2006/01/01

新年はルデュー四重奏団から

明けましておめでとうございます。

新年早々コレルリ「ラ・フォリア」の主題による変奏曲をもったりと聴き、スティラー「チェンバー・シンフォニー」を聴き、ピエルネ「民謡風ロンドの主題による序奏と変奏」をさらっと聴いて、食卓へ。おいしかった。

ピエルネ「民謡風ロンドの主題による序奏と変奏」は、サクソフォンの作品を聴き始めたけっこう初期の段階から知っていた曲だが、年齢が上がるにつれてようやく「有名な曲なんだ」と認識。楽譜は手元にあるがまだほとんど音を出した事はなくて、今年中に一回本番を作ってやってみたい曲の一つ。

ところで録音はと言えば、パリ音楽院の三代にわたる教授陣の録音であるミュール四重奏団(ディスク大賞受賞、たしか原盤はHMV)、デファイエ四重奏団(スタンダードですね、いちばんカッコイイ)、ドゥラングルの四重奏団(幻?のヴァンドレン製CD)を筆頭として、オーレリア四重奏団、フルモー四重奏団、トルヴェールなど様々なものがある。そんな中、今日取り出して聴いたのはルデュー四重奏団のCD「Singelee, Pierne, Pascal Absil(OPUS 91 2408-2)」。録音は1990年。

この四重奏団のバリトン奏者、ジャン・ルデューはデファイエ四重奏団のバリトン奏者として活躍した。誰にも真似できぬ美音と、完璧なテクニック・音楽性によって70~80年代のサクソフォン界に強い影響力を与えた伝説の名手だ。そんな彼が、15年前に自身の主宰する四重奏団で「正統派」の四重奏曲を録音した盤。しかもソプラノは、なんとあのファブリス・モレティ。そう、この録音、知られていない割になかなか凄いのです。

一聴して判るのは、とにかく表現が自然だということ。音楽大学で教えられるクラシックなスタイルのフレージングや解釈なんてものが、生粋のネイティブにかかると、ここまで自然に、会話のように表現できてしまうのか(当たり前ですが)という驚き。四人の他愛のないおしゃべりを遠くから眺めているような気にすらなる。

そう、このような自然体の演奏がいかに難しいことか。フレージングセンスなどというものは一朝一夕で身につくものではないが、カンタービレでの小川のような表現は言わずもがな、速いパッセージで駆け抜けていく曲ですら、どこか歌心溢れる演奏だ。いやーすごい。

普段自分達がアマチュアとして楽器でやっている表現の不自然さを思い知らされる…。母国語を喋るように、呼吸するように吹いてみたいと思うことはあるけれど、まだまだですな。「自然」に吹けるように、精進したいところだ(どうも文がまとまらないなあ…)。

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