2008/03/07

B→C、近し

今年度は、現代音楽におけるサクソフォンの位置付けをテーマにした演奏会を数多く聴いたが、それらを締めくくるにふさわしい、オペラシティ主催の演奏会。しかも、サクソフォーンは、これが帰国第一弾のリサイタルとなる大石将紀氏(暮れのフェスティバルで聴いた氏による酒井作品の演奏は、井上麻子さんの演奏とともに、まさに"圧巻"であった)。今回のB→C、聴かないわけにはいかない!

【B→C ビートゥシー:バッハからコンテンポラリーへ】
出演:大石将紀(sax)、フランソワ・ミッシェル(gt)、望月友美(mez-sop)他
2008/3/18(火)19:00~ 東京オペラシティ・リサイタルホール
全席自由3000円
プログラム:
・藤倉大「委嘱作品(世界初演)」
・J.S.バッハ「ソナタBWV1034~サクソフォンとギターによる」
・V.A.「サクソフォンのための現代奏法エチュード」より
・野平一郎「舵手の書」
・J.t.フェルドハウス「Grab It!」
・P.ルルー「緑なすところ」
・酒井健治「Reflecting space II - from Bach to Cage」他
問い合わせ:
http://www.operacity.jp/concert/2007/080318.php
03-5353-9999(東京オペラシティチケットセンター)

個人的な観点から、聴き所をいくつか挙げておこう。まずは、パリ国立高等音楽院作曲科の学生と、サクソフォン科の学生のコラボレーションによって生まれた「サクソフォンのための現代奏法エチュード」。聴いたことがないのだが、ソプラノからバリトンまでを持ち替えながら、無伴奏でどんな音世界を描いてくれるのだろうか。鈴木純明氏の作品が演奏されるということでも、楽しみだ。

J.t.フェルドハウス「Grab It!」は、井上麻子氏が日本初演、その後もジェローム・ララン氏、クロード・ドゥラングル教授が国内の演奏会で相次いで取り上げている、テナーサクソフォンとゲットブラスター(テープ)のための作品。小難しいことは全く感じさせず、ロックかジャズではないかと見まがうような、聴衆へのアピール度が大変高い作品。私も、楽譜持ってます(笑)。東京で、これだけ多くの聴衆を相手に「Grab It!」が演奏されるのは、もしかしたら初めてでなのではないかな。さらなるブームのきっかけとなれば良いが。

P.ルルー、そして野平一郎氏の作品は、サクソフォンと声のために書かれたものであるが、私自身は昨年7月のララン氏の演奏会で聴いている。今度聴くのは初めてではないため、サクソフォンと声の、それぞれの役割をじっくり追うことができるかなと期待している。もちろん、国内初演・世界初演の邦人作品2つも、楽しみ。

そしてバッハ、か。こんなプログラムの中でも、不思議と違和感がないのだな。

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