2012/03/31

年度の〆

めったに集まらない大学の吹奏楽団同期での飲み会。三年ぶりか。

いやー、一次会も二次会も楽しかった!!ヽ(・∀・)ノ

Green Ray Saxophone Quartet 1st Concert

先日千葉大学サクソフォンプロジェクトでご一緒した猪俣明日美さんからご案内いただいたコンサート。昨年末あたりから仕事が繁忙期で、なかなか平日の演奏会の演奏会に伺えなかった。仕事は昨日ようやく一段落ついたため、余裕をもって伺うことができる…と思ったら、マッタリしすぎて一曲目に間に合わないという失態。。。うへえ。

団体名の「Green Ray」は、日本語ではグリーン・フラッシュ(太陽が地平線に沈みかけている時にオレンジ色の光が一瞬緑色に輝く現象)というが、どんな経緯でこの名前にしたのかは分からなかった。国立音楽大学の雲井雅人氏門下の学生で結成されたカルテットで、メンバーは、ソプラノ:猪俣明日美さん、アルト:内田しおりさん、テナー:川﨑有記さん、バリトン:池原亜紀さん。猪俣さん、川﨑さん、池原さんの3人は、つい先日4年の課程を終えて卒業されたばかりだそうな。

プログラム冊子がなくなってしまったとのことでもらえず、手元に曲目のリストがないため、1曲目に何をやったかはわからず。ただ、一曲ごとにMCで解説を入れていたため、会場入り以降についてはこのとおり。


Pierre Max Dubois - L'imprevu
Sergei Rachmaninov - Vocalise
Jean Francaix - Petit Quatuor
Michael Torke - July
George Gershwin - Porgy and Bess
Florent Schmitt - Quatuor
~アンコール~
山本哲也 - Green Ballad(新作)

最初に聴いたデュボワの秘曲「L'imprevu(ランプリュヴ)」から、びっくりしてしまった。細かい走句が楽器間で受け継がれていく高難易度の作品だが、かなり技術的に作り込んであった。以前猪俣さんに話を伺った時、「この四重奏団を続けていきたい」ということを仰っていたので、やはりプロフェッショナルの四重奏団としての相当の気概を持ってリハーサルを重ねたのだろうなということを感じた。もし「学生のカルテット」という先入観が聞き手のほうにあるとするなら、それはとてももったいないことだろうと思ってしまった。音楽作りについては、音色へのこだわりや、きめ細やかなバランスの調整、常にソプラノ主導の音楽にならずそれぞれの吹き手が音楽を引っ張っていくところなど、素敵なポイントが随所に見られた。

ラフマニノフの「ヴォカリーズ」の美しいメロディ(誰の編曲だったのだろう?)を経て、演奏されたフランセも面白かった。この曲、確か楽譜上ではfffやらpppや、妙に高低差が激しいダイナミクスが書いてあったはずで、団体によってはそのダイナミクスをかなり忠実に表現しようとする演奏もあるのだが、GRSQの演奏はサクソフォン巡航速度的ダイナミクスをベースに、音色の変化でもってエスプリを聴かせてしまうような演奏。新鮮な解釈に驚いた。

後半は、マイケル・トークの「June」…じゃなかった「July」から。自分も演奏したことのあるミニマル・ミュージック風の作品で、とにかく演奏者はツラいのだが、こちらも見事な演奏だった。ところでマイケル・トークは「July」の連作となる「May(5月)」「June(6月)」を2010年に発表しており、どんな作品かは判らないのだが、日本のどこかの団体が演奏してくれないかと心待ちにしているのだ。

ガーシュウィンの「ポーギーとベス」も、驚き。官能的な「サマータイム」から始まるメドレーで、ベンド入れまくり、音色変えまくりの吹っ切れた演奏だったが、全く不自然に聴こえず、ちゃんとしたポップスの1つの作品として聴けてしまったことが不思議だった。コンサート後に小田桐さんと飲んでいてその理由が判ったような気がしたのだが、シャクリ一つとっても全て放物線上にちゃんと乗っている自然な奏法だったせいかな…と。そして大曲シュミットは、まさに体当たりの演奏、終始圧巻であった。アンコールは、山本哲也さんの新曲「グリーン・バラッド」。美しい、アンコールにふさわしい小品。

終演後は、打ち上げ会場で小田桐さんと飲み。ついつい色々な話題が飛び出し、長居してしまった。メンバーの方とも少しお話できて良かった。

2012/03/29

「モリコーネ・パラダイス」に関する公式動画2点 on YouTube

Sony NEX購入を某氏に先越されてしまって、さてどうしようかと…(笑)まあNEX買うなら7でなく5Nかな、という感じではあるのだが。

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EMIから発売されている「モリコーネ・パラダイス」に関連した田中靖人氏の公式演奏動画をYouTubeで楽しむことができる。

E.モリコーネ/真島俊夫「モリコーネ・パラダイス」。紀尾井ホールでのCDリリース記念リサイタルの模様。田中さんの演奏は、実に才気あふれるものだ。


E.モリコーネ/D.ハール「風、叫び」。豪華なり、なんとポール・メイエとの共演。CDに収録されているのと同一テイクかどうかは、ちょっとわからない。

2012/03/28

BASQ "First Blue"

本日のサラヴァ東京は、仕事のため伺えず…(泣)。うーむ。

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昨年から何かと話題の"BASQ"ことブルーオーロラ・サクソフォン・カルテットのファーストアルバム、その名も「ファースト・ブルー」をレビュー。浜離宮朝日ホールで開かれたデビューリサイタルも聴きに行くことができ、またひとつ興味深いカルテットが出てきたなという印象を受けた。多彩なソロ活動を展開してきた平野氏を中心に、さらに実力伯仲の3人が加わったカルテット…面白くないはずがない。CDは、カルテットとの面白さをかなり忠実に記録しており、BASQの魅力の一端に触れることができると感じた。しかし、まさかオール・ロシアン・プログラムで攻めるとは…。

B.バルトーク - 6つのブルガリア・リズムのダンス
A.グラズノフ - 四重奏曲作品109
P.I.チャイコフスキー - 「四季」作品37より
A.ドヴォルザーク - ユーモレスク
N.リムスキー=コルサコフ - くまんばちの飛行

CDの冒頭から、BASQがサクソフォンが咆哮する。高速でうねる、強烈なグルーヴ感が耳を突く。平野氏の編曲によるバルトークは、最初曲名だけ聴いたときは「?」だったのだが、このアレンジ・この演奏で聴けば納得。原曲のピアノ版では絶対に聴けない、持続音を生かした演奏に感銘を受けた。グラズノフは、巷に名演奏が溢れるなかでさらにプラスを出すことは非常に難しいが、ずいぶんと魅力的な演奏を展開している。日本のサクソフォン四重奏っぽくないし、「ハバネラSQらしい」とも違うし、なかなか似た演奏を見つけられなかったあたり、やはりBASQがきちんと解釈して演奏をこなしているためなのだろう。

後半はクラシックの聴きやすい作品が並ぶ。それほど自己主張もせず、さりげなく演奏される「四季」の演奏(特に弱奏の楽章)が、実はCDのなかで最も好きな演奏かもしれない。アプローチによっては、激しい自己主張だけでも終わることのできるほどの実力を持つ団体だが、その中に置かれた「さりげなさ」こそに惹かれるのだ。ユーモレスクも同じ傾向かな。「くまんばちの飛行」は、まあご想像通りということで(笑)。Amazonでの購入リンクは、こちら(→BASQ「ファースト・ブルー」


デビューリサイタル、そしてファーストアルバムは、このとおり素晴らしいものとなった。今後、BASQがどのような方向性に進んでいくか、とても興味深い。

2012/03/27

Christian Lauba "New York Concerto (Rehearsal)" on YouTube

レンズ交換式カメラの購入を検討中。やっぱNEX-5NDかな…。

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クリスチャン・ロバの「New York Concerto」の演奏動画(抜粋)を見つけた。ロバ自身のアカウントからのアップロードで、リハーサルの動画である。ロバは、メルハウス管弦楽団の2007/2008年シーズンのコンポーザー・イン・レジデンスを務めていたが、その活動のなかで初演された作品だそうだ。ピアノ・サクソフォン・チェロによる、実質的なトリプル・コンチェルト。ここで演奏されているのは全体のごく一部と思われるが、独特の雰囲気を楽しむことができる。

2012/03/26

The SAX Vol.52

つい先日発売されたアルソ出版のThe SAX Vol.52で、サクソフォン四重奏に関する特集が組まれている。内容は、須川展也氏インタビュー(トルヴェールQについて)、平野公崇氏インタビュー(ブルーオーロラSQについて)、世界のサクソフォン四重奏の歴史、日本のサクソフォン四重奏の歴史、日本のサクソフォン四重奏団名鑑、付録楽譜「Time to Say Goodbye(浅利真編)」と、およそ20ページに及ぶ内容である。

今回、編集部のH様よりお話を頂いて、"世界のサクソフォン四重奏の歴史"パートの執筆を担当している。見開き2ページぶんの中に、歴史・名盤5選・名曲5曲の情報が詰め込まれている。そして、なななんと"日本のサクソフォン四重奏の歴史"は、Thunderさんの筆によるものである。打ち合わせの段階からご一緒させていただき、執筆中も恐れ多いなあと思いながら書いていたのだが、こうして出来上がって並べられるとその文体や構成、情報量については完敗である(苦笑)。もうちょっときちんとした文章を書けるようになりたいものだ。訓練々々。

"世界のサクソフォン四重奏の歴史"については、およそ3000字ということで、ミュールQ、ラッシャーQ、デファイエQ、アドルフ・サックスQ、ハバネラQに関する情報と、その他の四重奏団の情報のバランスを取るのに苦労したが、必須となる情報に関してはそれなりに盛り込めたのではないかと思っている。

名盤5枚・名曲5曲については、常々こういう企画がないかなあと思っていたところ、まさに渡りに舟であった。kuri、Thunderさんがそれぞれ何を選んだのかは、ぜひお買い上げの上、確かめていただきたい。「最高傑作」として同じ曲を選んだのは、やはり必然だよなあ。

Amazonでの購入リンクは、こちら→THE SAX vol.52(2012年05月号)

サクゴレンさんとキックオフミーティング

昨日夕方は、9/29に保谷こもれびホールにて開催を予定している、アンサンブル・サクゴレンさんとTsukuba Saxophone Quartetのジョイントコンサートに関する打ち合わせ。サクゴレンのバリトン奏者、Hさんのお宅でたこ焼きパーティだった。てへぺろ たこ焼きパーティだなんて、学生時代以来で楽しかった!ありがとうございました。

大まかな方針決めと練習日程の確保を行い、騒いでいたら、あっという間に5時間以上も経ってしまったのだった。詳細は後日。

2012/03/25

蘇我コミュ本番

昨日は、tfmさんのお誘いで集まったメンバーで、カルテットの本番@千葉県・蘇我コミュニティセンター。ソプラノO氏、アルトtfm氏、テナーkuri、バリトンゆうぽんさんというメンバーだった。朝の9時に集合して、何回かの練習ののち、15時半からの本番を迎えた。

ジャンジャンの第1楽章
G線上のアリア
シング・シング・シング
ルパン三世のテーマ
宝島

お客様は、ロビーにいらっしゃった30人弱の皆さま。ご年配の方が多かったかな?サクソフォン四重奏というジャンルの音楽を、おそらくあまり聴いたことがないようなお客様の前での演奏だったが、シング・シング・シングや、ルパン三世のテーマなど、ジャズ風の作品の演奏がウケて、とても手応えのある&楽しく演奏できた本番になったのだった。

今回は演歌や民謡のような作品は入れなかったのだが、思った以上にスタンダード・ジャズって知られているんだなあという驚きがあった。TsukubaSQでプログラムを組むときの参考にもなりそうだなと思った。

終わったあとは、西船橋「浜寅」にて打ち上げ。リーズナブルながら美味しいお店で、魚や鍋物を心ゆくまで楽しむことができた。tfmさん、取りまとめありがとうございました。

2012/03/23

Pierre Jalbert "The Invention of the Saxophone"

ナレーションとサクソフォンとピアノのためのPierre Jalbert作曲「The Invention of the Saxophone」という作品を知った。サクソフォンが発明されたまさにその瞬間を題材にした、小オペラというか、モノローグというか、そんな作品である。サクソフォンとナレーターが絡む作品は、よくよく数えてみると意外と多くて、有名所ではヒンデミットの「ソナタ」、ウォーレン・バーカー「オズの魔法使い」といったところがすぐ思い浮かぶ。

写実的というよりも、幻想的な内容で、全編を通して神秘的な雰囲気が漂う。冒頭の部分は、こんなナレーションから始まっている。
It was Adolphe Sax, remember,
not Saxo Grammaticus, who gets the ovation.
And by the time he had brought all the components
together — the serpentine shape, the single reed,
the fit of the fingers,
the upward tilt of the golden bell—
it was already 1842, and one gets the feeling
it was also very late at night.
静かで穏やかな部分から、徐々に濃密に、激しく変化していくさまが、聴き手をその世界に引きこむ。ナレーションの内容は、あくまでも音楽を補助する役割に徹しており、12分間の大きな音楽の流れのなかで「ここぞ!」という部分に出現する。

「The Billy Collins Suite(Cedille cdr90000-115)」に、Steve Robinson (ナレーター)、Susan Cook (サクソフォン)、Yoko Yamada-Selvaggio (ピアノ)という布陣での演奏が収録されている。各奏者の実力はさすがにこの短い曲一曲では推し量りかねるが、とても雰囲気の良い演奏であることは間違いない。他の収録曲も魅力的。

2012/03/22

演奏会ご案内:Saxophone Quartet 桜

サクソフォンの田中麻樹子さんより演奏会のご案内をいただいた。田中さんが所属されているSaxophone Quartet 桜のファースト・リサイタルが、今週末に予定されている。ウェブページブログからプロフィル写真を見ると、女性が4人(平均身長150cmだそうな)で華やかなイメージを受けるが、経歴やレパートリーは重量級!そういえば、大阪国際室内楽コンクールに参加していたことでも話題となった。未だ実際の演奏を聴く機会がないが、気になっている四重奏団である。

メンバーは、下記の通り。昭和音楽大学、東京藝術大学の卒業生で構成されている。

高梨 寛子, soprano saxophone
石橋 梓, alto saxophone
田中 麻樹子, tenor saxophone
桑野 恵子, baritone saxophone

リサイタルでは、かなりガッツリとしたプログラムを取り上げるようだが、特に各所で演奏しているという野平一郎の四重奏曲に注目したい。このリサイタルのために書かれた福田洋介氏の「日本のうた」についても気になっている。私はこの日、千葉で自分自身の本番があり、伺うことができないが、興味がある方はぜひ。

【Saxophone Quartet 桜 リサイタル】
出演:Saxophone Quartet 桜
日時:2012年3月24日(土)開場13:30 開演14:00
会場:JTホール アフィニス
料金:全席自由3500円
プログラム:
・P.M.デュボワ - サクソフォーン四重奏曲
・野平一郎 - サクソフォーン四重奏曲
・A.デザンクロ - サクソフォーン四重奏曲
・A.グラズノフ - 5つのノヴェレッテ
・福田洋介 - 日本のうた~唱歌メドレー

2012/03/21

今日は…

バッハの誕生日であり(1685年)、サクソフォンの特許が取得された日であり(1846年)、グラズノフの命日であり(1936年)。で、自分の誕生日でもある。毎年書いている気がするが:バッハとちょうど300年違いなのが密かな自慢。

ということで27歳となった。Facebookのウォールや、メールなどでたくさんの誕生日メッセージを頂戴し、嬉しい限りである。

今日の仕事後は、会社の同僚と飲み会があったり、TOYSPARKを聴きたかったりしたのだが、インフルエンザ保持の可能性がある中、終業間際に平熱から1度ほど上がっていたため、大事をとって予定をキャンセルした。今は平熱に落ち着いており、どうやら大丈夫そう。まだまだ油断はできないが…。

2012/03/20

演奏会情報:トイスパーク@東京!

サクソフォン奏者の角口圭都さんから、明日行われるライヴのご案内をいただいた。トイスパーク…東京藝術大学で同期の、サクソフォン:角口圭都さん、マリンバ&パーカッション:久米彩音さん、ピアノ&作曲:松岡美弥子さんによるトリオ・ユニットで、オリジナル作品・アレンジ作品をレパートリーとしているとのこと。角口さんと松岡さん(よくサクソフォンの新曲の作曲家として名前を拝見する)が同期だったということに、なんとなく驚き。

先日、大阪難波のR-BOXYでライヴを終えたとのこと、また今回も渋谷のライヴハウスでの演奏ということで、コンサートホールのための団体というよりは、ライヴハウスで生の音を間近で浴びて楽しむような…そんな方向性を持つユニットだろうか。聴いたことがないので、なんとも言えないが(苦笑)。ただ、各フィールドで活躍されているお三方のこと、きっと素敵な演奏が繰り広げられるに違いない!

ちなみに、この編成というと、反射的にRob Bucklandが結成しているサクソフォン・パーカッション・ピアノのトリオ"Equivox Trio"を思い浮かべてしまった。すかさずファーストアルバム「the time is now(→ブログでのレビュー記事)」を聴き返してしまったが、なるほど、面白い響きだ。オリジナル作品もやる…とのことだが、Jason Rebelloの「Integration」取り上げるのかなー(さすがにやらないかあ)。

ちなみに明日は飲み会の予定があるのだが、スタートが20:00ということなら…もしかして行けるかも?諸々の事情によりインフル潜伏期の可能性があるので、体調とも相談しなければ。

【Toyspark 東京debut live】
日時:3月21日(水)open19:00 start20:00 
会場::SARAVAH東京(渋谷駅より徒歩約5分 渋谷クロスロードビルB1階)
ミュージックチャージ:2500円(1ドリンク付き)

(以下、角口さんより)
私が参加していますユニット「toyspark」の東京デビューライヴです。
芸大の同期で結成した、サックス(角口圭都)・マリンバ&パーカッション(久米彩音)・ピアノ&作曲(松岡美弥子)という珍しい編成で、クラシックやポップス、民族音楽やオリジナル作品などを演奏しています。
また今回はomu-toneという木琴集団をゲストに迎えております。
トイスパークについてはこちらをご覧ください!http://toyspark.jugem.jp/

ドゥラングル教授のパリ音楽院教授就任までの経緯

といっても、大した情報はない。1988年来日時の武藤賢一郎氏とのインタビューからも情報を抜き出し、備忘録として掲載しておく。

1957年、リヨン生まれ。1966年にリヨン音楽院に入学し、セルジュ・ビション氏に師事。1973年に、同音楽院を金メダルを得て卒業。1975年、パリ国立高等音楽院に入学し、ダニエル・デファイエ氏に師事。1977年に一等賞を得て卒業。同期には、ジャン=イヴ・フルモー、リタ・クヌーセル、武藤賢一郎らがいる。1978年、ギャップ国際サクソフォンコンクールにて1位なしの2位(最高位)に入賞。アングレム音楽院(現在の教授はMax Jezouin)、ブローニュ・シュール・メール音楽院(現在の教授はAlain Peirera)の教授職を歴任。1988年4月に、ダニエル・デファイエ退任に伴うパリ国立高等音楽院サクソフォン科教授の公募があり、ドゥラングル氏を含む10名弱が応募した。まず書類選考でクロード・ドゥラングル氏、ジャン=イヴ・フルモー氏、ジャン=マリー・ロンデックス氏が選ばれ、面接を経てクロード・ドゥラングル氏が内定した。ドゥラングル氏は、就任前から、現代音楽や室内楽を推進していきたい、という考えを明らかにしている。1988年10月、パリ国立高等音楽院のサクソフォン科教授に就任。

モリコーネ・パラダイスを楽しむために

モリコーネの音楽の素晴らしいところは、もともと映画音楽として作曲されたのにも関わらず、音楽だけでひとつの素晴らしい作品となってしまうところである。ふと、シューマンが作る作品と似ているなあと、そんな適当なことを思ったりするのだが(シューマンの書いた曲の中には、独奏+ピアノ作品で、ピアノパートだけでひとつの作品になってしまうようなものが多い)、やはり映像とリンクしてこそ…ではないだろうか。映像がダメダメだとなんとも複雑な気分になるのだが、ここでは、音楽に映像が付随していると考え、あくまでもモリコーネの音楽を楽しむためのガイドをいくつかご紹介したい。

ミッション:宣教師ガブリエルが、南米の原住民にキリスト教を布教する目的で、オーボエを吹くシーン(ガブリエルズ・オーボエ)。ファーストコンタクト、緊張感溢れる場面でこのような形でこのメロディが使われているとは、知らない人も多いのではないだろうか。


続・夕陽のガンマン:トゥーコが金貨の在り処を求めて走りまわるシーン(黄金のエクスタシー)。原曲はやや速いテンポで演奏されており、スピード感と雄大さが同居し、さらに映像効果も相まってオリジナリティ溢れる世界観を演出している。http://www.youtube.com/watch?v=ubVc2MQwMkg

エクソシスト2:この、予告編を観るだけでダメ映画な雰囲気を醸し出しているところが良いですね!笑。イナゴの大群も映像に出てきます。うーん、しかしこのロック調の部分は、実にかっこ良いことだ。


田中靖人「モリコーネ・パラダイス」のCDレビューは、こちらから。

Calefaxのゴルトベルク

Radio4というオランダの放送局のサイトで、Calefax Reed Quintet演奏のバッハ「ゴルトベルク変奏曲」を全曲通して聴くことができる。どうやらCD録音のようなのだが、どのような扱いなのだろうか。期間限定?いずれにせよ、聴けるうちに聴きましょう。

http://www.radio4.nl/plaatpaal-player/229/bach-goldberg-variaties-calefax-reed-quintet.html

その洗練された演奏も魅力的だが、ここではリード楽器のために書き下ろされたアレンジに注目だろう。変奏を重ねるごとの、新鮮な響きに感銘を受けた。

2012/03/18

第9回日本サクソフォーン協会アンサンブル・コンクール

Tsukuba Saxophone Quartetで本選出場してきた。

朝から馬込に集合し、事前チェック。溝の口に移動して(1回乗り換え35分という近さ!)お昼ごはんを食べたらあっという間に本番!準備→リハ→本番と、やや時間的余裕が無い中であったが、なんとかそれなりの集中力で本選審査の演奏をこなすことができた。上野耕路「サクソフォーン四重奏曲」から第2楽章を演奏…異常なほどに難しい曲で、完全な消化には至らないままであったが、なんとか通しきる事ができ、まずは良かった。アンサンブル・シティという会場だったが、抑制された響きで(客席にどう聴こえていたかはわからないが)アンサンブルはそこそこやりやすかったような。

演奏審査のあとは、本選の続きを聴きたい気持ちを抑えて、TsukubaSQメンバー全員で今年の活動機会・演奏曲目などについてすり合わせを行った。時間もかかったが、動き出せる程度にはいろいろと決まった。

審査結果発表。一般の部8団体中2団体が金賞で、IBC SAXOPHONE ENSEMBLEさんが金賞・グランプリ、TsukubaSQは次点で金賞!いやー、うれしいな!「金賞」という響きも、いつ以来だっただろうか。これを上手く弾みにして、さらに精進していきたい。
結果:http://homepage2.nifty.com/hiromitsu/NewFiles/9ec-fainal.html

演奏終了後にIBCさんと一緒に撮ってもらいました!

2012/03/17

今日は練習、明日はコンクール

今日は大宮のプラザノースで、午後いっぱい練習。上野耕路「サクソフォン四重奏曲」から第2楽章。未だ不安な箇所(とんでもない鬼門があるのだ…)を中心に、3時間ほどかけて全体を見なおした。明日は午前に最終確認を行い、昼ごろに会場入りする予定。一般団体は8団体。はたしてどんな演奏となるか。

ちなみに、演奏時間は13:45くらいから。強豪IBC Saxophone Ensembleさんの直前演奏である。IBCさんはディヴィッド・マスランカの「レシテーション・ブック」ということで…いやはや(^^;

田中靖人「モリコーネ・パラダイス」

田中靖人氏のニューアルバム。このアルバムの制作が進行しているとき、「モリコーネをテーマとしたアルバムを…」という情報からは、このアルバムに対しまったく興味がわかなかったのだが、ジョン・ハール John Harle氏がプロデュースを行なっている、と聞いて180度考えが変わった。購入後の感想も、「田中靖人氏のアルバムではなく、ジョン・ハールのアルバムである」と躊躇なく言い切ってしまえるほどのものである。

真島俊夫氏アレンジのモリコーネメドレー(もちろんこのアルバムにも収録されている)の名を冠した「Morricone Paradiso(EMI Music Japan TOCE-90218)」。映画音楽の大家として名を馳せる、エンニオ・モリコーネ(1928 - )の多才さを、田中靖人氏が見事に奏でるサクソフォンで楽しむことができるアルバムである…と、おそらく普通のモリコーネアルバムだったらここでレビューが終わってしまうのだが、このアルバムは違う。はっきり言って、近年の日本のサクソフォンで出版されたアルバムの中でも、随一の完成度を誇るものである。そして、そのほとんどの要素が、ハール氏が手がけるアレンジや音作りと、田中靖人氏の演奏の相乗効果から来るものだ、ということが判る。

1.ラ・カリファ:映画『ラ・カリファ』より(編曲:千住明)
2-4.セルジオ・レオーネ組曲(編曲:山下康介)コックアイズ・ソング~夕陽のギャングたち~ウエスタン
5.モリコーネ・パラダイス(編曲:真島俊夫)
6.巨匠とマルガリータ:映画『巨匠とマルガリータ』より(編曲:朝川朋之)
7.キ・マイ(私だけが):映画『マッダレーナ』より(編曲:イアン・ガーディナー)
8.マット、カルド、ソルディ、モルト・・・ジロトンド:映画『Vergogna schifosi』より(編曲:ジョン・ハール)
9.ストリップティーズ:映画『明日よさらば』より(編曲:ジョン・ハール)
10.風、叫び:映画『プロフェショナル』より(編曲:ダニエル・ハール)
11.海の上のピアニスト(メドレー)(編曲:小林洋平)
12.ガブリエルのオーボエ:映画『ミッション』より(編曲:長生淳)
13.黄金のエクスタシー:映画『続・夕陽のガンマン』より (編曲:ジョン・ハール)
14.エクソシスト2(メドレー)(編曲:小林洋平)
15.ガブリエルのオーボエ:映画『ミッション』より(編曲:ジョン・ハール)

まず、曲目を並べるだけでその異常さに気付くことだろう。編曲の提供元が、あまりに豪華すぎるのだ。しかも、ほとんどがこの録音のための書き下ろしと思われる。プロデュースのジョン・ハール自身の編曲に加え、千住明、小林洋平、朝川朋之、山下康介、真島俊夫、長生淳 etc.という布陣。ちなみにダニエル・ハールはジョン・ハールの息子だそうで(へえ)。

そして、演奏者もとんでもないことになっている。田中靖人氏以外に、ジョン・ハール自身のソプラノ・サクソフォン、篠崎正嗣ストリングスに、なんとポール・メイエや、サラ・レオナードなどが加わり、制作費をペイできるのかという余計な心配をしてしまうくらいだ(苦笑)。実際、リリース記念コンサートの時ジョン・ハールが来日できなかったのは、CDで金を使いすぎて予算が足りなくなったせいではないか、という噂があるくらいで…笑。弦楽パートのコントロールはかなり緻密かつクオリティが高いものだが、さすがスタジオ・ミュージシャンを集結させただけあるというものだ。ハールのサックス、サラ・レオナードのソプラノ・ヴォイスや、メイエのクラリネットなど、いずれも強烈である。

1曲目の「ラ・カリファ」を聴いていると、まあ、田中靖人氏とストリングスの癒し系フィルム・ミュージックだよね、という感想に落ち着くのだが、この印象がわずか2曲目で崩れる。この音作り、まさに完全にジョン・ハールの支配下に置かれているという印象を、聴き手のほとんどが受けることだろう。この傾向は、アルバムの大半の部分を占めており、聴後感としても、やはりハールの音作りが耳につくのである。

サクソフォンんの音数としては、一般的なサクソフォン・アルバムと比べればかなり少ないのかもしれないが、全体のコンセプトが明確かつ高密度なおかげで、高い満足感を得ることができる。最終部のトラックの配置も良い!多重録音のサクソフォン五重奏による「海の上のピアニスト」でごきげんな演奏を楽しみ、「ガブリエルズ・オーボエ」でモリコーネのメロディ・メーカーとしての才能に唸る。そして、超名曲「黄金のエクスタシー」にむせび泣き、「エクソシスト2」のスーパー・ハイテンション&クール&カッコイイ演奏にしびれるのだ。最後は、ハール編の「ガブリエルズ・オーボエ」でしっとりと。ここの流れは、ちょっと他のアルバムでは聴けないことだろう。

サクソフォンを吹いている、すべての皆様にオススメする。Amazonへのリンクは、こちら→モリコーネ・パラダイス

2012/03/15

演奏会ご案内:デュオ・ベティーズ

先日、仙川アヴェニューホールでリサイタルを開いたばかりの塙美里さんだが、今度は水戸芸術館ATMにて演奏会を行う旨、ご案内があった。3年前が懐かしいな。やはり同じ会場でのリサイタルで、曲目解説を提供したこともあってご招待いただいていたのだが、卒業旅行後@ハワイに続いて成田空港から水戸へ行こうとしたところ、飛行機が大幅遅延してアンコールしか聴けなかったのだった。

今回、せっかくご案内いただいたのだが、私は日本サクソフォーン協会のアンサンブル・コンクール本選のため、聴きに行くことができない。ご興味ある方は、いかがだろうか?水戸とはいえ常磐線の特急ひたち号を使えば、上野から1時間ちょっとでアクセスできる。

【Misato Hanawa Saxophone Recital Musique de Chambre ~Duo Betises~】
出演:塙美里、大西智氏(以上sax)、木米真理恵(pf)
日時:2012年3月18日(日曜)14:00開演
会場:水戸芸術館コンサートホールATM
料金:全席自由2000円
プログラム:
P.ヒンデミット - ソナタ
M.グリンカ - 悲愴的三重奏曲
F.プーランク - トリオ 他

物書き進行中…

またPipersに書かせてもらうこととなり、原稿の修正を行なっている。数年前にサクソフォーン協会誌に書いたグラズノフ「協奏曲」の成立に関する原稿を縮め、さらにいくつかの話題について加筆を実施。週末までに仕上げる予定。

2012/03/13

千葉大サックス…

そもそも、tfmさんと知り合ってからまだ一年も経っていない。最初はTsukuba Saxophone Quartetのコンサートに来てくださって、そこで話しかけてもらったのがきっかけであった。実はその次サクソフォン発表会お会いした時、すっかり忘れてしまっていたのだが(実は一度話しかけられたあと忘れてしまうのは良くあることで…)、その後も様々なイベントでご一緒する機会を持つことができた。ちなみに、やはり一番印象深かったのは、オケバックのイベールだ。

そんな中、3/11にサックスオケ演奏会を開くことを伺い、TsukubaSQとして参加することの了承を得た。当初は、あまり趣旨やメンバー構成をわかっていなかったのだが、期日が近づくにつれ、震災復興支援のコンサートであること、個性的な(笑)メンバーが集まっていることなどが判り、演奏会が待ち遠しくなったものだ。特にメンバーに関しては、プロフェッショナルから音大生、一般大学生、社会人まで、ある意味超強力な奏者が集結し、練習のたびにとても勉強になったのだった。

tfmさんは、今回の演奏会の主宰として、企画・運営面や演奏面で様々な面からご苦労があったことと推察される。なかなか協力もできず大変申し訳ない気持ちではあったが、こういった"場"を作りきることができるのは、やはり信念と行動力なのかなあと、そんなことを思ったのだった。我々も負けていられないですな。

2012/03/12

千葉大サックス終演

充実した一日となった。アパートを6:50に出発し、田中靖人さんの「モリコーネ・パラダイス」を聴いてテンションを上げながら電車で会場へ向かう。晴れてはいたが、朝の空気はとても寒かった。本千葉で電車を降り、少し歩いた先に千葉県文化会館がある。りっぱな高台の上にあるのだが、千葉城の城壁を利用しているのかなあ?

午前中から2時間半、みっちりとリハーサルを継続。途中の昼休憩では"濃厚鶏らーめん武者道"にてラーメンと明太子ご飯をかっこむ。ラージの練習が終わった時点で、もう口がダメになってしまったが(普段吹いていないのがバレバレ…)、さらにジャンジャン、TsukubaSQで上野耕路「四重奏曲」のリハーサルを行った。

16:00に開演、千葉県文化会館の立地を考えると、そこそこのお客さんの入り。まずはジャンジャン、上野耕路「四重奏曲」。なんといずれの作品でも大事故が発生してしまい(止まらなかったものの)演奏中に冷や汗をかいた…。両方とも、リヴェンジの機会があるので、それに向けて軌道修正をかけていかなければいけない。後半のラージアンサンブルステージは、個性的&一筋縄ではいかないメンバー総勢30名による響き。サクソフォニーでも、他のアンサンブルでも、ちょっと聴いたことのないような音が会場を満たした。客席にはどう聴こえていたのだろうか。興味あるところだ。

終演後は千葉駅にて打ち上げ。3時間にわたるとても楽しい飲み会だった。じぶんも大層騒いだが、そんな体力があったことに驚き。その後は千葉駅から総武線快速で東京へ。かどぐちさん、ソプラノNとともに幸楽苑でラーメン終止とし、その後は京浜東北線でぎりぎり蒲田まで移動。蒲田からは、人生初?一人でタクシーを利用し、1340円で自宅まで帰着。就寝は1:50am。長かったが、楽しい一日だった。

今回の記事は日記ということで。イベントについて思うところ…については、また時間があればそのうち書きたい。

2012/03/10

今日は練習!明日は本番!

明日です、千葉サックス。詳細についてはこちらの記事もご覧下さい。

【震災復興支援サクソフォンチャリティコンサート】
[主催]千葉大学SaxophoneProject
[後援]千葉大学ボランティア活動支援センター、日本サクソフォーン協会
[日時]2012年3月11日 15時30分開場 16時開演
[会場]千葉県文化会館小ホール(本千葉駅より徒歩10分)
[プログラム]
組曲「人と光」より終楽章/山本純ノ介:サクソフォンアンサンブル版初演)
ASongForJAPAN/S.Verhelst
DiscoKid/東海林修(柏原卓之編)
サウンドオブミュージック/R.ロジャース(柏原卓之編)
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今日は朝から晩まで練習。

午前中は住吉のティアラこうとうでTsukubaSQ(明日&コンクールで演奏する上野耕路「サクソフォン四重奏曲」)、その後都営新宿線を使って本八幡に移動し、明日本番となる千葉大学サクソフォンプロジェクトのリハーサル、夜間は明日のトップで演奏するジャンジャン「四重奏曲」練習と、3/24に蘇我コミュニティセンターで行う四重奏の練習であった。

練習が多いと体力的には疲れるが、内容が濃ければ精神的にはリフレッシュする。まる一日でも不思議と疲れた気分にならないのは、そんな理由からだろう。上野耕路「四重奏曲」もなんとか光が見えてきたし、千葉大学サクソフォンプロジェクトは、本日ほぼフルメンバーでの練習となった。短期間だったにもかかわらず、充実の仕上がり(たぶん)。明日のジャンジャン「四重奏」メンバーは、小倉くん、tfmさん、kuri、本堂誠さんというメンバーで、さすが本堂さんの指摘事項はいろいろと勉強になる。バリトンにゆうぽんさんが参加しての蘇我コミュ用カルテットは、様々な曲を新鮮なメンバーで演奏するのが楽しかった。

さて、千葉サックス、ついに明日となった。ぜひお越しください。幸いにも、青空を仰ぐことのできる天気となりそうだ。

演奏曲目がけっこう多いな…前半ステージのジャンジャン&上野耕路から、ラージメイン曲の「人と光」まで、本番中は体力的にもハードとなりそう。

2012/03/09

いよいよ週末

今週末です、千葉サックス。詳細についてはこちらの記事もご覧下さい。

【震災復興支援サクソフォンチャリティコンサート】
[主催]千葉大学SaxophoneProject
[後援]千葉大学ボランティア活動支援センター、日本サクソフォーン協会
[日時]2012年3月11日 15時30分開場 16時開演
[会場]千葉県文化会館小ホール(本千葉駅より徒歩10分)
[プログラム]
組曲「人と光」より終楽章/山本純ノ介:サクソフォンアンサンブル版初演)
ASongForJAPAN/S.Verhelst
DiscoKid/東海林修(柏原卓之編)
サウンドオブミュージック/R.ロジャース(柏原卓之編)
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この週末は、とても充実したものになりそう。会社の飲み会でたくさん飲んでしまったので、今日はこのくらいで…。

2012/03/08

柏原卓之さんのアレンジ譜について

今週末です、千葉サックス。詳細についてはこちらの記事もご覧下さい。

【震災復興支援サクソフォンチャリティコンサート】
[主催]千葉大学SaxophoneProject
[後援]千葉大学ボランティア活動支援センター、日本サクソフォーン協会
[日時]2012年3月11日 15時30分開場 16時開演
[会場]千葉県文化会館小ホール(本千葉駅より徒歩10分)
[プログラム]
組曲「人と光」より終楽章/山本純ノ介:サクソフォンアンサンブル版初演)
ASongForJAPAN/S.Verhelst
DiscoKid/東海林修(柏原卓之編)
サウンドオブミュージック/R.ロジャース(柏原卓之編)
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千葉大学SaxophoneProjectでも二曲取り上げられる、柏原卓之氏編曲のラージアンサンブル譜について、簡単に書いておきたい。

サクソフォン・オーケストラ用の楽譜というと、古くは圓田勇一氏の手によるアレンジや、最近では金井宏光氏のアレンジなどが思い浮かぶが、近年急速に拡がっているのが柏原氏編曲の楽譜である。柏原氏が主催するサクソフォン・オーケストラ「サクソフォニー」を始め、音楽大学、アマチュアのサクソフォンアンサンブルなど、取り上げる団体は多い。いくつかのアレンジ作品は海外でも出版されていると聞くが、海外でも柏原氏のアレンジは演奏されているのだろうか?興味あるところだ。

そのラインナップが魅力的である。ごくごく基本的なホルストの「第一組曲」あたりから、普通は思いついてもアレンジには行き着かないであろうリード「アルメニアンダンス・パート1」あたりまで、特に吹奏楽畑出身の奏者にとっては、「演奏したい!」と心揺さぶられる曲が多いのではないかな。また、サクソフォン・オーケストラによる、サクソフォンのための有名な協奏曲も興味深い。Tsukuba Saxophone Quartetが公式初演したグラズノフ「協奏曲」はすでにその魅力についてよく知っているし、サクソフォニー関東で取り上げたミヨー「スカラムーシュ」、フォーレ「エレジー」(これはアレンジ作品だが)、そのほかイベール「コンチェルティーノ・ダ・カメラ」、トマジ「バラード」、ヴィラ=ロボス「ファンタジア」など、現在も次々と新作が生まれているそうだ。

ご本人にアレンジについて話を伺うと「ただのパズルゲームなんだよ」という答えが返ってくるのだが、その充実した響きには、とうていそんな単純作業だとは思えないほどのものがある。今回取り上げるのは、東海林修「ディスコ・キッド」と、リチャード・ロジャースの「ザ・サウンド・オブ・ミュージック」。この演奏布陣&柏原さんの編曲から、どのような響きが生まれるのか、とても楽しみである。

2012/03/07

演奏会情報:由井平太さんのデュオリサイタル

今週末です、千葉サックス。詳細についてはこちらの記事もご覧下さい。

【震災復興支援サクソフォンチャリティコンサート】
[主催]千葉大学SaxophoneProject
[後援]千葉大学ボランティア活動支援センター、日本サクソフォーン協会
[日時]2012年3月11日 15時30分開場 16時開演
[会場]千葉県文化会館小ホール(本千葉駅より徒歩10分)
[プログラム]
組曲「人と光」より終楽章/山本純ノ介 ほか
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由井平太さんから演奏会のご案内を頂戴した。同郷出身ということで、なんとなく親近感があるプレイヤーだが、実はまだきちんと演奏を聴いたことがないのである。演奏会の案内をいただくと、私なんかはまずプログラムに目が行ってしまうのだが、近年におけるデュオ・レパートリーのトレンドを完璧に網羅する内容で、なるほど、と感心した。(聞いたこともないような作品をひとつ入れてくれるともっと嬉しかったりして…)

【~若手サクソフォニスト2人による~サクソフォン・デュオの夕べ】
2012年3月22日(木)
開場18:30 開演19:00
海老名市文化会館小ホール
チケット:前売り800円 当日1000円(全席自由)
出演:高橋俊伎、由井平太(sax)、遠藤圭子(piano)
プログラム:
コンチェルト・シュトゥック/P.ヒンデミット
デュオ・コンチェルタンテ/J.B.サンジュレー
コンチェルト・シュトゥック 第2番/F.メンデルスゾーン
オリエンタル/加藤 昌則
トリオ・コンチェルティーノ(委嘱初演)/吉田 和弘
パル・サックス/F.フェラン
パガニーニ・ロスト/長生 淳

2012/03/06

山本純ノ介「人と光」について…

今週末です、千葉サックス。詳細についてはこちらの記事もご覧下さい。

【震災復興支援サクソフォンチャリティコンサート】
[主催]千葉大学SaxophoneProject
[後援]千葉大学ボランティア活動支援センター、日本サクソフォーン協会
[日時]2012年3月11日 15時30分開場 16時開演
[会場]千葉県文化会館小ホール(本千葉駅より徒歩10分)
[プログラム]
組曲「人と光」より終楽章/山本純ノ介 ほか
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というわけで、週末のこの演奏会でメインとして演奏される山本純ノ介「人と光」について簡単に書いておきたい。

もともとは、熊本県玉名市を本拠地として活動する玉名市民合唱団の60周年を記念して委嘱された合唱のための作品である。櫻井孝一氏のテキスト「海と光」「空と光」「宇宙と光」「人と光」をもとに、メロディ・伴奏が付加され、2011年11月27日に同団の記念演奏会において初演されたばかりだ。今回、この作品から終楽章「人と光」が、作曲家自身の手によりサクソフォン合奏のために編曲された。千葉大サクソフォンプロジェクトの「委嘱初演」とのことだが、選曲~委嘱~制作に至るまでどのようなプロセスがあったのだろうか。詳細は聞いていないが、興味あるところだ。

サクソフォン合奏としては、かなりテクニカルなスコアとなったが、今回布陣の前では少ない合わせの中でほぼ違和感なく演奏されてしまうのが凄い(笑)。冒頭部分は、まるで荒廃した地から響く賛美歌のような美しさを感じる。ピアノの導入から始まる「厚い雲の中から一筋の光が地上を射抜くと」の部分など、ショスタコーヴィチの第5番の第1楽章中間部のような、突如動き出す究極のドラマを想起させるし、後半の畳みかけるような美しいメロディの連続は、演奏しても楽しいし、聴いていてもさぞ美しいことだろう。

2012/03/05

千葉大学サクソフォンプロジェクト

週末に迫った演奏会のご案内。しつこいと言われようとも、今週一週間は毎日一行このことを書きます(笑)。tfmさんが一から企画し、メンバー集めを行い、作品委嘱を行い、演奏をし、指揮を振り…という千葉大学サクソフォンプロジェクトの「震災復興支援サクソフォンチャリティーコンサート」である。震災からちょうど1年となる2012/3/11に、千葉県文化会館の小ホールで開催の運びとなった。

tfmさんとはまだお会いして1年も経っていない(昨年5月のTsukubaSQのコンサートに来ていただいた)のだが、常々その行動力には驚かされている。一筋縄ではいかない(爆)メンバーを集めてサクソフォンオーケストラを組織し、委嘱新作を含めた作品を取り上げてしまうのだから…。で、凄いのはその集まったメンバーである。千葉大学を中心に、東京大学、筑波大学の学生、そして東京芸大、洗足、日芸、国立音大、社会人のアマチュアサクソフォン奏者(EspoirSO、BCSE、あとTsukuba Saxophone Quartetも出るよ!参加して大丈夫なのかという感じだが)…etc.と、呆れるほどの豪華メンバー。昨日の練習でも感じたが、いわゆる普通のサックスオケとは別次元の、超主体的な音楽が聴かれる(と思う)。

委嘱作品が名曲。混沌とした響きのなかから、光のように美しいメロディが立ち上がってくる部分など、ぞくぞくする。

…ということで、ぜひお越しください。

【震災復興支援サクソフォンチャリティコンサート】
[主催]千葉大学SaxophoneProject
[後援]千葉大学ボランティア活動支援センター、日本サクソフォーン協会
[日時]2012年3月11日 15時30分開場 16時開演
[会場]千葉県文化会館小ホール(本千葉駅より徒歩10分)
[プログラム]
組曲「人と光」より終楽章/山本純ノ介:サクソフォンアンサンブル版初演)
ASongForJAPAN/S.Verhelst
DiscoKid/東海林修(柏原卓之編)
サウンドオブミュージック/R.ロジャース(柏原卓之編)
ほか
※入場無料
※終演後に募金活動を行います

旧奏楽堂のこと

何度か足を運んだことのある、旧東京音楽学校奏楽堂。ファブリス・モレティ氏来日コンサートは、いつもここで演奏されているイメージがあるが…建物の中のレトロな内装や、歴史を感じさせる舞台("滝廉太郎がピアノを弾き、山田耕筰が歌曲を歌い、三浦環が日本人による初のオペラ公演でデビューを飾った由緒ある舞台"とのこと)が印象に残っている。音楽ホールは、音響的にはそれほど響かないのだけれど、なぜか意外と聴きやすくて、そのギャップに驚いたものだ。

その旧奏楽堂のウェブページに、なんと「平成25年4月以降のホール貸出し及び入館を停止させていただきます。」とのお知らせが出ていた。ええっ、と思って詳細を読んでみると、「老朽度・耐震強度等の調査」を行い、その結果によって今後の対応を決める、というような書き方だ。調査の後、結果が悪ければ利用できなくなることがある、ということにも読み取れてしまい、気が気ではない。

うーん、昨今の事情を考えても仕方がない(&まだダメだと決まったわけではない)とはいえ、残念だなあ。調査の結果次第とはいえ、なんとか耐震補強工事などを実施して、存続させてほしいものだ。旧奏楽堂で、まだまだたくさんの素敵な響きを聴いてみたい。

2012/03/04

小田桐工房→CSP練習

松下洋さんから頼まれていた、リサイタルの曲目解説を書き上げ、午後から楽器を抱えて外出。まずはセルマージャパンへ。久々の訪問で、LB LYONのマウスピースパッチを入手。マウスピースパッチはこれまで自分のなかでも変遷があったが、とりあえず気に入ったものが製造され続けているのは有難いことだ。薄くて透明で丈夫(ん?)。なぜか2階に展示してあったスチールパンで盛り上がる。

続いて、小田桐工房へ。昨年暮れからの練習・本番の連続で、かなり状態が悪くなっていたのだが、相変わらず見事に調整していただいた。小田桐さんに見てもらったあとは必ず「そうそう、この感じ」という、ある一定の状態にリセットされるのだが、これがまさに快感である。また、調整が狂いづらくなる、というのも不思議なところだが、雑談のなかでその辺りのコツというか、ポリシーのようなものも伺うことができ、ほおお、と感心してしまった。

新大久保から新宿へ移動。タワレコ(CD屋自体、一年半ぶりに行った…ポイントカードが新しくなっていてびっくり)で田中靖人さんの「モリコーネ・パラダイス(EMIミュージック・ジャパン TOCE-90218)」を購入。TsukubaSQの練習の時にO氏に聴かせてもらって、これは買わなければと思ったのだ。ジョン・ハールがプロデュースしたことでも話題となっているが、いやほんと、ジョン・ハールのCDだと言い切ってしまっても良いのではないか…というほど、あちこちにハールっぽさが詰め込まれている。またきちんとレビューします。CD売り場をフラフラしながら、小売店でCD買う人ってやっぱり減っているのかなと思ってしまった。うーむ。

ちょっと寄り道して、新宿のヤマダ電機LABIのカメラコーナーで、NEX-7とNikon 1 V1を触る。うーん、そこそこ値は張るが、レンズ交換式カメラ、今年中にはどこかのタイミングで購入したいなあ(やはり渡欧前か?)。サイズが大きいと持ち歩かなくなるのは目に見えているので、やっぱりミラーレスかな。
「ラフマニノフが好き」
と言うと、
デキる男に見える。
という都響の駅ナカ広告を横目に、都営新宿線を使って住吉へ移動。来週に迫ったCSPの練習のためである。いやー、今日の練習はまたすごかった。なんかメンバーが一筋縄ではいかない感じ。おなじみ小川卓郎さんと松下洋さん、本堂誠さん、Green Ray SQの猪俣明日美さん、筑波大からN氏&Y氏、エスポワールSOのMさん、日芸の渡辺定路さん、TsukubaSQからソプラノのN、、、というような、なんだか凄い布陣だった。これで本番はさらにパワーアップするのだから。こんな中にいて良いのか!という感じだったが、やはり上手い人達のなかで吹くのはとても勉強になる。有難いことだ。こちらについても、そろそろブログでご案内しなければ。

2012/03/03

上野耕路「四重奏曲」の練習

日本サクソフォーン協会のコンクール本選で第2楽章を演奏するが、本日午後の練習で第2楽章がようやく通るようになった。ようやく今頃かい、というツッコミもありそうだが、いや、これがまた難しいのだ。基本的に無調で、臨時記号はシャープ、フラットが付きまくり(一小節の中にシャープ、フラットが混在していることもザラ)。そこそこのスピードで演奏しなければならないし、これまで身につけたソルフェージュ能力を総動員しても足らず、じっくりと楽譜に向き合って練習を進めていくことになった。

想定していたよりもかなりの分量さらうことになったが、ある意味、私達にとってとても良い"エチュード"となった。かなりソルフェージュ能力が上がったのではないかな。常々思っているのは、やはり初見でできるような曲ばかりやっていてはダメで、こういったステップアップするためのきっかけづくりは必要だろう(この難しさは想定外だったが)。奏者は、作品に育てられるのである。しかも、それがこんな名曲だなんて!素晴らしいことではないか。

ちなみに、初めてこの曲を聴いたときには、あまり「難しい」という印象は受けない。奏者の苦労が聴き手に伝わらないのは、良いことなのかどうなのか。演奏によるかな?やっぱり。