2006/12/22

世界の創造

明日より2日に渡って、パルテノン多摩で開催されるサクソフォン・フェスティバル2006。あいにく様々な練習予定が重なって、23日は行けないのだが、24日は出かける予定。

トリを飾るフェスティバル・コンサートは、今年は東京シンフォニエッタとの協奏曲の演奏がメインだそうで。カプレ「伝説」、コンスタン「演奏会の音楽」、ドナトーニ「ホット」、ロタル「シャクティ」、ミヨー「世界の創造」なんだそうだ。選曲が渋い。

このうち、ミヨー「世界の創造」の演奏を務めるのは、自身も東京シンフォニエッタのメンバーである小串俊寿氏。実は、ライブ&録音ともども音を全く聴いたことがないだが、知人から聞く評判は「ありえないくらい美しい音色」とのことで、フェスティバル中でも、特に楽しみにしている演目なのだ。

「世界の創造」は、アメリカ周遊から戻ったミヨーが、黒人街にて接したジャズにインスピレーションを受けて書かれたバレエ音楽。混沌とした導入部から、生命が溢れかえるエネルギッシュなお祭り騒ぎまでを15分に凝縮し、序曲と5つの部に構成したミヨーの傑作。

ジャズからインスピレーションを受けたからといって、ジャズっぽいフレーズが使われていたりするわけではないのだが、そもそも室内楽編成にアルトサクソフォンを加えるアイデア自体、おそらくジャズへの接触がなければありえなかったことだろうし、その他曲を聴き進めていけば、随所で出現する快活なリズムや音が重なったときの響きに、ジャズの影を垣間見ることができる。

全体を通じてサクソフォンがかなり効果的に使われている、という意味で、サックスをやっている方ならば一度耳にしておい損はないと思う。有名なサクソフォニストが参加したCDも多い。例えばサイモン・ラトルがロンドン・シンフォニエッタを振った「The Jazz Album(EMI)」ではジョン・ハールが、バーンスタインがフランス国立放送管弦楽団を振った「ミヨー名管弦楽曲集(EMI)」ではダニエル・デファイエが、という具合。

特にバーンスタインのほうは、この曲の演奏の決定盤だと思っているのだが、いかがなものなんでしょうか。初めてこのCDを聴いたときは、冒頭のサックスと弦のアンサンブルの、響きの美しさに感動した…。デファイエの弟子だったあのファブリス・モレティ氏も、このCDが大好きなんだそうだ。

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