2011/06/18

Back to Bach

島根県のF様より、フランスのサクソフォンに関するLPの復刻を2枚送っていただいたのでご紹介したい。どちらも初めて見聞きするものだった。いつも貴重な音盤をお送りいただき、ありがたいことだ。

まずは「Back to Bach(TELEFUNKEN BLE 14429-P)」なるLP。なんとなくタイトルを読むと「バック・トゥ・バッハ」だが、英語読みすると「バック・トゥ・バック」になるわけか…。パリ・コンセルヴァトワールにおけるマルセル・ミュールの弟子、Guy Romby率いる、Le Quintette de Saxophones Francaisという団体の演奏。

フランスの五重奏団というと、真っ先にパリ五重奏団が思い出されるが、こんな団体が存在していたとは知らなかったが、もしかして臨時編成の団体だろうか。演奏は、なんとドラムスとベースを加えたジャズ風のアレンジ。ただ、サクソフォンパートだけ聴けば至極まっとうなクラシックのスタイルで演奏されており、どういった経緯でこの録音が実現したのかが気になる(ジャック・ルーシェあたりに影響されたか?)。クレジットは次のとおり。

Guy Romby, ssax
Jean Jacques Leger, asax
Jacques Bernard, tsax
Henri Bernard, tsax
Michel Gamay, bsax
Michel Gaudry, double-bass
Andy Arpino, drums

サクソフォンでは、Guy Romby以外の名前はあまり聞いたことがないが、良く良く思い出してみると、Jacques Bernardの名前は作曲家として知っていた!(→ここ)また、Thunderさんのブログを探索したところ、ミュールの生徒だったとのこと。Jean Jacques Legerについても、同じくミュールの生徒だったようだ。テナーのもう一人と、バリトンの方の名前は見つけられなかった。

OrfelKonzert Nr.4 C-dur BWV595
Orgelfantasie h-moll BWV563
Kleines Orgelpraludium und Fuge Nr.6 g-moll BWV558
Orgelfuge e-moll BWV533
Lorlane aus der Suite Nr.1 C-dur BWV1066
Orgelfuge c-moll BWV549
Air aus der Suite Nr.3 D-dur BWV1068
Orgelsonate Nr.1 BWV525
Bourrees aus der Suite Nr.2 h-moll BWV1067
Orgelfuge h-moll BWV579
Orgelpraiudium c-moll BWV549
Polonaise aus der Suite Nr.2 h-moll BWV1067

フランスの往年のサクソフォン…暖かい音色、美しいヴィブラートが心地良い。バッハ独特の指まわりや跳躍なども技術的に難なくクリアしており、ベースとなる技術の高さを感じさせる。ここまでやるなら、ぜひ完全なクラシックのスタイルで一枚作ってほしいと思ったくらいだが、気軽に聴く目的には良くマッチしている。ジャック・ルーシェなどと比べるとアレンジとしての完成度は及ばない気がするが、サクソフォンが「バッハでジャズ」スタイルの演奏を行った最初期の録音として、貴重なものであろう。

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