2009/11/25

ダニエル・デファイエの生徒たち(その11)

[1978]
新作課題曲:
Marcel Bitsch - Aubade
1er prix:
Francis Caumont
Jean Paul Fouchécourt
Roger Muraro
Jean Pierre Solves
Jean Luc Lucidi

マルセル・ビッチと言えば、パリ音楽院で対位法の教授を務めていたことで有名だ。サクソフォンとピアノのための「村の踊り」という、非常に親しみやすい小品を書いており、「村の踊り」がこんなに有名ならば、他にもサクソフォンの作品をたくさん書いているだろう…と思って調べてみた。しかし、「村の踊り」のほかは、本年課題曲「Aubade」、そしてあと一曲小さなエチュード(しかもフルート or サクソフォンという指定)を書いているだけということが判った。意外だなー。

卒業生の中でもっとも有名なのは、ジャン=ポール・フーシェクール。もっともサクソフォンで有名と言うわけではなく、今や世界的なテノール歌手として大活躍しているのだ。1982年、キャシー・バーバリアンのワークショップを受けた時に歌手となることを決意した後、あれよあれよという間にスター歌手としての地位を確立し、主要なオペラハウスに出演、また数多くのレコーディング等に参加している。数年前には、サイトウキネン・フェスティバルにも招聘されたとか。

サクソフォン奏者としてのLPもレコーディングされたらしく、ブートリー、クレストンなどをパテ・マルコニレーベルに吹きこんでいるらしいのだが、いつだったかeBayで落札に失敗して以来、一度も見かけない。聴いてみたいなあ。

1986年ころまでは、サクソフォンも吹いていたようである。そりゃそうだろう、なにせ、1978のギャップ国際コンクールでドゥラングル、フルモーに続く第3位を受賞しているほどの名手だったということだから…。ドゥラングルがソプラノ、フーシェクールがアルト、Bruno Totaroがテナー、Jacques Baguetがバリトンというメンバーで、Quatuor Adolphe Saxを結成し、レコーディングやコンサートを行っている。例えば、野平一郎の「サクソフォン四重奏曲」はこの四重奏団に献呈されており、1985年の第8回世界サクソフォンコングレスにおいて初演された作品である。

現在はもちろん解散しているカルテットなのだが、録音が残っている。「Musique franĉaise pour saxophones(Vandoren V001)」で、ピエルネとシュミットの演奏が聴けます。1986年の録音だということだが、めちゃくちゃ上手いぞ、これは…。購入はアクタスオンラインショップからどうぞ。

Francis Caumontは、Quatuor de saxophones de Parisのアルト奏者。他のメンバーとはちょっと卒業時期が離れているが、どういった経緯だろうか。Roger Muraroは、1977年にパリ音楽院のピアノ科を卒業した同名のピアニストが有名だが、いや、まさか同一人物じゃないよね…と、思いきや、同一人物だそうで(笑)。メシアン弾きとして、世界的に名の知れたピアニスト。Jean Pierre Solvesは、どうやらジャズに転向したらしい。いくつかのレコーディングに関する記述が引っかかった。Jean Luc Lucidiは、マルセイユ音楽院サクソフォン科教授。ジョエル・ヴェルサヴォーも同音楽院の教授である。

なかなか特徴的な年度だ(笑)。才能と努力って凄いものだな、と思う。

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