2011/10/14

サキソフォックスのとっておき

"サキソフォックス"、待望のセカンドアルバムである。吹奏楽に比べてポップスのレパートリーが圧倒的に少なかったサクソフォン四重奏に、新しい風を吹き込んだサキソフォックス。ここ最近の普及っぷりは、みなさんご存知の通り。何が素晴らしいって、その選曲センス(子どもが楽しい曲、大人が楽しい曲、マニア受けする曲…)、アレンジ(高橋宏樹氏、石川亮太氏という最強のコンビ)、CDがリリースされていること(しかも演奏はQuatuor Bの皆さんのお友達!)である。

Tsukuba Saxophone Quartetでも頻繁に取り上げており、例えば先日の寿大学で演奏している。ときどき参加しているしらこばと音楽団でも、定番のレパートリー。そういえば、学園祭でも天久保オールスターズバンドのサクソフォン・セクションメンバーが、準備中に「ルパン三世」「見上げてごらん夜の星を」を演奏していた。

楽譜の印刷はおそらく電子写真方式。ひとつひとつの楽譜のリリースにとても小回りが効くのだと思う。現在リリース中の楽譜は、この写真の通り(クリックして拡大)。サクソフォン四重奏版"ニュー・サウンズ・イン・ブラス"と言ってしまっても過言ではないだろう。楽譜は数週間単位でどんどんリリースされているので、CDについてもぜひ、1st, 2ndと言わず、3rd, 4th, 5th...と、毎年コンスタントなリリースを望みたいところだ。

さて、CDの話に戻ろう。「サキソフォックスのとっておき(SuperKids SKSF-111012)」というタイトルでリリースされた2ndアルバム、まさに音楽の"とっておきの"おもちゃ箱というプログラミングで、聴く前から期待が高まる。特に、ダッパーサクセーバーズさんによって存在が知らしめられながら、楽譜入手困難ゆえ(現在はそんなことはないが…)一般には広く演奏されていなかった「ズルい女」など、第1回交流会に参加された方は待望のタイトルではないだろうか。

装丁から手抜きなし。表紙は"四重奏"に引っ掛けたルノー・キャトルだし、見開き裏表紙、CDレーベル、裏面にいたるまでサキソフォックスの写真がふんだんに使われている。もちろん、内容も素晴らしい…一曲目「ドレミの歌」から見事なテクニックで魅せるのは、さすがである。

おすすめは、以下のとおり。
「ドレミの歌」…気合いの入り方が凄い。アレンジも素晴らしい。
「トリッチ・トラッチ・ポルカ」…正統派アレンジなのだが、なんだか惹かれた。
「サザエさんメドレー」…Keyが不思議な感じだが、おなじみのメロディがサックスで吹けると思うと…。
「どんぐりころころ」…「こぎつね」風アレンジ(笑)あちらを演奏したことがある方にとっては、ニヤリだろう。
「アンパンマンメドレー」…「アンパンマンたいそう」が入っている時点で、もう買うしかないでしょ。
「津軽海峡・冬景色」…マルゴー(テナー)の演奏がすごい(爆)。「長崎は今日も雨だった」と人気を二分しそうだな。そして全部テナーが旋律(爆)
「ズルい女」…もうこれは鉄板でしょう。かっこいい!途中の「Uooh!(声指定)」のところがどうなっているかは、CDを買ってのお楽しみ。
「Short Shorts」…タモリ倶楽部と言ったほうがわかりやすいか。またまたマルゴー大活躍。
「マルサの女」…まさかこの選曲とは、予想外。「ミュージック・フォー・シネマ」をやった方でも楽しめそうな、おもしろアレンジ。演奏もファンキー。
「ルージュの伝言」…オススメというか、後半の展開が知っている人は知っているサクソフォン四重奏のための名曲「A small dream of a dance」(ご存知ですか?)っぽかったので、思わずコメント。あと、ラフィットのソプラノサックスが素敵。
「Funk de 茶色の小瓶」…これはまた手の込んだアレンジ。スケールからして変わっちゃっているので、ぱっと聴いて原曲がわからないかも。
「旅立ちの日に」…問答無用。小学校時代を思い出したい方にはぴったり。仲間内で吹くだけでも楽しめそう。
「宝島」…あっさり系かと思ったら、演奏はかなりファンキーで、こう来るか、という感じ。

ということで、買いましょう(´∀`)Amazonでも取り扱いを開始している(→サキソフォックスのとっておき)他、版元のスーパーキッズレコードでも購入できる。ちなみに私が買ったのは、予約限定版の録音用スコアブック付きセット(1万円也)。残念ながら、現在ではスコアブックは入手不可能であるようだ。

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(追記)
昨日書き忘れたのだが、唯一のこのCDの不満点は…録音状態がイマイチなこと。なんだか、出来の悪いLPの復刻のような音がして、聴き疲れしてしまう。

そういえば、演奏しているラフィット、ムートン、マルゴー、ラトゥールの名前だが、ボルドーの5大シャトーの名前なのである(ご存知でした?)。足りないのはシャトー・オー・ブリオン。

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