2010/07/11

Duo BRUSSELES: Vögel als Prophet

"イメージエア音楽事務所"という、大学の先輩が立ち上げた音楽事務所が初めて主催する演奏会を聴きに伺った。今回は、Duo BRUSSELSという、日本に生まれながら、ベルギーで音楽を学んだお二人…渡瀬英彦氏と大宅裕氏によるフルートとピアノのユニットが取り上げられた。100席ちょっとのホールが、立ち見も出る満員御礼の状況。

【デュオ・ブリュッセル コンサート2010「予言の鳥」】
出演:渡瀬英彦(fl., fl.d, alt.fl)、大宅裕(pf.)
日時:2010年7月11日(日曜)15:00開演
会場:やなか音楽ホール
プログラム:
R.シューマン - 幻想小曲集 Op.73
平尾貴四男 - ソナチネ
R.シューマン - 予言の鳥
O.メシアン - 黒つぐみ
B.ファーニホウ - カッサンドラの夢の歌
J.ケージ - イン・ア・ランドスケープ
吉松隆 - デジタルバード組曲
R.シューマン - アダージォとアレグロ(アンコール)

シューマンは、激情のような性格がいくぶん身を潜め、ホールの中に何か建築物が組み上げられていくような、そんな印象を持ちながら聴いた。そうして受けた印象は、フルート・ダモーレ(通常のフルートよりも幾分長い、Bb管のフルート)によって奏でられる音色によるものなのかもしれない。

平尾貴四男(あの平尾はるなの父だそうな)の作品は、2つの楽章から成る日本的な旋法を多用したかわいらしい作品で、これはかなり聴衆へのアピール度が高いと感じた。なんとなく自分の座っていた場所からピアノの楽譜が眺められたのだが、ああいう輪郭線をもつ楽譜から、魔法のように聴いたことのない音が引き出されるというのは、毎度のことながら新鮮な経験だ。

さすが、メシアンは圧倒的だったなあ。あちらこちらに飛びまわるフルートと、幾千もの色を引き出すピアノ。メシアンの"色"を体感するには、やはりライヴ、しかもそれほど大きくない会場に限る。

後半は、ファーニホウとジョン・ケージがそれぞれフルート、ピアノの独奏によって演奏され(イン・ア・ランドスケープの、梅雨時の空のようなじめっとした音色が素敵だった!)、最後に吉松隆の「デジタルバード組曲」。きちんと聴くのは初めてだったが、なるほど、演奏会の最後に置かれるにふさわしい、逆に言えば、様々な音楽を受容する作品だ。メタリックで人工的な世界から、夢幻的な美しさまでを見事に描き出し、聴衆を惹きつけていた。

アンコールは、なんとシューマンの「アダージォとアレグロ」。うおお、このボリュームは意外であったが、けっこう嬉しかったかも。

会場の外に出ると、先程までなんとか保っていた空から、いつの間にか雨が…。写真は西日暮里駅のホームから眺めた線路(上野駅方面)。

2 件のコメント:

細越一平 さんのコメント...

ご来場ありがとうございました!
そして早速のエントリ、ありがとうございます。

「アダージョとアレグロ」は、コンサートのプログラムを決めた時から念頭にあり、環を閉じるという意味でも、あの作品が必要でした。
お聞き苦しい点や拙い運営などご迷惑をおかけしたこともあったかと思いますが、なにとぞ今後とも宜しくお願いいたします!

kuri さんのコメント...

> 一平さん

こんにちは。
イメージエアの記念すべき第1回のコンサートのご成功、おめでとうございます。

最初が「Fantasiestücke」というのは、実は少しびっくりしたのですが、アンコールまで聴いてみるとなるほど、と思いました。

今度はゴルトベルクでコンサートプログラムを閉じ込めるような演奏会など聴いてみたいです…。