2007/03/31

ドゥラングル新譜情報

パリ国立高等音楽院のクロード・ドゥラングル Claude DELANGLE教授が、久々にBISレーベルからCDを出すようだ。今回は、なんとオーケストラ(シンガポール交響楽団)との共演アルバム。タイトルは「Under the Sign of the Sun」で、曲目は以下のとおり。

イベール - コンチェルティーノ・ダ・カメラ
トマジ - サクソフォーン協奏曲
ラヴェル - 亡き王女のためのパヴァーヌ
シュミット - 伝説
モーリス - プロヴァンスの風景
ミヨー - スカラムーシュ

録音は2004年だそうで、またずいぶんとリリースまで時間がかかったものだな。個人的には、2006年のサクソフォーンコングレスでも演奏された、トマジの「協奏曲」が楽しみ。

シンガポール交響楽団とは、この録音の前後にシュミット、イベール、ミヨーを含めたコンサートを行っており、こちらのページで、専門家による演奏会レビューを見ることができる。ドゥラングルの演奏については、レビューの最後に
Overall, it was a delightful performance of a work which should be more often played. Delangle should be invited again,...
との賛辞が付け加えられており、これはCDのほうも期待できそうだ。

発売予定は2007年5月。型番はBIS CD 1357。

2007/03/30

海外サクソフォニスト来日情報速報

海外のサクソフォニストの2007年における来日情報を、いくつかまとめておこう。

クロード・ドゥラングル Claude DELANGLE氏
11/19~11/30 日本ツアー(東京公演は11/27)
- うわー、ドゥラングル教授の演奏がついに生で聴けるぞ(大興奮)!早く詳細出ないかしらん。

ジェローム・ララン Jerome LARAN氏
7/20 東京夏の音楽祭2007(たぶんアリオン音楽財団のやつ)
- 昨年12月のフェスティバルでララン氏と話した時に、そういえば「Summer Music Festivalの時にまた日本に来るよ」と言っていたっけ。詳細は4月中に発表の予定。フェスティバルもまた来てくれないかなー。

ファブリス・モレッティ Fabrice MORETTI氏
11/16~12/1 日本ツアー(東京公演は11/16)
- Thunderさんのブログで知った、あの服部真理子さんのWebページに記載されていた情報。

いやはや、とんでもないビッグネームが揃ったなあ。とりあえずこのくらいだろうか?みなさま、とりあえず今からスケジュール帳に大きな丸印をつけておくことをおススメいたします。

----------

追記:ドゥラングル教授の公式ページで確認したところによると、11/23の静岡公演はIRCAM風プログラムになるとのこと。すなわち、サクソフォンとライヴ・エレクトロニクスのコンサート。

マルケアスの新作、ナオン、フェルドハウス、ベリオ、ジョドロフスキ、などなど。作曲者名しか公開されていないが、きっとナオンは「分岐路」だし、フェルドハウスは「Grab It!」だし、ジョドロフスキは「Mixtion」なのでしょう。

…って、えー!なにそのプログラム!聴きたい!!東京でも同一プログラムでやってくれー(泣)。こうなったら静岡まで聴きに行くか。

ナオンとフェルドハウスは井上麻子さんが、ジョドロフスキはラランさんが、それぞれ日本初演を行ったばかりの、サクソフォーンとライヴ・エレクトロニクスの有名なプログラムですなあ。

2007/03/29

ドビュッシー「ラプソディ」 on YouTube

本番と飲み会の連続の後は、高熱を出し昨日の夜から今日にかけて丸一日寝込んでしまった(マンガみたい)。ようやく熱も下がって、明日からは活動開始できそう。とは言えまだフラフラするので、こんなときはCDでも聴きながら横になって大人しくしているに限る。

というわけで、今日は重めの記事を書くことはできないので、YouTube上のサクソフォーン関連動画を紹介する簡単モード。小澤征爾指揮のドビュッシーの「ラプソディ」。サクソフォーン独奏は、イタリアサクソフォン四重奏団のソプラノ奏者としても有名なフェデリコ・モンデルチ Federico Monderci。マルティノン×フランス国立放送響×ロンデックスを聴きなれた耳には、ずいぶんとベタベタな演奏に聴こえるが、いやしかし見事な演奏だ。

こういう精緻な曲は、音が悪い状態で聴くのはいまいち向かないかもしれないが、所詮YouTube上の動画なので、音質に関しては期待するほうが間違いかも。

2007/03/28

怒涛?の3日間終了

日曜:コンクール本番→飲み会、月曜:訪問演奏&RIT2練習→飲み会、火曜:RIT2本番→飲み会、という怒濤の3日間が終わった。正直、疲れた…おかげで、昨日はほとんど飲むことができなかった。

4月の第1週~第2週あたりまでは、本業(論文書き)のほうが忙しい。それと平行して、夏のコンサート計画も固めていく予定。

2007/03/27

RIT2宣伝

コンクールの余韻に浸る暇もなく、明日(今日か?)は「茨城県4大学吹奏楽団合同演奏会"RIT2"」の本番。つくば市近隣の方は、どうぞお越しください。

各大学が別々のバンドで出演するのではなく、各大学の有志が集まって、全体でひとつのバンドを結成している、というのがプチ特徴。

・「茨城県4大学吹奏楽団合同演奏会『RIT2コンサート』」
出演:茨城大学、筑波大学、常磐大学、流通経済大学
2007/3/27(火)18:00開演 つくば市ノバホール
入場無料
曲目:
ナイジェル・ヘス「イーストコーストの風景」
酒井格「大仏と鹿」
ジョン・ウィリアムズ/デ=メイ「スターウォーズ・サーガ」
ロバート・W・スミス「海の男たちの歌」

詳細:http://sound.jp/rit2/

2007/03/26

コンクール終わったー

日本サクソフォーン協会のコンクール、参加してきた。結果は銀賞。うーん、初めてにしてはそこそこかな?審査講評や、聴いていた方からのアドバイスは、言われてみればかなり的を得ている部分があって、今後のサウンド作りの指針になる。

12分間吹きっぱなしの耐性をつけることができたのも、練習の段階ではかなり苦しかったけれど、終わってみればいい体験だったかも。最後はかなり4人ともアツくなってしまった感じだったが、実際どうだったんだろう。録音もらえないのかな。

今日は、日本中で活躍する、様々なサクソフォーンアンサンブルの団体を生で聴くことができて、楽しかった。こうやって、年に一度一つの場所に集まって切磋琢磨し合い、親交を深めることができるって、とても素晴らしいことだ。…「音楽には、人を結びつける力がある」これ、誰の言葉だっけ。

打ち上げも参加させていただいたが、なめら~かさん、IBCさん、ベルカントさん、Duo Green Greenさん、ほかアマチュアで活躍されている方に加え、プロサックス吹きの滝上さん、大栗さん、貝沼さんに、ドルチェ楽器の倉田さん、マルチ管楽器プレイヤーのfさんも参加されて、とても楽しかったなー。

2007/03/24

明日はコンクール

明日は日本サクソフォーン協会のコンクール本選だ。審査対象となるような場で吹くのは、去年3月の盛岡アンコン以来。洗足学園音楽大学に四重奏で出かけてくる。こちらのコンクールに出るのは初めてなので、どんな雰囲気なんだろうか想像もつかない。楽しみ。

Tsukuba Saxophne Quartetという名前の団体で、私はテナー。演奏は15:41から。曲はグラズノフ「四重奏曲」より第1楽章、第3楽章。

2日前に、M先生をお呼びしてレッスンしていただいた。解釈を変更した部分が多く事故が怖いが、演奏そのものを楽しめれば、とりあえずはしめたものだ。

お暇な方は、入場無料だそうなのでぜひ聴きにいらしてくださいませ。場所は洗足学園音楽大学内の講堂(下の建物配置図参照)です。

2007/03/21

ちょこちょこと

Webページkuri_saxoのほうも少しずつ更新しているので、ご覧ください。イギリスのサクソフォーンの項にジェラルド・マクリスタル Gerard McChrystalのCDを追加したり、お世話になっている方のページへリンクを追加したり、国際コンクール関連のページを独立させたりと、いろいろ。

ちなみにこちらのブログは、最近ではほぼ日刊で更新することを目標にしている。しかし最近の内容の薄さはまずいなあ。もうちょっとがんばります。

(管が)短い音の響き

今日は休日だったのか。論文の締め切りが近いこともあり、なんだか普通に研究室へと足が向いてしまった。デバッグに次ぐデバッグ…。

管弦楽団の卒業演奏会聴きにいけなかった!ショック!

本題…管が長い音(レやミ)と、管が短い音の音質(シやド)が、レガートでつながりません(T_T)←いまさら

管が短い音の響きが貧弱!「開放の音が豊かになれば、楽器全体の響きが豊かになる」ものだと考えているが、その考えを持ってから早2年、いまだに自分の開放音は人に聴かせるレベルではない。プロの演奏会で、開放音ド#が綺麗に響いているのを聴くと、信じられない。

(楽曲中どころか音出しのレベルで)シラブルを変えてみたり、アンブシュアをいじってみたり、息のスピードを変えてみたりするものの、理想的な響きは出ず。もっと劇的に何かを変えないとだめなのか。「理想的な響き」が何なのかをきちんと分かっているのか、という話もありますが。実は楽器とセッティングのせい、とかなのであれば話は簡単なのだが、まさかそんなはずはないだろ。

とりあえず、グラズノフの第1楽章、主題がテナーに渡される[22]からの12小節間は自己嫌悪のカタマリになって吹いています。ああもう。

2007/03/19

本番近し

来週の日曜は、サクソフォーン協会アンアンブルコンクールの本番。

今までやったことのあるアンサンブルの最長演奏時間は、吹奏楽連盟のコンテスト5分。今回は12分(グラズノフの第1&第3楽章)。正直、練習で最後に行う通し練習は、ツライ。固めのリードなんかで練習に臨んでしまうと、もういけません。

いったん火がつくと消えなくなるのは最近の練習でも相変わらず。むむむ、グラズノフの第1楽章って難しいなあ。22日には真昼間からレッスンも控えているわけで、もう少しがんばろう。

…などと愚痴りながら、ふとした時に4本のサックスから美しい響きが現れると、それが楽しい。吹きながら(顔には出さないけれど)ニヤニヤしてしまう。これこそがアンサンブルの醍醐味!

2007/03/18

いわき市音楽館

社会人になって楽器をやるとき、練習場所の問題は常に付きまとうものだと思う。一人だけだったら、近所の公園に出かけていくとか、アビ○ックスを買ってみるとか方法がいくらでもあろう。しかし仲間と一緒に合奏をやるとき:4人、8人のアンサンブル、50人、70人編成の吹奏楽などになれば、まさか近所の公園にわらわら集まって練習するわけにもいかないし、防音小屋を建てるわけにもいかないし…。

多くの団体は、公民館を借りたり、ホールのリハーサルルームを借りたりしているのが普通ではないだろうか。しかしやっと見つけたそういう場所に限って、いろんな使用料金が高かったり、音響が悪かったり、常に予約でいっぱいだったりと、イマイチなことが多いのだ。まあ、もともと「楽器の練習」という使用方法を念頭において作られた場所はないだろうからな。

われらがつくば市も、そうだなあ、もし大学内が練習場所として使えなかったら…と思うとぞっとする(大学の吹奏楽団OBになってまで、日常的に入り込んでいる自分たちもどうかと思いますが…ゴメンナサイ!)。ざっと挙げられるのは春日公民館、吾妻公民館、竹園公民館、アルスホール、カピオホールリハ室。このうち春日公民館は、無料で使用できる&駐車場がある&部屋がたくさん&家からそこそこ近い…などのメリットがあって、大学に入れないときに良く使うが、部屋の狭さ&響きの悪さ&防音性の悪さなどは、やはりデメリットとして挙げられる。

つくば市の状況はこんなものだとして、他の地域ではどうなんだろう。ホールのリハーサル室使用料金が高すぎるとか、公民館が住宅地のど真ん中にあって楽器の練習が禁じられているとか、実際に聞いたことはないが日常茶飯事なのではないのだろうか。「全国の楽器人による公民館利用実態の調査!」なんて企画があったら面白そうだ。

さて、前置きが長くなったが、福島県いわき市の独特の「練習場所」のお話。いわき市と言えば、吹奏楽では全国大会レベルの高校3つと支部大会レベルの一般バンド3つ、数多くのジャズオーケストラ、優秀なアマチュア室内楽団(IBCサクソフォンアンサンブルとか)を擁する、音楽が盛んな街。この盛んな音楽活動の原動力のひとつに「いわき市音楽館」の存在のがあることは間違いない。他の自治体に住んでいる楽器人から見れば、この「いわき市音楽館」はまさに羨望の的だ。

いわき市が管理する社会教育施設として、主に音楽活動をサポートする目的で建造された施設。いわき市民であれば、規約を守りさえすれば誰でも自由に使用することができる。この施設、最も驚くべきは、練習部屋の質と量。こちらのページをご覧いただきたい。250人収容のホール、100人収容の板張りフロア、50名程度が練習できる中規模の練習室が2つ、10名程度が練習できる小規模の練習室が7つ…すごい!全部屋が完全防音であり、使用料も破格。各部屋にはピアノまたはドラムセットが備え付けてあり、僅かな追加料金で使用可能だとか。4階建て、エレベーター付き。立地は、市役所&ホールの目と鼻の先。駐車場あり(有料)。

改めて調べてみても、「なんだこりゃーすごいー」という言葉しか出ませんな(笑)。ここまで恵まれた施設が、市の中心部にドカンと建てられているとは、いやあ、うらましい。

来年度、2007年4月から改修工事に突入し、一年間使用不可能となるようで、一般バンドにとってはかなり困った困ったの状態らしいが…そもそもこの時代にあって、市が文化施設に対して改修の手を入れるというのも、なかなか稀な出来事じゃあありませんか。音楽館を起点として、素晴らしい好循環が生まれている証拠だ。

何億円か分からないが、たくさんのお金をかけて立派な施設を建造した、自治体の英断に拍手。血税を使ってワケノワカラナイ中途半端なホールを作るよりも、むしろこういう練習施設のようなものの方が、音楽活動の発展には寄与するものなのね。市民もこの施設の充実振りには嬉しいことだろう。…他の自治体で、このような練習場所を建造した!というようなところはないのだろうか。こんな好循環が日本全国いろいろなところで生まれると、楽しそうだなあ。いわき市音楽館はその最高のモデルケースとして、もっと評価されるべきではなかろうか。

このテーマは突き詰めていくと、論文でも書けそうだな。どなたか文系の方、いかが?(笑)そうだなあ、タイトルは「自治体による『音楽活動が盛んな街』づくり」とかね。

長野県と茨城県にしか住んだことがない私が、なぜいわき市の練習場所事情に興味があるのかだなんて、ヤボなことは聞かないでくださいまし。音楽やっていると、いろいろなつながりがあるものなのです。

2007/03/17

ラーフ・ヘッケマ on YouTube

2006年に発売された、パガニーニ「24のカプリス」サックス版のCD。サックスの限界を超えた演奏が、大きな話題となったことを覚えてらっしゃる方も多いかもしれない。そのCDで編曲者・演奏者を務めたラーフ・ヘッケマ Raaf Hekkema氏のムービーを、YouTubeで見ることができる。

超絶!パガニーニ「カプリス第24番」をアルトサックスで。スラップや重音が、きちんと音楽として組み込まれていることにも感心。


ことらはソプラノサックス。「『バッハ平均律クラーヴィア曲集』よりBMV847」。無伴奏でフーガってこうやって吹くんだ。循環呼吸を使っている様子も見える。


映像があると、やはり面白い。楽器はクランポンの旧型プレスティージュだろうが、なんだか変なキーがたくさんついている。改造でもしたのかな。

どこかで見たことある場所だなあと思っていたのだが、よくよく思い出してみれば、以前紹介したティエス・メレマ Ties Mellema氏のムービー(→こちら)とそっくり。同じ番組での演奏風景なのだろう。

2007/03/15

告知になっていない告知

サックスに関する、ある大きな挑戦?が現実味を帯びてきた(自分たちのサックスのコンサートではなく、ほかのこと)。時期は、2007年の秋ころから2008年。

もちろん、具体的なことが決まり次第、こちらでも詳細をお知らせしていく予定。続報をお待ちください。

2007/03/14

メイド・イン・ジャパン

日本のサックス吹きがコンサートで取り上げるプログラムや、CDに吹き込んでいる作品のリストを眺めていると、どうしてこうも自国の作品が少ないのだろうか、という疑問が湧き上がってくる。サックスの本場であるフランスや、アメリカ、そしてイギリスのサクソフォーン界を眺めてみると良い。自国の作品のみでプログラムを固められたディスクが大変多いのだ。

本国フランスでは、伝統的なアカデミック作品はもちろん、若手作曲家たちによる新作もレコーディングされているのが興味深い。アメリカではASCAPが積極的に自国の作品をサポートしているし、イギリスはもちろんレパートリーの多くが自国産の作品であるから、自然とコンサートやレコーディングもイギリスの作品となっていく。

ところが日本はどうだろう。時々、単発モノの新作が「委嘱初演」としてコンサートで取り上げられることはあるものの、レパートリーとして定着するに至った作品って、いまだかつて存在しただろうか。いつまでも「ファジイバード・ソナタ」だけではあまりにも悲しすぎるではないか?

いろいろ原因はあるだろう。曲そのものの魅力、楽譜の流通、レコーディングの少なさ、コンサートプログラムとしての少なさ。そのどれもが中途半端なレベルに落ち着いてしまって、悪循環を生み出している気がする。このままでは世界に誇れるメイド・イン・ジャパンがブレイクすることは望めないだろう。

(私個人はイギリスのクラシック・サックス界に目が向いてしまっているため、ぶっちゃけた話、日本産レパートリーが日本で演奏されることよりも、イギリス産レパートリーが日本で演奏されることを望むクチ。しかし、イギリス本国内での「自国産LOVE風潮」に比べ、日本のサックス界のそれはあまりにみすぼらしい。それはそれで、ニッポンジンとしてなんだかちょっと悲しいのである。)

奏者・作曲家・聴衆のうち、まずは…やっぱり奏者さんたちにがんばっていただくのが良いのかなあ。せっかくレベルが高い日本のサックス界であるのだから、フランス産一辺倒であるレパートリーの見直しもぜひやっていただきたいところだ。私自身も、余裕さえあれば日本産サックス曲リストでも作りたいのではあるが…。

2007/03/13

Yahoo!オークションにて

Yahoo!オークションに、あのデファイエ四重奏団の伝説的LPが出品されている(→こちら)。リュエフ、ティスネ、パスカルが入っている「エスプリ・ヌーヴォ・ドゥ・フランス」という盤。たしかこのレコード、サイトkuri_saxoを開設するきっかけにもなったんだっけ。

私の持っている盤と比べてみるとデザインは違うようだけれど、盤自体は持っていることだし今回は見過ごそう。しかし、6月までYahoo!オークション参加無料とは…ありがたいことだ。

2007/03/12

ギャルドの秘蔵音源放送

1961年11月のギャルド・レピュブリケーヌ来日公演といえば、日本吹奏楽界の一大事件。レパートリーは行進曲ばかり、元気にパンパカパーンとやれば良かった日本のブラスバンド界に、初めて「芸術的」かつ「交響的」な響きがもたらされた瞬間だ。

で、どうやらこの度、その当時のライヴ録音がNHKのアーカイヴスから発掘されたらしい。フランソワ=ジュリアン・ブラン指揮ギャルド・レピュブリケーヌ吹奏楽団の1961年11月11日東京文化会館公演「Bプロ」。いまだかつてCDはおろかLPにすらなっていないこの貴重な録音、吹奏楽ファン垂涎の的ではなかろうか。しかもそれが近日中に放送されると言うことで、さらに驚きだ。

3/21(水・祝)13:00~25:00 NHK-FM「今日は一日"吹奏楽"三昧」

生放送12時間ぶっ通しの番組中、19:00ころに放送されるらしい。とりあえず番組全体の詳細なタイムテーブルを知りたいところだが、まだ公開されていないのだろうか。

サックス的興味としては、プログラムに含まれる「ボレロ」や「アルルの女第2組曲」か。あのミシェル・ヌオー Michael Nouauxのソロが聴ける、かもしれない。ついでに、ゲストの一人は須川展也さんとのこと(笑)。もしかしたら他の団体の録音で、須川さんの協奏曲も放送されるかもしれませんなあ。

ラジオだと困ったことに、マシな音質でのリスニングが期待できないのだが、そこは割り切るしかないか。何はともあれ、このギャルドの録音は耳にしておいて損はないと考える。吹奏楽好きの皆さん、当日の夕方はお家に引きこもりましょう。

2007/03/11

ダニエル・ケンジーのミニアルバム

スーパーサックス吹き、ダニエル・ケンジー Daniel Kientzy氏のCD「Hot」と「Une couleur...」を2枚まとめてご紹介。ケンジー氏は自主レーベルNova Musicaを立ち上げており、これらのCDはそのレーベルからリリースされたオーケストラとの共演盤である。いずれも収録曲目は現代曲一曲のみの、ミニアルバムといった趣。

イタリアの作曲家、フランコ・ドナトーニ Franco Donatoniの傑作「Hot」の初演ライヴを収録したディスク。オーケストラ(というか、ほぼコンボバンド)は、ポール・メファノ Paul Mefano指揮のアンサンブル2e2m。

まず、曲が良い!どう聴いてもハイテンションなフリージャズに聴こえるのだ。ドナトーニいわく、「想像上のジャズ・ピース」だとのこと。編成からしてテナー/ソプラニーノサックス+Eb/Bbクラリネット+トランペット+テナーバストロンボーンに、ピアノ+コントラバス+パーカッションという編成で、そのままジャズのライヴハウスに行っても、何の違和感もないだろう。

序奏部分では、コントラバスとピアノのパルスにパーカッションが絡み、徐々に集中力の高い音空間が形成されていく。ブラスが薄くハモった上に、不安定に引き延ばされるテナーサクソフォン。続く中間部ではソプラニーノが使用され、技巧的なパッセージの応酬が聴かれる。最終部ではオーケストラが大炸裂!サクソフォンが導く上昇フレーズのリフは爽快そのもの。

----------

こちらは、スペインの作曲家、ルイ・デ=パブロ Luis de Pabloによる、オーケストラとソプラニーノ/ソプラノ/テナー/バリトン/コントラバス・サックスによる協奏曲が収録されたアルバム。バックを務めまするは、レムス・ジョルジェスク指揮ルーマニア国立オーケストラ。

Juan Larreaというスペインの詩人が書いた、フランス語の詩の一行一行からインスピレーションを受けて書かれた協奏曲だという。全部で楽章は5つに分かれており、コントラバス~テナー~ソプラノ~バリトン~ソプラニーノ他が順次楽章ごとに使用されていく。
1. une nuit encore plus triste que le papier buvard
2. le silence devient doucement festin d'oiseau
3. les fourmis trainent nos larmes de l'est a l'ouest
4. il s'en alla par transparence
5. ...sa tristesse assise au bord de siel comme un ange obse

これはもう、冒頭のオーケストラを従えたコントラバスサックスのソロから一気に飲み込まれてしまう。サックスで、ここまで圧倒的な音楽の「太さ」を表現することができるとは。第2楽章、疾走するテナーサックスのスラップと絡むオーケストラ、第3楽章の、「狂気」とでも表現したくなるような激しいソプラノサックス…など、普通では味わえない多彩な音世界が魅力的だ。

どちらのアルバムも、単純に「現代音楽」という範疇で捉えてしまうには惜しいほどの、有り余る内容の濃さを誇る。少々手に入れづらいが、これは手元に置いておいて損はないと思う。

2007/03/10

Dream Theater

不勉強のせいで、プログレッシブ・ロックというジャンルは1970年代を境に姿を消したものばかりだと思っていたのだが、現代においても素晴らしいグループが次から次へと出現し、いまだにこのジャンルは根強い人気を誇っているらしい。

で、A川氏やM尾先生に教えていただいたのが、ドリーム・シアター Dream Theaterというバンド。ELPやピンク・フロイドなどの、変拍子バリバリ・多彩なサウンドといった源流を受け継ぎ、さらに洗練されたテクニックをも併せ持った、まさに新世代のプログレッシブ・バンド。

Youtubeに映像がアップされていることも教えてもらった。ドラマーの共演フェスティバルで、ドリーム・シアターのインストゥルメンタル物をメドレーで演奏したときの様子、とのこと。
http://www.youtube.com/watch?v=k0kkjzU7KDg(途中まで)
http://www.youtube.com/watch?v=bS3Wg0zuueU(続き)

わー、激しい(笑)。エレキギター中心の重めのサウンドは、ちょっと自分の嗜好からは外れてしまうけれど、しかしこれは上手い!ドラムスとギター、ベース、キーボードが変拍子のユニゾン(シンコペーション?)で突き進む様は、かなり強烈。こりゃもう、メンバー全員が「変拍子&シンコペーション大好きー!」ではないとできませんな。なんでこんなに楽しそうなんだろう!?ロックと言うより、ほとんどマニアックに染まった世界だ、こりゃ。

ピンク・フロイドの「狂気」を完全カバーしたアルバムが存在するそうで、これはちょっと聴いてみたいかも。

追いコン

木曜日のことだが、大学の吹奏楽団の追い出しコンパがあった。現役時代の吹奏楽曲合奏→レセプション→飲み会、という流れで、14:00から25:00まで。疲れたけれど、楽しかった。

定期演奏会やコンクールの曲など合奏していると、様々な思いが走馬灯のように(??)よみがえってくる。忘れていたと思っていたことでも、ずいぶんと細かいことまで覚えているもので、驚き。

2007/03/08

ミュールQのLPが到着

オークションで落札したミュール四重奏団のLP(Musical Heritage Society MHS 817)が到着。

フランス国内ではErato STU 70306という型番で売られていた盤の、アメリカ国内盤。Erato盤と違ってそれほどプレミアがつくわけでもなく、オークションを漁れば比較的容易に入手できる。競合価格も、CDのアルバム一枚分程度で収まるのではないだろうか。

ちなみにこのMHS 817という型番のLPは、実はモノラル/ステレオのニ種類があって、モノラル盤は既に持っていたのだが、この度ようやくステレオ盤を入手したというわけ。けっこう嬉しい。さすがに自室にはLPプレーヤーはないので、また図書館にでも持ち込んで後日じっくり堪能しよう。

曲目:
・ピエルネ - 民謡風ロンドの主題による序奏と変奏
・デザンクロ - サクソフォーン四重奏曲
・アブシル - ルーマニア民謡の主題による組曲
・リヴィエ - グラーヴェとプレスト
演奏:
マルセル・ミュール四重奏団 Quatuor de Saxophones Marcel Mule
 マルセル・ミュール Marcel MULE(ssax)
 ジョルジュ・グールデ Geroge GOURDET(asax)
 ギィ・ラクール Guy LACOUR(tsax)
 マルセル・ジョセ Marcel JOSSE(bsax)

テナーサックスを吹いているラクールという方は、サックスをやっている方なら知らぬものはいない「ラクールのエチュード」のラクールさんのこと。

2007/03/07

eBayにドゥラングルのREM盤が…

eBayにクロード・ドゥラングル Claude Delangle氏のREM盤「Duo Delangle」(激レア!)が出品されているので、経済的に余裕のある方、落札してみてください…コチラ。残り時間は約1時間30分。

追記:私も42ドルまで粘りましたが、落札されてしまいました。あらま。

2007/03/06

ノワイエSE「Wind from East」

ノワイエ・サクソフォーン・アンサンブルの「Wind from East(Basic BCD-20101)」。女性4人で結成された四重奏団で、トリオ・クリスタル・ピラミッドの原ひとみ氏、アルモでも活躍されていた遠藤朱実氏、東京芸術大学を卒業され地方で活躍する曽根美紀氏、上野耕路氏作品のレコーディングのクレジットで見かけることも多い石田裕美氏、というメンバー編成。ソニー主催ニュー・アーティスト・オーディションにてノワイエ・アンサンブルとして東京FM賞を受賞、という経歴を持つ。

古田儀左ヱ門の編曲によるクラシックの編曲作品もなかなか良いし、フォスターやアンダーソンの名曲を、サックスカルテットで聴けるのも珍しいと言えば珍しいのだが…やはり何といっても織田英子さんの名曲「東回りの風」が収録された、目下唯一のCDということで推薦ポイント高しでしょう!ついでに言えば、「ヴァカンス」で有名なジャン=ミシェル・ダマーズの「四重奏曲」もこのCD以外では見かけたことがない。珍しや。

プロデューサーは、上野の森ブラスチューバ奏者や"自由演奏会"の仕掛け人としても名を知られた杉山淳氏。私自身自由演奏会で杉山氏の雰囲気に触れたことはあるのだが、たしかにこのCD全体からも似た空気を感じ取ることができる。それは、演奏だったり、選曲だったり、さらに、ライナーに載ったスナップだったり、曲解説の文章だったり(古田氏が担当した文章、ギザエモン節大炸裂!)…。

かなりオンマイクな録音で、響きはダイレクトなのだが、技術的に不安を感じるところは全くない。個人的には、もう少しやわらかく響いてくれる場所があっても良かったと思うのだが、確信的な、パリッとしたストレートな響きは、これはこれでありなのかも知れないな。

版元のBasicは、地方のCD製作メーカーであるので、一般のCDショップには流通していないかもしれない。楽器屋さんの棚や、吹奏楽CDを扱ったオンラインショップで見かけることが多いのではないだろうか。

2007/03/05

ダニエル・ケンジー on YouTube

YouTube上のムービーを紹介する、お手軽モードで行きます。今回はダニエル・ケンジー Daniel Kientzy氏(sax)とレイナ・ポーテュオンド Reina PORTUONDO女史(elctroacoustic)によって創り出される、不思議サックス世界をお楽しみくださいませ。

この2人、Meta Duoなるデュエットを結成し、サクソフォンとエレクトロニクスのために書かれた数々の作品を初演してきているのだ。

Vitor Rua作曲、アルトサクソフォンとテープのための「Saxopera」。



同じ作曲家で、コントラバスサクソフォンとテープのための「recette pour faire une souris」。



とりあえず、マウスピースがついていないところにツッコミを入れるべきなのでしょうか…。しかし、ケンジー氏もポーテュオンド女史も、カッコイイなー。

2007/03/04

BG輸入元、マウスピース

BGと言えば有名な管楽器アクセサリーメーカーだが、何で突然輸入元が野中貿易からヤマハ・ミュージック・トレーディングに変わったのだろうか、という疑問。業界関係者に聞けば分かるのかしらん。

リガチュアのBG Traditionを使っている人は多いはずだが(かくいう私も一月くらい前までBG Traditionをずっと使っていた)、今後ヤマハでしか買えなくなるだなんて、ちょっと不思議な感覚じゃないか。BG Traditionというと、どうしてもあのセルマーのマウスピースにくっついている姿を想像してしまうもので。

ちなみに、BGの取り扱いをやめた野中貿易は、現在はLB LYONなるメーカーを売り出し中。BGの技術者の一部が独立して立ち上げたメーカーだそうで、なかなか良いとの評判だ。周りに何人か使っている人もいる。

----------

リガチュアじゃないけれど、アンサンブルコンクール前にS90-180新調しようかな。実は今使っているマウスピース、楽器を買ったときに付いていた付属品なのです。6年の間には、CS80-C*に浮気したり Vandoren-T20に浮気したりしたけれど、結局S90-180に戻ってきてしまう。しかしこのマウスピースもそろそろ潮時かも。

私はアクセサリーのマニアではないが、楽器は気持ちよく吹きたいですからね。最近では明らかに音の抜けが悪くなってきた、ような気がしている。

ルディ・ウィードフトのCD

いくらサックスを吹いている方と言えど、ルディ・ウィードフト(ヴィードーフ) Rudy Wiedoeftの名前をご存知の方は少ないだろう。…いいや、最近では作曲家として演奏会プログラムにその名が載ることもああるだろうから、そうでもないのだろうか。まあ、どちらにせよ、長い間忘れ去られていた名前であることは間違いない。

1893年生まれのサクソフォニストで、1920~30年代にアメリカで活躍。ジャズともクラシックとも言えない、親しみのある自作のポップミュージックを演奏し、人気を博した。あのエジソンに協力し、レコーディングも行ったとのことだから驚きだ。

いくらサックス黎明期とはいえ「ポップスのサックス吹き」は巷に何人もいたと思われるが、彼が特に有名なのは、その驚異的なまでのテクニックゆえんである。幸いにも、ウィードフトの全盛期を切り取ったCDが存在する:1920年代の録音を集約した「Rudy Wiedoeft 'Kreisler of the Saxophone'(Clarinet Classics CC0018)」。

とりあえず、自作曲の「Valse vanite」あたりを聴いてごらんなさい。ミュールに先立つこと10余年、ここまでのテクニック・音色・音楽性を持ったプレイヤーが存在したとは!と驚くこと間違いなし。現代にあっても、これだけのテクニック持った人を探すのって難しいんじゃないか?忘れ去られてしまっていたのが、不思議なほど。

スラップタンギング、ベンド、ヴィブラート、高速なタンギングなど、今では珍しくもないが、この当時既にこれらの特殊奏法を独自に確立し、ガンガン使っていたと言うのも驚き。自作の「Sax-O-Phun」が、特殊テクニックの見本市のような曲で、なかなか面白い。自作曲以外に、収録されているクラシックの小品も、ヴィブラートを伴いながら綺麗に演奏されていて、素敵だ。

最近ではウィードフトの作品は再評価される兆しを見せているが、そのウィードフト自身の演奏を知る人も増えてくれればいいなと思う今日この頃。とりあえず、CDとして復刻してくれたClarinet Classicsに感謝。

2007/03/03

ショスタコーヴィチ「ソヴィエト民警の行進曲」

まずはこちらの写真をご覧あれ。ドミトリ・ショスタコーヴィチが吹奏楽曲「ソヴィエト民警の行進曲 March of the Soviet Militia op.193」のスコアだ。版元はDSCH Publishers。この楽譜を見ると…いやー、いろいろな思いが巡ってきますなあ(しみじみ)。

ショスタコーヴィチのファンならば、この名前を聞いてニヤリとすること請け合い。ショスタコーヴィチ晩年の作品で、成立は1970年。ソヴィエト文芸・芸術コンクールで一位を獲得した由緒あるスコア。トリオを省いた、ABAの簡素な形式のマーチで、まさに「行進のためのマーチ」という性格が強い。ほんの一分半の作品で、コンサートではめったに取り上げられず、数枚のCDでしか聴くことができないという、まさに「秘曲」だ。

ファンの方ならば、もしかしたらこのスコア、「喉から手が出るほどほしい…!」という方もおられる、かもしれない。

こういった楽譜、ほしいと思うときにすぐ手に入らないと言うのは、どうにかして欲しいものだ。演奏したいと思っても、高価だったり入手までに時間がかかったりするのが常。

ちなみに写真のスコアは、一昨年、所属していた吹奏楽団で、「有名作曲家による吹奏楽作品集」というコンセプトのプログラムで演奏会を開いたことがあり、そのときに取り寄せたもの(の、バックアップコピー)。

日本初演を目指して楽譜を入手すべく、王立北部音楽院やBoosey&Hawkesにコンタクトを取るなど手を尽くしたのだが、結局、演奏会の2週間後に到着。もちろん本番で演奏することはできなかった(ついでに言うと20000円もした…)。さらに加えて楽譜はHIRE LIBRARYからの貸し出し、ということもあり、他の機会での演奏もお蔵入りになってしまったという苦い思い出がある。

2007/03/01

自分の楽器

今日の四重奏練習が始まる前に撮った、自分のテナーサックス。高校3年生に上がるときに親に買ってもらったセルマーReference54というモデルで、もうまるまる5年間使っている(そういえば自分の楽器の事をブログに書いたことなかったなあ)。

音を飛ばすのは苦労するが、音色を変えるのは楽々。世間一般ではジャズモデルという位置付けのようだが、クラシックでも普通に使えるんですよー…時々苦労させられることもあるけど。最近の悩みは音が「こもる」こと。サテンフィニッシュの特徴だから仕方がないけれど、ネックだけラッカーにしたら変わるのかしらん。

これを使って演奏会に何度も出たし、コンクール、アンサンブル、ポップスなどいろんな場面で吹いてきたっけ。これからも大切に使っていきたい。