2005/12/31

今年も終わり&第九

「お笑いライヴ」観てきました(現在23:20)、面白かった。…年の区切りってただ人間が決めたものだから、特番をたくさんやったり、年が明ける瞬間に騒いだり、初日の出に向かって拝んだりするのは、なんだかちょっと不思議な感じがするものだ。所詮どこまでも精神的なものだからなあ。

年末といったらやっぱりこれかなと、引っ張り出して聴いたのは定番中の定番、ベートーヴェン「交響曲第九番(EMI)」。演奏はこれまた最強のフルトヴェングラー指揮バイロイト祝祭管弦楽団&合唱団。この盤はいわゆる「史上最高の第九」。そこらでやっている演奏会ライヴとは比べ物にならない、言葉で言い尽くすことのできない隅々から満ち溢れるオーラは、聴き始めて何年経っても飽くことはない。リマスター盤が安いので、第九を買う時はぜひこの盤をどうぞ。この演奏聴いてしまうと、どうも他の演奏を聴く気になれないのだ…。

ここを見ていただいている方々、そうでない方々、来年もどうぞよろしくお願いいたします。

2005/12/30

携帯電話を機種変更

約3年間連れ添った携帯電話を機種変更。家族そろってauユーザーなのだが、WINには目もくれずに三洋製CDMA1Xの最新機種に即決。携帯電話はできるだけシンプルなものがいい。…漢字変換の速度が劇的に早くなっていて驚いたり、CCDから160x240LCDへのメモリ転送の凄さ(専用のハードウェアでも入っているんだろうか?)に頭を悩ませたり。

以前の携帯電話に入れていた、ナイマン「トニーへの歌」第一楽章の自作着メロが再生できなくなっていて残念。データのフォーマットの世代交代も激しいようだ。つくばに戻ったら再転送しなければ。

オーレリアの新譜

オーレリアサクソフォン四重奏団の新譜「FUGUE IN C OF DOG(Challenge Classics CC72148)」をようやく入手。このページでも抜粋を公開している(→http://www.geocities.jp/kuri_saxo/fugue/fugue.html)だけあって、数ヶ月前から心待ちにしていたものだ。イヌを真正面から捉えたジャケットがかわいい。

気合の入った二枚組みで、CD1はバッハ「フーガの技法」をカノンも含めてほぼ網羅、CD2は15人の作曲家に委嘱した新作のフーガを集めた、といった内容になっている。

CD1は、同一企画としてニューセンチュリー四重奏団のCDが記憶に新しいが、解釈の違いを楽しむのが一番だろう。どちらも技術的に全く問題なく演奏されているのは間違いないので、甲乙は付け難いところ。あえて違いを言えば、NCSQはどこまでも端正な演奏であるのに対して、ASQはやや即興的なアンサンブルのスリルを楽しんでいるような演奏、だろうか。

その意味ではCD2のほうがオーレリアとしてのアイデンティティがよく表れていて、面白い。一曲目の「Lessons of the Master」からしてフーガの技法の主題が断片的に聴こえるパロディ・ミュージック。贅沢にも、15人の作曲家による個性の違いを堪能できる豪華なディスクである。オーレリアも、ここぞとばかりに作曲者の意図を表現しようと奮闘している。

2005/12/27

サクソフォーンフェスティバル2005 概観

昨日はパルテノン多摩でのサクソフォン・フェスティバル。当初の目的は違うところにあったが、結局全部聴いてきてしまった。ここ三年間は立て続けに見に行っているが、サクソフォン好きには堪らないですね…今年も良かった(詳しいコメントは後日)。年末ということもあり、前年、前々年とは比べ物にならないほど客入りも上々だった。関係者が多いせいか、演奏によって盛り上がりが違うのは致し方ないかな。

管打楽器コンクールの入賞者演奏と現代邦人作品演奏をメインプログラムに据え、サクソフォーン協会会員や音大のラージアンサンブルなど、普段は聴けないプログラムを\3,000で堪能し放題。大変に価値があると思う。来年は二日間(12/23,24)に渡って開催されるらしい、これは楽しみだ。

印象に残った演奏を無造作にあげていくと、洗足のダフニス、宗貞氏のルクレールにおけるフレージング、ラッシャーに捧げられたというクノール、プッスール、板橋区演奏家協会のアグレッシブなクープラン、ウズメにおける須川さんの技術、キャトルの貫禄!の演奏、貝沼氏のデニゾフ、原氏のミステリアス・モーニング、田村氏のファジイ・バードのアドリブ、といぼっくす、フェスティバルオーケストラのキューバ序曲…などなど。

コンクール入賞者を筆頭とした若手勢は、若干テクニックに不安を感じる場所が散見されたのが残念だった。有名な曲が多かっただけに、余計にミスが目立つのは仕方ないのだろうか。対して、ベテラン勢は随分とのびのびと貫禄の演奏をしていたように見えた。演奏についてのコメントなど自分が言えた立場ではないですが(汗)、素直な感想ということで(苦しい…)。

「北山研究室(→http://www.ipc.shizuoka.ac.jp/~eeakita/kitayama/kita-j.html)」で有名なサクソフォン奏者の北山敦康氏に師事されている学生の方と、少しだけお話しすることができた(メールありがとうございました)。携帯電話やメールやインターネットがあるおかげでこのようなコミュニケーションもとることができるのは、数年前までは考えられなかったことだ。

2005/12/25

コロムビアから!!

アマチュアのサクソフォン奏者として有名なThunderさんがマルセル・ミュール四重奏団のLPを入手したそうです(→http://thunder-sax.cocolog-nifty.com/diary/2005/12/qlp_e962.html)。なんとデザンクロ、リヴィエ、ピエルネ、アブシル入曲!!こっ、これは聴きたい。

日本コロムビアの国内盤か…。ずっとErato盤を探していたからな、穴場だった…。フランスのサクソフォンもやっぱりいいなあー(あれ?イギリスは?)。

デファイエ四重奏団によるピエルネ、デザンクロ、リヴィエの録音(EMI)の発売に先駆けること7年、といったところか。なお、アブシルはルデュー四重奏団のCD(OPUS)を持っているが、明快で楽しい曲だ(余談だが、CeBeDeMの出版譜は味わいがあって好き)。

アンコン予選通過

吹奏楽連盟のアンサンブルコンテスト、なんとか茨城県代表獲得。東関東大会は千葉県だそうです。デザンクロの一楽章ということで、三楽章に比べて曲自体のパワーなんかの面で不安だらけだったが、良かった。

一般部門の演奏をいろいろ聴くことができた。打楽器?三重奏「オゾン」とか、トルヴェールfeat.本多俊之の「スペイン」とか、まるでコンボ編成の「A列車で行こう」とか、斬新な試みがいろいろ(笑)。しかし「マウンテン・ロード」のカットは…うーん。

明日はサクソフォン・フェスティバル!

2005/12/16

コンサート行けず…

昨日はダニエル・ケンジー(キエンツィ)氏の来日公演だったようだが、すっかり忘れていた。小串俊寿氏のHappy Sax Concertも昨日だったっけ。それにつくばエクスプレスが完成したといえど、つくば←→東京往復\2,300は少々痛い。

どちらのコンサートも忘れていたのには理由があって:住まいのインターネット環境がどうにも劣悪で、現在接続すら不可能な状況なのだ。おかげでコンサート情報も容易に入手できず…。一度快適なインターネット環境に慣れてしまうと、どうしても不便に思えてしまうのは人間の性かな。

サクソフォーンフェスティバルの詳細が出始めているようだ。メインプロは管打コンクールの入賞者演奏と、日本人作曲家作品の特集。ラーションが聴ける!さらに協会員による演奏ではトラクシォン・アヴァンがプッスール「禁断の園への眼差し」を、キャトル・ロゾーが照屋正樹「Hommage a Ravel」を、須川さんが「ウズメ」を、…と興味深いプログラムの数々。キャトル・ロゾーは実は生演奏を聴いたことないのでかなり楽しみだったりする。明日は四重奏の先生レッスン。

2005/12/15

「イギリスのサクソフォーン」ページ構想

イギリスのサクソフォン界に注目している。手元にあるサクソフォン関連のCD(たぶん120枚くらい)からイギリスのサクソフォンに関係するものをピックアップして、イギリスのサクソフォンに関するページを作成しようと思っているところ。日本人サクソフォン奏者でイギリスに留学経験をもつ方がほとんどいらっしゃらないためか、イギリスのサックスに関しては日本人は無知にも等しい。

10枚ほど選び出したアルバムをざっと眺めると、レパートリーを国内の作曲家に委嘱したり、自分で作曲したり、即興を重視したり…と、オリジナリティ溢れる活動が展開され、それが品質良く実を結んでいるのが判る。どの奏者もジョン・ハールの下、十分な研鑽を積んでいるためか、技術的にはまったく問題なく聴けるのが嬉しい。「志と技が一体になる」とはこういうことなのだろう。

そんなイギリスのサクソフォン界を掘り下げて、ぜひとも日本に広く紹介したいのだ。

四重奏を組んでいる関係上、実際の演奏でもなにかできることがあるかもな。フィトゥキンの「STUB」とアンドリエセンの「Facing Death」、どちらも大変クールな作品だ。四重奏で日本初演してみようか…。

2005/12/10

EPIC2014

たまには音楽ではない話題を。大学の集中授業で紹介されていた「EPIC 2014」(日本語字幕つき→http://www.probe.jp/EPIC2014/)というFlashムービーをご紹介する。

CERN研究所におけるWWWの発明以来様々に変革してきたインターネット。そのインターネットが将来どのような変貌を遂げるかを、Googleとamazon.comを中心に予見するというショート・フィクションである。Google、amazon、blog(Weblogger)、mixi(friendster)、そのどれにも触れたことのない人なんて、この時代にあってはほとんどいないだろう。インターネットユーザーにはぜひ一度観ていただきたい内容だ(専門でない方でも分かりやすい…)。

この内容に携帯電話の影響力についての考察を入れたら、さらに面白みが増したかも…というのはあくまでも私見。出来がいいだけになかなか発想が膨らんでしまう。ヴィジュアルやサウンドエフェクトも秀逸で、すばらしい。

2005/12/09

雲カルがグラス初演

とある、大変貴重な録音をいただきました。本当にありがとうございます。

2006/2/24の埼玉県和光市の尚美学園管弦楽団の演奏会で、雲井雅人サックス四重奏団がフィリップ・グラスの「サクソフォーン四重奏協奏曲」をやるそうです。サクソフォーン四重奏とオーケストラとの共演というだけでも貴重な機会であるのに、しかもグラスとは!日本初演であることはおそらく確実。ミニマル・ミュージックの中でも屈指のカッコよさなんですよね、この曲。ぜひ聴きに行きたい。

それにしても雲井雅人サックス四重奏団の、既存のサクソフォーン四重奏のレパートリーを根底から覆していくような積極的な活動には頭が下がる思いだ。いくらアメリカ留学を経験した雲井氏、佐藤氏がいるとはいえ、ともすれば名前を聞いたことすらない曲を高いレベルで聴衆に紹介し、日本のサクソフォン界に浸透させているのは、この大量生産・大量消費の時代にあって奇跡にも近い(それだけこの四重奏団が奇跡的なメンバで構成されているということなんだろう)。商業路線に乗らないことをやって消えていった団体が、今までいかに多かったことか。

吹奏楽でサックスをやっている現代の中高生に、ぜひ「マウンテン・ロード(CAFUA CACG-0039)」「チェンバー・シンフォニー(CAFUA CACG-0039)」を手にとってじっくり聴いてもらいたい。確かに自身も「マウンテン・ロードってなに?名前も聞いたことないよ…」と思いつつ渋々買ったCDだったが、その録音の隅々にみなぎる強い意思に一発でノックアウトされた。現代のサクソフォンの在り方として、雲井雅人サックス四重奏団の一連の姿勢はある種の理想形であると思う。

2005/12/06

移調作業完了

シューベルト「アルページョーネ・ソナタ」のEbサクソフォン用への移調、とりあえず完了しましたのでPDFで公開しています。ピアノ譜は非商用目的に限って再配布可能なものをWerner Icking(→http://icking-music-archive.org/)からお借りしました。

さて、次は何を編曲してみようか。コレルリやヴィヴァルディで有名な「ラ・フォリア」とか、バッハのオルガン前奏曲集とか、候補はいくつかあるのだが…さて。2005/12/06

2005/12/04

The SAX 特別号

「The SAX 特別号~美しき映画音楽の世界~」入手。なんと、雲井雅人氏と栃尾克樹氏が各ソロ三曲とデュオ三曲をCDに吹き込んでいるという豪華付録つき(というか出版のメインはこちらのCDのほうなのではないか?楽譜もソロパートしか付属していないし…)。テーブルトークやインタビューなど興味深く読んだが、雑誌本体にももう少しコダワリを見せてくれても良かったかも。というわけで、メインと思われるCDを聴いてみた。

雲井氏が吹き込んだ三トラックは、誤解を恐れず言えば「ミュールのような音がする」。ピアノの柔らかい音色とあいまって、なんだか昔の録音を聴いているみたいだ。「あふれる歌へのオマージュ」のときとはまた違う、素朴ながらも強い意志を秘めたような素敵な音色。「ニューシネマ・パラダイス ~愛のテーマ~」を聴きながら映画の最後の場面を思い出して危うくホロリとしそうになったぞ。雲井氏の音色へのこだわりが徐々に実を結び始めている様を堪能することができた。

栃尾氏はなんと映画「電車男」の実際のサウンドトラックにも参加しているようで、雲井氏とはまた違った独自の美音が耳に心地よい。若干細めの線ながらも透明感のある清潔な音色で、こちらも聴きものだ(欲を言えば、ソプラノで収録してほしかったかも)。栃尾克樹氏といえばアルモの印象が強いが、どちらかというと忘れられないのが1998年のシドニーオリンピック。シンクロデュエット・フリールーティンにおいて日本がロシアに肉薄し、銀メダルを獲得したときの競技音楽「MATE」において多重録音でバリトンとアルトを持ち替えて吹いているのだ。~せつない思い~と題された中間部はアルトとハープがメロディを奏でる、そこでの美しい音色の印象が強い。ちのみにこの音源ビクターから「AQUA DREAM(VICG-60453)」というCDで出版もされている。

余談だが、本屋に注文したところすでにアルソ出版に特別号の在庫はないとのこと。つまりあとは店頭在庫のみとのことで、買おうと思っている向きは早めに探すことをお勧めする。私は版元在庫なしと判った途端慌ててYAMAHAに電話してほかの支店から取り寄せてもらい、事なきを得た。

Olson III

テリー・ライリー「Olson III」という作品がある。なんでも1967年にストックホルムのNacka音楽学校の音楽教育プログラムの一環としてライリーに委嘱された作品だそうで、大規模なバンドと合唱にリードソプラノサックスが加わるという編成の、50分に及ぶ曲。たまたま新宿のタワレコで初演が収録された「Olson III(organ of corti 3)」を発見、思わず購入してしまった。

聴いてびっくり、CDを再生したとたん「to begin, to begin, to begin, to begin, to begin...」。なんかイッちゃってますな、これは。

「to begin to think about how we are to be」を一定部位で区切りながら50分間延々と繰り返す合唱団と、ハ長調でミニマル・ドライブするバンド、そこに絶妙に?絡むライリーのソプラノサックス。最初(おそらく)何がなんだかわからず演奏している人たちもだんだんと熱狂を帯び、最後には興奮のあまり叫びだす(^^;。最終部に数分に渡って聴かれる狂気とも言うべきサウンドは、凄い。

うーん、こんな音楽もあるんだなあ(という感想しか出てこない…)。話のネタにもどうぞ。ずいぶん変なCDが書架に増えてしまった。

2005/12/01

デザンクロ「レクイエム」のスコア

デザンクロ「レクイエム」のオーケストラ版スコア(出版はDurand)を入手。通常編成のオーケストラからトランペット、ホルンを省き、コル(Selmer製ピストン式ホルン、クリュイタンスのパヴァーヌのあれです)やバソン、ハープを加えた珍しい編成。ちなみに、世界唯一ともいえるデザンクロの作品集「Requiem(Hortus 009)」(絶品!)に収録されている「レクイエム」の録音は、オルガン伴奏へのリダクション版である。ローマ大賞受賞作「Symphonie」と一緒に、オーケストラでNaxosあたりが録音してくれないものか…。

近代フランス作曲家のうち、弦楽器や管楽器を多用した「音色の色彩感」を重視した流れに対して、デザンクロが複雑に組み合わされた「和音の色彩感」を実践した作曲家という流れを汲んでいることを、ご存知だろうか。ルーベー音楽院での勉学の後、パリ・コンセルヴァトワールでもプリミエ・プリを獲得、さらに両音楽院で教鞭を執ったという半端でないバックグラウンド。そこから生み出される音楽…どの瞬間においても、エスプリの火花が絢爛と散る美しさよ。

昨日は先生による四重奏のレッスン。和声感、音色、メロディと、さまざまな観点から見ていただいた。音を出すのが難しい管楽器、その名演奏家は名指導家でもある。充実々々。

gooでブログを検索してみたら知り合いのものが出るわ出るわ。五個くらい見つけたかな。