2010/01/12

ダニエル・デファイエの生徒たち(その21)

長いようで短かった本連載も、本日で最後となる。ダニエル・デファイエ Daniel Deffayet氏は、1988年を最後に教授職を退き(この年のコングレス@川崎を最後に、四重奏をも解散している)、後任を決めるための最終選考には、クロード・ドゥラングル氏、ジャン=マリー・ロンデックス氏、ジャン=イヴ・フルモー氏が残り、最終選考が行われた結果、ドゥラングル氏が次期教授に就任した…これは、周知の通り。

[1988]
新作課題曲:
なし
1er prix:
Philippe Braquart
Daniel Gremelle
Antoine Bellec
Eric Devallon

フィリップ・ブラキャール氏は、パリ国立高等音楽院の助教授として、また、モンペリエ音楽院の教授としての教育活動が有名であり、日本からも多くのプレイヤーがブラキャール氏に学んでいる。井上麻子氏(パリ音)、大栗司麻氏(モンペリエ)らが弟子にあたる。ディアステマ四重奏団 Quatuor de saxophones Diastemaのテナー奏者。

ダニエル・グレメル氏は、パリ警視庁音楽隊の首席奏者として有名だ。ソロCDも幾つか出しているようだが、私は持っていない。日本の作曲家である田中久美子氏が、ランベルサール国際吹奏楽作曲コンクールに出品し、第1位を獲得した作品「セドナ」は、実質的なサクソフォン協奏曲だが、このコンクールで独奏を務めたのが、グレメル氏であった。その他のオーケストラや吹奏楽団との共演も多い。Rueil Malmaison音楽院教授。

Antoine Bellec氏は、ヨシコ・セファー氏との共演など、ジャズの方面での記述をいくつかみつけた。ジャズに転向したプレイヤーかもしれないな。

エリック・ドゥヴァロン氏は、ディアステマ四重奏団のバリトン奏者として名前を知っていた。リヨン音楽院のセルジュ・ビションクラスを卒業してパリ音楽院に入学、1988年に卒業し、1989年以来Bayonne côte Basque音楽院の教授を努めている。トゥールーズ・キャピトル管弦楽団のサクソフォン奏者としても呼ばれることが度々あるそうだ。

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以上。やはり、きちんと調べるのは重要だ。なんとなく名前を聞いたことのある奏者も、きちんと調べてみると面白い情報が引っ張り出せるものだなと感じた。

デファイエ氏はこの年を最後に教授職を引退したが、演奏活動や、マスタークラス等での講師は、これより後も続けていたそうだ。最後の来日となった1992年、昭和音楽大学で開かれたリサイタルの映像が某所に残されているが、見事というほかない映像であり、70歳という年齢が信じられないほどのパフォーマンスを魅せている。彼の下で学んだプレイヤーが、いかに素晴らしい音楽家の下で学んだのか、ということを再確認させられた思いである。

4 件のコメント:

mcken さんのコメント...

リサーチご苦労さまです!
ベレク氏は、4uatre でアルトを吹いてましたね。一時期何度かメールのやりとりをしました。今も 4uatre として活動しているのか不明ですが。
http://antoine.belec.free.fr/

kuri さんのコメント...

> mckenさん

コメントありがとうございます!

おお、4uatreの奏者ですか!CD持っているのに、気づきませんでした。

4uatreは面白いCDたくさん出していますが、最近は活動していないのですかね?そのCDもなかなか手に入れづらく、まだあまり収集出来ていない状況です。

Thunder さんのコメント...

ダニエル・グレメル氏は、このページを見るに、昨年の5月に来日されていたようです。

http://www.cityphil.jp/concert/c2009/t20090530.html

私としたことが気付かずに、この日は隣駅の錦糸町で別のオケを聴いてました。
知っていればこっちに行ったんですが。

kuri さんのコメント...

> Thunderさん

コメントありがとうございます。うわ!来日していたんですね。私も全く知りませんでした…。演奏活動は頻繁にやっているみたいなので、次の機会を楽しみに待ちたいと思います。