2005/04/30

新歓コンパで四重奏

4/28は大学の食堂でのコンパのさなか、四重奏で真島俊夫編「私のお気に入り」と「木星のファンタジー」を演奏してきた。「私のお気に入り」はおそらく今まで取り組んだ中で最高難度!何しろ真島俊夫編→トルヴェール仕様、ですから。楽譜に負けずに吹ききったうちの(自分以外の)メンバーのすごさを実感した。ソプラノ奏者Nは最後オクターヴ下げずに吹ききってHighA♭まで当ててしまうし、恐れ入りました…。「木星」はリードの調子が良かったせいかピアノの表現づけに気配りしながら吹くことができた。

新歓時期に一気にレパートリーの拡大を図ったのは収穫だった。おおよそ短期間で「私のお気に入り」を完成させられるレベルであるなら、他にもまだいろいろな事ができるはず…。いろいろなところから演奏依頼も来ているようだし今度は何をしようかな。

雲井雅人サックス四重奏団のサイト(→http://www.kumoiq.com/)にふらふらと行ってみたら「連載コーナー」に興味深い記事を発見。サイトウ・キネン・フェスティバルのコンサートの一つである「武満徹メモリアルコンサート」で「13人の奏者のための室内協奏曲」をやるらしい。サクソフォーンは雲井雅人氏。そういえばこの曲、去年のサクソフォーン・フェスティバルで聴いたっけ(サクソフォーンは大城正司氏)。浮遊感のある響きがなんとも得がたい快感をもたらしてくれる。近くに住んでいる方はぜひどうぞ。

2005/04/27

平野公崇「l'air」

平野公崇の新譜「l'air」を店頭で試聴して買ったのが4/3。渋谷のタワレコだった。冒頭一曲目、バッハの平均律クラーヴィア曲集第一巻第二番「プレリュード」の印象が鮮烈で、気付いたら手にとってレジに駆け出していた。試聴しなければきっと買わなかっただろうなあ。結果的に内容はなかなかのレベルだったので良かったですが。

平野公崇の演奏によるジャズのスタンダードやクラシックの名曲の数々はなんというか、新しい魅力が凝縮されたクールな音の世界。確かにジャズとしてのインプロヴィゼーションのセンスはアキコ・グレースの方に采配が上がるとは思うが、ここで聴かれるサクソフォンの即興はジャズで行われている「コードという枠」にとらわれたものではない自由闊達な歌…。非常にストレートで、潔く、美しい。

洗足学園音楽大学で毎週金曜日、4~6限に行われている「即興」の授業、ますます興味が沸いてきた。他校の人でも聴講するのは自由とのことなので、機会さえつかめられればぜひ観に行けたらなあと思っている。

2005/04/25

Saxcherzetのコンサート

遅くなってしまったが「サクツェルツェット(サクスケルツェット)」の公演の報告。洗足学園前田ホールはかなりの満員だった。出演しているサクソフォン奏者の方々の弟子、という感じの方が多く見受けられたかな。以前の松雪先生の門下発表会で知り合った方々にも2、3人会うことができた。

一曲目はヴィラ=ロボスの「ブラジル風バッハ第一番」。いやー、楽しそうに演奏しますね。冨岡先生のニコニコしながら演奏する姿を観てこちらも思わず笑みが。でもなんだかな、これだけ個性の強い奏者が集まってはいるが、ラージアンサンブルは個性が打ち消されているような気がしなくもない。という感じだった。ちょっとバランスも悪かったし(まあ結果的には杞憂に終わったのですが)。

二曲目、ソプラノ、アルト、テナー、ピアノでサミュエル・バーバー「思い出」。「アダージォ」ばりの哀愁をたたえたメロディが美しい。二宮和弘さんのテナーの音に惚れ込んでしまった。なんていうか、とても暖かい聴いていて幸せになれる音だった。

三曲目は「スカラムーシュ」!ラージでどんな響きがするか開けてみるまで分らなかったが、素晴らしかった!サクソフォン界の超有名曲であるせいか、お客さんの反応も上々。楽章間にはこれまた驚くような仕掛けが施されていて腰を抜かした。特に二楽章~三楽章にかけてのアレはいったい…張り詰めた緊張感の中で繰り広げられたそのパフォーマンスから三楽章の愉悦感への脱却の手法が見事。具体的にどんなパフォーマンスがあったかなんてここには書きあらわせません(笑)。ライヴで聴いた人の特権ですね。

休憩を挟んでピアソラ「ブエノスアイレスの春」、バーンスタイン「ウェストサイド96」。ピアソラは全国大会のときに聴いたアレンジに似ていたな…クヮルテット+ピアノで演奏されたウェストサイドは平野さんの強烈なビートを刻むバリトンに惚れた。完全に(ピアノを含め)リードしてました。最後の「マ・メール・ロワ」は純粋に音楽として聴くことができ、大満足。トップを吹いた冨岡先生のソプラノに心奪われた。

アンコールは池上政人さん演奏のカーペンターズ4曲に、おなじみ服部先生のチャールダッシュ(大喝采)。会場が大いに沸いた。チャールダッシュの時なんてまるで演歌ばりの拍手と歓声だったものな(前奏が聴こえた瞬間に「キャー!!パチパチパチ…」)。しっかりマシンガン・タンギングを堪能させていただきました。最後にスカラムーシュ変奏曲にて幕。終演後になんとか服部先生にもお会いすることができた。

夜も遅かったが、渋谷でSaxofourteの新譜(フランク・ザッパ入曲!)と\590の四重奏のガーシュウィンアルバム(意外と上手い)を購入してつくばに戻った。

PDFからHTMLへ

「ダイアリー」をhtmlで書き始めました。

2005/04/19

指揮ー!

吹奏楽の指揮振ってしまった、ああ恥ずかし。曲はリベラメンテ、木星のファンタジー、スペイン、舞子スプリングマーチ。それにしても久しぶりだったな…。改めて自分自身と指揮活動することの相性の悪さを痛感、というか人前に一人で出て行くのが生理的にやだな、という感じか。とにかく恥ずかしくてどうしようもないのだ。あまり外には出さないよう努力しているつもり(?)だけど。とりあえず指揮活動からは早く引退したい気分。ちゃんとしたクラシックを振れば少しは気分も変わるのだろうか。

明日は「サクツェルツェット(サクスケルツェット)」の公演。楽しみだ。服部先生に取り置きチケットまでお願いしてしまった。

2005/04/12

カザルス×ミュール×ブランデンブルク

「クラシック音楽へのおさそい ~ユング君のホームページ~」(→http://www.yung.jp/)というWebサイトがある。作者自身が公言する通り、さながら音楽版青空文庫を具現化したようなページである(著作権の切れた録音をデータベース化し、一般に公開しているというものだ)。貴重な録音も多いため、自分にとっては重宝するページである。ユーザー登録もしてあり、MP3ファイルをダウンロードして聴くことも多い。

さて、そのデータベースを巡回していたところ、なんとバッハ「ブランデンブルク協奏曲」のカザルス指揮プラド音楽祭のライヴ録音がリストにあるではないか!たしか1950年録音のはずだから、著作権が消失しているのも納得。この録音、一部のサクソフォン好きには有名な録音で、ブランデンブルク協奏曲第二番において、トランペットパートがソプラノサクソフォンで代奏されているというサクソフォン録音の歴史上重要な位置を占める記念碑的録音なのだ。しかもサクソフォンの演奏者はマルセル・ミュール(!!)。ノイズの中から聴こえるソプラノサクソフォンの音色は、すばらしい音楽で満ち溢れている。以前より所持しているPearlからの復刻CDよりも若干全体がクリアに聴こえるのは気のせいだろうか…?

カザルスがなぜトランペットではなくサクソフォンを選んだか理由には二つの説があるようだ。ひとつは、パリ・コンセルヴァトワールとセルマーが共同制作したミュールのインタヴューで語っていた記憶があるのだが、速く演奏したがったカザルスには、トランペットのクラリーノ音域における機動性の低さが不満だったようで、メンバーからカザルスに進言してソプラノサクソフォンを使用したという説。もうひとつは、原盤であるColumbiaへの録音を前提としたライヴ録音だったため、トランペットではレベル上昇による音割れの可能性があり、録音技師が進言してカザルスがソプラノサクソフォンへの変更を指示したという説。

どちらにせよ、サクソフォンが一つの歴史的事件に遭遇できたことを、21世紀の現在より回顧し嬉しく思う。

2005/04/11

ぎゃー、大失敗!

昨日のアンサンブル演奏でとちった。ウッズ「三つの即興曲」の第一楽章、最終部のテナーソロに出てくる最後のフェルマータHighF(Highといっても最高音Eの半音上、いちおうフラジオ音域)の伸ばしの音を外してしまったのだ!練習で失敗したことはなかったのに…。しかも新入生がいっぱい(芸術系サークル連合合同新入生歓迎ステージ)の中で…あー恥ずかしい!!そんなわけで昨日は早々に引き上げて、ショックと恥ずかしさで寝込んでいた。

バーンスタインの「アメリカ」と康英先生の「木星のファンタジー」がうまくいっただけでも救いか…しかしメンバーにはとんだ迷惑をかけてしまった。

2005/04/04

超豪華ラージアンサンブル

今日は松雪先生の門下発表会だった。渋谷のアンナホールでの本番で、デザンクロを吹いてきたのだが、とても充実した一日だった。夜も遅い(現在1:00am)のでその話はまた今度。とりあえずは下記の演奏会情報を(その発表会の打ち上げで以前松雪先生の門下で、現在は洗足学園サクソフォン科で池上先生に師事されている学生の方からコンサートの案内を頂いたのだ)。

マスターズコンサートシリーズ2005 Vol.1
スプリングコンサート 管楽器の名手達 「Saxcherzet」
出演:冨岡和男、池上政人、服部吉之、大和田雅洋、大城正司、岩本伸一、二宮和弘、平野公崇、原博巳
4/20(水)18:00開場18:30開演
洗足学園前田ホール
一般前売り2,500円 当日3,000円 学生1,000円
スカラムーシュ、マ・メール・ロワ他
お問い合わせ
http://www.senzoku.ac.jp/info/info_01.html

(上記ページ内のコンサートスケジュール4月~7月から辿れます)
団体名「サクツェルツェット」より推測するにラージ・アンサンブルだろうか?しかしこのサクソフォン奏者の顔ぶれ、すごすぎる…。

現在BGMは今日渋谷のタワーレコードで試聴して即購入した平野公崇の新譜「l'air」。すげえー。超サクソフォニスト級の演奏が繰り広げられている。

松雪明先生の門下発表会

昨日の門下発表会「スプリングコンサート2005」について。午前中につくばで軽く音を出したあと、渋谷へ。リハーサル前にタワレコで平野公崇の「l'air」(レール)とルソーのフェルド作品集を購入。アンナホールは初めて中に入ったけれど意外なほどに狭さに驚いた。サロンコンサートにとてもよさそうな感じ。

発表したのは尚美の現役音大生の方や大学生でアマチュアとして師事されている方、以前松雪先生の門下で、現在は別の場所で勉強している方、など様々だった。プログラムもクラシックの小品から、ドゥメルスマン、ハイデン、ミヨー、モーリス、ダンディ、そして最後に松雪先生によるベダールのファンタジー(圧巻!)と魅力的。ちなみにいまだかつて体験したことの無い緊張感の中で(小さい会場で、一級奏者の耳が揃うなか!)で吹く四重奏はちょっと異質な感じになった、と思う。録音しておけばよかったな。

それにしてもどの奏者も十分な技術を持ち、しかもとても素敵な方たちなのだった…。楽器をあれだけ吹けるというのはとても楽しそうだ。松雪先生に演奏を直に接したのは初めてだったがソプラノの低音域のイメージを覆すpにおける完全なコントロールと美しい音色にはずいぶんと感動してしまった。

終わったあとは打ち上げ!アマチュアの方のプロフィールを聞いてみるとラージアンサンブルで有名なエスポワール・オーケストラの方とか、千葉大の吹奏楽部でやっていた方、などいろいろ。また、洗足学園の音大生の方たちからたくさんお話を聞くことができた。ダンディを吹いた方はなんとパリでヴァンサン・ダヴィッド(!!)とクリスティアン・ヴィルトゥ(!!)にレッスンを受ける機会を得たこともあるとか。それから、昨年度より洗足学園で開設されているという平野公崇氏の即興の講義に関する話(講義内容とか試験とか)はとても興味深かったのだった。さらに康英先生の洗足での教えっぷりも聞くことができた。

いろんな人の音に接して、いろんな人とお話して、大きな刺激を受けまくった一日だった。