2010/02/16

Boulez conducts Webern

東京芸大のサックスアンサンブルは、仕事で行けませんでした…無念。チケット買ったのにー。NewYork Counterpoint聴きたかったよ(T_T)

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ブーレーズという音楽家について、自分はまだまだ把握しきれていない部分が多い。作曲家として、指揮者として、教育家として、20代のころから活躍を続け、世界最高の音楽家として数えられる人物の一人。ブーレーズの音楽に接したのはCDで聴いた「ハルサイ」や「ダフニスとクロエ」、「バルトーク作品集」あたりが初めで、これらの作品に関してはいまでもブーレーズ指揮の演奏が、自分のなかでのスタンダードとなっている。

次はベリオの「シンフォニア」だったかな(Eratoの録音は、第3楽章の最後に「Thank you, Mr.Boulez」というセリフがあるのだ)。この頃になると、ブーレーズという名前を意識して聴くようになってきた。作曲家としての「ル・マルトー・サン・メートル」や、「デリーヴ」さらに進んで「レポン」「二重の影の対話」あたりも耳にし、インターネット上からも情報を収集するようになって、もうこのころには凄い音楽家なんだなと認識した。

なんだか話がブーレーズばっかりになってしまったが、ご紹介するのはブーレーズが手兵アンサンブル・アンテルコンタンポラン Ensemble InterContemporainを指揮して、アントン・ヴェーベルン Anton Webernの作品を録音した「Boulez conducts Webern(Grammophon 437 786-2)」である。このブログでグラモフォンのCDを紹介する日が来るとはねえ(笑)。

ヴェーベルンの、どれもが色違いの宝石のような光を放つ作品を、驚異的な演奏レベルで楽しむことができる名盤。これら音楽はトータルセリーの先駆けと言われているが、そういった作品を見通しよく演奏した録音は、世界にそう多く存在しないだろう。

そういえば、たった一曲だけ、作品番号が与えられていない1907年の作となる「Piano Quintet」が収録されているが、これも聴きもの。ヴェーベルンが調性音楽を書いているなんて、逆になんだか気持ち悪いぞ(笑)。

サクソフォン的興味からは、クロード・ドゥラングル教授がテナーサクソフォンで参加した、「四重奏曲, op.22」に注目。ヴァイオリン、クラリネット、テナーサクソフォン、ピアノという編成の、歴史上最も重要なサクソフォンを含む室内楽曲のひとつであるが、いちばん最初に聴いたのがこのCDだった。やりたい!って思って楽譜を買い、すぐさま撃沈したのも今となってはいい思い出か。

このCD以外にも素晴らしい録音がたくさん出ているが、世界的に見てもいちばんスタンダードな録音であるかな、と思う。たぶん、この曲でもブーレーズが指揮で参加しているのだろう。演奏家と指揮者との、幸福な出会いの一端を感じる。

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