円
プログラム:
I.ストラヴィンスキー - イタリア組曲
E.デニゾフ - ソナタ
JacobTV - The Garden of Love
C.フランク - ソナタ 他
主催:ESA音楽学院
協賛:株式会社 ドルチェ楽器
お問い合わせ:
0120-771-897(ESA音楽学院)
harukainoue123@gmail.com(井上)

いずれも、ご成功を心よりお祈り申し上げる次第。

2012/08/01

WSCプログラム冊子PDF版

WSC2012の、プログラム冊子のPDF版が公開された。Adolphesax.comのコングレスのページに飛んで、左側中程にあるリンクの、「Dossier WSC (PDF)」をクリックすることで参照することができる。結構なボリュームで、タイムテーブル、各団体の演奏曲目、各団体のプロフィール情報が含まれている。その3つの情報が一元管理されていなくて、この冊子片手にあちらこちらのコンサートを見て回るのは大変だったのだった(^^;

しかし、改めて参照してもこの参加者・演奏曲目の多彩さ!セント・アンドリューズという小さな町に世界中からこれだけのサクソフォン奏者が集結したのが、未だに信じられないほどだ。