2005/01/31

アンサンブルコンサート、TSEとの出会い

吹奏楽団のアンサンブルコンサート。一番大きな出番はデザンクロの演奏だったが、ノバホールで吹く心地は他のいろいろの会場とまた違った感覚だった。アルト聴こえないー。

他の出演団体で印象に残ったのはやはりTSEの演奏。吉松隆「アトムハーツ・クラブ・クヮルテット」をギターデュオ版から編曲したものだったが、私たちの演奏とはまた違った強烈な個のぶつかりから生み出される音楽には圧倒させられた。おもしろそうだし挑戦してみたい気はするけど、吉松氏の言う「70年代ロックのエレギの音」というのには程遠い演奏になってしまいそうだ。ウチのクヮルテットにはやはりハーモニーの美しさで勝負する曲がぴったりくるのか?

アルメニアンダンスもすごかった。TSEのソプラノ奏者、Iさんが指揮を振るからこそ集まったゴールデン・メンバーによる演奏。ぜひ乗ってみたかったけどやはりサックスパートもゴールデンメンバー揃いで全く無理なのでした。演奏はもちろん、とても良かった。

TSEのメンバーの方にfさん(アマチュアサックスの世界でfさんと言ったらもちろんあのfさんです)を紹介していただいた。しかも今日はアルメニアンダンスにバスサックス!での出演のために来たらしい。いろいろお話させていただいたきました。

打ち上げでは飲みすぎました。おかげで二次会に行けなかったよ…残念。

2005/01/30

プロコンのエキストラ

管弦楽団のプロムナードコンサートに賛助出演。曲はクリフトン・ウィリアムズ「交響組曲」。最初はテナーサックスの都合のせいでしぶしぶ乗っていたけど、曲の面白さとかプレイヤーの上手さとかあいまってどんどん楽しくなった。本番は張り切りすぎたほど。貴重な経験になりました。暇な時間に吹奏楽の友達と西武やロッテリアに出掛けるのもまた楽し。金管アンサンブルの「Buzz Brass Ensemble」、超絶に上手かった。なんだあのタンギング。管弦の人(たぶんヴァイオリン弾き)が後輩のアルトサックスを借りて、楽屋で突然サックスを吹き出したのだが、これがまた上手くてびっくり!「プロヴァンスの風景」の「あぶ」吹いてたぞ。すげぇ。あー目から鱗がたくさんだったよ、昨日は。

サクソフォン吹きとしてはやはり「管弦楽」にコンプレックスを抱いているので、このような機会があるのはちょっとうれしい。本当のところを言えば、オーケストラのエキストラに乗りたいところだけど。死ぬまでに一回でも「ボレロ」は吹きたいなあ!管弦楽団の友達に頼んでみようか。あとクランポンのアルトサックスを使って「アルルの女」とか、テナーでジョリヴェの「トランペット協奏曲第2番」とか(無理)。

2005/01/29

楽器落とした…!

楽器を壊してしまった。数日前に「大切に使っていきたいです」と書いたばかりなのになあ…。肩掛けを使って運んでいたら、肩から滑り落ちて落下。ハードケースだから大丈夫かな、と思って吹いてみたら左手操作部のバランスが大いに狂ってしまっていた。あわてて閉店間際のWinds-Uに電話、店を閉めるのを待ってもらって、友達に車出しを頼んで行ってきた。およそ一時間の修理の末、なんとか音がまともに出る程度には回復。よかった~。修理代¥5250はちょっと高かったがまあ致し方ないだろう。次の大会までに一応野中の菊池さんのところに持ち込んで修理を頼むことにした。いろんな人にご迷惑おかけしました。リペアマンのおじさんは今晩ふぐ刺しの予定だったらしい、ゴメンナサイ!

楽器にもごめんなさい、と謝りました。楽器に申し訳ない気持ちがいっぱいだった。今日はこれから管弦楽団のコンサートの賛助出演。病み上がりだが何とか頑張ってこよう。
そういえば、カウンターが少し回っていた気がする。

2005/01/27

ロンデックスの吹く「PCF」

ジャン=マリー・ロンデックスの吹くデザンクロの「プレリュード、カデンツァ、フィナーレ」の音源をなぜか持っている。どこで手に入れたか全く覚えていなくて(高校のときに部室にテープかなにかがあったんだっけ?)気がついたら普通に聴いていた。そんなわけで私の中ではこの演奏がこの曲のスタンダードである。

手元のデータを見ると原盤はCrest RE7066で録音は1976年。録音状態は必ずしもよいというわけではなく、チリノイズが多少見受けられたり不満が無いわけではないのだが、しかしこいつは見事な演奏だ。技術的に破綻が無いのはもちろん、強奏部分での雄弁な語り口、一転弱奏でのしなやかな音色は他のどの録音でも聴けないものである。どうもロンデックスというとデニゾフの「ソナタ」を委嘱したり、Ensemble Intenational de Saxophonesの指揮者をしたりと1970年以降現代音楽に傾倒していったイメージがあるのだが、メロディアスな歌い上げを超有名オリジナル曲で聴くことが出来る貴重な音源の一つなのだろう。しかももしかしたらこの音源は「プレリュード、カデンツァ、フィナーレ」の世界初録音じゃないのか?

ロンデックスはかなり多くの録音を遺しているようで、他にもEMI Franceの復刻版とか、他にも手軽なところではSaxAmEというサイト(→http://www.saxame.org/)で抜粋録音を聴くことが出来る。SaxAmEのラインナップはイベール「小協奏曲」、シュミット「伝説」、ボノー「ワルツ形式による~」、さらにモーリス「プロヴァンス」の管弦楽伴奏版など。もちろん全て抜粋だが。うーん、ぜひ全曲聴きたいところ。完全な形で復刻してほしいぞ!

PCFもよくよくデータを見るとこの盤のSideA Track4とのこと。ほかのトラックも聴いてみたい!どなたかこのCrest盤、お持ちでないですかねえ。

2005/01/26

コンクール曲決め

昨晩トレーナーの先生がいらっしゃったので指揮者で集まって夏のコンクールの曲を決めた。課題曲は5番「リベラメンテ」、そして自由曲はバルトーク「中国の不思議な役人」に決定。

今年はいわゆるマーチの年。リベラメンテはその中でも特異な曲で、モーダルな主題がメカニカルに楽器間で交換されつつ高速で曲が進行してゆく。拍子はあるもののあくまでガイド的なもので、実際のパッセージはかなり変拍子的なもののようだ。作曲者による音遊びを吹きながら満喫できる佳曲。役人は、始め方を変えて違ったカットで挑戦してみようということになった。

曲の完成を早めるため、取り組みを急がなくてはいけないが、ま、何とかなるだろう。県大会は問答無用で突破しなければ。話し合いが終わったのが午前二時。帰りは大雪、何とか部屋に帰り着く。

お祝いメール

O先生からお祝いのメールが!H先生の連絡先を聞き、自宅、携帯に相次いで電話。携帯でやっとつながった。「フェスティバルでお世話になった…」といったら「ああ、くりちゃんか!」だって(笑)。CDを送っていただく約束も再度しました。

プロコン練習初参加

管弦楽団のプロムナードコンサートの吹奏楽ステージの練習に初参加。しかも今日が最後の練習、ゴメンナサイ。だってアンサンブルの練習が忙しくて…。

管弦楽の人が吹奏楽をやるとこんな感じなんだー、と勝手に納得して帰ってきた。普段から吹奏楽しかやらない人はストリングといっしょに吹く機会がないのが問題なのかな。管弦の友達も言っていたけれど、ストリングとのアンサンブルは音色、音量、ピッチなど気を使うことが多いのですごく勉強になるらしい。そんなわけでアンサンブル能力は吹奏楽団より上だったのでした。うらやましいなー。指揮者の方(茨城大医学部を出て現在は筑波大学の博士課程にいるらしい、すげえ)の奏者に対するアドバイスも非常に無駄のない的確な、音楽的なアドバイスであった。本番が楽しみになる演奏でした。こんなに楽しいなら来年も乗りたいな。

明日はアンサンブルの久々の練習。朝七時集合の練習を三週間ぶっ続けでやると、普段どおりの練習頻度がブランクに感じられてしまうという困ったことになる…いままさにそんな状態なわけで。明日は私のお気に入りやサンジュレ、あとデザンクロの残りの楽章の音だしでもしてみようか。

小出郷吹奏楽フェスティバルの幕前曲とか新歓アンサンブルの曲とか決めないと。あとそろそろ来年のアンサンブル曲も?マウンテンロードの楽譜早く来ーい。

2005/01/25

デザンクロ第3楽章のためのノート

デザンクロ第三楽章のためのノート。いろんな先生から聞いたアドバイスで特に重要だと思われることを載せてあります。明らかな間違いがあったら指摘してください。

・この曲のこの楽章の最大の魅力は、和声感にある。
・あくまでもフランス人が発音するフランス語のように、常にアタックに気をつけて。
・前奏は、「オルガンのように」。和音分析をし、根音と5度を前面にし、バランスの良さを出して。デザンクロはコンセルヴァトワールで和声楽の教授をしていた。息子のフレデリックはオルガン奏者。
・anim.は速すぎず。しっかり楽器を鳴らそうと思えばそんなに速くは吹けないだろう。
・アレグロ・エネルジコ冒頭のテナーの音がなぜかH(実音A)で記譜されている。G#(実音F#)間違い?とは思うものの実際は奏者の裁量でどちらを吹いても良い。Hはソプラノの旋律に対して5度、G#は3度で、G#の方が響きに厚みが出る。傾向として日本人はG#を好み、フランス人はHを好むようだ。私はG#にして吹いています。
・アレグロ・エネルジコのテーマではリズム感(一拍目と二拍目ウラ)を強調し、鋭角的なフレージング感を出すこと。また、ここの速度(四分音符=126)が曲全体のトップスピードである。
・トランクイロはフランス語のヒソヒソ話。静かに。
・トランクイロに二楽章のテーマが回想されるが、二楽章の速度と雰囲気をそのまま引用せず、あくまで三楽章の中ということを忘れずに速度などを決定すること。
・アルトとテナーのデュオの四拍目、「三拍目からのタイ付き三連符」の後ろ二つの音を正確に。日本人がやると四拍目ウラの十六分二つになってしまいます(なんかわかりづらい説明だ)。
・モルト・トランクイロはフランス語のもっと小さなヒソヒソ話。もっともっと静かに。
・Kの2小節前からの強奏部分、三拍目表のウラの十六分音符をしっかり目立たせたい。
・Mの2小節目のテーマの変奏のスラーを取った演奏が多いわけ(知らずに「みんなやってるから」とスラーを取る人が多いが…)。実は、ミュールのサクソフォーン四重奏団による初演に接したデザンクロがコンサート後、ミュールたちに「ここはスラーで書いたが、スラーを取ってスタッカートで演奏した方が良いでしょう」とアドバイスしたためなのだ。へえ。出版譜がスラーなしになっていないということはそのとき既に出版された後だったということだろうか。ちなみに、比較的古い録音であるデファイエ四重奏団とギャルド四重奏団の演奏では、ちゃんとスタッカートで演奏しています。
・最終部、テナーの鬼門:低音域超高速十六分スラーは「気持ちが負けないように」吹きたい。何度このアドバイスに勇気付けられたことか…。
・最後の六連符(最初の音欠け)はラヴェル「ボレロ」の最後の引用です。
たくさん演奏されている曲ですので、誰かのお役に立てれば幸いです。

2005/01/24

使用楽器

自分の使用楽器についてちょっと。一台目はアルトサクソフォーン、セルマーのSerieIII。高校二年生の10月ころに買っていただいたもので、買った直後から吹きこなすのにかなり苦労している。実はもともとアルトはかなり苦手…そんなわけで貸すことのほうが多い(勿体ないなあ)。高校で後輩がアンサンブルでリヴィエをやったときとか、吹奏楽団の先輩に貸したりとか、稼動させてはいるのだが。アルトを吹くときに使っているリガチュアはRovnerのEddie Daniels IIモデル。個人的に超オススメのもので、深い響きを楽に出したいという方は試してみたらいいかも。

二台目はテナーサクソフォーン、セルマーのReference54。高校三年生に上がるお祝いに買っていただいたもの。アンティークサテンの楽器で、どこに持ち込んでも注目していただけるのがうれしい。買いたてはピッチを安定させるのに苦労したが大学二年の初めころからようやく落ち着いてきた。基本的に180 - 3かC* - 3.5のセッティングで使う。リガチュアはBAY。限界を感じさせない楽器で、ジャズでもクラシックでも奏法に素直に反応してくれる。吹奏楽、アンサンブルでのメイン楽器。設計ベースがSerie3のためか、息の入れ方によっては音がずいぶん遠くまで通るので、ソロをとるのもらくらく。

どちらの楽器も、大切に使っていきたいです(なんと安易なまとめ方…)。

東関東の思い出

昨日の東関東大会の感想を少し。出発前に練習場所でBAYリガチュアを失くして焦った。見つかったけど。支部大会というものに参加すること自体初めてで、会場に到着したときから物々しい雰囲気に圧倒されっぱなしだった。到着を遅くしたため、一般はほとんど聴けなかったのだがたまたまロビーでビデオを上映しており、ロッチウィンドとフロートサクソフォーンアンサンブルの演奏を耳にすることが出来た。ロッチのベルノー四楽章の超絶演奏とかフロートのメンデルスゾーン(おおっ、編曲は康英先生だ)の昇華された音楽とか、さすがに支部大会は違うなあと素直に思った。フロートのThunderさんらしき方もロビーでちょっと見かけたぞ(頑張って話しかけようと思ったけどさすがに勇気がなかったです…)。

演奏は、4人ともが気持ちよく吹ききることができたようで。私なんかは序奏部分で手が震えてたけど、アレグロ以降は順調だったのでまあ良し。テナー吹きなら誰でも苦労するフィナーレの低音域16部音符もきっちり決まった、っけ。よく覚えてないな。表彰式。金賞、東関東代表!おお!

代表になれたのも嬉しかったし、いろんな方に喜んでもらえたのも嬉しかった。SさんとかKさんには祝勝会でずいぶんおごってもらいました。お忙しい中練習に付き合っていただいた、特にM先生、他いろんな方々に感謝いたします。

代表獲得!

東関東代表に選ばれて全国に推薦された。「行きたい!」とは思っていたけどまさか本当に行くことになるとは!!頑張ってこよう。いろんな人からの祝福メールがとても嬉しかった…。特にM先生から頂いた言葉、本当に嬉しかった…。

夜も遅いしとりあえずゆっくり休もっと。

2005/01/23

デファイエのこと少し

そろそろデファイエ四重奏団のデザンクロの演奏が終わりそうだ。デファイエの生の演奏に触れたことがない私としては彼の音を想像で終わらせるしかないのだが、じかに彼の音に触れたことがある、とある著名なプロサクソフォーン奏者H氏の言葉が忘れられない。

その方は学生時代に1974年ボルドーでの世界サクソフォーンコングレスに出掛けて行き、そこで本場の音に触れたことがあるそうだ(この時、有名なベルノーの「ソプラノとバリトンのためのソナタ」が初演されている)。曰く、「デファイエの音は今では録音でしか聴けないが、あんなもんだとは思っちゃいけない。俺たちは生でその音を聴いたことがあるからそう言えるんだ。まるで100km先まで全く曇りなく見通せる水晶のような音だったんだ」と。

しかしさらにデファイエ自身もこう語っているらしい。「私の音なんかよりもミュール先生の音のほうが100倍も透きとおった音だった…。」

2005/01/22

New Art Saxophone QuartetのWebページ

new art saxophone quartetのWebページ(http://www.new-art-sax.com/)で今まで発売されたCDの音源が全曲128kbpsの音質でダウンロードできる!ドイツ語のページで左のメニューから「DIE HORBAR」を選ぶと、リストが出ます。私も早速、持っていない「Songs and Dances」と「Guarda!」をダウンロード。

今までサクソフォーンの発展が目覚しくなかったドイツで注目すべき団体であり、その上手さには舌を巻くばかり。アルバム「Tempesta」においてはなんと弦楽四重奏曲を集めて披露していますが、サクソフォーンの楽器の制約を微塵も感じさせずに聴き手を音楽に委ねさせてくれる。「Primavera」や「Songs and Dances」(いちおし!)もすばらしい!「Guarda!」はまだあまり聴いていませんがなかなか面白そうだなー。

同じような試みは他のサクソフォーン四重奏団のページでも行われているが、ここまで太っ腹なのは他に見たことがない…。

あえてあげれば4uatreのページ(ごく最近リニューアル。しかしデザインセンスは相変わらず→http://4uatre.free.fr/)か?音質は悪いが様々な録音の全曲版を聴くことができる。

雲井雅人「Saxophone meets Shubert」

伊藤康英先生に前々からご紹介を頂いていた「Saxophone meets Shubert」を2004/12/22のサクソフォーンフェスティバルで発見。会場で雲井さんと康英先生を見つけてサインをいただきました。ラッキー。(フェスティバルの話はまたどこかに。とても充実したものだった)。康英先生は須川さんの演奏を聴きに来てたらしい。

1曲目、アルペジォーネ・ソナタは一昨年の栃尾さんのリサイタルでのバリトンサクソフォーンによる超名演の印象が強く、栃尾さん以外の演奏はどうもあまり進んで聴くことができない。

2曲目、シューベルト「冬の歌」全25曲を布施雅也のナレーション&歌、康英先生のピアノ、雲井雅人のサクソフォーンで。本当に、素敵な演奏。ふだん奏される「冬の旅」と違って独自の解釈にてまとめられているが、布施雅也のナレーションはまさにハマリ役。圧倒的な存在感。康英先生が弾くベーゼンドルファーの弱奏におけるタッチの美しさ、雲井雅人の美音(康英先生のピアノと本当にマッチします)。恥ずかしながら「冬の旅」に触れるのは初めてなのだが、そのほうが違和感なく聴くことができるのだろうか?原曲を知っている人が聴くとどういった印象を受けるのだろう…。

John Harle「Sax Drive」

ジョン・ハールのアルバム「エレジー~スタン・ゲッツに捧ぐ」のライナーノーツに載ってた文。

「木管楽器と金管楽器を無理やり結婚させるという、どこか悪魔的なたくらみとさえいいたくなるこの楽器がすら感じさせるこの楽器が…」。

へえ、なるほどそういう言い回しは初めて。ふつうは「木管楽器の音色と金管楽器の豊かな音量を併せ持ち両者間の音のブレンドを目指して開発された」とかだもんね。新鮮だな。「悪魔的」ですかい。

しかしハールは巧いな。ハールをサクソフォーン奏者として好きという人に、まだ一度も会ったことがないのだけど私はかなり好きだな。もしかして技巧レベルは世界で3本の指に入るくらいじゃないか?イベールの超々ハイトーンカデンツァとか(イベールのカデンツァと言えばブランフォード・マルサリスのも凄いよなあ…いかん話がズレた)「野兎狩り」での即興演奏対決とか、私の中ではなんかやたらとスーパーマンなイメージが強い。いくら難しいことやっても全く音色が変わらないことにえらく驚き。このアルバムでも名人芸全開。

今年初めに某中古CDショップの通販で手に入れたのだが、「見本品」の文字が…い、いいのか?貸与管理番号までついてるし。

明日は東関東大会

明日は東関東大会だが、風邪をこじらせてサークルのほうは早々に切り上げ帰ってきた。アンサンブルは今日の合わせでほぼ最後となるが、今日やった最後の通しではいい演奏ができた。「自分たちの音楽を」を心に留めて吹いてきます。

そういやもうデザンクロに取り組み始めてから4ヶ月も経つことになるが、いまさらながら最初に作った参考音源集に耳を通す。東京サクソフォーンソロイスツ、オーレリア四重奏団、アレクサンドル四重奏団、トルヴェールクヮルテット(旧録音)、デファイエ四重奏団。大好きな演奏を集めてある。

…おお、たったいまM先生から応援のメールが!「自分たちの良いところを聴いてもらえるような演奏を」とのこと。頑張ります!

2005/01/21

デファイエQのLP録音

デファイエ四重奏団のリュエフ、ティスネ、パスカルの録音。リュエフの冒頭、一発目のバリトンの音を聴くことは長年の夢だったけれど、ああ、こんなにも豊潤な音色だとは…。まさに世界最高のバリトンの音と呼ぶにふさわしい。デファイエ四重奏団の録音を初めて聴いたときから、一番好きなバリトンサクソフォン奏者はジャン・ルデュー。OpusやPolymnieから出ているルデュー四重奏団のCDでも驚異的な音楽を聴かせてくれる(Opusへの吹き込みはルデュー氏が64歳の時、Polymnieに至ってはなんと73歳のときの録音!)。

よく取り出して聴くのはパスカル。フランスのエスプリがしっかり効いた素敵な演奏。1797年版のアントワーヌ・リヴァロル著「新フランス語辞典趣意書」において、「エスプリ」とは「速やかに見てとり、キラリと光ってみせ、打ち勝っていく能力」と説明されているが、まさにそんな感じであります。個人的に好きな第4楽章、随所に散る火花は私を魅了してやまない。

そしてこちらも感激!!ずっと聴きたかった、デファイエ四重奏団の小品集。録音は来日時にこまばエミナースにて。一曲目は「G線上のアリア」。個人的に知ってるプロのトランペット奏者の方が、エアチェックしながら最初の音色を聴いて「フルートの音色みたい」と思ったらしいが、あながち言っていることが分からないでもない気がする。曲の最後がffで終わるのは今となっては伝説であるらしいですな。フルモーサクソフォン四重奏団が2002年の来日の際に同じアレンジと解釈で演奏をし、話題になったとかならないとか。

この小品集の録音のキモはスカルラッティの「3つの小品」だろう。EMI Franceに遺された録音(ピエルネ、デザンクロ、リヴィエ、シュミット)を聴く限り、もっと(いい意味で)じゃじゃ馬な演奏を期待していたのだが、意外と統制感が漂い、さらに強烈な個々のテクニックと美しい音色が音楽としての価値を高ている。個人的には第1楽章「プレスト・ジョコーソ」のドライヴ感が大好き。