2007/05/08

水戸交響吹奏楽団第10回記念定期演奏会

5/6 14:00~ この日のライヴは、雨のため2つとも中止。残念。そのかわり?お知り合いのM野氏が指揮を振られるということもあって、誘いを受けて水戸市まで出かけて水戸交響吹の定演を聴いてきた。

水戸交響吹というと、夏のコンクールで何度かそのサウンドを耳にしているが、一般バンドの中でも、私が特に好きな団体だ。アマチュアとしては十分すぎるほどの、真摯な音楽作り、そして何よりその理想的な音響バランスは、まさに"交響"吹奏楽団。ウチの大学のバンドは、サウンドとしてはかけ離れていたものだから、やや憧れもしていたのだが、それも今となっては昔の話。そういえば、3年前に聴いた北爪道夫の「祈りの旅」の演奏が、えらく印象に残っているなあ。他部門ながら、まさに度肝を抜かれる美しさだったっけ(前半の、あのユーフォニアムソロ…!)。

音楽監督の萩原健氏がクラリネット人だということも、そこそこ関係しているのかしらん?人数がしっかり揃ったサウンドの核、クラリネットセクションは、水戸クラリネット合奏団への参加もあって技術レベルも相当なものだ。

さて、会場は茨城県民文化センターだったが、たどり着くまでに相当迷い、到着したと思ったら豪雨にもかかわらず驚くほどの人出、車が停められないほど!すごいなー。なんとか開演ギリギリにホールへ転がり込み、危うくも、なんとか一曲目から聴くことができた。

~水戸交響吹奏楽団第10回記念定期演奏会~
第1部
・リード - アルメニアン・ダンス パート1
・樽屋雅徳 - マゼランの未知なる大陸への挑戦
・レハール/リード編 - 喜歌劇「メリー・ウィドウ」よりヴィリアの歌
・レスピーギ/森田一浩編 - 交響詩「ローマの祭」より
第2部(五台小学校金管バンドによる演奏)
・スパーク - コンサートプレリュード
・スパーク - オリエント急行
・クラーケン - もう一匹の猫(金管8重奏)
・コンサートマーチ"ディズニー・ワールド"
・パイレーツ・オブ・カリビアン(合同演奏)
第3部
・口笛吹いて働こう
・指揮者体験コーナー
・美空ひばりメドレー

3時間に及ぶ長大なプログラムだったが、気楽に聴けたためか、疲れもせず最後まで聴きとおすことができた。五台小の金管バンドというのは、コンクールで上位入賞を繰り返す、全国的に見てもかなりハイレベルなバンドだそうだ。10周年記念ということで、地域貢献もかねて共演したのかな。

しかし、一曲目からアルメニアンダンスとは(笑)。確かに演奏会最初の景気付けには最高の曲だとは思うが、手加減なしのパワー全開。"やまうずらの歌"や"アラギァズ"なんかは、さすがの音色のコントロールとバランスだ。"いけ、いけ"での爆発も見事。次曲では、指揮はM野氏に交代し、樽屋雅徳「マゼランの未知なる大陸への挑戦」。一種交響詩のようなストーリー性あふれるスタイルの中に、驚くほどの要素がこれでもかとばかり詰め込まれた作品。リズム遊び、ハーモニーの多様さなど、昨今の吹奏楽界で人気を博している理由も分かる気がする。かなり難曲のようではあったが、M野氏のダイナミックな指揮っぷりから引き出されるメリハリの利いた音は、なかなかのもの。

メリー・ウィドウから抜粋された「ヴィリアの歌」は、本日の演奏会の白眉だった!やはり、この吹奏楽団にはこういった傾向の優しいサウンドが似つかわしい。数分間の中に、素敵なドラマがしっかりと表現された演奏。「ローマの祭り」は、今年のコンクール曲なのかな、ちょいと荒さが目立ったが、きっとこれからの練習で、どんどん変貌を遂げてゆくのでしょう。

第2部は、小学生の金管バンド。正直、どんな音が出てくるのかおっかなびっくり聴き始めたけれど、予想外の上手さに驚き。トランペットなんて、ほとんど音圧はないのだけれど(音量は人数でカバー)、なんて純粋無垢な音色だろう。奏法が本当にシンプルで、変な癖がついていないためなのか。スパークの「コンサート・プレリュード」「オリエント急行」のブラスバンド版は、大人が吹いたって難曲だけれど、「見事」の一言。ソロは、なんとヴィブラートつき。こういった子たちが楽器を続けると仮定すると、果たして私たちの年齢になる頃にはどれだけ上手になっているというのか…。

第3部の観客参加型のステージも面白かった。アンコールは、ショスタコーヴィチ「祝典序曲」、「千の風になって」、リード「第一組曲」より"ギャロップ"。ショスタコーヴィチをアンコールに持ってきてしまうのか、いやはや(しかもかなりの佳演)。あと、小学生に「千の風になって」を歌わせるのはどうかと思うぞ(爆)。

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