2006/12/02

平野公崇氏のミニ・コンサート

つくばから、高速バス往復&JR一日フリーが2000円(!)という破格の交通手段を使い、聴きに行ってきた。平野さんの生の音を聴くのは、昨年の洗足マスターズ・コンサート以来。

最近発売された「シンフォニア(Cryston OVCC-00034)」というC.P.Eバッハ作品集の発売記念コンサート、というふれこみ。それにしても、コンサートを聴いた全員にCDプレゼント!とは…これまた大胆な催しだ。急遽決まったコンサートのことで、客入りが心配されたようだが、会場はほぼ満員だった。

曲目は、「シンフォニアニ長調」と「『スペインのフォリア』変奏曲」。曲間に平野さんのトークを交えつつ、和やかに進行。アンコールは大バッハの「G線上のアリア」即興。コンサート終了後にはクリニック(自由質問タイム?)と、サイン会も行われた。

しかし、これは生で聴いて良かったなあ。平野さんのふくよかなソプラノ・サクソフォンの音と、バロックのメロディが持つどこか陰鬱な表情が、絶妙にブレンドされていたのだ。そこへさらに平野さんの発する「気」みたいなものが重なり、ちょっと異次元風サックス体験(笑)。この人は本当に、CDで聴こえない部分が多すぎる…。

「ラ・フォリア」では冒頭の主題の一音目が奏でられた瞬間に、震えた。

それから、即興的なフレーズを表現するのに、ソプラノ・サックスという楽器がこんなに適したツールだったとは!ほとんど極限的な高速フレーズを駆けずり回るサックスは、その場でフレーズを生み出しているかのようにも聴こえた。

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