2011/12/10

サキソフォン物語(読み始めてみて…)

金曜の夜から、急遽実家に戻ってきている。火曜日には東京に戻る予定…

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巷で話題のマイケル・シーゲル著「サキソフォン物語」を読み始めた。まだ1/4ほどしか読んでいないのだが、感じたことについて少しだけ書き出しておきたい。

この本は2010年に青土社より翻訳本として出版され、日本のサクソフォン界で広まったが、原本は2005年出版の「Devil's Horn」と呼ばれる著作である。実は私自身は2007年にカナダのビクトリア大学(学会のために伺った)の書店でこの書籍を購入し、たびたびリファレンスとして利用していた。売値20カナダドル。クラシック・サクソフォンにまつわる面白いエピソードも満載で、内容としては良いのだが、英語は難しいしエッセイ的な書き方になかなか抵抗はあるしで、原本を一気貫通して読むことは結局しなかった。

翻訳本が出たことを知ったときは驚いたものだ。およそ内容としては利益にはならなさそうな、また、図書館に置くにしてはやや雑多な…とにかくカネからは遠い位置にある存在で、出版にどんな経緯があったか、ぜひ知りたいところ。だが、おかけでようやく頭から最後まで、順に読み進めることができるようになった。

サクソフォンの発明者、アドルフ・サックスのエピソードから、軍楽隊での採用、ボードヴィルでのダンスバンド隆盛、1929年の大恐慌とともに崩壊した様子など、1930年以前にサクソフォンがたどった道を(体系的でないにしろ)日本語で述べた文章など、これまでにはなかった。サクソフォン史研究において、これはひとつの事件であり、サクソフォンを学ぶものにとっては知らねばならない内容だ。

エッセイ風の文体は、やはり日本語になっても変わらず、読み進めることは簡単だが情報を頭のなかで並び替えて整理していくのが難しくもある。個人的な嗜好は体系的書籍なのだが、これはこれでありかと。読み終えたとき、どれだけの情報が入手できるかと、いまから楽しみだ。

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