2007/09/27

改めて、Veldhuis「The Garden of Love」

ヤコブ=テル・フェルドハウス Jacob ter Veldhuisの「The Garden of Love」を改めて聴き返す。うーん、良い曲だ…。

以前の記事の繰り返しになるが、ここで聴ける。演奏はオランダのサクソフォーン奏者、ティエス・メレマ Ties Mellema氏。


フェルドハウスの作品(「Grab It!」)を初めて聴いたときと、同じくらいのショックを受けた覚えがある。響きが恐ろしいほどに独特なのだ…設定されている音域が高く、ゲットブラスターが発する超高音と朗読音の妙な低音が「アコースティックなのにドンシャリ」という妙な現象を引き起こしている、気がする。何度もループして聴いていると、徐々に最初の朗読部分に音程を感じられるようになり、頭から離れなくなってくること請け合い。

そして題材となったウイリアム・ブレイクの詩に、これほどフィットした音楽も凄い。詩を引用してみよう:

I went to the Garden of Love,
And saw what I never had seen:
A Chapel was built in the midst,
Where I used to play on the green.

And the gates of this Chapel were shut,
And "Thou shalt not" writ over the door;
So I turned to the Garden of Love,
That so many sweet flowers bore;

And I saw it was filled with graves,
And tombstones where flowers should be;
And Priests in black gowns were walking their rounds,
And binding with briers my joys and desires.

鳥や動物の鳴き声のようなサウンドや華やかな電子音は、前半~中間部にかけての極彩色のごとき情景を想起させるだろう。ブリッジ部における、サクソフォンの豊かな上昇音形+フェルマータの美しいこと。一転、「振り返ると…」からのパンチの効いたサウンドもまた、この曲の重心を形成している。終結部に向けての、キック音とベース音を伴いながら進行する高速なフレーズの応酬は、圧巻。

(あまり公言すべきではないので詳細は伏せておくが)某所で日本初演の予定もあるとのこと。期待して待ちましょう。

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