2007/04/08

筒井裕朗氏のリサイタル録音

石川県で活躍するサクソフォーン奏者、筒井裕朗氏が過去に金沢市で開催したリサイタルの録音を、ご本人から頂戴した。

・ゴトコフスキー「ブリランス」
・ロザンタール「サクソフォーン・マーマレード」
・ブートリー「ディヴェルティメント」
・ウッズ「ソナタ」
・オルブライト「ソナタ」
・シュルホフ「ホットソナタ」
・ロベール「カデンツァ」
・フェルド「ソナタ」
・デニゾフ「ソナタ」
・ロイター「演奏会用小品」
・ハイデン「ソナタ」
・ロヴランド「ユー・レイズ・ミー・アップ」
・ガーシュウィン「ラプソディ・イン・ブルー」

"Live a la carte"ということで、いくつかのリサイタルから抜粋したハイライト盤みたいな感じにして構成していただいたのだが、ずいぶんハードな曲ばかりになってしまった(^^;それにしても、たとえ関東圏でも、なかなか耳にすることのできない貴重なプログラミングだ、というのは、一目瞭然。例えばオルブライト「ソナタ」、ジョン・サンペン John Sampen氏の録音はじめ、アメリカではそこそこ有名な曲かもしれないが、日本ですでに演奏されているとは、知らなかった…。

プログラムも凄いが、演奏も良い。ライヴならではのキズは散見されるが、楽譜をしっかりと音にしながら、要所要所できちんと抑制されたノリを出すあたりはさすが。楽譜に沿って演奏すればつまらなくなってしまうだけの、ゴトコフスキー「ブリランス」やシュルホフ「ホットソナタ」など、かなり聴きもの。シュルホフのコロコロ変わる曲想から、きちんと数々の表情を音として引き出している様子がなんともコミカル。

頂いた録音の中で、特に驚いたのがデニゾフ。既に巷にたくさんのCDが存在する有名曲だが、筒井氏の演奏、ライヴならではのドライヴ感と緊張感が上手く作用した佳演となっている。筒井氏が持つキレのあるパリッとした音色は、特に急速楽章において効果的に響いている気がする。

話は変わるが、一緒に封入されていた曲解説もなかなか気合の入った代物で、びっくりさせられたなあ。「ほー、」とか、「へー、」とか思いながら読んだ。ドイツの知られざる作曲家、そして作品の解説は、特に貴重な資料だ。

今年(2007年)のサクソフォーンフェスティバルは、筒井氏は出演予定との事なので、どんな曲、そして演奏が聴けるのか、今から楽しみ。

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