2008/12/31

Return to Forever, Light as a Feather

実家に戻ってきてから、タワレコで買ったいくつかのCDをちょろっと聴いてみる以外は、ずっと「Return to Forever」と「Light as a Feather」を聴いている。実家で年を越すとはいえ、配属希望用の書類を書いたり、修士論文を書き進めたりと、つくばにいる時とやっていることはあまり変わらず…。忙しい時期って、何か新しいものを聴くよりは、耳に慣れたお気に入りの音楽を流しっぱなしにしておくことが多い。

ジャズからフュージョンが分化した記念碑的作品であるとか、このアルバムによってチック・コリアが名声を獲得したとか、そういう歴史上の事実については、あえてつらつらと述べる必要もないか(クラシック・サックスの盤だったら、そうはいかないのだけれど)。

Return to Forever
Crystal Silence
What Game Shall We Play Today?
Sometimes Ago ~ La Fiesta

You're Everything
Light as a Feather
Captain Marvel
500 Miles High
Children's Song
Spain

チック・コリアの音楽に触れたのも最初だったし、いや、そもそも(広義の)ジャズに触れたのも、最初だったのである。それまで吹奏楽とサックスにしか触れてこなかった自分が、なぜこれらの音盤を聴こうと思ったのかは思い出せないが、その程度のバックグラウンドしか持っていなかった当時19歳の自分を大きく突き動かすものであった。えーと、何年前になるかな(苦笑)。

フルート/サックス、エレクトリック・ピアノ、ヴォーカル、エレクトリック・ベース、ドラムスという編成。サウンドは洒落ているが、聴きこむほどに何か巨大なものの一端に触れたような気持ちになる。チック・コリアは「Now He Sings, Now He Sobs」でもアルバム全体に哲学的なコンセプトを持たせていたが、あれはライナーノートにコリア自身のそういった説明があったからである。対して、これらアルバムにそういった説明がなされている、という話を聞いたことはない。だが確かに、言葉では表しがたい何かを、見事なチック・コリア・サウンドで描ききっているのだ。

…誤解を恐れずに言えば、一作目のアルバムで表現されているのは「宇宙」だろうか。ドローンで始まる「Return to Forever」から、少しずつ加速して、色とりどりの星空を旅するような、夢幻的な世界観を感じる。ジャケットに映った、青い海の上を飛翔するカモメは、われわれが乗り込む宇宙船か。二作目のそれは「人間の精神」だろう。愛とか、高揚感とか、無垢さといったものを、美しい部分も汚れた部分もひっくるめて、描き出しているような気がする。「500 Miles High」なんかは、歌詞を読んでいても少し表層から外れたグロテスクなものが見えるようだ。

リターン・トゥ・フォーエヴァーは、この2作品の発表以後、エレクトリック・ギターを加えて、よりヘヴィなサウンドを目指すこととなる。音作りの方向転換に、旧来のファンの何割かは失望したであろうが、しかしこのサウンドを「Return to Forever」と「Light as a Feather」で打ち止めたことは、それはそれで賢明な判断であったと言うべきだろう。おそらく、この編成でやれることはやりきってしまったのだ。

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本年最後の記事となりました。ブログに関する2008年の隠れた目標「365個以上の記事を書く」が、なんとか達成できてホッとしています。それでは皆様、どうぞよいお年をお迎えください。来年もよろしくお願いいたします。

2008/12/30

Atom Hearts Club

言わずと知れた作曲家、吉松隆氏の室内楽作品集である「吉松隆:アトム・ハーツ・クラブ/河村泰子(Camerata CMCD-28162)」。この作品集の完成までには、いろいろと紆余曲折があったそうなのだが、2008年中に無事に録音・出版の運びとなったとのこと。アトム・ハーツのファンとしては、まずはリリースを喜ぶべきだろう。演奏者は、河村泰子(pf.)、中務晴之(fl.)、友永健二(vn.)、黒田育世(vc.)という、まあ私はピアニストや弦楽器奏者には疎いのだが、どうやら関西方面の優秀な音楽家たちによって、キャストが固められているようだ。

Atom Hearts Club Trio No.1 Op.70d
Atom Hearts Club Trio No.2 Op.79b
Regulus Circuit Op.7
Digital Bird Suite Op.15
Piano Quartet "Alrisha" Op.30
Piano Folio... To a disappeared Pleiad
(作曲はすべて吉松隆氏)

「アトム・ハーツ・クラブ」は、1970年代のプログレッシヴ・ロックをお手本にして作曲されたもので、吉松氏の作品の中でも、特に人気が高いコンサート・ピース。小難しい現代音楽が蔓延するクラシック音楽界への殴りこみ!というようなコンセプトで制作された、なかなかパンチの効いた作品だ。弦楽四重奏版「アトム・ハーツ・クラブ・カルテット」としてモルゴーア弦楽四重奏団によって録音初演され、以来サクソフォン四重奏版、弦楽合奏版が相次いで登場。そして今回、満を持して、ピアノ・トリオ版がCDに吹き込まれた。

たとえば私なんかは、最初にサクソフォン四重奏版に触れて、次に弦楽四重奏版、ギター・デュ版、そして弦楽合奏版(いまいちヌルい)と裾野を広めていったのだが、作品が本来持つアイロニーとしての要素は、弦楽四重奏版から最も感じることができる。弦楽四重奏というのは(サックスをやっているとよくわからないのだが)、実は最もクラシックぽくありながら、クラシック音楽界全体から見れば実にマイナーな分野であるそうで、そんな現実が作品の性質をより強く引き出したのだろうか、とも思える。

前置きが長くなったが、そんなわけで、本ピアノトリオ版の演奏もけっこう楽しみにしていた。ピアノトリオでプログレ!なんて、黒田亜樹さんのアルバムに入っているELP「タルカス」「展覧会の絵」くらいしか思いつかないぞ。ああ、また話が違う方向に…。

で、聴いてみたのだが、なかなか良いです。特に、第1番の第2楽章なんて、ああ、本来こういったピアノのドローンのバックグラウンドを想定して書いたのねー。なんてニヤニヤしてみたりとか。第3楽章のオスティナートも、上のピツィカート・メロディと対比が出てて面白い。第1楽章は…弦楽四重奏版の、大声でわめきながら疾走する感じと比べると、やや物足りないだろうか。実演で聴いたらそんなこともないのか。第4楽章は、ピアノと弦楽器の温度差が少し気になるけど、狙ったのか?

ちなみに第2番は、これは弦楽合奏版に比べたら断然イイ!第6楽章の即興も、なかなかキレています。そーらーをこーえてー。しかし、まさかこの曲のフォーマットがパルティータを模しているのだとは、知らなんだ。現代っ子ならば、この曲をバックにして楽しく踊れそうではある。

「アトム・ハーツ・クラブ・トリオ」ばっかり集中して聴いているが、他のも楽しいです。特に、今回が初録音となる「ピアノ四重奏曲"アルリシャ"」は、吉松氏が持つ音楽的要素を15分程度で一気に俯瞰できる、粒ぞろいの作品。なぜかダニエル・カペレッティの「Ge(r)ms」を思い出した。

2008/12/29

【ご案内】Tsukuba Saxophone Quartet - Saxophone Concert Vol.3

というわけで、年明けの3月14日にやります。主要メンバーの多くが卒業する時期と重なるため、9月の演奏会と比較して規模をやや抑えてありますが、相変わらず中身は濃いです(笑)。あ、それから、私が参加する演奏会としては最後になるのかなあ。来年度からTSQが続くかどうかはわからないし…。

ぜひお越しください!!

【Tsukuba Saxophone Quartet - SAXOPHONE CONCERT Vol.3】
出演:Tsukuba Saxophone Quartet
客演:渡瀬英彦(フルート奏者)
日時:2009年3月14日(土)開演19:30
場所:つくば市アルスホール(TXつくば駅より徒歩3分)
料金:入場無料
プログラム:
W.A.モーツァルト - デュオ・ソナタ K.292
M.ブンス - サクソフォンとエレクトロニクスのためのウォーターウィングス(日本初演)
A.マルチェロ/波多江史朗 - 協奏曲(独奏:渡瀬英彦)
D.マスランカ - レシテーション・ブック 他
問い合わせ:
http://tsukubasaxophone.blog51.fc2.com/
kuri_saxo@yahoo.co.jp
後援:
日本サクソフォーン協会

帰省します

掃除終わって、土日両日ともたくさん飲んで、これから実家へ帰省。さて、昨日の二次会@ウチで余ったお酒をどうするか。…また年明けに飲めばいいか(゜∀゜)!

PCを持って帰って、たぶん年末年始は論文書きに追われるのだと思う。ああ、あと配属希望調査の書類を書かないとなー。

2008/12/28

レジェールリードを使ってみた

ちょっとサックスをかじったことのある人なら、一度くらい耳にしたことのある名前だろう。合成繊維によって作られた、「レジェールリード」。アメリカのLégère Reeds Ltd.が開発&販売を行い、日本国内ではグローバル楽器が輸入代理店を務めている。

なになに、天然ケーンと変わらない吹奏感、だって?…ということで、一度くらいは吹いてみたいと思っていたのだが、微妙にお高い(2000円~3000円くらい)ということもあって買えずにいた。ところが、サックスフェスでいろいろあって(京青さんありがとうございます!)、タダで入手することができたのである。そして、今日の練習でちょっと使用してみた。

普段のテナーサックスのセッティングは、Selmer S-90 170に3.5のヴァンドレンリード。リガチュアはBayのGP。で、今回使ったレジェールリードは、テナー用で硬さは3 1/4。このリードは、1/4刻みでラインナップされており、お店の人の「少し硬めに感じるかも」という助言もあって、普段使いよりも1/4柔らかいものを選んでみた。ちなみに、硬さが合わなかった場合は、購入後14日以内であれば、グローバル楽器に送れば1回限り交換可能とのことである。

早速取り付けて、音を出してみる。…。……。………。へえええーーー。吹いた感じは、意外なほどに自然。目隠しされたら、もしかしたらケーンかレジェールか、なんて判定できないかもしれない。そのまま、合奏でも使ってみた。音色も、それほど普段と大きな違いがあるわけではないようだ。隣で吹いていた人に訊いても、気付かなかったとのことなので、実用性は高いようだ。

まあ、もちろん悪い点も…。音色に関しては、良く聴くとのっぺり・フラットになって聴こえるような気がした。あと、タンギングが大変。先端のカット部分に舌が当たると、少し痛いのだ。ずっとタンギングしてると、舌の先が切れそう。この点に関しては、すこし丸めに加工してくれれば、かなり変わると思うのだがな。

ということで、どちらが良いかと言われれば、断然ケーンのほうが良い。しかし、一度試してみる価値はあると感じた。

実際の寿命はどのくらいなのだろうか。気になるところだ。まさか、一年間吹きっぱなしでも欠けない、なんてことはないだろう…。

Erie Saxophone Quartet plays Glass

Erie Saxophone Quartetは、いわゆるラッシャー派の流れを汲むグループの中で、重要な四重奏団のうちのひとつである。2006年に、ニューヨーク州立大学フレドニア校の学生によって結成され、現在まで広範なレパートリーに取り組んでいるそうだ。

彼らのMySpaceページにて、フィリップ・グラス「サクソフォン四重奏とオーケストラのための協奏曲」を聴くことができる。
http://www.myspace.com/eriesaxophonequartet

また、YouTube上では演奏映像を観ることができる。んー、これは上の録音と同じテイクっぽいな。よくわかんないけど。
第1楽章:http://jp.youtube.com/watch?v=rphW61Ub9ws
第2楽章:http://jp.youtube.com/watch?v=zkcERmTzDOw
第3楽章:http://jp.youtube.com/watch?v=W5ApdwFhTnE
第4楽章:http://jp.youtube.com/watch?v=bBKwtc6zEHA

2008/12/26

Music from Here and There

ジャン=イヴ・フルモー氏が、かつてRene Gaillyに多くのCDを吹き込んだことは有名である。ピアノとサックスのデュオ、そして四重奏と、多くの名盤が生まれた。しかし2002年にRene Gaillyは倒産し、それ以来それらのCDを入手することは困難となっていた。しかし最近になって、Airophonicというレーベルがそのフルモー氏関連のCDを積極的に復刻し始めた。そのことを知ったときには、大変喜んだものである。

「Music from Here and There(Airophonic 5411499 80012)」も、そんなCDのうちの一つである。フルモー氏のサックスと、長尾洋史氏のピアノによる、まさに"サクソフォン愛奏曲集"という趣のアルバムだ。

Marin Marais - Le basque
作曲者不詳 - Spanish Love Song
Enrique Granados - Goyescas
Edvard Grieg - Once upon a time
成田為三 - 浜辺の歌
作曲者不詳 - 中国地方の子守唄
Pedro Iturralde - Suite hellenique
Warren Benson - Aeolian Song
Pierre Max Dubois - Cinq pieces caracteristiques
Astor Piazzolla - Oblivion
Leonard Bernstein - West Side Story

マレの「バスク」から、いかにもフルモー氏という感じの、ニュートラルな音色がスピーカーから響いてくる。そんな美しい音のまま、バスクの超絶フレーズをさらさらと吹きこなすところに驚愕…って、フルモー氏くらいならば、きっと余裕なのだろうな。グラナドスのようなゆったりした曲でもダレ場など見せずに、最初から最後まで聴き手をぐっと惹き付ける。

途中に2つ置かれた日本のメロディも、サックスであるとか演奏者がフランス人であるとかそんなことを気にする暇もなく、純粋にメロディのみが心に染み入ってくるあたりは、さすが。フルモー氏は、作曲者の意図するところを、最良の形で聴衆に届けることのできるサックス吹きの一人と言えるだろうか。ハイ・テクニックの見せ場も用意されていて、「エオリアン・ソング」を抜けたあたりのデュボワでは、ガツンと響くサックスとピアノのデュオに「びくっ」とすること請け合い。

2008/12/25

円高のうちに…

円高のうちに、やれることはやっておこう、ということで。とりあえずJacobTVのこの2作品は外せないだろ、と楽譜を買ってみた(演奏する予定はありませぬ)。支払いを済ませた途端にユーロがやや反発…。

そして、ドルは下に張り付いたまま、ポンドは下がりっぱなし。ユーロも含めて、為替の今後の動きはわからない(あたりまえか)。The Legendary Saxophonists Collection、今買うとずいぶん安くなるんだろう。ただ、これ以上下がったら、来年から(内定先の関係で)いろいろ困るんだが。

「Billie」はアルトサクソフォンの曲。ゆっくりな曲だし、頑張ればできるかなあと思っていたのだが、ざっとなぞってみたところ、どうしても演奏できない場所がある。フロントFとか使えばできるのだろうか。来年の3月に大石将紀さんが演奏するらしい。「The Garden of Love」に関しては、今のところ演奏不可能なほど難しいっす。ソプラノサックスも吹けないし。改めて楽譜を見ると、普通にソとかラとか出てくるわけね…。

いつか、どちらの曲も演奏してみたいなあ。

2008/12/24

Daniel Gremelle plays Bazzini on YouTube

ダニエル・グレメル氏の独奏、吹奏楽との共演で、アントニオ・パッツィーニ「妖精の踊り」。グレメル氏はCDも出しているが、これまでに演奏を聴いたことはなかった。ヴィルトゥオーゾ・スタイルの、堂々とした演奏!

2008/12/23

サクソフォーン・フェスティバル2008二日目

聴いた順に、ダラダラと書いていきます。

♪東京ミュージック・メディアアーツ尚美
G.ビゼー/徳備康純「"組曲『アルルの女』第一番"より前奏曲、カリヨン」

徳備氏の新アレンジ(3月に聴いたR.シュトラウス「サロメ」のアレンジは圧巻であった)が演奏されるとのことで、朝イチから出かける。途中乗り換えに失敗し、しかもよりによって都営新宿線から京王線の接続を逃したため、一曲目に間に合わないかと思ったが、会場に着くと石渡会長の挨拶の途中だった。
で、ビゼー。指揮は松雪明先生。各楽器にそれぞれ独奏を配置し、バックと絡めるというアイデアで書かれているアレンジだった。驚いたのが、SATBそれぞれの音色の使い分け。徳備氏のサクソフォンの扱いの長けっぷりは、サロメのアレンジでも感じたが…。もともとがシンプルな楽譜だけに、逆に難しいとも思うのだが、まさに名作の再創造という印象であった。

♪国立音楽大学
B.ウィーラン/柏原卓之「リバーダンス」

国立音楽大学サクソフォン科の定期演奏会でも聴いた演奏の再演。おお、気付けばあのときステージ上でお見かけした方、お話させていただいた方が!今回の指揮は、滝上典彦氏。一度聴いているだけあって、前聴いたときと比べてしまったりするのだが、なんだかもっと速いぞ。びっくりしたー。
ちょいとカットが不思議だったのを除けば、個人的には三鷹のホールで聴くよりも印象が良く聴こえた。やっぱり、かなりパーカッションが効果的に使われているだけあってウィーンホールのような高天井だと、前で聴いているとパーカッションが響きすぎてしまうのかなあという気がするのだ。今回のパルテノン多摩では、後ろのほうで聴けたため、全体のまとまった響きを堪能した。

♪東邦音楽大学
O.レスピーギ/野村秀樹「"ローマの祭"よりチルチェンセス、主顕祭」

アレンジの野村秀樹氏は、「日本の四季メドレー」などでも知られているバンド指導者/編曲家。「サックスオケでローマの祭かー、なんか緩くなりそうな感じだなあ」と聴き始めたのだが、導入部から熱い演奏にぐっと引き込まれた!主顕祭の騒がしさもなかなか良かったのだが、特にチルチェンセスの集中力がものすごかった。佐々木雄二氏の指揮も、情熱的。

ここで、お金をおろすため会場をいったん出て駅前へ。戻ってくると、プロムナードコンサートの真っ最中。小沼理恵さん率いるルナソワールSQが演奏していた。カホーンを主体とするパーカッション(藤橋万記さんによる)を交えた四重奏、素敵だなあ。で、ちょうどこのとき大ホールでやっていた「ボレロ」のアレンジが、けっこう面白かったらしい。聴けなくて残念!

♪くらしき作陽大学
E.エルガー「弦楽セレナーデ」

やはり、貝沼氏の指揮に興味がありまして(笑)。演奏は良かったはずなのだが、曲の印象は、あまり残っていないなあ。曲がかなりスタンダードだからかな?ちなみに、指揮を務めたサクソフォン吹きのうち、貝沼氏が最年少だったようだ。

♪武蔵野音楽大学
A.コレルリ「コンチェルト・グロッソ op.8-6」

クリスマス・コンチェルトとしてもお馴染みの短調の名作。サクソフォンとの相性はばっちりで、フランスのEnsemble Squillanteなどが取り上げるなど、演奏事例も多い。ソプラノサックスが、互いの音を重ねていくところなどは、なんともいえない気持ちになるなあ。指揮は須田眞氏。って、ええ!なんだか、意外なほどにお年を召しており、ちょっとびっくりした。
少し響きが単調だった。もう少し多彩な響きが聴きたかったかもー…というのを、サクソフォン合奏に求めること自体、間違っているような気もする。

♪トリビュート・トゥ・シュトックハウゼン
K.シュトックハウゼン「誘拐」
K.シュトックハウゼン「友情に」
K.シュトックハウゼン「男の子のデュエット」

東京芸術大学を聴きたい気持ちを抑えて、小ホールへ。ラヴェルの「クープランの墓」を演奏していたらしい。
さて、シュトックハウゼン「誘拐」は、私も大好きなソプラノサクソフォンとテープのための作品。パンフレットには、詳細な曲目解説が載っていたが、そうそう、もともとはアコースティックのための作品なのだよな。「誘拐」を演奏したのは白井奈緒美さんだが、白井さんの演奏を聴くのは二度目で、9月に門天仲町ホールでやっていたシュトックハウゼン作品の演奏会では、サクソフォンの圧倒的なコントロール能力に加え、さらに極限的な身体的動作による音源位置の移動と、白井さんの実力を思い知った。…はずだったのだが、この日の「誘拐」の演奏!!あれはもの凄かった。曲の開始と同時に客席後方から白井さん、「友情に」の10倍は難しいんじゃないかと思われる超絶フレーズの嵐を暗譜で演奏!!しかも、客席の間をあっちこっち飛び回りながら…呆気に取られるほかない、まさに驚異の15分間だった。演奏者は最後にステージ袖に引っ込み、舞台上にはいつの間にか月が昇っていた。
間断なく、大城正司氏の演奏で「友情に」。シュトックハウゼンを意識したような真白の衣装で登場した大城氏。以前から感じていたが、氏のコンテンポラリー作品に対する造詣の深さは相当なもの…何年か前にフェスティバルで聴いた、武満徹「ディスタンス」の演奏を思い出した。「友情に」は、「誘拐」での飛んで跳ねての演奏の後だけに、余計にどっしりした印象が残った。特にダイナミクスのレンジは、おそらく白井さんの演奏よりも広いように感じる。
そんな対照的なお二人の、ソプラノサクソフォンによるデュエットで「Knabenduett」。もしかして国内初演?そんなことはなかったのか?だが、こちらも好きな曲なので、生で聴けてよかった。この曲では音源位置の移動はなく、舞台上での演奏だったが、それでも暗譜!す、すごい…。
そうだ、願わくば、演奏者自身による解説があったら、なお良かったかも。特に「誘拐」って、サクソフォンの世界ではそれほど有名な曲でないから、終わった後にポカーンとしている方が多かったような(笑)。

♪クローバー・サクソフォン・クヮルテット
G.バッコ「ロッシーニ」
林田祐和「パッション」
J.フランセ「"小四重奏曲"より冷やかし、滑稽なセレナーデ」

12月頭の演奏会は伺えなかったので、楽しみにしていた。ロッシーニの作品をパロディ(とまではいかないか)風にアレンジしたバッコ作品に、林田祐和先生?の自作、そして2007年5月のリサイタルで聴いたフランセ。続く石毛里佳作品と、ボザは、大ホールへ移動していたため聴くことができず、残念。あ、CD買わなきゃ。東京文化会館のリサイタルで聴いた集中力の塊のような演奏とはやはり違って、たくさんのお客さんの中でのリラックスした雰囲気。田村真寛氏によるトークを挟みながら、比較的スタンダードなレパートリーが演奏された。クローバー四重奏団、そもそも、アンサンブルというものに対する捉え方が違うように思える。相当な量のリハーサルを行っていると思われるが、おそらく本番ではそこから開放され、縦の線や音程をその場のテンションで捉えているのではないかと感じる。
聴き所は、やはり「パッション」。まさか独学の作とは思えない、高密度なコンサート・ピースで、クローバーSQにぴったりのダイナミックなグルーヴを伴う作品だった。かなり無茶な筆致も見られたが、そこはさすがに独奏でも活躍するサクソフォン奏者たち!高難易度の譜面を、完璧に消化しきっていた。
プログラムには載っていなかったが、フランセを聴くことができたのも嬉しかったな。以前聴いたリサイタルの中で、グラズノフとともに印象に残っていたのが、このフランセだった。第3楽章のここまで説得力のある演奏は、クローバーSQの独壇場でしょう。

♪齋藤了
J.S.バッハ「チェンバロ・ソナタ」(曲名失念、後で修正します)

齋藤了氏は、自衛隊東部方面音楽隊に所属しているだそうだ。しかし、2000年までアルディSQに参加していたとは知らなかった…というと、アルディSQって、メンバーの多くが大学生のころから継続していたということになるだろうか。
バッハの作品は、齋藤了氏によるオリジナルの編曲。バロック作品のトランスクリプションはサクソフォンの世界ではすでに多く取り組まれているが、こういう新たなアレンジもいいですね。演奏は、良い意味で神経質かつ繊細。古楽器のような素朴なソプラノサクソフォンの響きが印象的だった。

♪ヴァンサン・ダヴィッド
C.ドビュッシー「シランクス」
L.ベリオ「セクエンツァVIIb」

期待度満点にてダヴィッド氏登場。フルート版がオリジナルとなる「シランクス」に始まり、その音にまず驚く。ソプラノサクソフォンなのに、指向性が全くないのだ。まるで体全体がスピーカーとなったように、おそらくホール内のすべての場所に向かって音が飛んでいたのではないかと思われる。で、「セクエンツァVIIb」…うわあ、これは衝撃的(笑)。まずはとにかく速っ!!楽譜どおりに演奏したら、確実に7分を超えるはずだが、明らかに6分前後でフィニッシュ。ダブルタンギングや重音の安定度、おっそろしいほど速いフィンガリングなど、衝撃的な部分を挙げていけばきりがない。で、もっともっと衝撃的だったのは、小ホールでの演奏だったのだが…。
あー、ところで、裏でHを伸ばしていたのがだれなのか、知っている方はぜひ教えてくださいm(_ _)m

♪クラウス・ウールセン
R.シューマン「3つのロマンス」
F.シュミット「伝説」

デンマーク出身、欧州での活躍が目覚しいクラウス・ウールセン氏。今年頭のJ.M.ロンデックス国際コンクールでセミ・ファイナリストに残るなどしている。ぱっと見40歳くらいに見えるが、まだ30歳ちょっとのはず…たしか。そして、プロフィール写真で見るよりも、若く見えるような(ん?)。
ソプラノサクソフォンを繰って演奏された「3つのロマンス」。まるでクラリネットのようなふくよかな音色で奏でられるシューマンは、サクソフォンといえどまったく違和感がない。というか、違和感がなさすぎて、やっぱり発音が難しいオーボエでやるからこそシューマン、って部分もあるのだろうが…。いやしかし、この美しい音はすっと心に染み入る。そして圧巻のシュミット。凄かったなあ。この曲を「良い曲だ」と感じたのは、録音・実演を通しても初めてかもしれない。ちょっと言葉では表現しがたい感動を味わいました。

♪クインテット・シルク
J.ノレ「アトゥ・サックス」

フルモー氏リサイタルでの演奏も記憶に新しい、五重奏曲の傑作。それまで立て続けにヨーロッパの奏者を聴いていたため、この和声の重厚さに、いきなり現実に引き戻された感じ(笑)。日本発サクソフォンの、ある種最良の形であると思う。演奏者のほぼ真正面で聴いていたので、平賀さんの音がストレートに聴こえた。それにしても、平賀さんのバリトンて、本当に上手いと思う。オットー・ヴォーチでも感じたことだが…。
シルクの演奏は、これまで演奏会形式で聴いたことがない。2010年にはリサイタルも予定しているそうだ。ぜひ聴きに行ってみたい。

♪ヴィーヴ!サクソフォン・クヮルテット
「ペガサス・ストリート」

持ち替えありの四重奏。ノーコメント…。

♪ランドスケープ
C.ドビュッシー「夢」
A.デザンクロ「サクソフォン四重奏曲」

こちらも楽しみにしていたカルテット。敬称略で、ソプラノ:ジェローム・ララン、アルト:原博巳、テナー:ティボー・カナヴァル、バリトン:大石将紀というメンバー。ラランさんについてはすでに国内でもお馴染みだが、テナーのカナヴァル氏は、フランスの奏者で、セルジー・ポントワーズ音楽院を卒業したプレイヤーだそうだ。ちょっと調べてみたら、SAXETERAのソプラノサクソフォン奏者として名前を発見した。
で、演奏なのだが、ドビュッシーの美しさにまず心奪われた。ピアノ版でも良く聴いていた曲だが、四重奏も美しいですね。SATBのそれぞれのプレイヤーの音色、そして音の飛び方が尋常ではない。
デザンクロ「四重奏曲」。めちゃくちゃ面白い!!デザンクロって、個人的にはデファイエ四重奏団までで打ち止めになっているような気がしていたのだが、こういう演奏を聴くとまだまだ可能性が無限に開けているのだなと思う。特に、速い楽章が面白かった。先走るテンポの中に、有機的なアンサンブルが見え隠れし、最初から最後までドキドキしながら聴いた。

♪フェロー・サクソフォン・カルテット
D.スカルラッティ「"3つの小品"よりプレスト・ジョコーソ」
J.リヴィエ「グラーヴェとプレスト」
C.パスカル「サクソフォン四重奏曲」
R.ペック「ドラスティック・メジャーズ」
沖縄民謡をアレンジした小品(アンコール)

小ホールにて、YAMAHAプレゼンツのミニ・リサイタル。
フェローSQを聴くのは初めてだ。といっても、もちろん雲井雅人サックス四重奏団は良く聴いているし、林田和之氏のアルバムでも「ドラスティック・メジャーズ」のノリノリの演奏を楽しんだりもしている。しかし、今年の中ごろにあった林田氏のリサイタルは伺えなかったため、ライヴで聴くのは初めてだった。
スカルラッティから、キラキラした音色がホールを満たした。そして、リヴィエ、パスカルを、林田氏の絶妙なトークでつなぎながら演奏。ここまで比較的コントロール重視の軽やかな音色を聴いてきた中で、それらとは一線を画する、和声の捉え方、音色の捉え方が印象的だ。雲井雅人サックス四重奏団とともに、かなり独自の路線を走るように思えるが、ここまで完成された世界を構築するまでには多くの苦労があったのではないか。
ペックは、ノリノリの演奏に大興奮!国内でこの曲が演奏されるようになってきたのは、嬉しい限りだ。客席も大いに沸いていた!

♪ヴァンサン・ダヴィッド
P.モーリス「プロヴァンスの風景」
G.フォーレ「ヴァイオリン・ソナタ」
A.I.ハチャトゥリアン「"ヴァイオリン協奏曲"より第1楽章」
ソプラノ・サクソフォンのデュエットによる即興(アンコール)
ピアノのドローン上での即興(アンコール)

こちらも小ホールにて、野中貿易プレゼンツのミニ・リサイタル。
モーリスは、かなりテアトル的な表現があるものの、全体の流れの中では意外と素直な解釈かも…と思いながら聴き始める。かなりスタンダードなレパートリーであるし、余裕綽々、楽譜も殆ど見ずにサラサラと吹いていたが、第5楽章でぶっ飛んだ!なんだあの超速い「カブリダン」は…。今まで聴いた最速の演奏って、おそらくミュールかモレティあたりの演奏だと思うのだが、そんなものを軽々と超えるほどの超絶テクニック…。カデンツから最後までは、循環呼吸も使いながら間断なく音を敷き詰めた!なんだかこれは、曲のスタイルとかそういったことは全く関係のない、「ヴァンサン・ダヴィッドの世界」そのものだ。眉をしかめる向きもあろうが、これはこれで一つの完成された世界として楽しむべきだ。
フォーレでは再びソプラノサクソフォンに持ち替え。こういう作品を"普通に"聴かせる技術力の高さと、そして再びハチャトゥリアンで魅せる驚異的なテクニック。去年ミーハ・ロギーナ氏が来日した祭にも、李早恵さんとともに演奏していたが、こういった演奏を聴くと、日本のサクソフォン界が、いつの間にか世界から置いてきぼりをくらっているのではないかと、無駄な心配をしてしまう。カデンツァは聴いたことのないような感じだったが、ダヴィッド氏のオリジナルだったのだろうか?
アンコールに、平野公崇さん飛び入りでフリーの即興!場内大爆笑の連続で、昨年やはりこの場所で行われた坂田明氏と平野公崇氏の即興対決を思い出していた。そして、沼田良子さんを呼んで、ピアノのドローンの上で再び即興対決…と思いきや、盛大なオチをつけて終演。いやあ、面白かったなあ。

♪安井寛絵
B.ブリテン「オヴィディウスによる6つの変容」より4曲
棚田文則「Mysterious Morning III」

大ホールにて、今年の管打楽器コンクール・サクソフォン部門の入賞者ガラ・コンサート。現在ブール=ラ=レンヌ音楽院在学中の安井さんの無伴奏演奏である。フランスのほうではかなり活躍されているそうだが、演奏を聴くのは初めて。ブリテンの安定した演奏も良かったのだが、やはりコンクールでも演奏されたという「Mysterious Morning」が印象的である。個人的にめちゃくちゃ好きな曲で、空で歌えるほど聴き込んでいるほどなのだが、小柄な体から繰り出されるテンションの高い音楽は、まさに圧巻であった。
ちょっと面白かったのが、声を出しながら吹くところ。やはりというかなんというか、男の人が演奏するのとは、重音の響きが少し違ってくるのだなあ。

♪伊藤あさぎ
P.ヒンデミット「ヴィオラ・ソナタ」

以前修士リサイタルということでご案内頂いたときも、この「ヴィオラ・ソナタ」(と、確かティエリー・エスケシュの「リュット」だったかしらん)を演奏されていたとのことだが、その時は聴きにいけなかった。そんなわけで、伊藤あさぎさんのソロ演奏を聴くのはほぼ一年ぶり。渋谷のアンナホールで開催された、ドゥラングル教授のマスタークラスにて、受講者として「PCF」を演奏していたのだ。とにかく上手くてびっくりした覚えがあるが、ヒンデミットの演奏を聴きながらそのときの印象を思い起こしていた。修士論文提出直後で、大変な状況での練習と本番だったとのことだが、そんなことを感じさせず、最初から最後までピンと緊張の糸が張った集中力の高い演奏だった。今度はリサイタルなんかでいろいろな曲を聴きたいです。ぜひ!

♪田中拓也
H.トマジ「サクソフォン協奏曲」

本選と同じく暗譜での演奏。音量や響きといった点で、前2者との差異をやや感じながら聴き始めた。どこまでも音楽的で自然な響き、そしてまだ二年生とは思えない風格漂う演奏だった。現在東京藝術大学の2年次に在学中だそうだ。今後もいろいろな機会で田中拓也さんの演奏を聴く機会があるだろうが、その時を楽しみにしていたい。ピアノを弾いていた沼田良子さんは、ヴァンサン・ダヴィッド~伊藤あさぎさん~田中拓也さんと、あちらこちらで大活躍だった。そういえば、管打楽器コンクールの本選でも5人中4人弾いていたのだっけな。

♪有村純親、林田祐和、田村真寛 with Blitz Brass
M.レヴィナス「インキュヴァー Incurver」

パリ国立高等音楽院サクソフォン科の課題曲として、音楽院とセルマーの委嘱により作曲された、管楽アンサンブルのための作品。独奏に有村純親氏を迎え、なんか不思議なチューニングではあったが、期待度満点で、さあ、最初の一音!…そして会場に走った衝撃。ビビりました。
いやはや。しかも、もうちょいと展開があると思ったんだが(笑)。これ、試験曲なのにどうやって優劣をつけるのだろうか。委嘱して、出来上がってきたときの委嘱者の衝撃を想像することができる。ちょいと調べてみると、ポリフォニーによる和声の構築という、一見矛盾を孕んだテーマに沿って作曲されているのだと…よくわからん(苦笑)。やはり、ある種のスペクトル楽派って、ちょいと自分にとっては苦手かもしれない、なんてことを思ったのでした。


♪長瀬敏和 with Blitz Brass
田中久美子「セドナ」

知っている人は知っている、ランベルサール国際吹奏楽作曲コンクールの第一位受賞作。コンクールではダニエル・グレメル氏の独奏により演奏されたが、今回がおそらく国内では初演となったはずである。
隅々まで高密度に書かれた作品。独奏パート以上に、吹奏楽パートが重点的に書き込まれており、情報量の多さにやや追いきれない部分もあったが、傑作と呼ぶに相応しい。
田中久美子氏は関西で活躍されているので、長瀬氏が独奏抜擢となった、ということだろうか。長瀬氏の演奏を聴くのは、初めてである。いや、もしかしたら大阪市音楽団のコンサートマスターとしての演奏を、CDなどで耳にしたことがあるかもしれないが、とにかく独奏は初めてだった。…あれ、近いうちにリサイタルがあるんじゃなかったっけか(^^;

♪彦坂眞一郎 with Blitz Brass
長生淳「He Calls...」

大トリ、名作と名高い「He Calls...」を、もちろん彦坂氏の演奏で。めちゃくちゃカッコいいです。Blitz Brassも、さすがメンバーが若いせいだろうか、こういう曲に関してはノリの良さが良く見えるし、演奏のテンションも爆発するようだ。あまりに爆発しすぎて、独奏をかき消してしまうくらい。彦坂氏の独奏は、不思議とヴィブラートを抑えたスタイルだったが、「おーーーい」と聴衆を呼ぶような独奏サクソフォンの旋律線の中では、これはこれでありな吹き方なのかなと思った。
怒涛のカデンツから最後に向けての煽り、そして客席の沸きっぷりは、楽しかったな。

彦坂氏の演奏が終わってホワイエに出たところで、加藤里志さんと対面することができた。わざわざ声かけてくださって、ありがとうございました!

♪フェスティバル・オーケストラ
L.v.ベートーヴェン/金井宏光「交響曲第七番より第一楽章」

おなじみ、フェスオケにて〆の演奏。もともとがシンプルな楽譜だけに、サクソフォンオーケストラという編成でも、楽しく聴けた。このメロディを聴くと、「のだめカンタービレ」の名場面が脳裏に浮かんでくるのは、なんともはや(笑)。

ところで、フェスティバルオーケストラの演奏に先立ち、石渡会長の呼びかけで、今年逝去された圓田勇一氏に対して黙祷が捧げられた。圓田氏について、私は多くを知らないのだが、そういえばソプラニーノサックスを携えて、フェスティバルオーケストラに乗っていた初老の方を、毎年見ていた。
ソプラニーノといえば、この方と、各川芽さんと、そして最近では塩安さん、というメンバーであった。そうか、あの方が圓田勇一氏だったのかと認識したとき、とたんに圓田氏の逝去がリアリティをもって感じられるようになった。

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例年通り大合奏まで聴きたかったが、ちょっと疲れていたこともあって、ここまで聴いて先に失礼した。

なんだか運営のほうではいろいろあったようだが、くにすえさんを始めとする実行委員の方々、本当に何から何までお疲れ様です。こういった機会に参加できること・聴けることは、我々アマチュアにとって大変得がたい機会であり、そして、各々がその機会をとても楽しんでいる…ということが、企画運営側に少しでも伝われば良いのだが。余韻を楽しみつつ、また来年のフェスを心待ちにしたい。

2008/12/22

サクソフォーン・フェスティバル2008一日目

とりあえず、聴けたものだけ書く。とにかく(昨年以上に!)盛りだくさんだったので、聴きたいものが同時にあったりするとどちらかを優先せざるをえなかった。あと、残念なのは、アマチュアステージの演奏を全く聴くことができなかったこと…。

♪山崎憂佳
R.ブートリー「ディヴェルティメント」

ジュニアコンクールの最高位受賞者披露演奏。背の小さな女の子だったが、出てくる音楽は実に堂々としたもの。客席の最後方で聴いていたのだが、ホールを満たす非常に豊かな響きと高水準で安定したテクニックが印象に残った。
昨年の披露演奏を聴いても感じたが、高校生の水準は留まることを知らない。いつの時代かには、高校生で「Mysterious Morning III」とか吹いちゃう人が現れるのかもしれない。いや、もしかしたら、技術的にはそれを可能とする人が、もう現れているのかもしれない。ピアノは原田恭子さん。第一楽章のリズムのぼかしが、絶妙。

♪Ensemble Φ(アンサンブル・ファイ)
啼鵬「Dancing Momonga」
NAOTO/啼鵬「Memories」

今年はTsukuba Saxophone Quartetでは出場しなかったので、自分も乗って演奏した唯一の団体。うーん、とりあえず、手拍子の煽りが拍のズレを招くとは思わなかった(汗)。こんどは去年みたくシリアスな曲もやりたいなあ。

♪フェスティバルオーケストラ with アマチュア愛好家
伊藤康英「ファンファーレ21」
P.マスカーニ/金井宏光「"カヴァレリア・ルスティカーナ"より間奏曲」
R.シュトラウス「ラデツキー行進曲」

これ、去年も乗ったけれど、けっこう楽しい。あれだけの大人数がいっせいに音を出すと、まるでパイプオルガンの中で吹いているような気分にもなるのだ。ステージ上のスポットライトが明るいため、暑さにやられて頭がボーっとした。

♪オットー・ヴォーチ
N.カプースチン「"8つの練習曲"より前奏曲」
H.ヴィラ=ロボス「"ブラジル風バッハ第5番"より前奏曲」
石毛里佳「クイックモーション」
長生淳「八重奏曲」
L.アンダーソン「ワルツィング・キャット(アンコール)」

原ひとみ、江川良子、渡辺美輪子、田名部有子、曽根美紀、大栗司麻、石田裕美、平賀美樹(敬称略)というメンバー。なんとなくなのだが、ソプラノ吹きならばソプラノ吹き、アルト吹きならばアルト吹き、それぞれ想起させるイメージというものがありますね。原ひとみさんと江川さんは、かっこよくて頼れる姉御肌!みたいな(なんじゃそりゃ)。
カプースチンは、私の音楽経験の3%くらいは確実に占めているピアノ曲である。8重奏で演奏すると、さすがにピアノで聴けるような鋭角的な音の立ち上がりはないものの、8重奏という編成にはなかなかないようなカッコイイ響きに仕上がっていて、これはこれでアリかもなあと思った。続くヴィラ=ロボスは、今年9月に他界された圓田勇一氏の編曲によるもの。有名なアリアを導く、沈むような美しさがホールに響き渡った。
ぱっと雰囲気を変えて、「クイックモーション」。もともとは、アンサンブルコンテスト用に書かれた作品なのだそうで、3楽章、中休みを入れてもたったの5分程度で、急緩両極端な曲想のなかを駆け抜ける。なるほど、オリジナル作品が少ない8重奏という編成の中で、かなりの傑作に位置するものだと思った。しかし、そうは言っても、やはり本命は長生淳の「八重奏曲」だろう!録音でもライヴでも、何度か聴いたことがあるが、この編成ではすでに"古典"となりつつある、まさに磨きぬかれた傑作!演奏も、相当のハイテンションで突き進んでいった。女性8人でヒールでバン!と足を踏み鳴らす様子とか、パートごとにバトルしていく部分とか、ある意味ものすごく怖いな(^^;;;
アンコールに、可愛らしく「ワルツィング・キャット」。田名部さんの犬の鳴きまねは、ウマすぎっす(笑)。あははは。

♪カルテット・スピリタス
W.A.モーツァルト「"フィガロの結婚"序曲」
J.リュエフ「四重奏のためのコンセール」
S.バーバー「弦楽のためのアダージョ」
浅利真「ラテン・メドレー」

実は、スピリタスを聴くのは録音・実演問わず初めて。いやー、びっくりした。とにかくアンサンブルの精度が高く、しかもそれがそのままグルーヴ感に繋がっているような感じを受けた。音色も、倍音を控えめにしながらもノイズなく磨き抜かれており、まさに新世代のグループ。さすが、ハバネラやアルカンヌと対抗するほどのことはある。
モーツァルトなんて、普通の1.5倍くらい速く駆け抜けながらも、あのアンサンブルだもんなあ。もうね、指が見えなかった。すごい!そして、松井さんと波多江さんのトークの掛け合いが面白いこと!やっぱり、"しゃべり"って凄く重要ですね。スピリタスが積極的に行っている、アウトリーチの盛り上がりが想像できる。
リュエフは、「コンセール」という邦訳をつけた意味、そして各楽章のスタイルについてしっかり説明してくれたのが良かった(説明しすぎて、ステージ脇からマキの指示が飛んでいた!)。知っている人は当たり前のことだけれど、知らない人は知らないからなあ。正統派のレパートリーだけに、もの凄く研究して音楽を作っていたそうだ。名演奏だった。続いて、ちょっと明かりを落として演奏されたバーバーに、感動。
そして「ラテン・メドレー」!!おそらくもともとはヴィーヴ!SQのために書かれた曲だと思うのだが、おそらくヴィーヴが演奏しても、ここまではならないんじゃないだろうか…演奏から演出まで最高!会場が大興奮の渦に包まれていた。
こんな演奏聴いてしまったら、CD買わないわけにはいかない!ということで、その日は持ち合わせが

スピリタス終演後には、レセプションに参加。いろいろな方と交流を深めつつフェス一日目の夜は更けていくのだった。あ、Pさんのケース当選にはウケましたね~面白かった(笑)。

そうそう、一日目も、昨年に引き続き新たにいろいろな方にお会いすることができた。YAMAHAのHさんとYさん。ブログ見てくださっているらしい。フルモー氏の来日に際して、ネットを介してちょこちょことやりとりがあったのだ。伊藤あさぎさんに紹介していただいて、安井寛絵さん。以前から、ブログを拝見しており、アルカンヌSQのCDを買うお約束をさせていただいていた。Pさんに紹介していただいて、須々木由子さん。須々木さんのブログも、良く拝見している。お名前は良く存じていたが、浜松SCのみゅるGENさん。あんまり話すことの出来る時間がなかったが、またいろいろとお話したいな。

時間はさかのぼるが、Φの演奏を終えてホワイエに出たところで、Iさんという、メールを通じたお知り合いの方と初対面。お隣には、昨年のJr.コンクールで最高位を受賞し、その後の入賞者披露演奏会でも素晴らしい演奏を披露した中島諒さんが。あれ?なぜ?と思っていたところ、「私の孫なんですよー」「えーーー!!!」という衝撃の事実が。それにしても、Iさんにはご挨拶できて良かったです。どうもありがとうございました。

フェス2008二日目終了

先ほど帰筑。ふう。今年も盛りだくさん。(個人的にはかなり)大満足のフェスでした。いろいろは、後日書きます。さーて、明日は朝から大学のほうで仕事があるから、早起きしなきゃ。

…あっ。あーーー!!!安井寛絵さんからCD買い忘れた!!!

2008/12/21

フェス2008一日目終了

今年も、いろいろな方と知り合えて、また、いろいろな方と再会もできて、楽しかった。詳しいレポートは、後日ゆっくりと書きます。

明日は、私的には初!→朝イチから聴きに行きます。

2008/12/19

知ること、聴くこと

音楽を楽しむには、前提知識があるとより深く楽しめるんだなあ、という、経験に基づいた話。

宮川彬良氏の公式ページで読めるエッセイがおもしろい、という話は、いぜんブログのどこかで書いたことがある。大阪国体の顛末とか、芸大作曲科の入試とか、おもしろいエピソードそして示唆に富む文章の宝庫であり、見つけたときは、寝食を忘れて、一気に読んでしまった。

そのエッセイの中で特に印象に残っているものがあって、その一つが「ソナタはワタシ・ワタシはソナタ」と題されたエッセイだ。下のリンクからたどることができる。
http://akira-miyagawa.com/modules/news/article.php?storyid=42

これを読んだとき、いわゆる「ソナタ」と呼ばれる音楽形式について、目の前がすうっと明るくなっていくような思いがしたのである。CDや楽曲の解説に「この楽章はソナタ形式」などと書かれても、それまでは何のことやらさっぱりだったのが、上のエッセイを読むことで氷解したのだ。ソナタ形式について知るためには、別に宮川彬良氏のエッセイでなくても良かったのかもしれないが、なぜか妙に印象に残っているのは、宮川氏の文章のセンスだろうか。

そして、このエッセイの真の効用は、それからあとに顕在化してきた。このエッセイで得た知識をもとに、ほぼすべての楽曲には主題があることを意識してさまざまな音楽を聴き出すと、音楽を聴くことがとたんに面白くなったのだ。折しも、気合いを入れて取り組んでいたデザンクロ「サクソフォン四重奏曲」の第一楽章(明らかなソナタ形式)、跳躍と半音階風味の動きを伴う第一主題と、牧歌的な第二主題、それぞれの展開手法の素晴らしさ。そして、楽曲も後半になった部分での再現部、等々…主題を追っていくことで、その場その場の響きを楽しむのとは違う、曲に対する新たな楽しみを見つけることができたのだ。

それは特に、長い曲を聴くときに特に有効である。いつだったか、筑波研究学園都市吹奏楽団で聴いた、たしかバーンズの「交響曲第三番」だったかな、あれの最終楽章って、普通に聴くと長いだけで、ちょっとアレなのだが、第一主題、第二主題、そして展開部と再現部が明確に区切られており、聴きながらそれを追うだけで楽しかった記憶がある。

そんなわけで、音楽を聴くときは、その音楽に対するきちんとした知識があると、楽しいよ、という話でした。作曲家、楽曲に対する知識のみならず、音楽の形式に関するベーシックな部分をきちんと押さえることで、まったく楽しみ方が変わってくるのだ。

2008/12/18

フェス2008の見どころ

まあ、基本的に全部が見どころだとは思うが(笑)。とりあえず一日目は端折って、二日目を見ていこう。

http://homepage2.nifty.com/jsajsa/festival2008/festival2008.htm

・音大生によるアンサンブル
東京ミュージック&メディアアーツ尚美は、徳備氏の手による新アレンジで、「アルルの女」の抜粋。国立音大は、たくとんさん編のリバーダンスやるらしい。昭和音楽大学は「ガイーヌ」?そのほかの大学はわかんないなあ。

・プレミアムコンサート
まずは、今回がおそらく二度目の来日となるヴァンサン・ダヴィッド氏の演奏が楽しみだ。そして、それと同じくらい楽しみなのが、ジェローム・ラランさん、原博巳さん、大石将紀さん、ティボー・カナヴァル Thibaut Canaval氏によって結成された四重奏団、「ランドスケープ」の演奏するデザンクロ。なんかすごそう。デンマークからは、クラウス・ウールセン氏が再来日(ソロでの来日は初めてかな?)。

・トリビュートコンサート to シュトックハウゼン
大城正司氏、白石奈緒美氏によるシュトックハウゼン作品の演奏。9月にシュトックハウゼン追悼コンサートで聴いた無伴奏の「友情に」や、最近国内初演されたというソプラノサクソフォンとテープのための「誘拐」あたりが演奏されることを期待している。

・フェスティバルコンサート:第25回日本管打楽器コンクール入賞者ガラコンサート
田中拓也さん、伊藤あさぎさん、安井寛絵さんの演奏。本選を聴き逃してしまったので、今から楽しみである。それぞれのプログラムは、どうなるのかな。伊藤あさぎさんと安井寛絵さん両方、棚田作品だったらそれはそれで面白いと思うが。

・フェスティバルコンサート:JSAスーパーソロイスツ with Blitz Brass
今年は吹奏楽との共演。ランベルサール国際吹奏楽作曲コンクールにて、ダニエル・グレメル氏によって初演された田中久美子「セドナ」。なんと演奏は大阪市音のコンサートマスター、長瀬氏だという。
Michael Levinas「Incurver」は、今回ソロを務める有村さん自身が、パリ国立高等音楽院の卒業時に演奏した作品。まさか、もともとサクソフォンと吹奏楽のための作品だとは知らなかった。
彦坂氏の「He Calls...」は、聴いたことはないのだが、なかなかカッコいい曲らしい。楽しみにしていよう。

ドゥラングル教授、来日?

知り合いに、同期で、現在昭和音楽大学短期の一年生という子がいるのだが、そちらからの情報。2009年1月にクロード・ドゥラングル教授が来日して、昭和音楽大学でマスタークラスだかレッスンだかを開くらしい。野中貿易のページにも載っていないし、えーっ、そんなの初めて聞いたぞ!?

もし来るのであれば、ぜひまたマスタークラスを聴講したいところだ。演奏会は開かないのかなあ。どなたか、今回のドゥラングル教授来日の詳細知っていましたら教えてください!>昭和音楽大学の方々 or 野中貿易の方々。

年末にはヴァンサン・ダヴィッド氏やジェローム・ラランさんの演奏も聴けるし、いやあ、いろいろと楽しみですなあ。しかし終わらない修士論文…(提出は1/21)。

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(追記)

ピアニスト泉谷絵里さんのブログに、ちょこっと速報がアップされていた。泉谷さんは、今度の来日の際、ドゥラングル教授と共演するらしい。

http://yaplog.jp/eri-pf/archive/484

出演:クロード・ドゥラングル(sax.)、泉谷絵里(pf.)
日時:2009/1/20(火)
場所:昭和音楽大学ユリホール
プログラム:
André Caplet - Legende
Claude Debussy - Rapsodie
Maurice Ravel - Sonatine
Luciano Berio - Sequenza IXb
Ronaldo Miranda - Fantasia
Roger Boutry - Divertimento
Pierre Sancan - Lamento et Rondo

ロナルド・ミランダの「ファンタジア」が気になる。1994年に作曲されたアルトサクソフォンとピアノのための作品で、ミランダ氏の公式ページのリストにも載っていた。どんな曲なんだろう。

http://www.ronaldomiranda.com/list/index.html

1/20かー。修士論文の提出一日前だな。余裕をもって書いて、なんとか聴きに行くことができれば良いが。

ソロの構想

私自身は、学生最後となる最後のサクソフォンの演奏会として、2009年3月14日に演奏会を予定している。メンバーが卒業論文&修士論文で忙しく、今年9月に開いたような大きな規模での演奏会は断念したのだが、100席ほどの室内楽用ホール(つくば市アルスホール)で、ささやかに?コンサートを開く予定だ。

四重奏のほうでは、フルートの渡瀬英彦先生をお迎えしてマルチェロの協奏曲を。これは、今年10月にフルモーさんのツアーで使用された楽譜を、波多江史朗さんからお借りすることができた。波多江さんには深く感謝申し上げる次第である。そして、懸案であったディヴィッド・マスランカ「レシテーション・ブック」の再演。できれば全楽章か、それに近い形で…。そして、毎回恒例のソロもやります。

私も、何かやろうと考えたのだが、アルトサックスに取り組んでみたいという欲求から、マーク・ブンス Mark Bunce氏が作曲したアルト・サクソフォンとライヴ・エレクトロニクスのための「ウォーター・ウィングス Waterwings」を取り上げることにした。「Grab It!」が”動”ならば、「Waterwings」は”静”といったところ。1993年にBGSUのジョン・サンペン教授によって初演されて以来、欧米ではかなり積極的に演奏されているものの、日本では全く見過ごされていた作品。ブンス氏の協力により、今回日本初演にこぎつけることができそうだ。

マイクとスピーカーとPC(MAX/MSP)を使ったライヴ・エレクトロニクス作品の演奏は、私自身は初めて。「Grab It!」は、あれはただのテープですからね。知り合いにオペレーター兼サウンドエンジニアを依頼したり、オーディオインターフェーイスを用意したり、少しマシなスピーカーを用意したりと、環境の整備のほうが大変だったりして…

「Waterwings」が少し短いのと、曲想がまったり系であるという理由から、もうひとつ、ごく短く激しい作品を取り上げようかと思っている。ミケーレ・タディニ Michele Tadini氏の「ブレリア Buleria」。昨年11月にドゥラングル教授によって日本初演されたのを聴いて、あまりのかっこよさに衝撃を受けた作品。こちらは現在、タディニ氏にコンタクトして、楽譜を頂戴し、ツェルボーニ社(楽譜出版社)との間でエレクトロニクスパートのレンタル交渉を行ってもらっている最中。エレクトロニクスパートの入手が間に合うかどうかは、ちょっと怪しいところなので、もしかしたらこちらの演奏はお流れとなるかもしれない。

「Mixtion」「La complication d'image」の2作品は、社会人になっていつか取り組みたいと考えている。学生のうちに取り組めなかったのは、少し心残りだなあ。学生の期間って短いですね。

2008/12/16

デニゾフ「ソナタ」第3楽章ジャズ版

昨日の記事を書いていて思い出した。平野公崇(sax.)、クリヤマコト(pf.)、納浩一(bs.)、松山修(dr.)というジャズ・カルテットによるデニゾフ「ソナタ」の第3楽章。アルバム「ジュラシック」に収録されている。久々にかけてみたが、やっぱり興奮するなあ。そういえば平野さんは「深夜の音楽会」でもこのバージョンを取り上げていて、実家にはそのライヴ放送をVHSに録画したものを保管してある。機会を見つけてデジタル化しないと…。

それにしても、クラシック・サックス愛好家や音大生には認知度が低いのが気になる…やっぱり、ジャズのCDだと思われているのだろうか。まあ、デニゾフの「ソナタ」を知っていて、聴いたことの無い方は、是が非でも買ってみてくださいな(→amazonへのリンク)。本当にびっくりすること、請け合い。とにかく冒頭から、イメージ通りというか。最初の6/4のバス・オスティナートはベース、その上で鳴るブロックコードは、ジャズピアノそのものだ。

デニゾフは、ロシアの現代音楽界の中で、西洋音楽の技法を最も積極的に取り入れた作曲家の一人である。そして、西洋のジャズが大好きだったのだそうだ。ロンデックスからサクソフォンの作品を委嘱されたとき、サックス=ジャズというリンクが、デニゾフの頭の中で繋がったことは、想像に難くない。

2008/12/15

デニゾフ「ソナタ」の作曲経緯

エディソン・デニゾフ「ソナタ」がデニゾフとロンデックスとのコラボレーションにより作曲された、という事実は、比較的良く知られているが、もう少し詳しい話はあまり知られていない。そもそもは、ロンデックスがロシアツアーを行ったことに端を発したようだ。

1970年3月、ジャン=マリー・ロンデックスはドミトリ・カバレフスキーに招かれて、ロシアツアーを敢行した。このツアーの目的は、サクソフォンのデモンストレーションを行うことで、ロンデックスはモスクワとサンクトペテルブルグ(レニングラード)においてリサイタル、マスタークラス、レクチャー、ラジオ収録等を行った。

ロンデックスはこのツアーの最中、ソフィア・グバイドゥーリナ(後にデュオ・ソナタやイン・エルワルタンを作曲している)やドミトリ=ニコライエヴィチ・スミルノフ(四重奏のためのミラージュが有名)ら、多くの作曲家との出会いがあったそうだが、デニゾフとの出会いこそが後のサクソフォン界おいて最も重要なものとなったと言える。

デニゾフとロンデックスが会合したのは3月24日。サクソフォンのレクチャーを行った後、デニゾフは大変なインスピレーションを受け、サクソフォンのための作品の作曲を申し出た。ロンデックスもデニゾフの「インカの太陽」などを聴いて、期待を膨らませたようだ。デニゾフは作曲に際して、サクソフォンをもっと良く知りたいと考え、ロンデックスに対してサクソフォンの特殊奏法をテープに録音して送ってくれないかと、ロンデックスに依頼した。

ツアー終了後、フランスに戻ったロンデックスは、早速特殊奏法の録音を行い、テープをデニゾフに送付した。その時ロンデックスが書き送った手紙は、SaxAmEから参照することができる。手紙とテープは別便で送ったようだ。また、パテ・マルコニ(EMI France)からの録音の提案に、新作を収録したいという旨も伝えている。
・ロンデックスからデニゾフへの手紙
手紙とテープを受け取ったデニゾフは、ロンデックスにお礼の手紙を返送している。デニゾフがサクソフォンに対して、大きな興味を抱いている様子がわかる。サクソフォンとピアノという編成以外にも、いろいろ書きたいと考えていたようだ。
・デニゾフからロンデックスへの手紙

「ソナタ」の作曲は急ピッチで進められ、同年の8月に初稿が完成。2人の共同改作業によって、主に特殊奏法に関する改訂が行われた。ロンデックスが最終稿を受け取ったのは10月10日。同年12月には、シカゴで開かれた第2回世界サクソフォン・コングレスでピアノのミルトン・グレンジャーとともに初演を行い、大きな反響(ポジティヴ&ネガティヴ双方)をもって迎えられた。翌1971年4月には、パテ・マルコニに吹き込みを行っているが、これが「Le saxophone français(EMI)」等から参照できる演奏である。

2008/12/14

怒涛の週末

昨日土曜は、楽譜の移調作業をしたあと、19:00から新宿で飲み会。高校のクラスのメンバーのうち、関東圏にいる友人で忘年会、ということで10人ほどが集まった。高校卒業以来は会う機会などがなく、クラスのメンバーとは全くの疎遠になっていたのだが、いろいろな話に花が咲き、とても楽しい時間を過ごすことができた。

そのまま二次会、三次会と進み、当然のように終電、終バスを逃して、三次会の会場となった友人宅を5:30くらいに出発し、始発でつくばに帰ってきた。

そして、今日は12時からEnsembleΦの練習日。7時に家に帰り着いた後、2時間ちょっとの仮眠をとり、かつしかシンフォニーヒルズへ。全員がそろい、啼鵬さんオリジナル曲の「Dancing Momonga」とNAOTO/啼鵬「Memories」をまったりと合わせる。8重奏なのだが、テナーの1stの方がとても上手くて、けっこう足をひっぱってしまったかも…。今週、空いている時間を利用して、もっとさらわないとなあ。14時~16時の中休みを挟みつつ19時まで練習して、帰り着いたのは20:30くらい。

帰宅後、PCのメールをチェックすると、タディニ氏から、クリックトラックのサウンドファイルが送られてきていた(感謝!)。おおお、やっぱりクリックトラックあると楽そうだなあ。なんとかマルチトラックの再生環境を整えたいところだ。

さて、しっかり切り替えて、平日は修士論文執筆を進めないと…。来週もフェスで両日つぶれるしね。

2008/12/13

4 American Composersから

言わずと知れた映画監督、ピーター・グリーナウェイの作品「4 American Composers」からPhilip Glassのセクションをご紹介。コンサートの合間にインタビューが挟まれるというドキュメンタリーで、美しく構成された映像(まさにグリーナウェイマジック!)とグラスの音楽が魅力的なムービーに仕上がっている。

http://www.ubu.com/film/greenaway_glass.html

ぜひ大音量でお楽しみください(^^)TUCKさん曰く、グラス自身が「大音量による倍音効果」についてコメントしていたそうで、画質も音質も悪いムービーとは言え、音量を上げて聴くことで似たような効果を得ることができる(…のかも?)。

サクソフォンを吹く3人のうちの1人は、1970年ジュネーヴ国際音楽コンクールサクソフォン部門の最高位受賞者、ジャック・クリプル Jack Kriplである。クリプルについては、またジュネーヴの話と絡めつつ書きたい。おお、二曲目には「ファサード」も演奏されるぞ!

吹奏楽について書く(その2)

前の記事の続き。

私は吹奏楽が好きだ。少し離れてみて再認識したのだが、ちょっと探すだけで素晴らしい作品がざくざく出てくるし、様々なジャンルの境界を無尽に駆け回ることのできる身軽さ、といったところに魅力を感じる。演奏側としても聴き手としても楽しい。

だから吹奏楽はひとつの音楽ジャンルとして、これからも確立されていって欲しいと思っているし、そのためには吹奏楽に関わる全員が、一丸となって問題提起をしながら良い方向へと進んでいくべきなのだと思う。そして、おそらくその軸になるのは、コンクールなのだ。吹奏楽コンクールを軸とすることで、技術の向上、レパートリーの拡大を推し進めていく大きな流れを作ることができる。

演奏効果ばかりをねらい、審査員受けだけを良くしたような「なんだかよくわからない作品」は、吹奏楽というジャンルの循環系における癌だ。こいつが実にやっかいで、、、ほっとくとどんどん殖えるし、良いレパートリーを喰い潰していってしまうし、それによってお金を手にした作曲者は、また「なんだかよくわからない作品」を書いて、という風に、上手く循環の流れに入り込んで自らを増殖させていくという…。

そのおかしな流れを食い止めたいという願いがある。吹奏楽が本来持つ優良なレパートリーを、コンクールの場で積極的に循環させていきたいのだ。それはそのまま、優れたCDや楽譜が絶版になり「なんだかよくわからない作品」ばかりが売れまくる…という状況を改善することにもつながるし、ひいては吹奏楽というジャンルの地位向上につながるはずだ。

そのための布石として、コンクールにおいて自由曲となっている枠を、選択曲にするということを考えてみた(以前もこの)。まあ実現しなさそうな考えではあるが、構想としてはこんな感じだ:

・識者(できれば、吹奏楽畑以外の音楽家が多いほうが望ましい)からなる選曲委員会を組織して、難易度様々な500曲以上のリストを作成する。
・リストには、楽譜の出版社や入手先、参考演奏CDなどの付随情報を十分に掲載する
・連盟に加入している団体に、そのリストを配布して、その中から演奏作品を選んでもらう

と、これだけ。例えばそんな多忙な音楽家の方に500曲も選ばせるのは無理ではないのかとか、まあいろいろ問題はあるのだが、実現したら面白そうだ。単なるリストではなく、作品データや楽譜の出版社などを載せることにより、商業的にも特に優良な出版社に向けてカネが回るようにするという狙いがある。選択性についてはほかにもいろいろ妄想があって、最初の年度は50曲くらいにとどめておき徐々に増やしていくとか、楽譜のレンタルについて上手いシステムを考えるとか、思いつくことは多い。

見かけの循環に惑わされずに、つまらない方向やわけのわからない方向ではなく、もうすこし面白い方向に進んでほしい。しかもコンクールを軸として。吹奏楽に対する私の願いだ。

2008/12/12

吹奏楽について書く(その1)

私は現在、吹奏楽から少し離れた所に身を置いている。いろいろ理由はあって、大学の吹奏楽団からの引退に伴い身近で吹奏楽に取り組む環境がなくなったこと、サクソフォンの世界のほうが刺激的な作品や録音が多いこと、大人数よりも少人数のほうが動きやすいこと、などである。そういった多くの理由のうちの一つに、商業主義に走りつつある吹奏楽界を、外部から慎重に観察していたいということがある。まあ、これは理由のうちの3%くらいなのだが。今日はそのことについて少し書いてみたい。

特にスクールバンドや一部のアマチュア団体についていえば、吹奏楽界はコンクール至上主義である。コンクール至上主義について悪く言う人も一部いるようだが、私の考えとしてはそれ自体に問題はない。なんだかんだで、競争がなければよい文化は生まれないと思っているからだ。芸術という分野は、天才が現れるか競争が続かないと、停滞するからである。

視野をローカルな部分に戻してみても、コンクールで勝つことの喜び、というのは良いものなのだ(かくいう私も、コンクールやアンサンブルコンテストで勝つと嬉しいです、はっきり言って)。苦労して練習した結果が報われることは、ほとんどの人がうれしいものだと思う。喜びを感じなかったり、負けても冷静だったりするは、たぶんほとんどの場合が足下を掘り下げてきちんと練習してないせいだ。

そんなわけでコンクール至上主義、大いに結構!と言えるのだが、問題はその先だ。国内の吹奏楽界は、おそらく30年~40年近くにわたってコンクールに依存しながら成長を遂げてきた。その進化は目を見張るものがある。いろいろと失うものはあったが、結果として技術レベルの進歩は相当なものを見せたと言えるだろうし、世界を見渡しても吹奏楽がこれだけ一般に浸透している国は少ないのではないだろうか。

その中で、近年不穏な動きが出てきているのである。そのコンクールという場で、「なんだかよくわからない作曲家」の「なんだかよくわからない作品」が、幅を利かせはじめているのだ。しかも、その「なんだかよくわからない作品」のド派手な演奏効果と演奏が評価されて、その「なんだかよくわからない作品」がさらに有名になり、結果として全国的に有名になり、ますます多くのスクールバンドに演奏されるという…。

続く。

2008/12/11

ミ・ベモルを聴く

来年の1月に、内輪の発表会でミ・ベモル版のラヴェル「クープランの墓」を演奏する予定がある。私はテナーの1stなのだが、トンでもなく難しい楽譜で、しかもまだあまりさらってなくて、初合わせまでになんとかしなきゃいけないなあと思っている。さらう前に、いちどラージ版のイメージを作っておかなければならないなあと思い(ピアノ版やオケ版、サックス四重奏版くらいは聴いたことがある)、取りまとめ役の"つぼ"さんからミ・ベモルの録音を借りてきた。

C.ドビュッシー - 小組曲
M.ラヴェル - クープランの墓
G.ビゼー - カルメン組曲
M.ラヴェル - ボレロ

20人前後のラージアンサンブルって、そういえばあまり録音を聴いたことがないなあ。ラッシャーオーケストラの録音くらいなら持っているが、何だかあまり良いイメージないし。そうだ、国内の音大とかではよくラージアンサンブルって取り組まれているな。10月くらいには、何度も聴く機会があった。そんなわけで、ラージアンサンブルって興味がない分野で、何気なく「音源」として聴き始めたのだが…。

「ななな、なんだこれは!これが21人のアンサンブル!?まさか!?」と驚嘆したのだ!私がラージアンサンブルに興味がない理由は、四重奏などに比べて精度が低く聴こえてしまい、輪郭がぼやっとしてしまうとかそのあたりにあるのだが、ミ・ベモルのアンサンブルはちょっと方向性が違う。すべての音の発音は、そんじょそこらの四重奏よりもはっきりしているほどで、いままでのラージに対するイメージを払拭するものだった。あー、びっくりした。

なぜだろうと理由を考えたときに、まずはやはり全員が前田昌宏氏門下の同門であることが、大きな理由の一つだろう。そして、おそらくリハーサルにかける量もかなりのものとお見受けする。編成の点で面白いのは、アルトが妙に多いことだが、これも精度の高さに一役かっているのかな?アレンジされた楽譜も、音が薄めで、サクソフォンが持つ響きに頼っていないのが面白い。

あともう一つ思いついたのは、前田氏がリヨン音楽院を卒業しているということ。リヨン音楽院サクソフォン科と言えば、著名なラージアンサンブルを擁することで有名なのだが、もしかしたらそこの音作りにかなりヒントを得ているのではないかと思った。ちょっと良く聴いてみると、特に内声部においてヴィブラートがかなり慎重に使われているようだ。

ミ・ベモルの驚異的な演奏の一端は、このリンク先で観ることができる。
http://homepage.mac.com/mi_bemol/web_theater.html

2008/12/09

Fourmeau plays "Obsession" on YouTube

先日の、ジャン=イヴ・フルモー氏のリサイタルで演奏されたキャロル・ベッファ Karol Beffaの「オブセシオン Obsession」の動画がYouTubeにアップロードされていた。どうも、ヤマハのオフィシャル動画っぽいのだが、どうなんですかね?>ヤマハの方々

東京のリサイタルでは、一曲目にこの作品が演奏された。最初舞台に出てきたフルモー氏は険しい表情で、5日連続の最終日だし、疲れているのかなあと思いながら聴き始めたのだが、いざ始まるとあまりにすごすぎてぶっ飛んだ!フランスの伝統的なレパートリーも、こういった無伴奏の現代音楽も、フルモーさんには関係ないんだなあ…とは、Pさんの言葉。

観客はアジア人のような風貌だなあ。司会の女性は英語でしゃべっているので、日本ではなさそうだ。ちょっと調べてみたところ、どうやらこれはタイのバンコク、サイアムディスカバリーセンターの中にあるヤマハのショールームでの演奏映像らしい(あんまり確証が持てないが…)。

2008/12/08

WaterwingsのMAX/MSPパッチを動かそう

マーク・ブンス Mark Bunceが作曲した、アルトサクソフォンとライヴエレクトロニクスのための作品「Waterwings ウォーターウィングス」の演奏に際しての覚書。

PDFの楽譜、スタディ・トラック、MAX/MSPパッチは、ブンス氏から直接購入可能である。25ドルをPayPalで支払い、ブンス氏の勤め先のウェブサーバに楽譜やパッチをアップロードしてもらい、ダウンロードするという手順で入手した。快く用意してくださった、ブンス氏に感謝。

ところが、パッチをダウンロードして、さてMAX/MSP Runtimeでテスト動作させてみるかというところで、つまづいてしまった。拡張子が.dmgとは…?調べてみると、どうやらMacのディスクイメージらしい。Macを用意すればなんとかなるが、普段使いのOSがWindowsなので、わざわざ別のプラットフォームで動かすのも面倒だ。

とにかく、このディスクイメージからファイルを読み出すしかない。インターネットのどこかのウェブページに、isoファイルと同じように読めるよー、と書いてあったので、ためしにDaemon Toolsでマウントしてみるものの、あえなく失敗。

それならば、Macのファイルシステムからファイルを読み出せるWindowsソフトはなにかないか…ということで、HFSExplorerというツールを発見した。こちらのリンク先からバイナリをダウンロードして、パソコンにインストール。本体のほか、Javaのランタイムが必要だそうなので、それもSun Microsystems社のサイトからダウンロード。

HFSExplorerを起動し、[File]メニューから[Load file system from file]を選択し、ブンス氏に送ってもらったWaterwings.dmgを選択する。すると、dmgファイルの中身が見えた!必要なのはWaterwingsMSP 1.4のフォルダだけなので、選択して、ソフト上部のExtractボタンをクリックする。保存先を指定すると、指定した先にファイルが展開される。

ファイルがWindows上で読めるようになったヽ(^∀^)ノわーーーぱちぱちぱち。ざっと見渡すと、バックグラウンドに流れるaiffファイル(waveファイルみたいなもの)、それからMAX/MSPで作成されたパッチが展開されているようだ。おそらく、パフォーマンスに使用するメインパッチはWaterwingsMSP-1.4と名付けられたファイルだろう。そのほか、リバーヴのデモンストレーションのためのパッチ、DSPステータスのコンソールパッチ(汎用のものなのか?それともブンス氏が作成したのか?かなりよくできている)などがある。

パッチを作成するためのMAX/MSPは3~4万円するようなソフトウェアだが、パッチを動かすだけのランタイム版は無償。イー・フロンティアのサイト内などからダウンロードできる。MAX/MSP Runtimeを起動して、[File]メニューから[Open]を選んで、メインのパッチを読み込んでみよう。掲載したのはファイル選択画面だが、「ファイルの種類」は[All Files (*.*)]に設定し、メインのWaterwingsMSP-1.4を読み込む。

すると、ようやく立ち上がってきました、パフォーマンスパッチ。コンソール風の画面で、左上のボックスにチェックを入れると、レディ。その右の黄色い○をMIDIペダルなりマウスなりでヒットすることで、演奏開始となる。リバーヴやアウトプット等パラメータは、○をヒットすることでセクションに応じた値に自動的に変更されるが、操作することも可能。私の場合は、この作品を良く知っている知人にオペレーターを依頼する予定なので、ペダルは使わないつもり。そして、リアルタイムでのサウンドデザインも可能…かな?(ブンス氏曰く、ディレイの音とドライの音のバランスが重要なのだそうだ)

マイクをつなげて、声を使ってテスト動作中。ディレイ効果がとても面白い作品なのだが、こうして実際にディレイのエフェクトがかかるのは、実に面白い。楽器の音を入れてみるのが楽しみだ。譜面はそれほどむずかしくないのだが、もたもたしているとできなくなりそうだからな。頑張って練習しよう。3/14、Tsukuba Saxophone Quartetの演奏会でお披露目予定。

2008/12/07

筑波大学吹奏楽団第60回定期演奏会

引退してから三年。もう部外者となってしまったなあ(苦笑)。最初当日券が売り切れて閉め出しをくらったが、なんとか入れて良かった。1000席のホールがほぼ満席となる中、空いている席を探していつの間にか2列目へ。ノバホールの前のほうで観ることは少ないのだが、ここまで近いと演奏者一人一人の表情が良く見えて、なんかイイですね。

60回という節目にふさわしく、ショスタコーヴィチ(ホール外で聴いた)の一音目から祝祭的な輝きを湛えたまま、最後まで突き進んでいた!第二部の最初の曲やエルサレム賛歌の最終変奏、鳥肌立ちっぱなしだった。

2008/12/06

Harry White plays Larsson on YouTube

戸定邸(The Garden of Loveやったんだって!)にも、パーシモン(木星のファンタジー!)にも、オペラシティ(ヘッケマ!)にも行けなかったしょんぼり…な日。非常勤先の講師会に行ってきた後は、地道に研究を進めておりました。パイプライン化するしかないかなー。それでもだめだったらバス作らないとなー。

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ラッシャー生誕100周年記念イベントの録画。ラッシャーの弟子の一人、Harry Whiteによるラーシュ=エリク・ラーション Lars Erik Larssonの「協奏曲」の演奏である。

ちょいと独奏、オケともどもリハーサル不足(この曲の第一楽章って、もの凄く音程捕まえづらいと思う)なのがアレだが、聴いているうちに気にならなくなってくる。ハリー・ホワイトのサクソフォンは、いかにもという感じの音色やアーティキュレーションで、ラッシャー派のファンとしては聴いていて嬉しくなってしまう。第2楽章、最初のテーマが戻ったところ(弦楽のピツィカートの上でメロディを歌うところ)が、ずいぶんと素朴に聴こえるのだが、それがまた良いなあ。そしてその直後の光差すようなフラジオ…!!

・第1楽章


・第2楽章


・第3楽章


最後の最後、弦楽オーケストラの「しぱーん!」というピツィカートも、なんだか潔くて好きだ(最初観たときは、笑ってしまったけど)。

2008/12/05

好きな曲は、いろいろ

クラシックサクソフォンの音楽はもちろんのこと、サックス以外のクラシック、ジャズやタンゴ、現代音楽、ラテン、フュージョン、プログレッシヴロック、ワールドミュージックなどの音楽も好きだ。良い音楽ならば、どんなジャンルであれ積極的に聴いていきたいと思っている。

クラシックサクソフォンの中に立ち返ってみると、ブログの記事を見ると最近はなんだかライヴエレクトロニクス作品ばかり聴いていると思われがちだが、そんなことはなくて、いろんなCDを無節操に聴いている。ミュールやデファイエに代表される伝統的なフレンチ・スクールのスタイルはもちろん好きだし、それよりも以前のサックス、ラッシャーに捧げられたものや、そしてパリ周辺の最新の作品、もちろん日本のプレイヤーによる演奏に至るまで、なんでもかんでも。

見た目がなんであれ、重要なのは作曲家・演奏者の音楽性と演奏の質なのだということを再認識する。例えば、いくらゲンダイオンガクに好きだとは言っても、派手であっても聴いていてぜんぜん面白くないものもあれば、地味だけれど聴けば聴くほどに味わい深いものもある。

「音楽」って、もう括ることができないくらい肥大化している芸術分野なのだ。そのなかで、上手に取捨選択しながら聴き手として関わっていきたいものだ。もちろん、演奏側としても…。

2008/12/04

サクソフォン+エレクトロニクス作品プレイリスト

インスタントラーメンの後入れスープって、何で後に入れなきゃいけないんだろう…と思っているのは、私だけではないはず。まあ、それはいいとして。

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ぱっと考えたときに思いつく、サクソフォンとエレクトロニクス・サウンドのための重要、かつ面白くてかっこいい作品を挙げてみた。

Janvier Alvaréz - On Going On [B.Sax, Live Electronics]
Jacques Becker - Western Ghats [S.Sax, Live Electronics]
Mark Bunce - Waterwings [A.Sax, Tape]
Mark Engebretson - She Sings, She Screams [A.Sax, Tape]
Dror Feiler - Tio Stupor [A.Sax, Tape]
Will Gregory - Interferences [S.Sax, Tape]
Pierre Jodlowski - Mixtion [T.Sax, Live Electronics]
Jacques Lejeune - Paysaginaire [Sn&S&B.Sax, Live Electronics]
Kumiko Omura - La complication d'image [T.Sax, Live Electronics]
Terry Riley - Assassin Reverie [SaxQ, Tape]
Etienne Rolin - No Tenor Tech Out [T.Sax, Tape]
Wayne Siegel - Jackdaw [B.Sax, Tape]
Karen Tanaka - Night Bird [A.Sax, Tape]
Karlheintz Stockhausen - Abduction (Entfuhrung) [S.Sax, Tape?]
Michele Tadini - Buleria [S.Sax, Live Electornics]
Kees van Unen - Jounk [A.Sax, Tape]
JacobTV (Jacob ter Veldhuis) - Pitch Black [SaxQ, ghettoblaster]
JacobTV - Heartbreakers [SaxQ, ghettoblaster]
JacobTV - Jesus is Coming [SaxQ, ghettoblaster]
JacobTV - The Garden of Love [S.Sax, ghettoblaster]
JacobTV - Grab It! [T.Sax, ghettoblaster]
Joji Yuasa - Not I, But the Wind [A.Sax, Effect]

一つでも知らないものがあれば、ぜひCDや実演で聴いてみることをオススメする。編成に関係なく、音楽的に優れた作品というのはいくらでも存在するのだ。ただ、エレクトロニクス作品の場合は絶対数が少ないから、目立ちづらいというだけのこと…。ところでクリストフ・アヴェルやフランソワ・ロセといった、ボルドー周辺の作曲家も、かなり積極的に書いているのだが、ちょっと高尚過ぎて、気楽に聴くのは大変かなあ。

来年の3月、この中から一つないしは短い作品を二つほど、取り上げて演奏してみようと考えている。ラランさんに頂戴したMAX/MSPパッチがあるので、できれば「Mixtion」やりたかったのだが、数ヶ月のうちにさらうのは、ちょっと難しいっす(--;となると、やはりアレとアレかな…。

2008/12/02

Marcel Mule「La Légende」

私がわざわざここで紹介するものでもないのだが、ついさっき、ふとブログで取り上げたくなったの。手に入れたのは高校の時。同期だったフルートの女の子から「こんなのがタワレコで売っていたよ」と紹介されて、その数ヶ月前にミュールに触れて大ショックを受けた後だったので、親にねだって買ってもらった(値段もはっきりと覚えている…4,590円だった)。その子がなぜわざわざこのCDを薦めてくれたのかは、今だに謎である。結果的に、大変良いタイミングで買えたのだけれど。

そのころの私は、クレストンもボノーもモーリスも、とにかくこのCDに収録されている作品をほとんど知らなかった。さすがに、クライスラーをヴァイオリンで聴いたことくらいはあったけれど…。このCDにおいて復刻されたミュールの演奏が、私自身の刷り込みであると考えると、なんだか可笑しくなってしまう。21世紀にもなって、初めて聴くクレストンやモーリスの演奏がミュールの演奏だという人なんて、果たしてどれくらいいるんだろう。

P.クレストン - ソナタ作品19
P.ボノー - ワルツ形式によるカプリス
P.モーリス - プロヴァンスの風景
A.グラズノフ - サクソフォーン四重奏曲作品109(抜粋)
P.M.デュボワ - ディヴェルティスマン
F.シュミット - サクソフォーン四重奏曲作品102
E.ボザ - カプリス
マルセル・ミュールのスピーチ
J.S.バッハ - フルートソナタ第6番(抜粋)
P.ランティエ - ユースカルデュナーク
A.ボルサリ - サクソフォーン四重奏曲
E.グラナドス - 「ゴィエスカス」より間奏曲
J.イベール - 室内小協奏曲
F.クライスラー - 愛の喜び

この通り、選曲が実に豊か。オーソドックスなレパートリーを、ミュールの演奏で聴くことができるのだ。製作はフランスのサクソフォン協会。タワーレコードやアクタスで取り扱っていたけれど、国内ではどのくらい売れたのだろうか。一時期Arizona University Recordingでも扱っていたが、今はもう売り切れ。もったいないことだ。

独奏の録音はとにかく、快活。音楽は渓流のように飛沫を振りまきながら流れ、聴き手としては爽快そのものである。ミュールがポピュラリティを得た一つの理由として、その目まぐるしいまでにフレーズを畳み掛ける驚異的なテクニックがあるのだが、それをオリジナル作品で体感することができるという点で、貴重だ。グリーンドア音楽出版のCDは、まだ入手できるのだろうか。でも、あちらにはクレストンやモーリスは入っていないんだよなあ。そして、ところどころに挟まれている四重奏が、実に渋い。私自身のシュミットの刷り込みはデファイエ四重奏団のEMI盤だが、この演奏も同じくらい好きだな。

手に入らないものを紹介しても…と思ったが、やはり取り上げられずにはいられなかった。読み返してみると、CDの記事というより、なんか音楽雑感の記事っぽいですな。

2008/12/01

Wayne Siegel「Jackdaw」の楽譜

バリトンサクソフォンとテープのための作品、Wayne Siegel「Jackdaw」は、私が初めて聴いたサクソフォンとエレクトロニクスのための音楽だ。初めて聴いた時は、その不思議な音に、頭の中が「???」という感じだったのだが、何度も聴くうちに刷り込まれて、今ではお気に入りの曲の一つになっている。クリスチャン・ロバの「スタン」よりは、絶対面白いと思っているのだが。

で、好きな曲ならば演奏したい!ということで、楽譜をずっと探していたのだが、なかなか見つけることができなかった。全然見つからないのでシーゲル氏に尋ねたところ、返事があって購入方法を教えてもらった。

FreeHand Music→http://www.freehandmusic.com/

そして、日本語を利用したい場合は、意外なところで買うことができる。

楽譜ナウ!→http://www.gakufu-now.jp/

Solero Music Viewerというビューワ上からログインすることで、購入した楽譜のみをダウンロードすることができる…という仕掛け。FreeHand Musicも、楽譜ナウ!も、同じ認証サーバを使用しているようだ。ちなみに、現在は円高の影響でFreeHand Musicから買ったほうが少し安い(9ドル未満)。

エレクトロニクスパートのテープは、シーゲル氏にメールしてみていただきたい(こちら→wsiegel@daimi.au.dk)。たぶん、送料込みで300dkk(デンマーク・クローネ)で送ってくれると思われる。支払は、PayPalが利用可能。PayPalアカウントのアドレスと連絡を取り合うためのメールアドレスは違うので、どうかご注意のほど。

CD・楽譜問わず、クローネで支払いをしたのは初めてだ。しかし、楽譜が安い割にテープのパートが300クローネとは、ちょっと高いなあ…。

「Jackdaw」がどんな曲か知りたい方は、この下のYouTubeリンクからどうぞ(ウィンドシンセとテープのバージョン)。吹いている人がとても楽しそうで、ついついニコニコしてしまう。
http://jp.youtube.com/watch?v=NMBrsAuLyd4

モレティ氏のリサイタル情報2008

なんとなく今年もリサイタルがあるとは聴いていて、インターネット上に情報がなかなか出ずやきもきしていたのだが、某所でようやく詳細を発見。

あ、しかも日程的に行けないじゃん!残念すぎる!(T_T)モレティ氏のグラズノフ、聴きたかったなあ…。マスタークラス聴きにいこうかなあ(←実験が重なって、それどころではない)。

【ファブリス・モレティサクソフォンリサイタル】
出演:ファブリス・モレティ(sax.)、服部真理子(pf.)
日時:2008年12月7日(日)19:00開演
会場:旧東京音楽学校奏楽堂(上野公園内)
料金:一般3500円 学生2500円(当日それぞれ500円増)
プログラム:
P.サンカン「ラメントとロンド」
J.M.ルクレール「アダージョ、アルマンドとジーグ」
A.デザンクロ「PCF」
H.トマジ「エヴォカシオン」
A.グラズノフ「コンチェルト」

問い合わせ:
order@momonga-lab.com、048-810-2332(モモンガラボ)

上田卓さんより、補足情報(チケット取扱先等)を頂きました。ありがとうございます!トマジがエヴォカシオンでなく、ジラシオンになってた…(汗)。

2008/11/30

デザンクロ「四重奏曲」の名盤(その2)

Hardi Saxophone Quartet - Amaging Grace (Meister Music MM-1173)

私のまわりでは、あまりこのアルバムに対する評価は高くないようだが、技術レベルは相当なもの。個人的にデザンクロをテナーで吹いた身としては、二宮さんの美しいテナーに惚れる。ソプラノの大和田さんの自由奔放な発音・ヴィブラートは、諸刃の剣ではあるが、瞬間瞬間で「おおっ」と思わせる部分もあり、まあ悪くはない。そして、さすがマイスター・ミュージック:録音が良い。amazonへのリンク


Diastema Saxophone Quartet - French Saxophone Quartets (Naxos 8.554307)
デファイエ四重奏団とハバネラ四重奏団の間のミッシング・リングである。その言葉を裏付けるように演奏のバランス感覚が見事。中間地帯を自在に泳ぐその様子は、なんだか日本の四重奏団と共通する部分がある。これで録音さえ良ければ…(いくらなんでも大味すぎるだろう)。パリ管のソリストとしてでなく、ぜひ四重奏団としてぜひ来日してほしいところであるが、難しいかなあ…。

2008/11/28

デザンクロ「四重奏曲」の名盤(その1)

アルフレッド・デザンクロ Alfred Desenclosが作曲した「サクソフォン四重奏曲 Quatuor pour saxophones」。いくら語っても語りつくせず、いくら取り組んでも深遠な、途方もない作品である。私も今までに3度取り組み、その一回一回が自分のサクソフォン人生の中で大きな部分を占めているが、おそらくそう思う方は私だけではないだろう。それだけの作品だということだ。

世の中はアンコンシーズンということで、何回かに渡って、そのデザンクロ「四重奏曲」の名録音(音源、とは決して言わないぞっ)について、手元で参照できるものについて改めて聴きなおし、思うところを書いていく。基本的にプロの録音しか持ってないので、アンコンのライヴ録音は除外。追記:ひとつの記事につき、二枚紹介していく予定。

ちなみに連載の最後は、もちろんあの最高の録音を紹介して終わりにしたいと思ってます。

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New Art Saxophone Quartet - Primavera (Ars Musici AMP 5090-2)

ドイツの団体であるNew Art Saxophone Quartetは、サクソフォンの発展が遅かったドイツにおいて注目すべきグループである。ラッシャー派からは離れて、比較的インターナショナライズされた音色・解釈・テクニックを目指していることがわかる。メンバーのほとんどが、フレンチ・スタイルのサクソフォン奏者にマスタークラス等で師事した経験があることと、関係がなくはないだろう。

技術的な完成度が高く、すっきりと良くまとまった演奏。おそらくデザンクロ自身が意識した、1970年代フランスのサクソフォンの響き、というものからは離れた演奏だろうが、これはこれでありなのかな。こんなにあっさりとした第1楽章は不思議な感じがする。しかし例えば第3楽章のロンドの主題は、大変にリズミックで、こうでなくては!と思わせるもの。この作品における"要素の対比"の重要性を認識させられる。

あと、全体を見通したときの構成感が良いですね。テンポ設定、ダイナミクス等に、それが現れていると思う。ともすれば一部分に注力しすぎな我々アマチュアにとっては、とても良いお手本となりえるだろう。amazonへのリンク


Harmo Saxophone Quartet - The Days of Quartet Part II (Meister Music ON-3008)

私より何年か上の世代の方々にとっては、お馴染みの盤ではないだろうか。国内サクソフォン界の1990年代を支えたアルモ四重奏団のセカンドアルバムである。例えば第1楽章など、かなりソプラノの中村均一氏の発音、美しい音色などが耳につくが、よく耳を澄まして聴いてみるとそれを裏で支えるアルト・テナー・バリトンの三人の、豊かな音楽性も際立ってくる。

何気ない一つ一つのフレーズが、きちんと調和の取れた音楽として聴こえてくるようだ。あまりにすごくて普通に聴こえてしまうくらい。第3楽章も、隅々まで抑制をきかせて安定性を前面に押し出してはいるけれど、実は裏ではもの凄いことやってんじゃないのか、これは。この音色・歌い方は、真似できません。amazonへのリンク

テスト

携帯電話からの投稿テスト。

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(PCから追記)
おおお、ちゃんと投稿された!ラベルは未設定になるんだな。しかし、アカウント名に特定の文字列を挟んだメールアドレスに送るだけとは、セキュリティ的にどうなんだろうか。

2008/11/27

Rascher SQ plays Denhoff on YouTube

ラッシャー・サクソフォン四重奏団の演奏動画がアップされていた。ミハエル・デンホフ Michael Denhoffの「Gegen-Sätze」という作品の演奏の様子で、1989年に撮影された長編映像の一部。アップロードしたのは作曲者自身のようだ。実はこの映像、The Legendary Saxophonists CollectionのDVD39にて全編を観ることができるため、私にとってはお馴染みのものだった。一作品とは言え、作曲者公認のもとでその映像がアップロードされたのは、大変喜ばしいことだ。

ラッシャーSQは、もともとシガード・ラッシャー自身も参加していたが、引退に伴ってアルトサクソフォンの席をジョン=エドワルド・ケリーに譲った。ということで、この映像のメンバーは、以下の通り。2008年現在では、このメンバーからさらに変わってしまっているが、テナーのワインベルガーは未だ現役で吹いている。

ソプラノ:カリーナ・ラッシャー Carina Rascher(シガード・ラッシャーの娘)
アルト:ジョン=エドワルド・ケリー John Edward Kelly
テナー:ブルース・ワインベルガー Bruce Weinberger
バリトン:リンダ・バングス Linda Bangs

演奏前にドイツ語のインタビューが入るが、こんな感じのことを言っている。legendary saxには、インタビューを英訳したテキストが付属してくるので、それを翻訳してみた。

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J.E.Kelly: ミハエル・デンホフは、大変才能に恵まれた作曲家の一人で、ドイツ在住です。彼のこの作品については、話さねばならないエピソードがあります。彼は、もともと私たちのためにこの作品を書いたというわけではないのです。彼はサクソフォン四重奏に対して概念のようなものを持っており、この概念を作品という形で書き下ろしました。作品が完成した後、そのことを友人のギュンター・バイアラス(彼はテナーのブルース・ワインベルガーを良く知っていた)に伝えると、「ミハエル、この作品は、ぜひラッシャー四重奏団に献呈すると良いだろう」と、ギュンターが答えたそうです。そこで彼は私たちにこの曲の楽譜を送り、私たちは直ちにリハーサルをして演奏会で取り上げました。演奏しながら、デンホフは大変才能のある作曲家であると感じます。献呈された1984年以降、何度も演奏しました。

Interviewer: この作品のテーマは「コントラスト」ということですが、なぜそう言われるのですか?

J.E.Kelly: まず、最初の部分と最後の部分はとても静かですが、中間部では複雑な音形が出てきますが、これが「コントラスト」の一つと言えるでしょう。さらに、中間部では、2本または3本のサクソフォンがリズムを刻む中、1本のサクソフォンが独奏的に長音を伸ばすような部分が出てきますが、これも動きの対比が面白い部分です。

・前半


・後半


例えば、アンブシュアや楽器、マウスピース、音色、演奏のスタイル、アルティシモ音域やらなんやら、"ラッシャー派の四重奏"に関して、映像から得られる情報は多い。貴重なムービーである。

2008/11/25

「イマージュの錯綜」の楽譜

大村久美子「イマージュの錯綜 La complication d'images」は、テナーサクソフォンとライヴエレクトロニクス(MAX/MSP)のための作品。この曲を知ってからもう5年ほどになるが、初めて聴いたときから大好きな作品。齋藤貴志さんのアルバム「絶望の天使 The Angel of Despair(ALM Records)」に収録されており、今までに何度聴いたことか。「Mixtion」がフランス発の最高のsax+electro作品だとしたら、「イマージュの錯綜」は日本発最高のsax+electro作品ではないだろうか。

その楽譜を大村久美子さんに送っていただいたのだ。見ず知らずのアマチュアにここまでしていただいて、大村さんには感謝申し上げる次第。早速読んでみたが(まだ音は出していない)、サクソフォンとライヴエレクトロニクスのための楽譜は「Mixtion」などでも見慣れており、それほど読みづらいということはない。吹けるかどうかとは別問題だが(苦笑:かなり難しい)。

以下、自分用の覚え書きとして、演奏ガイドを載せておく:

持ってて良かった、ジャン=マリー・ロンデックス著「Hello! Mr.Sax」!微分音re+quarterの運指は、「Oct+C2」。微分音re-quarterの運指は、「Oct+2+C1」。この運指、フェルドでもオクターブ下の音域で使用した。そういえばこの本、wind-fさんに借りっぱなしになっている(私信:すみません…汗)。自分用のものも購入済みなので、返さなくては。

持ってて良かった、ダニエル・ケンジー著「Les sons multiples aux saxophones」!以前、微分音のチャートと勘違いして買った重音のチャートである。いやー、やっぱ重音チャートが手元にないと、なにか新しい楽譜をさらおうとしたときに困りますな。楽譜のほうに重音の番号が書いてあったので、あっさりと見つけることができた。

mlt.12「12345+7(=C)+Ta+Bb」
mlt.72「(Oct+)123456+B」
mlt.97「123456+7(=C)+C3」

…あれ?mlt.12って、実音でEb, A, GではなくてEb+1/4, A, Gの重音ではないのかな。おかしいな、楽譜と重音本とどっちが正しいのだろうか。そして「Hello! Mr.Sax」のチャートでは、この運指だとEb, A+1/4, Gが出ることになっている。うーん、とりあえず「12345+7(=C)+Ta+Bb」を押さえておけばいいか。

2008/11/24

今年のフェスティバル予定

フェスティバル一日目は、去年に引き続いてEnsemble Φに参加予定。啼鵬さんの新アレンジを二曲!Tsukuba Saxophone Quartetとしての参加はありませんが、参加の皆様、よろしくお願いします。レセプションも楽しみ。二日目ももちろん観に行く予定。今年もいろいろと楽しそうな企画が目白押しで、私みたいな変なもの好きにとっては歓迎すべき傾向だ(苦笑)。

そういえば、とある企画の案が出ていて、もし実現すれば主体的に関わることになりそうだったのだが、著作権やら準備期間やらの関係で流れてしまった…残念。また来年てとこかな。

Mixtionに見られる邦楽的要素

テナーサクソフォンとライヴエレクトロニクス(MAX/MSP)のための「Mixtion」については、今までも何度かこのブログで触れてきた。2003年のパリ国立高等音楽院の卒業試験のために書かれたもので、「サクソフォンとコンピュータ」というジャンル中では疑うことなき名曲である。

曲のコンセプトとしては、「異質なものが組み合わさったるつぼの中で、そこから錬金術のように生み出される音を楽しむ」といったところだが(だからタイトルがMixtion="混合")、そんなわけで本当にいろいろな音とサクソフォンが複雑に絡み合って、何も考えず聴いているだけで面白い。ちなみにエレクトロニクスパートは、電子音は控えめに使われており、どちらかというとミュージック・コンクレートをたくさん聴くことができる。

で、「Mixtion」を何度も聴いているうちに、ちょっと邦楽的な要素をいくつか発見したのでご紹介。手元に楽譜があるため、譜例を載せつつ追ってみる。

譜例として載せたのはPerformance Instructionの一部。各セクションごとに数字が割り振られており、数字の最中はシーケンシャルかつ等間隔に演奏時間が進んでいくけれど、数字から数字を跨ぐにはMidiパルス(ペダルを使ったりする)が必要。そう、そもそも曲の進め方からして伝統的な邦楽に見られるone by oneの方式なのだ!

前半から中盤にかけて、エレクトロニクスパートにウッドブロックが多く聴かれる。まあ音はウッドブロックなのだが、叩き方が特殊。譜例は横軸が時間に対応して書かれているが、リズムを刻むのではなくて、かなり即興的なクラスタっぽい叩き方をしている。まるで拍子木?

サクソフォンパートに何度か出てくるこの表示。上のマス表示は音色の指定(ジャズっぽいサブトーン)、ppとmfの間を行き来する音量のヴィブラートをかけながら、ヴィブラートの波をaccel.という感じだろうか。これ、実際にテナーサクソフォンで吹いてみると、なんというか尺八のような面白い効果が出るのである。サクソフォンパートの中では、一番邦楽っぽい部分だろうか。

微分音のトリルは珍しくないが、この譜例に限ってはかなり面白い音がする。オクターヴキー+開放でC3キーを使用してトリルするのだが、まるで笛でトリルするような不安定な効果を出すことができる。

明らかに梵鐘の音。後ろで等間隔に鳴っているのは、鈴かな。まあ、邦楽的というよりもアジア的といったところだろうか。

2008/11/23

マイルストーン

1908年:クロード・ドビュッシー「ラプソディ」
何よりもまず、巨匠の筆によるものとして重要である。機能和声の壁をぶち破り、近代音楽への扉を開いたその先に位置する最も初期のサクソフォン作品。東洋的なモードに彩られた美しさ。

1970年:エディソン・デニゾフ「ソナタ」
現代音楽への最初のアプローチ。驚くほど多面的な要素が含まれている。方法論的作曲(第一楽章)、管楽器の奏法の拡張(第二楽章)、ジャズからの影響(第三楽章)。

…クラシック・サクソフォンのためのマイルストーン的作品。ドビュッシーとデニゾフくらいは、あっさりと出てくるだろうが、他に何が挙がるだろうか。

1934年:アレクサンドル・グラズノフ「コンチェルト」
マイルストーン、というと、その地点までの軌跡を総括し、さらに次に向かっていく、というような意味合いも含まれているが、その点ではちょっと性格が違うかな。新参者の楽器上における、ロマン派の復興。

1935年:ジャック・イベール「コンチェルティーノ・ダ・カメラ」
この時代におけるサクソフォンの機能をほぼすべて使い切っている。デニゾフとロンデックスが奏法の拡張を行うまでは、レパートリーの頂点に君臨していた作品とも言えるだろう。2人の巨匠、マルセル・ミュールとシガード・ラッシャーが大きく関わっていたという点でも、外せない。

1978年:マリウス・コンスタン「コンチェルタンテ」
ギャップ国際サクソフォン・コンクールの課題曲。現在のフランス・サクソフォン界の方向性を決定付けたと言える。

1992年:クリスチャン・ロバ「エチュード」
1990年代の作品というと、無伴奏サクソフォンのために書かれたこのエチュードが筆頭に挙がるのではないか。誰もが知っているという点でもポイント高し。このような作品が、言ってしまえばフランスの片田舎に過ぎないボルドーから世界に発信されたことは、驚嘆に値する。

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うーん、どうも中途半端だなあ。ただし、ドビュッシー、イベール、デニゾフ以外にぱっとする作品があるかというとそうではなくて、やはり偉大な独奏者がサクソフォン界の頂点に君臨している間は、レパートリーの改革って進まないんだなあと再認識することができた。良くもあり、悪くもあります。

そういえば全く関係ないのだが、一番最初にサクソフォンとテープを組み合わせた作品て何なのだろうか。ぱっと目録をひいてみると、1969年にはすでにサクソフォンとテープのための作品がいくつか作曲されていたそうだ。聞いたこともない作曲家、作品名であるが…。

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Miles (Davis) Toneはジャズ界における Mile Stoneなんだ!というダジャレを思いついた。

2008/11/22

Nikita Zimin on YouTube

ニキータ・ジミン Nikita Ziminという名前は、日本国内ではあまり知られていないだろうなあ。2008年の初頭に行われたジャン=マリー・ロンデックス国際コンクール(以下、JMLコンクール)で、一次予選を突破したうちの一人である(→集計ページ)。JMLコンクールには、ロシアからは他に、2006年にディナンのアドルフ・サックス国際コンクールで一位を獲ったセルゲイ・コレゾフも参加していたが、彼は残念ながら一次予選で敗退。ジミンが二次予選にただ一人残ったロシア人となった。

なんだかハンディ・カメラで撮ったようなブレブレの映像だが、演奏のレベルは実に高く、加えてとってもダイナミックな演奏!しかも、暗譜か!デニゾフの最終楽章では、畳み掛けられるフレーズの嵐にとても興奮した。他にクリスチャン・ロバの「ジャングル」などもアップされているが、そちらも凄い。楽器はセルマーっぽいな。フランスのサクソフォン界出身の奏者が演奏するようなエレガントな演奏とはかなり違うベクトルをもつものだが、これはこれで良いな。

ニキータ・ジミンもセルゲイ・コレゾフも、グネーシン音楽学校のマルガリータ・シャポシュニコワ教授クラスの出身であるはずだが、これだけ高水準のサクソフォン教育がなされているとは、ロシアのサクソフォン界はいったいどんな教育システムなのだろうか。

デニゾフ - 「ソナタ」第1楽章


デニゾフ - 「ソナタ」第2,3楽章


うーん、この演奏の方向性の理由を解き明かすには、やはりMargarita Shaposhnikovaの経歴や録音を調べる必要がありそうだ。

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一晩明けたら、新しい動画がアップされていた。Christian Laubaの「Jungle」だが、なぜかステージ上にセルゲイ・コレゾフさんが…。リハーサルかな。

2008/11/21

「書籍・論文」ラベル

このブログは、記事ごとにラベルを設定できる。今までは、CD、コンサート、プロジェクト、メディア、作品、情報、楽譜、演奏、音楽雑感というジャンルにわけて書いていた。このうち、「メディア」というラベルではCD以外のあらゆるメディア(動画、LP、書籍)を扱って書いていたのだが、最近の手元での書籍や論文の資料増加に伴い、新たに「書籍・論文」というラベルを追加した。

なんというか、同じ価格でCD一枚買うのであれば、サクソフォンについて書かれたアメリカの論文誌を1冊買ったほうが、ずっと面白いのだ。本当は日本語だったら読みやすいのだがなあ、なかなか国内には、そういう文化はないようで(苦笑)。

最近買ったのは、Saxophone Symposiumの論文誌と、Larry Tealの評伝(著者は奥さんと息子さん、A5変形版で250ページ)。そのうちまた、ブログ上でもレビューします。少しは英語の勉強にもなるし、記事が面白いので息抜きに読むのはうってつけ。

2008/11/20

川崎でのコングレスの描写

Thomas Liley著「The Brief History of the World Saxophone Congress」の中から、日本でサクソフォン・コングレスが開かれたときの様子を描写した部分を要約してみた。日本サクソフォーン協会のページにある松沢増保著「J.S.A.20年の歩み - コングレスの記録」と重なる部分が多いが、私自身は初めて知ったこともたくさんあった。

うーん、今となってはかなわぬ願いだが、ぜひ会場で聴きたかったなあ。

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第9回世界サクソフォンコングレス(1988.8.10 - 1988.8.14)

世界サクソフォン・コングレス史上、最も"文化的に"離れた場所で開かれたのが、日本の川崎市と横浜市で開かれた第9回のコングレスだろう。神奈川県の文化交流政策にも後押しされて、日本サクソフォーン協会の主催により、開催された。ちなみに、当時の会長は阪口新氏である。残念なことに、実行委員長であった大室勇一氏は、開催を待たずして三ヶ月の闘病生活の後に急逝した(7月3日)。

コングレスは、初日朝のオープニングコンサートから始まった。68名のメンバーによるサクソフォン・オーケストラで、伊藤康英氏と櫛田氏のオリジナル作品が演奏され、その後は麻生市民会館ののコンサートホールで、各国の演奏会によるパフォーマンスが行われた。参加国は、日本、ベルギー、スウェーデン、カナダ、イタリア、オーストラリア、アメリカである。イブニング・コンサートではハーヴェイ・ピッテルによってダールの「協奏曲」他が演奏され、さらにキャトル・ロゾー、ニューヨークSQが四重奏を披露した。

木曜日は、前日の参加国に加えてイギリスの奏者も加わった。バビット、ロベール、ルジエーロ、ギリングハムらの新作が演奏されるなどした。イブニング・コンサートでの出演者は、武藤賢一郎氏(デニゾフ、バツォーニ)と、ミシェル・ヌオー氏(ロベール)。さらに東京サクソフォン・アンサンブルがバルトークの作品他を、フルモー四重奏団がベルノーを演奏した。

金曜日は、午前中は演奏会が連続して行われていたが、午後は観光のために一時演奏は休止した。麻生市民会館を出発したバスは観光地を経て、神奈川県立音楽堂へ。「協奏曲の夕べ」と題された演奏会では、5組の独奏を迎えて次のようなプログラムが演奏された。オーケストラは、大野和士指揮東京都交響楽団。サンドロフの協奏曲は、大室勇一氏の追悼として書かれたものである。大室勇一氏は、ヘムケ氏の生徒だったのだ。

J.M.ロンデックス:グラズノフ「協奏曲」
デファイエSQ:カルメル「コンチェルト・グロッソ」
F.ヘムケ:サンドロフ「ウィンド・シンセサイザーのための協奏曲」
E.ルソー:ハイデン「ファンタジア・コンチェルタンテ」
須川展也:伊藤康英「協奏曲」

土曜の午前には、作曲家フォーラムが開かれ、午後からは再び演奏会が始まった。ウッズ、サンジュレ、カーリンズの作品などが演奏され、クリスチャン・ロバの新作も披露された。夕方には実行委員会によるミーティングが開かれた。イブニング・コンサートでは、ジョン・サンペン、オランダSQ、クロード・ドゥラングルなどが演奏を披露した。

そして、日曜が最終日。フェルド、ヴィラ=ロボス、ヒンデミットらの作品が演奏され、初演も多数(ベダールやロバなど)。トリとして、シャブリエの作品とヨハン・シュトラウス二世の作品がサクソフォン・オーケストラによって演奏され、「さよならパーティ」によって全日程が終了した。

2008/11/19

管打楽器コンクール2008・サックス部門本選結果

2008年の管打サックス部門の結果が、公式ページにアップされていた。私は20:50ころにアクセスして結果を知ったのだが、会場では20:00少し過ぎに発表されていたみたい。

http://www.jmecps.or.jp/kanda/08w-compe_result1.htm

以下、結果です(敬称略)。本選課題曲は、アンリ・トマジの「サクソフォン協奏曲」。ピアノとのデュオ演奏で、暗譜という指定があるそうだ。

第1位:田中拓也(東京藝術大学在学中)
第2位:伊藤あさぎ(東京藝術大学大学院在学中)
第3位:安井寛絵(ブール・ラ・レンヌ音楽院最高課程在学中)
第4位:細川紘希(東京藝術大学在学中)
第5位:加藤里志(洗足学園音楽大学卒業)

うおー、あさぎさん二位入賞だ、すげーー!!(おめでとうございます!)

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また、二次予選でのそれぞれの選択曲は、田中拓也さんが「Christian Lauba / Études」、伊藤あさぎさんと安井寛絵さんが「棚田文則 / Mysterious Morning III」、細川紘希さんと加藤里志さんが「野平一郎 / Arabesque III」だったとのこと。

2008/11/18

ラッシャーへの献呈作品リスト(年代順・改訂版)

最近入手したThomas Liley著「Sigurd Raschèr: His Life and Legacy」を元に、以前作成したリストを見直して、作品の追加、スペルチェックなどを行った。

[1932]
Borck, Edmond van - Concerto, op.6
Brehme, Hans - Sonata
Dressel, Erwin - Concerto, op.27
Dressel, Erwin - Sonate
Jacobi, Wolfgang - Sonata
Kaun, Hugo - Suite "Aus den Bergen"
Knorr, Ernst Lothar von - Introduction fur drei Saxophone (AAT)
Knorr, Ernst Lothar von - Sonate
Tarp, Svend Erik - Concertino
[1933]
Hindemith, Paul - Konzertstuck (AA)
[1934]
Borck, Edmond von - Introduktion und Capriccio, op.11
Glaser, Werner Wolf - 4 Kleine Stucke, op.8a (SAAT)
Glaser, Werner Wolf - 3 Sonaten im alten Stil (A.Sax Solo)
Glazounov, Alexander - Concerto en Mi-bemol
Larsson, Lars Erik - Konsert, op.14
[1935]
Bentzon, Jørgen - Racconto (Chamber)
Glaser, Werner Wolf - Concertino
Glaser, Werner Wolf - Suit No.3, op.16
Ibert, Jacques - Concertino da camera
Osterc, Slavko - Sonate
[1936]
Coates, Eric - Saxo-Rhapsody
[1937]
Eisenmann, Will - Concerto, op.38
[1938]
Bentzon, Jørgen - Introduction, Variations et rondo
Dressel, Erwin - Bagatellen
Koch, Erland von - Danse No.2 (S/A Solo)
Martin, Frank - Ballade
Palester, Roman - Concertino

[1940]
Ullman, Viktor - Slovanik Rhapsody, op23
[1941]
Brant, Henry - Concerto
[1947]
Walender, Waldemar - Arietta
[1948]
Badings, Henk - La Malinconia (or 1949?)
[1949]
Dahl, Ingolf - Concerto
Whitney, Maurice - Rumba

[1950]
Glaser, Werner Wolf - Allegro, Cadenza, e Adagio
Glaser, Werner Wolf - Kvartett (Chamber)
Whitney, Maurice - Introduction and Samba
[1951]
Eisenmann, Will - Duo Concertante, op.33
[1953]
Dahl, Ingolf - Concerto (Revised)
[1954]
Benson, Warren - Cantilena
Russell, Armando - Particles
Wirth, Carl Anton - Idlewood Concerto
[1955]
Benson, Warren - Concertino
[1956]
Korn, Peter Jona - Concerto, op.31
Lamb, John David - Night Music (A.Sax Solo)
[1957]
Brehme, Hans - Sonata (revised?)
Gates, Everett - Foursome Quartet (SATB)
[1958]
Koch, Erland von - Concerto
Moeschinger, Albert - Concerto lyrique, op.83
Turkin, Marshall - Sonata
Wirth, Carl Anton - Jephtah
[1959]
Erickson, Frank - Concerto

[1960]
Benson, Warren - Invocation et dance (SA)
Hartley, Walter - Chamber Music (Chamber)
Husa, Karel - Elégie et rondeau
Latham, William Peters - Concerto grosso (SA + orch)
[1961]
Cowell, Henry - Air and Scherzo
Eisenmann, Will - Movements, op.68
Jacobi, Wolfgang - Serenade and Allegro
Lamb, John David - Three antique dances (Asax Solo)
Lamb, John David - Three Flouriches (AA)
Schmutz, Albert Daniel - Sonata
[1962]
Eisenmann, Will - Concertino, op.69
Koch, Erland von - Concerto piccolo
Lamb, John David - Six Barefoot Dances (AA or TT)
Leonard, Clair - Recitativo and Abracadabra
Worley, John Carl - Claremont Concerto
[1963]
Gates, Everett - Incantation and Ritual
Lamb, John David - Three Pieces (Bsax + pf)
笹森建英 - Variations sur "Taki's kojo no tsuki"
Welander, Waldemar - Concertino
[1964]
Cowell, Henry - Hymn and Fuguing Tune No.18 (S.Sax + CB.Sax)
Glaser, Werner Wolf - Quintet (SAATB)
Jacobi, Wolfgang - Barcarolle (AA + pf)
Koch, Frederick - Concertino
Lamb, John David - Romp (B.Sax + pf)
[1965]
Dressel, Erwin - Concerto (SA + orch)
Dressel, Erwin - Partita
Russell, Armand King - Particles
Wirth, Carl Anton - Beyond These Hills
[1967]
Husa, Karel - Conerto
[1968]
Haba, Alois - Partita, op.99 (A.Sax Solo)
Macha, Otmar - The Weeping of the Saxophone
[1969]
Macha, Otmar - Plac saxfonu

[1970]
Beckerath, Alfred von - 6 Kleine Bilder
Gerhard, Fritz Chr. - Fantaisie "Ben venga amre" (SATB)
Gerhard, Roberto - Quartet-Fantaisie (SATB)
Glaser, Werner Wolf - Canto (S.Sax + orch)
Glaser, Werner Wolf - Little Quartet (Chamber)
Hartley, Walter - The Saxophone Album (S/A/T/B + pf)
Koch, Erland von - Miniatyrer (SATB)
Lamb, John David - Concerto "Cloud Cuckoo Land"
Lukás, Zdenek - Rondo, op.70
Wirth, Carl Anton - Dark Flows the River
Worley, John Carl - Oneonta Quartet (AATB)
[1972]
Hartley, Walter - Suite (SATB)
Patachich, Ivan - Quartetino (SATB)
[1974]
Hlobil, Emil - Quartetto, op.93 (SATB)
Worley, John Carl - Ski Trail Through the Birches (S.Sax + pf)
Worley, John Carl - Sonata
[1975]
Hartley, Walter - Octet for Saxophones (SAAATTBBs)
Hartley, Walter - The Saxophone Album (S/A/T/B)
Koch, Erland von - Dialogue (SA)
Koch, Erland von - Monolog Nr.4 (A.Sax Solo)
[1976]
Borel, René - Fugato in F (SATB)
Koch, Erland von - Saxophonia: Concerto (SATB + w.orch)
[1977]
Starer, Robert - Light and Shadow (AATB)
[1978]
Adler, Samuel - Line Drawing after Mark Tobey (SATB)
Koch, Erland von - Bagatella virtuosa
Koch, Erland von - Cantilena (S or T.Sax Solo)
Koch, Erland von - Cantilena e vivo (SATB)
Wirth, Carl Anton - David-Triptych

[1981]
Glaser, Werner Wolf - 3 Pieces (SSAAAATTBBBBs)
Koch, Erland von - Moderato e Allegro (SSAAAATTBBBs)
[1982]
Caravan, Ronald - Jubilate! (8sax)
[1985]
Hartley, Walter - Aubade (SAATBBs)
Hartley, Walter - Solemn Postlude (SATB)
[1987]
Koch, Erland von - Birthday Music for Sigurd Rascher (AA)
Tull, Fisher - Dialogue (AT)

[1990]
Goodman, Alfred - Suite (S)

[作曲時期不明]
Eisenmann, Will - Nevermore-Ballade, op.28
Gerhard, Roberto - Quartet
Grisoni, Renato - Albumblat, op.60
Grisoni, Renato - Für Sigurd op.60 (SATB)
Grisoni, Renato - Sonatina, op.64
Grisoni, Renato - Suite italienne, op.26
Knorr, Ernst Lothar von - Chamber Concerto (Sax + pf + orch)
Lamb, John David - Finney's Folly
Lamb, John David - Frolic

参考文献:
Harry R. GEE, Saxophone Soloists and Their Music 1844-1985, Indiana University Press, 1986
Thomas LILEY, Sigurd Raschèr: His Life and Legacy, The Saxophone Symposium Vol.26, North American Saxophone Alliance, 2001
Jean Marie LONDEIX/Bruce RONKIN, A Comprehensive Guide to the Saxophone Repertoire 1844-2003, Roncorp Inc., 2003

カッコいいっ!!

フィンランドのクラシック・サクソフォン奏者、オリ=ペッカ・トゥオミサロ Olli-Pekka Tuomisaloの最新CD「Far Beyond the Sun」がカッコよすぎる予感!北欧のロックを、サックスとピアノでやってしまったというCDらしい。まだディスクは入手していないが、YouTubeでデモを観ることができた。



うおお、めちゃくちゃカッコいい!あ、途中でソプラノやアルトに持ち替えるんだ。anzuセンセイはぜひ演奏してください。アルバムは、他にレッド・ツェッペリンやストーンの曲も入ってるんだー。これは買うしかないな。

ああ、また夜遅くにこんなテンションが上がる曲を聴いてしまった…。

2008/11/17

武藤賢一郎氏のLP

パソコンの調子がかなりやばいので、バックアップ作業を行いつつブログを書いている。まずいなあ、今年度いっぱいはこのPCで頑張ろうと思ったのに。ハードディスクを換装して何とかなれば良いが。

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武藤賢一郎氏がフランスのスタンダード曲集を吹き込んだLP(Fontec)。たしか、CDにもなっていたはずだが、そちらのフォーマットでは聴いたことがない。特に私自身の興味を引くこともなく、進んで探そうとも思わなかったのだが、夏にトランスファーの依頼を受けていたLPのリスト中にあり、そんなわけでたまたま聴くこととなったのだ。サクソフォンが武藤賢一郎氏、ピアノが藤井一興氏。両者とも日本人ながらフランスでの音楽教育を受けた経歴を持つ。

P.モーリス - プロヴァンスの風景
A.デザンクロ - プレリュード、カデンツとフィナーレ
D.ミヨー - スカラムーシュ
P.サンカン - ラメントとロンド
E.デニゾフ - ソナタ

録音は1982年。武藤氏がパリ国立高等音楽院のデファイエ・クラスを卒業したのが1977年、ギャップ国際コンクールに入賞したのが1978年、ということだから、まさに脂が乗りきった時期のレコーディングということになる。なんというか、最初から聴いていくとオサレ~なフレンチスタイルとはやや違く、ちょっと生真面目だなあと思ってしまうのである。ヴィブラートやアタックが単調で、「プロヴァンスの風景」「スカラムーシュ」なんかは、なんだか聴きながらこちらが緊張してしまう(^^;等速ヴィブラートとは言っても、なんだかデファイエやミュールの色気みたいなものが感じられないのだ。

ううむ、一曲目を聴いたところで疲れてしまうが、この生真面目さが続くデザンクロや、後半のサンカン、デニゾフで活きてくる。特に、サンカン、デニゾフは圧巻である。だってそもそも、曲の性格からして聴衆にも緊張を強いる曲なのだから、この曲にこの武藤氏の演奏がハマらないわけがない!聴き手を緊張の糸で縛りつけ、徐々に盛り上げていくサンカンの"ラメント"、そしてロンドのスーパー跳躍フレーズを含む譜面で聴けるハイ・テクニックなど、武藤氏の面目躍如といったところか。

デニゾフでは、武藤氏と藤井氏の強烈なインタープレイを聴くことができる。藤井一興氏のピアノはアルバム全編に渡ってもの凄い仕事をしているが、特にデニゾフでのサックスとの絡み方は尋常ではない。音色の変化、タッチの美しさ…第二楽章などは、漆黒の闇に煌く星のようだ、かと思えば、第三楽章では精密な歯車のような厳格さ(第三楽章よりも、第一楽章のほうがよほどロックに聴こえる)。武藤氏のサックスは、とにかくパワフル。聴き始めたらいつのまにか何もかもを巻き込んで終わってしまいました、という感じだ。すごい。

ううん、実演に接したことがないのだ。このデニゾフを聴いて、ぜひ生で聴きたくなった。武藤氏、リサイタル開いてくれないかなあ。

こんな音楽がある幸せ

とあるサクソフォンCDを探していたら、Return to Foreverのセカンドアルバム「Light as a Feather」を見つけて、そのまま最後まで聴いてしまった!聴き始めたらもう探す気が起こらなくなって、座椅子にもたれかかったまま、このグルーヴに酔いしれていた。

You're Everything, Light as a Feather, Captain Marvel, 500 Miles High, Children's Song, Spainという6曲。そうそう、チック・コリアの名曲「スペイン」は、ここから始まったんだよな。

30年以上前の、フュージョン黎明期の傑作。新しい音楽ジャンルは、ごくごく限られた才能によって切り開かれる。当時のリターン・トゥ・フォーエヴァーの面々:チック・コリア、ジョー・ファレル、スタンリー・クラーク、アイアート・モレイラ、フローラ・プリムら、世界の第一線で活躍していたジャズ・ミュージシャンの天才的な閃きが刻まれたアルバムだ。ファーストアルバム「Return to Forever」と併せて、こんな音楽が存在すること自体が奇跡と言ってもいいのではないか。なぜこんなに壮絶なアドリブができるんだろう、とか、なぜこんなに美しいメロディやコード進行が書けるんだろう、とか、なぜこんなテンポ設定ができるんだろう、とか…

そんなレコードやCDって、世界を探したらいくつあるんだろうか。これから先、いくつ聴くことができるのだろうか。そのためには、ジャンル問わずにいろいろな音楽を吸収していかなければ。

ふう、うっかりテンションが上がってしまったが、もうこんな時間だ…明日は早くに起きなければいけないのに!

2008/11/16

【ご案内】クローバーSQのCD発売記念コンサート

クローバー・サクソフォンクヮルテットの、バリトンの坂口さんからご案内いただいた。そうか、もう去年のデビューリサイタルから、1年以上経つのだな。未だメンバー全員が20代ながら、国内でも傑出した四重奏団であり、今後の活躍が期待されるグループの一つである。今回は、キングレコードに吹き込んだデビュー・アルバムのリリース記念演奏会(全国ツアー)なのだという。

【クローバー・サクソフォンカルテット CDデビューコンサート東京公演】
出演:林田祐和、田村真寛、貝沼拓実、坂口大介(以上sax.)
日時:2008年12月4日(木)19:00開演
会場:紀尾井ホール
料金:一般4000円 学生3000円
プログラム:
M.ラヴェル - クープランの墓より
L.ロベール - テトラフォーン
G.ピエルネ - 民謡風ロンドの主題による序奏と変奏
C.ドビュッシー - 弦楽四重奏曲 他
問い合わせ:
03-3475-6870(インターミューズ・トーキョウ)

東京以外での3都市公演は、以下のようになるということだ。そういえば、デビューリサイタルもいくつかの場所で演奏していたっけな。

【名古屋公演】
日時:2008年12月9日(火)19:00開演@アスナルホール
料金:一般2500円 学生1500円(当日各500円増)
チケット取り扱い:
052-331-3383(バルドン楽器)、052-722-1682(植村楽器)

【大阪公演】
日時:2008年12月11日(木)19:00開演@ザ・フェニックスホール
料金:一般3000円 学生2000円
チケット取り扱い:
06-6363-7999(ザ・フェニックスホールチケットセンター)、06-6377-1117(ドルチェ楽器)

【北九州公演】
日時:2008年12月14日(日)18:30開演@門司赤煉瓦プレイス 赤煉瓦ホール
料金:前売 一般2500円 学生1500円(当日各500円増)
チケット取り扱い:
093-533-1151(テイク・ウィング)、092-713-5303(クレモナ楽器)

2007年12月のフェスティバルでは、ルーシー・ロベールの難曲「テトラフォーン」をいとも簡単そうに、しかしダイナミックに演奏していた姿が印象的だったが、さらに一年を経る中でレコーディングやいくつかの演奏機会をこなし、今度はどのようなサウンドを聴かせてくれるのだろうか。

2008/11/15

機種変更

まるまる3年間使った携帯から乗り換え、ついに機種変更。私は携帯をもち始めたときからのauユーザーなのだが、店頭で1時間ほど迷いながら、できるだけシンプルなものをと選んでいくうちに、ソニー製のreというモデルに行き着いた。うーん、このデザイン、サイズなら及第点か。ということで、決定。

で、いろいろ使ってみているところ。機種変更して良くなった点、悪くなった点、いろいろである。擬似マルチタスク機能は、けっこう便利かもしれない。全体的なレスポンスの悪さは、予想していたことであるが、まあKCP+が載った端末よりはマシなのだろう(追記:と思ったら、reにもKCP+載ってるじゃん!)。

携帯の世界は「シンプル」というものとは逆方向に向かっているようだが、高機能であることにそれほどニーズがあるとも思えない。でも、どんどん高機能にならないと、技術は発展しないし、何も売れなくなってしまうから、これで良いのですかね。

ふと過去の日記を辿ってみたら、以前機種変更したときのことが書いてあった。このときは、迷わず即決だったのだけどな。
http://kurisaxo.blogspot.com/2005/12/blog-post_5317.html

2008/11/14

ミヨー「スカラムーシュ」を聴く

ダリウス・ミヨー Darius Milhaudの「スカラムーシュ Scaramouche」。言わずと知れたアルトサックスとピアノ or オーケストラのためのスタンダード・レパートリーの一つ。ミヨーが内包していた南米気質を、これでもかと明快に開放した作品で(第三楽章の名前はブラジレイラ!)、演奏者にとっても聴衆にとっても、人気が高い。録音も数多く、私もこの曲が入ったCDなら、探せば10枚くらいは出てくるかなあと思う。

なんで「スカラムーシュ」かというと、今日なんとなくジェローム・ララン氏のCDを聴いていたところ、この曲での流麗な演奏が耳に残り、続いて何枚か探して聴き始めてしまったからである。

そのララン氏のCDだ。「Impressions d'automne(Cafua)」と名付けられたディスクで、今年の夏に発売されたもの。買ったばかりの頃は、自筆譜から再構成したというドビュッシーや、原博巳氏との共演になるプーランクのトリオ、そしてフィリップ・ルルーの「SPP」なんかを好んで聴いていたものだが、ミヨーが、これまた素敵なのです。冷たい水しぶきを吹き上げるような棚田文則氏のピアノの音の中を、自在に泳ぎまわるサックス。涼しくさわやかな演奏だと感じたのは、録音時期が冬季(1月)であることと、無関係ではないだろう。

とにもかくにも、万人にオススメできる内容である。Cafuaから直接購入できるほか、amazonなどでも購入可能(→こちら)。

以前から、私の中ではこの演奏がスタンダードである。須川展也氏のセカンド・アルバム「Fuzzy Bird(Apollon, Bandai, etc.)」に収録された演奏。アルバム最初に収録された吉松隆「ファジイバード・ソナタ」から、須川氏の歌いまわしは冴えまくっており、若き日の須川氏の覇気に満ち溢れた演奏を堪能することができる。それがおそらく最良の方向に発揮されたのが「スカラムーシュ」で、小柳美奈子さんとともに繰り広げるノリノリの演奏は、クラシックという枠を跳び越して、まるでポピュラー音楽のように聴こえてくるほどだ。amazonで購入可能(→こちら)。

LPではあるが、この録音も外せまい。ロンデックスのこのCrest盤は、つい最近もロベール「カデンツァ」つながりでブログで取り上げたが、ここに収録されているスカラムーシュがなかなか良いのですよ。ロベールの強靭な集中力のあとに続いて、楽しげに流れ始めるのがこの演奏。地中海のギラギラした太陽のような演奏(なんじゃそりゃ)。目の前で、特大のキャバスの上に、もの凄い勢いで油絵が描かれていくような様子でも観ているような気持ちになる。まあ、そんなでかいキャンバスに油絵を描くなんて、そんな話は聞いたこともないが、それだけパワーのある演奏だということです。このトランスファーされた音源については以前紹介した。興味ある方はメールをください(→kuri_saxo@yahoo.co.jp)。

ここまで紹介したのは、ピアノとサクソフォンのバージョンだが、オーケストラとサクソフォンのバージョンも存在する。その中で私が良く聴くのは、ファブリス・モレティ Fabrice Moretti氏が独奏を務めたこの演奏。快活な二つの楽章に挟まれた「第2楽章:モデレ」は、どうもベタベタになりがちな演奏が多い中で、すっきりと聴かせるあたりに好感が持てる。それにしても、この一筋縄でいかないオーケストレーションの中で、この速度でやるのは、あえてスリリングさを押し出したというのか(笑)。いやはや、第3楽章のオーケストラ、すごいなあ。

スカラムーシュ以外にも、面白い作品が併録されている。「パーカッションと小オーケストラのための協奏曲」、「クラリネット協奏曲」、「ピアノ協奏曲:エクスの謝肉祭」等。しかも、独奏を務めるのがル=サージュやメイエだというのだから…。このCDもamazonから購入可能(→こちら)。

というわけで、ぱっと聴きたくなったのはこのくらいか。そういえば、ロンデックス演奏の木五+サックス版なんてのもあるんだった。どこにしまったけなあ。CDが増殖しすぎて、わけがわからないことになっている。

2008/11/12

The Saxophone Symposium Vol.26

そういえば、今日は天皇、皇后両陛下とスペイン国王夫妻が、ご来学された。なんと常磐線(特別車両)でお越しになって、つくばエクスプレス(のボックス席つきの車両)でお帰りになったようだ。大学のお見送り場所からは、しっかりとお姿も拝見しました。ものすごい厳戒態勢で、ちょっと怖かったけど。

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North American Saxophone Alliance(以下NASA)から取り寄せた論文誌(一冊15ドル)のうち、2001年に発行されたもの。全部で6冊ほど購入してぱらぱらめっくて読んでいるのだが、今のところはこれが一番おもしろいぞ。

内容は、こんなところ:

特集:Tribute to Sigurd Manfred Raschèr
・Thomas Liley - Sigurd Raschèr: His Life and Legacy
・回想:Sigurd Raschèr(Ronald Caravan, Paul Cohen, Lawrence Gwozdz, Frederick L. Hemke, Eugene Rousseau, Donald J. Sinta各氏)

Saxophone History
・James R. Noyes - Lefebre's Last Band: From Gilmore to Sousa
・Stacy Maugans - The History of the Saxophone in St. Petersburg, Russia

Saxophone Performance
・Paul D. Greene - Kadri Gopalnath: Saxophone Chakravathy ("Emperor of the Saxophone") in the Concert Tradition of Indian Classical Music

Literature and Repertoire
・Andy Wen - The Music of Ryo Noda, PartIII: Pulse 72+- and Conclusions

Reviews
・いろいろ

シガード・ラッシャーがなくなった年に発行された論文誌で、ラッシャーに関する特集が組まれている。まず圧巻なのはバイオグラフィ。私が今年協会に寄稿した内容が鼻先で吹き飛ぶほどのもので、60近い参考文献をもとにした、ラッシャーの経歴の決定版と言えるような内容のものだ。著者のThomas Lileyは、NASAのライブラリアンチーフのような職を請け負っているとのことで、膨大な知識に裏付けられた渾身の書き下ろしバイオグラフィは、ラッシャーの辿ってきた道を知る上での貴重な資料となっている。

そして、豪華なメンバーがラッシャーについての回想記を寄せている。ラシェリアンの一人、Lawrence Gwozdzのリアルな描写が面白い。そして、師事経験がないヘムケ、ルソー、シンタ各氏が、ラッシャーの逝去に際してどういう言葉を寄せているのか、というのは、私でなくても気になるのでは…?(そんなことないか)

で、続く2つの記事は、サクソフォンの歴史に関わるもの。一つは、ギルモア・バンドとスーザ・バンドという、アメリカ器楽界の黎明期を担った吹奏楽団を、当時のサクソフォン界随一の名手、ルフェーブルを軸にして、それらの動向を追う。もう一つは、ロシアのサクソフォン界の歴史。ラッシャーの記事も面白いが、この論文もものすごく面白い!日本にはこれまで知られていない情報が、たっぷりと詰め込まれているようだ。現在精読中。これ、日本語に訳して、協会報に載せてほしいなあ。

Saxophone Performanceの領域では、インドのクラシック・サクソフォンに関する記述が!インドのサックスだなんて、ずいぶんと予想の斜め上を行く分野だ。ディスコグラフィも載っている…き、気になる。続いて分析の領域で取り上げられているのは、野田燎の「パルス72±」か。実は、他の論文誌には「即興曲I」の分析などもあり、野田燎氏の作品の分析が、シリーズ化されているのである。

と、こんな、"まにあくー"な内容。うーん、最近は日本のサクソフォーン協会の機関紙「サクソフォニスト」も面白くなってきていると思ったのだが、これを見る限りでは差は歴然という感じですな。まあそもそも国内では、サクソフォンに関するトピックを取り上げて論文を書くというような学術的アプローチは、一般的ではないからなあ(国内のサックス界における問題の一つとも、言われている)。

所蔵資料の整頓

大学に入学してから収集した、あるいは頂戴した資料は、たぶん音源がCD300~400枚分くらい(いくつかの映像資料も)。楽譜は積み上げると厚さ1メートルくらい。それに加えて、サクソフォン関連の書籍、日本語・英語論文なども含まれる。

これらの資料を、社会人になる前に一度整頓しておきたいのだ。

多くの音源は、バックアップを作成している。プレスCDに関しては、出版が1993~1994年以前のものについてイメージ・リッピングを行う予定。自分で焼いたor頂戴した大量のCD-Rは、バックアップとしてリッピング。木下さんなどからいただいた等速録音のCD-Rはこれはたぶん音質が変わるよなあ。うーん。まあそこは割り切るしかない。

楽譜は、とにかくスキャンしてデジタル化。いまのところ、半分くらいかなあ。修士論文の合間を利用して、地道に進めていこうと思っている。時々、心が折れそうにはなるけれど…。

書籍や論文誌は、まあしょうがないか。そのまま。

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追伸:Pさん、貴重な本をありがとうございます!早めにお返しします!

2008/11/10

NSF Vol.26

おー、すっかり忘れていたけれど、たしかにそんな季節だな。というわけで、ノナカ・サクソフォン・フレンズ会報の最新号がアップされていた。

http://www.nonaka-boeki.com/nsf/magazine.html

内容は、石渡悠史氏へのインタビュー、クローバーSQレコーディング記、技術部連載、各種イベントレポート、音絵さんインタビュー、Connサクソフォン試奏と、おおよそこんなところ。

見所は、何と言っても石渡悠史氏へのインタビューだろうなあ。私くらいの世代の人たちって、石渡氏が国内のサクソフォン界に果たした功績をほとんど知ることがない。しかしこのインタビューを読んでみると、現在の日本のサクソフォン界が、いかに彼らパイオニアたちに依っているものなのか、ということが良く分かる。

プロースト交響楽団第8回定期演奏会

後輩のフルート吹きに案内されて、聴きに行ってきた。後輩だったのは大学の吹奏楽団のころだが、東京に就職後も仕事の傍らフルートを続けているそうだ。

【プロースト管弦楽団第8回定期演奏会】
出演:金子建志(cond.)、川又明日香(vn.)、プロースト交響楽団
日時:2008年11月10日(日曜)14:00開演
会場:杉並公会堂 大ホール
プログラム:
W.A.モーツァルト - 歌劇「魔笛」序曲
M.ブルッフ - ヴァイオリン協奏曲
G.マーラー - 交響曲第一番

杉並公会堂は、荻窪駅から徒歩で行くことのできるホール。そういえば、夏に荻窪の近くで演奏会やったっけ。そのときは南口から行った覚えがあるが、今日は北口から会場に向かった。会場に近づけどもなかなかホールらしきものが見えず、あれ?と思いながら進むと突然人だかりに突っ込んだ。あ、こんなところにあるのか。会場入り口あたりで後輩に、それからフルートの先生に会う。3人でなんとか2階に駆け上がって席を確保。会場は、満席。どころか、立ち見もちょっといたくらいだ。

演奏は、モーツァルトのおなじみの序曲から始まった。私は今までにオーケストラを聴いたことがそれほどあるわけではないので、何とも感想を書きづらいのだが、とても上手いオーケストラだと思った。何となくわかる管楽器について言えば、とてもレベルが高く、まさに管楽合奏で奏でられるべき音色が、二階席までぽーんと通ってきた。

続くブルッフでは、青いドレスに身を包んだかわいらしいソリストが登場。プロフィールを見るに、まだ大学生とのことだが、高校時代から様々なコンクールに入賞しているという。どんな曲なのか、どんな演奏なのか始まるまでドキドキだったが、おおぉっ。すごい。曲は「コル・ニドライ」ばりの美しい旋律にあふれており、そしてヴァイオリンの川又さんがすごく良く弾くのだ。技術的な不安定さがないのはもちろんのこと(第3楽章の重音の連続…!)、なかなか情熱的に歌うし、音も良く飛んでくるしで、聴いていてひき込まれてしまった。

そして、やっぱマーラーですよ。管楽器パートは四管編成、弦楽器も、もしかしたらメンバーのほとんどが乗り番だったのではないかと思うほどの大、大編成。実はマーラーの交響曲自体、食わず嫌いで今まで避けてきたのだが、なんかすごいっすね。極彩色に彩られた、種々の楽器による一大スペクタクル!という感じで、それこそ難パッセージの嵐ならぬ超大嵐って感じ。ソナタ形式なのかなあと思って聴いていても、ほとんど主題の展開すら追えん(笑)。ああ、すごかった。アンコールはなし。終演後に、そのフルート吹きにちょっと挨拶して、帰路についた。

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で、プロースト聴いた後に、「そういえば、コンクールの予選って帰り道(中央線)の沿線じゃないかと」と思いつき、「せっかく東京にいるんだし、ついでだー」と、某コンクールの一次予選をちょっとだけ聴いてきた。

18時ころに会場に着いて、様子見のつもりで2、3人くらい聴いてすぐ退出しようと思ったのだが、これがまた面白くて、休憩アナウンスがあるまで、一時間弱ずっと聴いてしまった。リュエフの二楽章と三楽章(の一部)であるが、どのプレイヤーも個性的な演奏で、レベルも様々。さすがに8時間×4日を聴くのはどんな感じなのか想像がつかないが、2時間くらいだったら普通に聴いていられそう。

カーテン審査って、あんな感じなのですね。四列目の後ろに、高さ2メートルほどの白いカーテンが引かれていていて、一般に開放されているのは前側。審査員は、どうやらそのカーテンの後ろで審査していたようだ。後ろ側は、審査員以外は立ち入り禁止。受付でもらった金ピカのプログラムには348名の出場者の名前が書かれており、一人一人なぞってみると、あ、この方も出ているんだ、と思うこと多し。

2008/11/09

【ご案内】塙美里さんのリサイタル&ブログ

茨城県出身で、洗足学園音楽大学を卒業後、フランスのセルジー・ポントワーズ音楽院に留学されている塙美里さんからリサイタルのご案内とブログのご案内をいただいた。来年の3/22というと、まさに引越しの最中!?だが、もしまだつくば市にいるのであれば、ぜひぜひ伺いたい。

【塙美里サクソフォンリサイタル Misato Hanawa Saxophone Recital vol.1】
出演:塙美里、原博巳(sax)、服部真由子(pf.)
日時:2009年3月22日(日)16:30開演
会場:水戸芸術館コンサートホールATM
料金:前売り1500円 当日2000円
プログラム:
C.フランク/塙美里 - ヴァイオリンソナタ
C.ドビュッシー - ラプソディ
J.B.サンジュレー - デュオ・コンチェルタント 
M.ブルッフ/塙美里 - コル・ニドライ 他
主催:財団法人水戸市芸術振興財団
問い合わせ:
029-227-8118(水戸芸術館コンサートホールATM)
misatosax@hotmail.co.jp(塙美里)
チケット:
水戸芸術館エントランスホール・チケットカウンター
水戸芸術館チケット予約センター(029-226-0351)
ヤマハミュージック関東(029-224-2861)

そして、ブログはこちら:
http://blog.goo.ne.jp/misatosax/

ブログ、お引越しされたようだ。新ブログはこちら:
http://misatosax.blog24.fc2.com/

フランスに留学されている方で、向こうでの様子をブログに綴られている方は何人か存じているが(安井寛絵さんとか、大西智氏さんとか)、やっぱり留学の様子というのは興味あるところだ。どなたも、充実した留学生活を送っていらっしゃるようで、うらやましいなあ。

架空の物語「Kabuki Festival」

意図するところを汲み取ってくださるかどうか。某Sさんに聞いた話を、ちょっと脚色しつつフィクションとして書いてみたものです。うーん、文章を面白く書くのって、難しい。

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架空の物語「Kabuki Festival」

今日は年に一度の大イベント、"Kabuki Festival"の開催日。近年アメリカでも"Kabuki"専攻科が多くの大学に設立され、それを生業とする者も、今では数多い。アメリカ最高峰の歌舞伎役者養成機関である、North America Culture University(NACU)の"Kabuki"専攻科教授は、アメリカにおける歌舞伎の草分け的存在であるMoris Newmanの一番弟子、John Brown。そもそもアメリカに歌舞伎の文化を輸入したのはMoris Newmanであり、彼は日本の片岡仁左衛門に師事しながら、アメリカにおける歌舞伎の第一人者となったのだ。John Brownは彼の後を継いでNACUの教授となり、アメリカにおいて歌舞伎界を牛耳る存在となっている。

一組目の演目が始まる。こちらはNACUの出し物ではないが、やはりJohn Brownの弟子たちが出演しているのだ。見事に"Yoshinoyama"を演じきった訳者たちに対し、会場を埋め尽くした愛好家から、大きな拍手が送られる。もちろんJohn Brownも、その様子を満足げに見守っていた。

いくつかの大学の演目を経て、いよいよ大トリ、NACUの出し物、歌舞伎の中でも傑作とされる"Kanadehon Chushingura"だ。主役を務めるのは、もちろんBrown教授。演目が終わると同時に、スタンディングオベーション、そしてブラボーの嵐。Brown教授の終演の挨拶、「今日のフェスティバルは、まさに国内の"Kabuki"文化における、記念碑的な催しになったと言えるでしょう。私は、この"Kabuki"文化を、誇りに思っています!」自身に満ちたそのスピーチに、惜しみない拍手と、歓声が送られたのであった。

その拍手の嵐の中で、フェスティバルを観にわざわざ訪米したある歌舞伎愛好家は、満員の聴衆のなかでただ一人首をひねっていた。「んんん?おいおい、こんな怪しいものを歌舞伎と呼んでよいのか?日本の歌舞伎とはまったく違うじゃないか。」「発音なんて、ぜんぜん訛っているし。大体台詞をまともに読めてないなんて。」「舞台や衣装も、ぜんぜん日本のものとは違う。なんだあの色使いは。」「あのBrownとかいう"Kabuki"専攻の教授、教育者としては立派だろうが、まさか本場で学んだことがないとは…そんな人物が、"Kabuki"界を牛耳っているなんて…」

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あ、どうでもいいけど、なんだか歌舞伎を観たくなってきた。

2008/11/07

教本がない

先日モアレに乗るために福島のほうに演奏に行ったとき、そんな話になった。サクソフォンの世界の教本て、特に最近書かれたものに関して、本当の初心者が使えるような教本がないのではないかと。まさか一番最初からラクールなど演奏できるわけないし、須川展也氏の「うまくなろう!サクソフォーン」も、もともとバンドジャーナル誌上にて連載されていたものであるせいか、やや分量的に不足しているような気もする。

その点、大室勇一氏がラリー・ティールの「サクソフォーンの演奏技法」に着眼し、日本語に訳したのは、まことに素晴らしい考えなのであったと思う。というか、やはり大室氏も、それまでに日本語のきちんとした教本がないことを危惧し、翻訳に取り掛かったのではないだろうか。サクソフォンの演奏を、ここまでアトミックな要素に立ち返って分析・指導している本も、他にはないと思う。

もちろん、その「サクソフォーンの演奏技法」も素晴らしい本であるが、ぼちぼち新しい本が出ても良いのではないかと思っているのだ。原著が出版されたのは、なんと1963年だ!それから現在までの間に、楽器やマウスピースの改良、レパートリーの拡大など、サクソフォンを取り巻く状況は(少しではあるが)変わっている。今一度、サクソフォン初学者のためのメソードを見直し、一冊の本としてまとめなおす時期が来ているのではないか。

っていうわけで、誰かやってくれませんかね(笑)。

2008/11/06

Lucie Robert 「Cadenza」

ルーシー・ロベール=ディエゼル Lucie Robert-Diesselは、フランス生まれの女流作曲家。1936年10月3日にレンヌに生まれ、12歳になるまでレンヌ音楽院に学んだ。その後、1951年1月にパリ国立高等音楽院に入学。ピアノ、ピアノ伴奏法、オルガン、室内楽、アナリーゼ、作曲を学び、そのすべての科目で一等賞を獲得して卒業した。1965年に、フランス作曲界の登竜門であるローマ大賞を受賞、その後3年間イタリアに留学した(ローマ大賞受賞者は、ローマのメディチ荘への留学・作品提出が義務付けられる)。

その後もさらに演奏と作曲両面の勉強を続けながら、いくつかの権威ある賞を受賞した。主なものに、バルセロナ国際ピアノコンクール(1963年)、マンハイム国際作曲コンクール(1975年)などがある。ピアニストとしてはラジオ・フランスへの出演のほか、フランス、アメリカ、カナダ、日本へのツアーを行うなどした。録音活動も積極的であり、イギリスのBBC、ベルギーのRadio Télévision Belgeなどに、放送用録音や商用録音を吹き込んだ。

ローマから帰国した後は、ピアノ伴奏科クラスのアシスタントに就任。さらに1972年には、和声学とアナリーゼの教授に就任し、後進の育成に力を注いだ。2001年に退職し、現在は作曲に専念している。

ロベールがサクソフォンに初めて興味を示したのは、ローマ留学時代だったと言われている。フランスのサクソフォン奏者、ジョルジュ・グールデ Georges Gourdetがローマ音楽院において学んでいた頃とロベールの留学時期が重なったのだ。グールデがロベールにサクソフォン作品のピアノ伴奏を依頼し、その中でロベールに作品を委嘱、こうして、ロベールの最初のサクソフォンのための作品である「ソナタ」が書かれたということだ。ロベールは、現在までにサクソフォンを含む作品を27曲手がけている。

ロベールはその後も、グールデの紹介によって様々なサクソフォン奏者と交流を広げていく。現在最も広く演奏されている作品の一つ、「カデンツァ」は、ギャルド・レピュブリケーヌ吹奏楽団の名手、ミシェル・ヌオー Michael Nouauxの委嘱により書かれ、1974年の第4回世界サクソフォンコングレス(フランス、ボルドー)において初演された。

走句の執拗な繰り返しが特徴的。タイトルの「カデンツァ」は、楽曲全体を支配する柔軟なテンポに沿って付けられたものである("Rubato"との指示があり、サクソフォンとピアノは独立したテンポで演奏される部分がほとんど)。旋法やシステムを使用せずに作曲され、楽曲中に出現する音は、メロディの要素と跳躍の相互作用(?)を表現しようとした結果、生まれたものである。

録音としては、ジャン=マリー・ロンデックス Jean Marie LondeixのCrest盤があれば十分(MD+Gから復刻されているが、そちらは復刻状態がいまいちなため、ほとんど聴いていない)。ダルヴァンクール、デザンクロ、ミヨー、マルコヴィッチという超ド級のプログラム中、最も重心の置かれている演奏だと思う。他にあまり聴いたことがないのだが、オススメの演奏あったら教えてほしいくらいだ。思いつくあたりでは、ドルチェ楽器で観たデファイエ最後の来日映像の「カデンツァ」が凄かった覚えがある。

参考資料:
Gardner, Karen Roll. "The Early Music of Lucie Robert." North American Saxophone Alliance The Saxophone Symposium Volume 27 (2002): 79-113.
Londeix, Jean Marie. "A Comprehensive Guide to the Saxophone Repertory." Roncorp, Inc. (2003): 318.
"Jean-Marie Londeix, Alto Saxophone & Anne-Marie Schielin, Piano" Golden Crest RE 7066(木下直人氏によるトランスファー。この場をお借りして感謝申し上げます。)