2012/02/14

第19回東京芸術大学サクソフォーン専攻生による演奏会

仕事がおしたため、到着は20:30をまわってしまった。ヴィヴァルディから聴くことができた。

【第19回東京芸術大学サクソフォーン専攻生による演奏会】
出演:東京芸術大学サクソフォーン科、須川展也(指揮)
日時:2012年2月13日(月曜)19:00開演
会場:東京文化会館・小ホール
プログラム:
J.リュエフ - 四重奏のためのコンセール
J.フランセ - トリオ
I.クセナキス - XAS
本堂誠 - サクソフォン六重奏のための冬物語
P.ブーレーズ - 二重の影の対話
A.ヴィヴァルディ - 調和の霊感作品3-11
E.グリーグ - ペールギュント第一組曲

強烈な演奏会である。いくら"東京芸大"とはいえ、10代後半から20代前半にかけての学生のみなさんが、これだけディープなプログラムを揃え、見事に聴かせてしまうのだから驚きである。ベースに存在する基本的なコントロールや音楽的センス、室内楽的な深い分析など、サクソフォン奏者が持つべき要素を皆が兼ね備えている。まさに最高学府と呼ぶに相応しい、堂々たるものであった。ひとりひとりが、一つのグループとラージにのみ集中することで生まれるメリットというのもあるのだろう。いろいろ書いたが、ぶっちゃけていうと、参りましたー!m(_ _)mということ。

かと思えば、エンターテイメント的な=大道芸的な要素も持ち合わせ、さらに若さゆえの勢い(怖い物がないということは、すばらしいことだ)もあるとすれば、聴いていてこんなにおもしろいことはない。中途半端にプロフェッショナルの演奏を聴くよりも、聴く人が聴けば大きな感銘を得るのではないか。私もそうだった。ちなみに、今日のレベルに達するのに、どのくらいリハーサルを行っているのだろう。興味あるところだ。

ヴィヴァルディは、かっこよかった。バロック好きの血が騒ぐ。ヴィヴァルディに聴かせたらさぞかし驚くことだろう。中世からの呼び声とサクソフォンのエッジのきいた音色は、実に良くマッチすることだ。循環呼吸も使いながら、息の長いフレーズを見事に縦走していく様は、ジャズのシーツ・オブ・サウンドという言葉と対応させたくなる。独奏の3名は、さすが。角口さんがソプラノで一気に即興的に音を並べてしまうところ、惚れるわあ。中島さんのテナーは昨年の12月以来だが、このホールを満たす響きがすごい。

最後は須川展也氏のタクトのもと、全員合奏でグリーグ。この全員合奏においても、ppのプロフェッショナルな表現に肉薄していたのだから、恐れ入る。もちろん部分部分だけではなく、全体的な構成感についても良く作り込んであって、mpあたりを基調としながらじらしていくのが小憎い演出だ。

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