2006/05/31

グレグソン「サクソフォーン協奏曲」ライヴ録音

須川さんの演奏でBBC Radio3で聴いたエドワード・グレグソン「サクソフォーン協奏曲」、とても楽しい曲だった!こちらもライヴで聴くのが楽しみだ。変な表現だけれども、バーンスタインとマイケル・ダウティとアダム・ゴーブの音楽を掛け合わせ、そこにさらに煌びやかさを足した感じ。第一楽章では、氏が書いた吹奏楽曲の「王は受け継がれゆく」第二楽章をふと思い出した。

まあちょっとツラかったのは、「アフタヌーン・コンサート」という番組で放送なのに、日本時間では「ミッドナイト・コンサート」になってしまうことか(あたりまえ笑)。ちょうど今聴き終わったところで…眠い。

グレグソンの「ヴァイオリン協奏曲」も放送していたが、こっちもなかなか面白い作品だと思った。ソリストはオリヴィエ・シャルリエ氏という人。上手いなーと思って聴いていたのだが、調べてみたらけっこう有名なヴァイオリニストらしい。

2006/05/30

サックスとライヴエレクトロニクスのコンサート!

目を疑った…まさか大村久美子氏の「イマージュの錯綜」をライヴで聴ける日が来るなんて!

ThunderさんのWebサイトの掲示板記事で知ったのだが、フランス人サクソフォニストのジェローム・ララン氏のリサイタルが、サックス+コンピューター系のラインナップなのだ!ちょっと遠いけれどこれは絶対聴きに行くでしょう。

しかも、フェルドハウス「Grab It!」に、湯浅譲二「Not I but the Wind...」に、夏田昌和「West, or Evening Song in Autumn」に(どれも大好き)…世界初演が3つ、日本初演が1つ!すごいすごい(かなり興奮気味)。楽しみだー!

フランスIRCAMで行われた2004アゴラ音楽祭での、ドゥラングル氏のリサイタルにコンセプトが似ているなあと思ったら、案の定ララン氏はドゥラングル氏のお弟子さんのよう。このジェローム・ラランという名前は、どこかで聞いたことがあるなあとずっと考えていたのだが、さっき思い出した。セルマージャパンのページからたどれる白井奈緒美さんの留学体験記(→http://www.nonaka.com/actus/selmer/news/report_shirai.htmlの文中で読んだのだった。2004年時点で25歳?ということはまだ27か28歳ということか。フランスでも注目の若手奏者なのだろうな。

2006/05/29

ハバネラQ長野公演

11/8に長野県波田町アクトホール(300席くらい)で行われるハバネラ四重奏団公演は、ホールの自主公演企画(http://www.town.hata.nagano.jp/dbps_data/_material_/localhost/manabu/geijutu/files/jishujigyou.pdf)。そのためもうチケットの売り出しは開始されていて、入場券は自由席で1枚で2000円!、2枚で3500円!!。ひゃあ安い!

そういえば生まれて初めてプロのサックス四重奏団(トルヴェール・クヮルテット)を聴いたときのチケット代は1500円だったような気がする。場所はやっぱり長野県。地方公演ならこのくらいの値段が妥当かなあ…。東京公演ではこんな値段は期待できないだろうなー。

それよりも、もしかしたら東京公演はノナカ・サクソフォン・フレンズ優先の販売になる雰囲気、ということがちょっと心配。まず7月のNSF会誌にコンサートの詳細が掲載されるとのことで、同時に一般告知があれば良いのだけれど、確実に聴きに行きたいし、入会したほうが確実かな。微妙なところだ。

両親に「こんなコンサートがあるよー」と薦めたところ、逆に波田町公演についていろいろ教えてもらった次第。最近このノートハバネラネタ多いなあ(笑)。

2006/05/27

Reminiscence

サックスのCDを集め始めたのは、そもそもデザンクロ「四重奏曲」の録音を集め始めたのがきっかけだったが、そういえば初期にゲットしたCDの中にこんなCDがあった。アレクサンドル四重奏団の「Reminiscence(Societe nouvelle d'enregistrement SNE-566)」。風邪で寝込みながら久々に引っ張り出して聴いていた。

ライナーの中に団体紹介がほとんど書いていないので団体についての詳細が良く分からないが、ケベック四重奏団のメンバーをほぼ引き継ぎ、グラズノフに敬意を表してアレクサンドル四重奏団と改名したカナダの団体のようだ。ソプラノはソリストとしても有名なダニエル・ゴーティエ。バリトン奏者のジャン・フレシェッテは女性?現在もまだ活動しているのかな。

CD自体はかなり昔の出版で、出版&録音はなんと1990年!すぐには想像がつかないが、湾岸戦争はこのころか?大学入試センター試験もこの年からか…。まあとにかく、とっても昔であることに間違いはない!そのためかどうなのか、届いたときからブックレットがカビ臭いというオマケつき。

プログラムはデザンクロ、グラズノフ、ラクール、パイロン。デザンクロとグラズノフはオーソドックス。

ラクール「四重奏曲」は、サックス吹きが皆お世話になるあの練習曲の作曲者と同一人物で、マルセル・ミュールの四重奏団にテナー奏者として参加もしていたサクソフォン奏者&作曲家。曲はエレジー、スケルツォ、フィナーレの三楽章構成。パッサカリア風のエレジーから徐々に集中度が増し、フィナーレは演奏技法上かなり高度であるが、フレンチ・スクール特有の艶っぽさも感じられる。使われている音列が12音に基づいているため、エチュードのような耳に優しい旋律を想像してるとかなり面食らう(笑)。

パイロン「トランスペアレンス」は、ロンド形式の現代風楽曲。冒頭に現れるモチーフが何度にもわたって変形され、サックスの特殊機能を引き出しながら進んでゆく。一見するとそのへんのゲンダイオンガクと違いがないように見えるが、変形手法がかなり精密に構成されており音楽的にも良い内容の傑作だ。

とくにソプラノのちょっと鼻にかかったような音色が印象深い。アーティキュレーションや音程が確実に揃えられつつ、情熱的に推進する音楽。一地方のサクソフォーン四重奏団にしてはかなりレベル高いです。マイナーな団体のわりにはことあるごとによく聴いているなあ…。ラクールを高レベルで聴けるのは良いし、グラズノフやデザンクロには楽譜に対する(作曲家に対する)真摯な態度、パイロンのような現代作品にあっても愛着をもって積極的に表現しようとするなど、どの曲でも手抜きなしの真剣勝負。内容が凝縮された素敵な演奏だ。

2006/05/21

ハバネラQ新譜情報

ハバネラ四重奏団の新譜がalphaレーベルから発売された「L'engrenage(Alpha 518)」。今回はなんと、ルイ・スクラヴィスというマルチ音楽家との共演という面白い内容だ。このスクラヴィス氏、リヨン音楽院で学んだ後、即興演奏を中心とした活動を展開して今ではフランスを代表する即興演奏家(クラとサックス)&作曲家なんだそうで。

どんな曲がプログラムされているかと思えば、スクラヴィス氏の自作がほぼ半分。その他はハバネラ四重奏団によって委嘱された作品。スクラヴィス氏の名前以外ではAlexandros Markeas氏やAlain Berlaud氏等々聞いたことのない名前が多いが、おそらくフランスの同世代の作曲家たちといったところだろう。さらにCD中にはリゲティの「6つのバガテル」第3番に氏が即興でオスティナートをつけていく、なんていう面白そうなトラックもある。alphaレーベルのサイトで試聴できたが、スクラヴィス氏とハバネラ四重奏団の極端に相反するサウンドが、とても楽しい感じ。

なんにせよ現在世界最高レベルと謳われるハバネラ四重奏団の、注目の新譜であることは間違いない。タワーレコードなどで取り扱いがあるだろうからまだまだ急がなくても大丈夫かな。最近は輸入代理店も付いたようだし日本語解説付きを狙うのも良いかも。

あ、ハバネラ四重奏団の大阪室内楽コンクールのライヴ盤について室内楽財団に問い合わせたところ、ごく少量ながらツアー会場で販売されるよう。

2006/05/20

ヴェーベルンの初演メンバー

ヴェーベルンの「四重奏曲作品22」について調べていたら、初演者のテナーサックスのクレジットに「Leopold Wlach」の文字が!テナーサックスがレオポルド・ウラッハ?!クラリネット奏者がサックスに持ち替えるのは分かるが、よりによってウラッハが持ち替えるとは。驚き。

1930年代のウィーン・フィルの主席を勤めたクラリネット界の歴史的名手だが、個人的にはウラッハといったらいつだか聴かせてもらったブラームスのクラリネットソナタの録音(ウエゥトミンスター盤)での印象があるかな。

ちなみにクラリネットはJohann Low、ヴァイオリンはルドルフ・コーリッシュ、ピアノはエドゥアルト・シュトイアマンだそうで。ヴァイオリニスト、ピアニストともども、著名な演奏家のようだ。クラリネットのJohann Lowという名前はほとんどGoogleに引っかからないので、もしかしたらクラとサックスを逆にして書いてしまったとか…?

2006/05/16

無伴奏CD二題

友人から借りたラーフ・ヘッケマ氏演奏のパガニーニ「24のカプリス(MDG 619 1379-2)」は噂どおり物凄かった。無伴奏だけでふつうCD作るかねー、その心意気は店頭で見かけたときから感じていたけれど、実際にサックス一本でここまでやるか、空いた口がふさがらない演奏とはまさにこのこと。訳あって耳にする機会の多い24番も、とてもかっこいい!

楽器のことは良くわからないけれど、クランポンのサックス(赤ベル?)を使っているようだ(いつだったか試奏したときに飛び上がるほど美しい音が出た記憶がある)。ヘッケマ氏の本ディスクでの音色はどんな難所でも涼しげで、超絶フレーズなど、まるで眼前で水しぶきが飛び散るかのよう。

もうひとつ最近聴いた無伴奏もの。オーボエのフランソワ・ルルー氏演奏の無伴奏ディスクで、Fontecから出ているライヴ盤(Fontec FOCD-9210)がすごい。2002年の来日時にたしか野中貿易が全面的にプロデュースしたコンサートで、さすがに当時はそれほど興味もなかなかったのだが、いつのまにかディスクとして発売されていた。今年の初めにラッキーなことにこのCDが図書館に入架し、ベリオやブリテンが入っていたこともあって最近借たというわけ。

ブリテン「オヴィディウスによる6つの変容」はハルモニア・ムンディ盤でもその超級の演奏に腰を抜かしたが、今回は表現力が増しての再録といった感じ。音色も以前より柔軟性に富み、聴きやすくなったとの印象を受けた。こんなppが出せるんだ!と、そのよく通る弱音と、対照的にパワー溢れる強音とが、曲の構造をまざまざと見せ付ける。まるで2つの楽器で吹き分けているようなめくるめく音色の変化など、聴いているうちにオーボエであることを忘れてしまいそうだ。

ベリオ「セクエンツァ7a」は期待通りのすばらしい演奏。特殊奏法もなんのその、技術が技術のために終わらずに音楽の本質を突く…といった賛辞はありきたりすぎかも。舞台裏に2人のオーボイストを携えてのスピード感溢れる録音だった。持続音の音程がちょっと低いのは気のせい?

しかし収録された中でも、シルヴェストリーニの「5つの絵」の圧倒的な技術には特に驚かされた。「オーボエって吹くのが難しい…」という一般常識を根本からひっくり返し、オーボエという楽器のすばらしさが頭の中に刷り込まれていく。たった5曲を聴き終えるまでに、あまりに凄すぎて眩暈が(笑)終わった瞬間に「今聴いていたのはオーボエ…?」とまで思うが、しかしこれこそが「オーボエ」であり「音楽」なのかも。

ヘッケマ氏もルルー氏も、無伴奏ですら説得力ある音楽を紡ぎだすことのできる類稀な現代ヴィルトゥオーゾ。こういった、抜群のテクニック、フレージング、音色を持つ奏者たちにさらに魅力的な音楽を奏でて楽器の限界を打ち壊し続けてほしいものである。願わくば自分も…と言いたいことだけれど、さすがにこういった演奏を聴いてしまうと怖気づきます(笑)。

2006/05/15

須川さんのライヴ録音放送予定

須川展也さんとBBCフィル演奏のグレグソン「協奏曲」。つい先日世界初演がなされたばかりだ。録音放送予定日は、BBC Radio3で、5/30 14:00 GMT=0からだそうです。9月の協奏曲コンサートは行く予定なので、予習しておこうかと。

放送後もしばらくはアーカイブとして聴けるのかな?アーカイブのほうがビットレート高そう(笑)。

ノバホールのベストポジション?

昨日は、筑波大学吹奏楽団の定期演奏会リハーサルを見学。カメラのお仕事のための下見だったが、その関係で30周年記念ステージ(?)のゲネプロも観られた。

ノバホール一階客席で聴く吹奏楽の音響を聴いていると、つくづくバンドには向かないホールだなあといつも思う。ところが、今日は上手側二階バルコニーで聴いたところ、バランスのよさにびっくり!クラリネットが厚く聴こえるし、低音の支えもしっかりしていて…全体がなかなか適度なバランスで聴こえたのだった。おもしろい。ノバホールの形状その他から推測するに、多分こういうことだろう:

・壇の上部にぽっかり空いた空間に浮き上がっていく低音(特にベル形状の点からユーフォニアム、テューバ)が聴こえる。
・下手側の反響板に反射したホルンの音が直接聴こえるジャストポイント。
・クラリネットの真正面であるため、ベルから出た音がそのまま聴こえてくる。
・一階席では木管群に遮られて聴こえないトランペット、トロンボーンを遮るものがない。
・舞台に近いため、無駄な反響がほとんどない。

などなど。

在籍していたころは気づかなかったけれど、「上手側二階バルコニー席」は穴場だったかもなあ。バンドからふわっと浮き上がってくるやわらかいサウンドで聴いたアーノルド「第六の幸福をもたらす宿」は、妙に印象的なのでした。

ついでに挙げれば、舞台近くのためプレイヤーの表情がしっかり見えてなかなか楽しかった。「六宿」ソリストの表情とか、いやー面白い。みなさまがんばってください。

2006/05/04

演奏アドバイスのページ

何気なくGoogleで「デザンクロ」と検索してみたら、こんなページがヒット(→http://www.basj.or.jp/ensemble/sax.html)。例の曲の第3楽章の演奏アドバイスだそうで。しかもなんと執筆は金井宏光氏。いつの間にこんなページが…昔は無かったよなあ?

一通り読んでみたが、初めてこの曲に取り組むような中高生?にはかなり役に立つアドバイスかもしれない。顧問の先生がサックスのアンサンブルをよく知っているというのならまだしも、それなりにサックスのこと、音楽のことを知っていないと書けないような情報がたくさん載っている。運指(変え指)・カット・トリル・など、良い具合にツボを押さえている感じ。

そういえば高校のときこの曲にチャレンジしたときも、「カットどうする?」とか、「トリルこの音で合ってるの?」とか言っていた。16分音符が連続してリズムも和声も難しい曲だけれど、高校生ならば意外と吹けて指も回ってしまう。そして次の段階!まずはカットして5分以内におさめ、録音しては聴き、指が転ぶところを少しずつ修正し…。そんな時にはこういうページが、演奏を洗練させる一助になるという気がした。

昨日はバリトンサックスで5曲×2ステージ。久々のバリトン&立奏&激しい曲ゆえ、アンブシュアの固定に一苦労。 イギリスのサクソフォーン、「主要レパートリー」項を追加。

2006/05/01

立て続けに本番

ハバネラが東京文化会館で演奏する11/4って、後輩の定期演奏会の本番じゃないか。はしごか、最悪時間がかぶったらハバネラ優先かなあ。昼と夜ではしごできることを期待。

そういえば立て続けに自分の本番があったんだった。先週の木曜は大学の第二学群食堂で四重奏の演奏。新入生歓迎コンパの余興でウッズ「三つの即興曲」より第一楽章と、伊藤康英先生の「木星のファンタジー」。週末は吹奏楽?で芸術祭に参加。ポップスを6曲ほど。

しかし、どうも新年度になってから体力が落ちている気がする。昨日も暑かったとはいえ、本番を終えて帰ったら疲れて寝込んでしまった。外でPAを使用した本番というのは、どうにも化学反応が進みすぎるというか、30分くらいで一気に体力を消費してしまう感じだ。先の定期演奏会の本番直前宣伝演奏トリプルステージを思い出した(笑)。